2018-11-17 @みなとみらいホール
ロリー・マクドナルド:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
エルガー:序曲「南国にて(アラッシオ)」
ワーグナー/フリーヘル編:楽劇「ニーベルングの指環」 
 -オーケストラル・アドベンチャー-
 序夜:『ラインの黄金』
 ♪01前奏曲
 ♪02ラインの黄金
 ♪03ニーベルハイム
 ♪04ヴァルハラ
 第1日:『ワルキューレ』
 ♪05ワルキューレたち
 ♪06魔の炎
 第2日:『ジークフリート』
 ♪07森のささやき
 ♪08ジークフリートの英雄的行為
 ♪09ブリュンヒルデの目覚め
 第3日:『神々の黄昏』
 ♪10ジークフリートとブリュンヒルデ
 ♪11ジークフリートのラインへの旅
 ♪12ジークフリートの死
 ♪13葬送行進曲
 ♪14ブリュンヒルデの自己犠牲
今季・神奈川フィル定期(みなとみらい定期、県民ホール定期を通して)最大の楽しみが今日のワーグナーのフリーヘル編「ニーベルングの指環」オーケストラル・アドヴェンチャーだった。
一昨日のウィーン・フィルの「神々の黄昏」抜粋版がもたらす夢見心地は30分で覚めたが、フリーヘル版は「指環」4部作(演奏は4日間にわたり、計15時間を要する。)を網羅しているだけあって60分強のノンストップ興奮の旅だ。
この熱い期待に応えて、近年好調の神奈川フィルの演奏も緩みなくほぼ完璧だった。
高域弦の透明さ不足を除けばウィーン・フィルも吃驚の迫力。
「〜黄昏」の中で有名な「ラインの旅」のホルンソロが確実に決まって見事(Wフィルは1音外した)。
https://youtu.be/_MkMdlfl8Hg?t=3
欲を言えば、ハープ4台、ホルン9本、ティンパ2組など管打の大編成に対し、弦は変則14型?ここは各部あと1〜2プルト(プルト=譜面台。1本に付き奏者2名)ずつ増強してほしかった。
さて、余談になるが、指環の抜粋モノは数々あれど、全4部作を網羅した管弦楽版でノンストップ1曲にまとめ上げたのはこれしか無いのではないか。
2年前に都響定期で演奏したラインスドルフ版では「ラインの黄金」からは1曲も盛り込まれていなかった。尤も、この時は指揮者のアラン・ギルバートが手を加えた版だったので、彼が端折ったのか、元から入っていなかったのかは分からない(演奏時間約52分)。
4年前に東響定期では今日と同じのフリーヘル版を演奏して、これが素晴らしかった。今、プログラムを読み返したら演奏時間70分と書いてある。今日の神奈川フィルは60分と記載してあり、実演も61分だった。手持ちCDでは66分だ。すると、今日の神奈川フィルは少しテンポが速めだったのかもしれないな。
いずれにせよ、管弦楽を聴く喜びに満たされた名曲であり、名演奏ではあった。そして何より、ワーグナーがよくぞこの畢生の大曲を残してくれたものだと感謝する。
♪2018-148/♪みなとみらいホール-33


