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2025年9月10日水曜日

横浜交響楽団 第742回定期演奏会 【交響曲の楽しみ②】

2025-09-10 @県立音楽堂



平野桂子:指揮
横浜交響楽団

ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36




プログラムに魅力はなかったけど、指揮の平野桂子さんが楽しみだった。

明るくて、気取りがなく、愛想が良い。横響他アマオケばかりだけど今日で4回目。

自由席なので、いつもは、後ろの方で聴くのだけど、今日は平野さん目当てに、実質7列目の真ん中に陣取った。

それが拙かったのかも。
前半のロッシーニ2曲は、何でこんな曲を選んだのだろうと思うほどバラバラで、いくら平野さんがんばっても無理だよ。
言っちゃあ悪いが音楽以前。

後半のチャイコ4番は、まあ、いろいろと聴かせどころがある曲だから、それなりに収まったか。

でも、アマオケに共通する悩みで、弦の面子が揃わなかったか、弦5部は歪な構成。10型と12型の中間で、全体として原画不足。特にコンバスが3本しか居ないのでは、低音部の厚みが足らなかったよ。

でも、平野さんは終始明るくて良かったよ。陰ながら応援したい。

♪2025-121/♪神奈川県立音楽堂-08

2025年6月11日水曜日

横浜交響楽団 第740回定期演奏会 【交響曲の楽しみ①】

2025-06-11 @県立音楽堂



鏑木蓉馬:指揮
横浜交響楽団

ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」
ベートーべン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」
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ブラームス:ハンガリー舞曲第1番



◀️感想省略▶️





♪2025-076/♪神奈川県立音楽堂-07

2025年4月4日金曜日

小笠原伸子 四大協奏曲の饗宴

2025-04-04 @県立音楽堂



横浜バロック室内合奏団/東京室内管弦楽団
小笠原伸子:バイオリン

ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 作品61
ブラームス:バイオリン協奏曲ニ長調 作品77
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64
チャイコフスキー:バイオリン協奏曲二長調 作品35
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ビバルディ:「四季」から第1楽章(弦楽合奏)





今日は、小笠原伸子(元神奈川フィルのコンサート・マスター⇒女性コンマスの草分け的存在で、現在は複数の室内楽団を主宰)の70歳を記念して開かれた。

これまでは、3大協奏曲を弾く演奏会を年に1回開いていたが、今年は、70歳の節目ということで難曲揃いの協奏曲を一度に4曲(指揮者無し。全曲暗譜)も演奏するという空前絶後・前代未聞・前人未踏の<暴挙>をやってのけた。

それで、普通のコンサートならせいぜい2時間のところ、4曲もやるというので3時間半を要したが、彼女も、彼女をサポートするオケも全篇緊張感を維持し、全くダレることなる弾き切ったのは、演奏の上手い下手をとおり越して小感動だった。

これを齡(よわい)70のバサマがやってしまうのだ。
途中20分の休憩が設けられたが、これは小笠原の為というよりむしろ小用を必要とするお客の為だ。
彼女はステージでは当然3時間10分立ちっぱなしだが、恐らく休憩中もオケとの打ち合わせや残り2曲のおさらいなどで座っている間もなかったろう。
一度座ってしまえばランニングハイが緩んでしまう心配もあったろうな。

そういう意味では、客席の方もテンションが掛かったままだ。


そう、このコンサートでは演奏者もお客も、まるでマラソンを共に走っているようなもので、アドレナリン出まくりであった。

その分、いったい音楽を聴いているのか走っているのか分からなくなるような得難い?緊張に包まれたので、最後のチャイコが終わった時は奏者ともどもどっと〜もちろん心地良い〜疲れに襲われながら、互いに健闘を称え合って盛大な拍手歓声が鳴り響いた。

終演後マイクを持った小笠原は、10年後、80歳の記念には5大協奏曲をやってくれとリクエストが来ていますが、さあできるでしょうか?と言っていたが、彼女ならやってのけるかもしれないな。

僕はその時88歳か。
生きているかどうかも怪しいが、聴きながら往生するのもいいかと思うよ。

因みに、昨日は4月4日。
これも4大協奏曲に合わせたものだった。
すると10年後は5月5日か。

♪2025-043/♪神奈川県立音楽堂-06

2025年2月23日日曜日

オペラ「オルフェオ」開館70周年記念 音楽堂室内オペラ・プロジェクト第7弾

2025-02-23 @県立音楽堂



指揮:濱田芳通
演出:中村敬一

アントネッロ(管弦楽)
 バイオリン:天野寿彦、吉田爽子、宮崎蓉子
 ビオラ:丹沢広樹
 ビオラ・ダ・ガンバ/リローネ:武澤秀平
 ビオローネ:布施砂丘彦
 コルネット:濱田芳通/細川大介
 コルネット/ナチュラル・トランペット:得丸幸代
 サクバット:南紘平/野村美樹/栗原洋介
 ファゴット:長谷川太郎
 リコーダー:織田優子
 リュート:高本一郎
 ハープ:伊藤美恵
 チェンバロ/ハープ:曽根田駿
 オルガン/レガール:上羽剛史
 パーカッション:立岩潤三

坂下忠弘(オルフェオ)
岡﨑陽香(エウリディーチェ)
中山美紀(ムジカ/プロゼルピナ)
彌勒忠史(メッサジェーラ)
中嶋俊晴(スペランツァ)
松井永太郎(プルトーネ)
今野沙知恵(ニンファ)
中嶋克彦(牧人)
新田壮人(牧人/精霊)


モンテヴェルディ:オペラ『オルフェオ』新制作
プロローグと全5幕
<イタリア語上演・日本語字幕付き>
神奈川県立音楽堂、兵庫県立芸術文化センター、アントネッロ 共同制作

予定上演時間:約2時間45分
 第1部  60分
  休憩    25分
 第2部    80分






モンテヴェルディの「オルフェオ」を初めて、それも古楽Ensで聴くことができた。実に良かった。堪能した。

音楽堂では過去に、モンテヴェルディの「…夕べの祈り」や「ポッペアの戴冠」を楽しんだが、ちょっと乾いた響が古楽にピッタリという感じ。

オケは「アントネッロ」で指揮の濱田芳通(リコーダー/コルネットの名手で時々楽器を持つ時は客席に向き直る)を入れて総勢19人の小編成だが、手にしている楽器が、古楽器ばかりなので、俄ピット(客席4列取り払った)はバロック楽器博物館みたい。

「…夕べの祈り」の冒頭も登場する「ゴンザーガ家の<音の紋章>」が「オルフェオ」にも冒頭演奏されることは知っていたが、今日は趣向が少し違った。アレ?と思ったが理由はプログラムに書いてあった。でも、少し遅れて<音の紋章>が華々しく始まると、もう、ワクワクする。

音楽は実に心地良い。しばらく経つと旋律に慣れてしまって、何となく付いて歌えるような親しみを覚えてくる。

ある意味、悲劇だけど、音楽は明るい。全然深刻な感じはなくて、強引な結末も、これはお祭りなんだなぁと納得する。

指揮活動を引退したミッキー(井上道義)の姿も休憩中のロビーで見た。血が騒いでいたのではないか。


♪2025-026/♪神奈川県立音楽堂-04

2025年2月2日日曜日

横浜交響楽団 第737回定期演奏会 【新春コンサート】

2025-02-02 @県立音楽堂



鈴木衛:指揮
横浜交響楽団
バイオリン:門岡亜純*

團伊玖磨:祝典行進曲
ハチャトゥリアン:バイオリン協奏曲ニ短調*
フランク:交響曲ニ短調
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ペタル・フリストスコフ:無伴奏バイオリンのための12の奇想曲から「リトル・トッカータ」*



祝典行進曲は吹奏楽を経験したものにはとりわけ懐かしく、時々は聴きたいと思っているだろうが、どっこい生で聴く機会が非常に少ない。記録を見れば、前回はなんと2014年の2月だというから11年間も聴いていなかったよ。

その時は横浜市消防音楽隊55周年記念演奏会だった。もちろん、本家吹奏楽版だ。

今回は、團伊玖磨が自ら横須賀交響楽団のために編曲したという管弦楽版だった。まあ、そうだろうな。横響が演奏するんだから。

ところが、う〜む。
イマイチだったな。
管弦楽版て、なんかスカスカ穴が空いている感じで、違和感大有りだった。やはり、吹奏楽版がいいね。
また11年待つのかな…。生きていないかもな。

ハチャトゥリアンのVn協が超絶技巧でけたたましかったな。

フランクのニ短調。好きな作品だが、今日の出来はイマイチ。とても、オルガン風の響は聴こえず。いつもデッドな響の音楽堂が、冬場の特徴かもしれない、一層乾いた音になっていたせいもあって、潤いのない合奏になった。

♪2025-018/♪神奈川県立音楽堂-03

2025年1月25日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 第19回フレッシュ・コンサート 未来を奏でる新星たち

2025-01-25 @県立音楽堂



高井優希:指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
バイオリン:郡司菜月*
ピアノ:山縣美季**
(指揮:高井優希)

シューベルト:劇付随音楽「魔法の竪琴」序曲 D644(ロザムンデ序曲)
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11**
------------------------------
アレクセイ・イグデスマン:アップルマニア*
ショパン:別れの曲**



◀️感想省略▶️


♪2025-012/♪神奈川県立音楽堂-02


2025年1月11日土曜日

神奈川フィル 音楽堂シリーズ第31回

025-01-11 @県立音楽堂



阪田知樹:指揮/ピアノ
神奈川フィルハーモニー交響楽団

阪田知樹:管弦楽のための「肖像」
 神奈川フィル委嘱作品(世界初演)
ベートーベン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 Op.21
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ラフマニノフ(阪田知樹編):ヴォカリーズ




ほとんど阪田知樹ワンマンショーだった。
自身の作曲による管弦楽作品を自らが指揮し、ベト2番とショパン2番を弾きながら指揮した。Encはラフマの小品だがこれも阪田編曲版だ。

10年前の神フィルFlesh Concertがほぼデビューだったと思うが、その際にもEncは自身編曲ラフマを弾いているし、その後も何回もEncでは編曲ものを披露している。

世界初演!の自作管弦楽曲も、いかにも現代音楽ではあるけど小難しい気取りはなく好感した。

指揮ぶりはまだ板についてない風だが、ピアノの方はますます磨きをかけている。


元々、デッドな響が魅力の音楽堂だが、今日は特に冬の澄み切った空のように、ピーンと引き締まって明瞭な音が、音楽のスケルトンを際立たせた。

小ぶりな弦(12型)はそのまま何も纏わず原音が飛んでくるようで、コロコロ明るく転がるStwとよくマッチしていた。


完売だったそうだ。
いつもの音楽堂定期とは思えない、大勢の女性客で休憩時のトイレの行列は気の毒なくらいだった。男性も珍しく並んでいた。


♪2025-004/♪神奈川県立音楽堂-01

2024年4月28日日曜日

横浜交響楽団 第731回定期演奏会 【ファミリーコンサート 映画音楽特集】

2024-04-28 @県立音楽堂



泉翔士:指揮
横浜交響楽団

第1部:映画に使われたクラシック
R.シュトラウス:「2001年宇宙の旅」から「ツァラトウストラはかく語りき(導入部)」
モーツァルト:「アマデウス」から「交響曲第25番ト短調 K.183」から第1楽章
ワーグナー:「地獄の黙示録」から「ワルキューレの騎行」

第2部:映画音楽
A.ニューマン:「20世紀FOXファンファーレ」
J.ウィリアムズ:「スターウォーズ」メインテーマ
久石譲:「となりのトトロ」から「さんぽ」、「風の通り道」、「となりのトトロ」
久石譲:「魔女の宅急便」から「晴れた日に…」、「海の見える街」、「パン屋の手伝い〜仕事はじめ」
J.ウイリアムズ:「インディー・ジョーンズ」から「レイダース・マーチ」
ハンス・ジマー:「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ



横響定期はたいていほぼ満足。と言っても、そもそもあまり大きな期待はかけていないのだけど。
ところがどっこい、今日は大満足だった。

映画音楽特集だからお馴染みで軽快なものばかりだったということもあるが、選曲も良かったよ。
そして、演奏もとても良かった。
珍しく大編成で最大でHrは6本、Tbも5本並んでいたなあ。打鍵楽器も色々登場。

モーツァルト25番はアンサンブルに不満が残ったがその余は大きな破綻もなく楽しめた。

20世紀FOXファンファーレから間をおかずスターウォーズに入ったのも良かった。
Encの「パイ・カレ」の出来は特に良かった。

他にも、今日は子供たちも多かったので、それを意識してかMC付きで、これをVnの奏者が兼ねたのだけど、プロみたいに上手い。
そして、今日は舞台上のお姉さんたちがいつもの黒づくめではなく色とりどりのドレスを着ての演奏。やはり華やかでよろしい。
とても気分良くして帰途に着いた。

♪2024-060/♪県立音楽堂-04

2024年3月17日日曜日

横浜交響楽団 第730回定期演奏会 【19世紀のロシア音楽】

2024-03-17 @県立音楽堂



鈴木衛:指揮
横浜交響楽団

グラズノフ:祝典序曲
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から"ダッタン人の踊り"
カリンニコフ:交響曲第1番



今日は「19世紀のロシア音楽」というコンセプトだが、チャイコもラフマも登場しない。ロシア5人組からはボロディンが登場したが、彼とグラズノフ、カリンニコフを結びつけるのはどういう概念だろう。指揮者のプレトークも聞いたが、そこで説明があったのか?聞き逃したのか?

いずれにせよ、音楽は3曲ともロシアの土着っぽい、それ故に懐かしさを感じさせる音楽で楽しめた。

グラズノフは近年交響曲やVn協奏曲など色々演奏されるようになったが、今日の「祝典序曲」は初聴きだったし、カリンニコフについては、そもそもこの人の作品をナマで聴くのが初めてだった。
お馴染みは「ダッタン人の踊り」だけ。

ここが横響の捨て難い魅力だ。年間8回も定期演奏会を開くので、普通のアマオケとは一線を画すレパートリーの豊かさ。
プロオケにせっせと通っていてもなかなか聴けない作品を取り上げてくれるのは嬉しい。

演奏は、時々上手、時々下手。

今日は、年間パス更新の日で、来季も番号1番のパスを受け取ったよ。

♪2024-041/♪県立音楽堂-03

2024年2月4日日曜日

横浜交響楽団 第729回定期演奏会 【新春コンサート】

2024-02-04 @県立音楽堂



鈴木衛:指揮
横浜交響楽団
坂本真由美:ピアノ*

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K492
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op54*
シューマン:交響曲第1番変ロ長調 op.38「春」
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シューマン(リスト編):献呈*



フィガロ序曲にシューマンがPf協と交響曲1番と嬉しいプログラム。
が、フィガロの出来は大いに残念。音楽堂は容赦がないね。ミューザだったらもう少し上手に聴こえたろうけど。

しかし、次のPf協がとても良かった。Pf独奏の坂本真由美って人は名前も知らなかったけど、冒頭の掴みで良いスタートを切ったと思ったよ。3楽章へアタッカで入る手前の間の取り方が独特な感じがしたが、彼女の好みなのか、指揮者の好みなのか。僕の好みではなかったけど、終わってみれば堂々として好感。Stwがキラキラ輝いていた。
オケも、奏者全員取り替えたかと思うくらい、良い出来になった。

Encが渋く、シューマン(リスト編)の「献呈」だった。
この曲、前奏を聴くだけでパブロフの犬状態で、万感胸に迫ってくる。

最後の交響曲1番。これがまた難しそうだった。
特に序盤を緊張感を持って維持するのはプロでも難しいと思うが、バラバラな印象だった。
シューマンは盛り込みすぎだと思うな。

♪2024-021/♪県立音楽堂-02

2024年1月27日土曜日

神奈川フィル フレッシュ・コンサート Vol.18未来を奏でる新星たち

2024-01-16 @県立音楽堂



横山奏:指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
トランペット:三村梨紗♭
ソプラノ:中野亜維里◇
バリトン:宮下嘉彦◆
バイオリン:ステラ・チェン#

フンメル:トランペット協奏曲変ホ長調 WoO.1(S49)♭
グノー:歌劇「ファウスト」から「宝石の歌」◇「出征を前に」◆
ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「私は町のなんでも屋」◆「今の歌声は」◇
芥川也寸志:弦楽のための三楽章
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第2番ト短調 Op.63#





<神奈川縁の新星>と神奈川フィルの共演…とコピーがついている年もあるが、今年「神奈川」が抜けたのは19年エリザベート・コンでの優勝者ステラ・チェンが加わったからだろう。他の3人は横浜と川崎の住人らしい。

今回は18回目。その9回目に(阪田知樹と共に)登場した大江馨が今日は神奈川フィルのコンマスとして新星をサポートした。

今回は、Tp、Sp、Br、Vnと4人も登場したが誰も知らない人ばかり。みんな素晴らしい演奏・演唱で、これはいい!と思ったら、次の奏者で感動が更新されてしまう具合。

中で、一番の好みはBrの宮下くん。いやはやよく通るデカイ声だ。
「〜町の何でも屋」では歌の冒頭を、扉は開けてあったが姿の見えない袖から歌った。一瞬どこにいるのか分からず姿を舞台に探したが、そのうち袖から顔を出したので、袖で歌っていたことが分かった。それにしても、まるで舞台の真ん中で歌っているようだった。これは、彼の声量もさることながら、音楽堂の響の良さを再認識したことであった。

神奈川フィルの演奏では、単独で演奏した芥川也寸志の「弦楽のための三楽章」が音楽堂ならではのソリッドな響で美しかった。この曲は以前、読響定期にかかったが遅刻して聴き逃したので、今回が初聴きだった。これは実に名曲だと思うよ。

https://youtu.be/NDL3VfPv1ic?si=GPoh-HMxzudDTp1Y

♪2024-016/♪神奈川県立音楽堂-01

2023年10月29日日曜日

横浜交響楽団 第727回定期演奏会 【ミサ曲の午後】

2023-10-29 @県立音楽堂



泉翔士:指揮
横浜交響楽団
横響合唱団

神戸佑実子:ソプラノ
内海祐花:メゾ・ソプラノ
鷹野景輔:テノール
的場正剛:バリトン

モーツァルト:交響曲第1番変ホ長調 K.16
モーツァルト:ミサ曲第9番ハ長調 K.257「クレド・ミサ」
ハイドン:聖ニコライ・ミサ曲 Hob.XXII:6


珍しい作品ばかり3曲。
モーツァルトの交響曲第1番だけは極めて稀だけど生でも聴いているし、全集を買った時にまず1番を聴かないということはない。で、何度か聴いて第1楽章など、実際耳覚えのある曲だ。
先日、最晩年(逝去8月前)の弦楽五重奏曲第6番を聴いたが、逆にこの曲わずか8歳の作品だそうな。そして驚く事に、この曲の第2楽章には最後の交響曲第41番第1楽章のジュピター音形が既に現れている、この不思議な暗合!

次のモーツァルトとハイドンのミサ曲は両方とも珍しい。
そもそも演奏される機会が極めて稀なのだそうだ。
ハイドンの方はCDを持っていて、なんかの折に一度くらいは回したことがある。
両方とも4声部の独唱に合唱団(今回は76名)が入る。

2曲とも古典的な、というか、当時の標準スタイルで作曲されており、キリエ、クレド、〜アニュス・デイと並びも歌詞も同様だ。
もし、途中でハイドンの中にモーツァルトの曲が(逆も然り)紛れ込んでいても分からないだろうな。
作曲年代はハイドンの方が4年ほど早く(1772年=当時40歳)、モーツァルトの方は作曲当時20歳だ。
ハイドンの方が歌心があり心地よく、モーツァルトは劇的だ。

いずれにせよ、古典音楽の原型のようなすっきりした音楽を聴かせてもらった。ノーストレス万歳!

♪2023-187/♪県立音楽堂-10

2023年9月13日水曜日

横浜交響楽団 第726回定期演奏会 【作曲家の円熟】

2023-09-13 @県立音楽堂



平野桂子:指揮
横浜交響楽団

シューマン:交響曲第4番ニ短調 Op.120
ベートーべン:交響曲第5番ハ短調 Op.67「運命」



シューマンは、クララ22歳の誕生日に2番めの交響曲をプレゼントした(その後改訂版の出版が遅れ、交響曲としては最後の第4番となった。)。
そして、今日9月13日はなんとクララ204歳の誕生日である。

横響の演奏会は冒頭、指揮者が簡単なプログラム解説をするのが恒例だ。
今日の指揮者平野桂子嬢は美形であるだけでなく、話の上手な人で、上述の彼女の説明を聞きながら、なんと洒落たプログラムだろうと感心し、元々好きな作品だが、一層熱い期待が高まった。

この第4番は、単一楽章だと書かれたり、4楽章が休み️なしに演奏されるとか、全楽章アタッカが演奏されるなど色々書いてあるのを読むが、今日一緒に演奏されたベートーベンの「運命」の3楽章⇒4楽章のように楽譜上も繋がっている訳でもないし、アタッカ表示もないし(これは僕の手持ちスコアだけに問題かもしれないけど)、聴いている限り(いや、スコアを見ていても)、4つのパートの間は、一呼吸置かれるのが常なのでフツーの4楽章の作品だと思える。
ま、聴いている限りは、単一楽章であろうと4楽章であろうと変わりはないのだけど。

とても、情緒的で、時にメランコリックな旋律が胸を掻きむしるようだ。

後半に「運命」が置かれたのは疑問。
作曲年代の順で演奏した方が興味が深まったのに。部分的に乱れはあったけど、良い演奏だった。

久しぶりの19時開演のせいか、Encもなく、名曲2本90分程度でスッキリ終わって、気分良く帰途に着いた。

♪2023-155/♪県立音楽堂-09

2023年7月30日日曜日

横浜交響楽団 第725回定期演奏会 【サマーコンサート】

2023-07-30 @県立音楽堂



泉翔士:指揮
横浜交響楽団
石本高雅:バリトン(全日本学生音楽コンクール横濱市民賞受賞者)

ハイドン:交響曲第101番「時計」 Hob.Ⅰ:101
バリトン・アリア集 独唱:石本高雅
 ●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から「私は町の何でも屋」
 ●ヴェルディ:歌劇「椿姫」から「プロヴァンスの海と陸」
 ●プッチーニ:歌劇「エドガール」から「この愛を」
 ●ナポリ民謡:「オー・ソレ・ミオ」
 ●ニノ・ロータ:ゴッドファーザー〜愛のテーマ
   with 電子ピアノ⇒泉翔士 Vnソロ⇒小谷野優子
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73


14時開演だから1日で最も暑い🥵時間帯に出かけ、灼熱の紅葉坂を登らなくてはならん。
「危険な暑さ」の中「パスするか?」とも思ったが、今日は2本立てで、夜の部もあるのでここは踏ん張って出かけたのは正解だった。

学校が夏休みということもあって子供連れも多く、赤ん坊らしい奇声も聞こえる中ハイドンが始まったが、これがなかなかいい。

次に、全日本学生音楽コンクールで横浜市民賞を受賞したBrの石本くんが、主にオペラアリアを披露した。ガタイも大きいがなかなかの声量。「オー・ソレ・ミオ」だけは、この曲はやはりTn向きだなと思ったが。

コンミスの小谷野女史が曲中2回ソロを披露した。僅かに外した部分を除けば石田組長のような繊細で美しい音。

この声楽伴奏時の横響のうまいこと!欠点が目立たなかっただけかもしれないがそれも芸のうち。

最後の大物、ブラームス2番はテンポが重かった。こういうテンポで緊張感を維持するのはとても難しい。
それでも、今日の横響は管も弦も良く鳴り、40分の長尺を破綻なく終えて二重丸。

♪2023-133/♪県立音楽堂-08

2023年6月14日水曜日

横浜交響楽団 第724回定期演奏会 【ロマン派の音楽】

2023-06-14 @県立音楽堂


田中健:指揮
横浜交響楽団

シューベルト:劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」から(抜粋)
 序曲(歌劇「アルフォンスとエストレッラ」の序曲)
 間奏曲Ⅲ
 狩人の合唱
 バレエ音楽Ⅱ
 間奏曲Ⅰ

メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 作品56「スコットランド」 



シューベルト作品もメンデルスゾーン作品もいずれも重量級だった。

前半の劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」からの5曲の抜粋がこれ迄に聴いた組合せとは異なり、少なくとも
「序曲」は初演時と同じ「アルフォンスとエストレッラ」の転用序曲で、これは初聴き。
間奏曲Ⅲは一番有名だが、最後に演奏された
間奏曲Ⅰも多分初聴きかな。これこそ未完成交響曲のフィナーレだという説があるそうだ。曲順を変えて最後に持ってきたのは、その重々しさゆえだろうな。これは複雑な音楽だなと感じたよ。

「スコットランド」。
好きな曲だけど、今日改めてなかなか難しい音楽だなと思った。アマオケが手こずったからというのではなく、横響は善戦していたが、音楽自体の重さに気付かされた思い。

余談(俄勉強):シューベルトは、劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」の初演に「序曲」が間に合わなかったので、自作・歌劇「アルフォンスとエストレッラ」の序曲を転用した。
その後シューベルトの死後60年以上経過して楽譜が出版される際に混乱が生じ、これも自作・歌劇「魔法の竪琴」の序曲が本作の序曲としても演奏されるようになった。
現在ではこちらが「序曲」として一般的になっているが、今回の演奏は、本来の姿に戻った。と言ってもどうせ、転用なのだけど。

間奏曲Ⅲの主題は次の作品にも転用されている…とあれこれに書いてある。

弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」D804
ピアノ即興曲変ロ長調 D935-3

しかし、この2作品以外にもロザムンデの旋律はシューベルトの他の作品でも転用している気がしてならないけど分からないので隔靴掻痒。

♪2023-107/♪県立音楽堂-07