指揮:ジャン=リュック・タンゴー
演出:鵜山仁
美術:島次郎
衣裳:緒方規矩子
照明:沢田祐二
振付:石井 潤
合唱⇒新国立劇場合唱団
管弦楽⇒東京フィルハーモニー交響楽団
カルメン⇒ジンジャー・コスタ=ジャクソン
ドン・ホセ⇒オレグ・ドルゴフ
エスカミーリョ⇒ティモシー・レナー
ミカエラ⇒砂川涼子
スニガ⇒伊藤貴之
モラレス⇒吉川健一
ダンカイロ⇒成田眞
レメンダード⇒今尾滋
フラスキータ⇒日比野幸
メルセデス⇒中島郁子
ビゼー:「カルメン」全3幕〈フランス語上演/字幕付〉
予定上演時間:約3時間35分
第Ⅰ幕55分
--休憩25分--
第Ⅱ幕45分
--休憩25分--
第Ⅲ幕65分
17年1月公演と同演出だが主要キャストはミカエラ(砂川涼子♡)以外は総変わり。
が、カルメン役もエスカミーリョ役も、それぞれの役が得意の声域ではないように思えた。低域が中高域に比べてすっきりと出ていない、地声風の箇所があった。
それに何より残念なのはカルメンに華やかさや妖しさが不足していた点だ。でも、これは、前回との比較でそう思ってしまうのであって、今回を初めて観た人には満足できたのかもしれない。
美術・衣装とも前回と同じだったが、第1幕のタバコ工場の女工たちが大勢登場するシーンの彼女達の衣装の色彩設計の妙に、今回は感心した。
4、50人居たろうか、その大勢の衣装の色合いが実に美しい。原色といえば白と黒だけ、それも極めて少ない。他の色合いはベージュを基調にした〜といってもカラフルではある〜とはいってもすべてパステルカラーの穏やかさ、渋さがある。
この色彩設計が衣装担当によってもたらされたのか、美術担当の仕事なのか分からないが見事で、このシーンは一幅の名画のようでもあった。これもオペラ観劇の楽しみの一つだなと得心した。もっとも前回はほかの事に気を奪われて衣装の色彩には気がつかなかったが。
いずれにせよ、次々と繰り出されるお馴染みの名曲・名旋律。
「カルメン」は頭から尻尾まで餡が詰まった鯛焼きの如し。