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2025年3月21日金曜日

奥村愛&山宮るりこ デュオ・リサイタル

 2025-03-21 @リリスホール




奥村愛:バイオリン*

山宮るりこ:ハープ+


エルガー:愛の挨拶
マスネ:タイスの瞑想曲
イザイ:無伴奏バイオリンソナタ Op.27から第4番ホ短調(*独奏)
 ⅠAllemande
 ⅡSarabande
 Ⅲ Finale
シュポア:ソナタ・コンチェルタンテ Op.113
サン=サーンス:幻想曲 Op.124
スメタナ(トゥルネチェク編):モルダウ(+独奏)
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲 Sz.56
 Ⅰ棒踊り
 Ⅱ帯踊り
 Ⅲ踏み踊り
 Ⅳ角笛の踊り
 Ⅴルーマニア風ポルカ
 Ⅵ速い踊り
 Ⅶ速い踊り
加藤昌則:ケルト・スピリッツ
-------------------
メンデルスゾーン:「春の歌」




◀️感想省略▶️


♪2025-038/♪リリスホール-03

2024年10月3日木曜日

東京シティ・フィル第373回定期演奏会 【スメタナ生誕200周年】

2024-10-03 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」(全曲)
1985年頃当時の音楽企業スプラフォンが出版したチェコ・フィルの伝統的なパート譜に基づく「現実演奏版」)





正直にいえば、この音楽、馴染んだ「モルダウ」以外は、どこが面白いの?という感じで長年退屈に聴いていた(この罰当たり!)。

これはすごい!と目が覚めたのは今年3月の神奈川フィルby広上氏の演奏で、いやはや興奮した。

今日のシティ・フィルは神奈川フィルの時に比べて弦も管も数が少なかったが、よく鳴り、舞台の音を全部客席に飛ばしてくる武満MEMではこの編成で十分迫力ある。

いつもながら、細部も高関健さんの丹精が窺える緻密なアンサンブル。

それぞれの曲が、馴染んでくるとよくできていると感心する。第1曲の主題が全曲に散りばめられていて、とても構成感が良い。
1曲が終わり次の曲に移ってゆくのが惜しいくらいだ。
昔、僕は何を聴いていたのだろうと恥ずかしく思うよ。

第1曲の中盤の行進曲?は1812年の音楽にそっくりなので、気になっているが、今回もプログラムでもプレ・トークでも言及がなかった。単なる偶然なのかも。

♪2024-130/♪東京オペラシティコンサートホール-06

2024年5月25日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第20回「嗚呼、昭和のレトロ・クラシック!」

2024-05-25 @県民ホール



沼尻竜典:指揮
松田理奈:バイオリン*
松下美奈子:ソプラノ**
池辺晋一郎:司会

【第1部】
スッペ:喜歌「軽騎兵」序曲
ケテルビー:ペルシャの市場にて
レハール:ワルツ「金と銀」
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」から<第2幕への間奏曲>
ポンキエッリ:歌劇「ジョコンダ」から<時の踊り>

【第2部】
ヘンデル:歌劇「セルセ」から<オンブラ・マイ・フ>**
池辺晋一郎:大河ドラマ「黄金の日日」からテーマ
エルガー:愛のあいさつ*
クライスラー:中国の太鼓*
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン*
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」から<モルダウ>
-------------------------------
オッヘンバック:喜歌劇「天国と地獄」から<カンカン>




クラシック音楽自体が、そもそもレトロで”クラシック”なのだから、今回の企画は”変”ではあるけど、確かに、平成以降ほぼ聴かなくなったような音楽もあったな。

加えて、前半の<時の踊り>以外の4曲はいずれも中・高時代に吹奏楽で演奏したものなので、実に懐かしかった。

昭和マニア?の沼さんと昭和の生き字引のようなダジャレの池辺さんによる漫談擬の話も面白くて、客席も舞台も大いに盛り上がった。

後半の選曲は特に<昭和>は無理があったね。トリを飾った「モルダウ」なんて神奈川フィルで3月に「我が祖国」全曲を聴いたばかりだけど、しかし、しみじみと美しい音楽だと思ったよ。

♪2024-073/♪県民ホール-2

2024年3月9日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第393回定期演奏会

2024-03-09 @みなとみらいホール


広上淳一:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

スメタナ生誕200周年
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」(全曲)
 Bedrich Smetana / Má vlast
第1曲:ヴィシェフラド
 No.1 Vysehrad
第2曲:ブルタヴァ(モルダウ)
 No.2 Vltava
第3曲:シャールカ
 No.3 Sárka
第4曲:ボヘミアの森と草原から
 No.4 Z ceských luhủ a hájủ
第5曲:ターボル
 No.5 Tábor
第6曲:ブラニーク
 No.6 Blaník





「わが祖国」全曲版は、長らく最初の2曲しか馴染めないでいたが、ここ数年来だんだん良くなる法華の太鼓だったので、楽しみにしていたが、今回、初めて全曲版の面白さに目覚めた。
睡眠不足で出かけたが、なぜか一睡もせず!刮目して全曲を聴き終えた。

全6曲は、なかなか面白く作ってあるな。
第3〜第4曲もいいけど、特に5曲と6曲目が、ワクワクさせた。
ひょっとして、スメタナは大まかには1-2、3-4、5-6の3部構成にしたのではないだろうか?
プレトークも聞かず、プログラムには何にも書いてなかったが、3部構成として捉えると全体の構成感がはっきりした…気がした。

神奈川フィルは、持てる力を最大限発揮したように思う。
特に管楽器が見事。

スコア表記だとホルンは4本だが、今日は8本。その頂点が坂東ちゃんで、上手いね。実に安心感がある。

ところで、第1曲の終盤に、序曲「1812年」の行進曲みたいなのと同じ旋律が出てくるのが予てから気になっているが、今回も解説では言及していなかった。

半年ぶりの広上センセイ。髭を蓄えていたが全然似合わないよ。

♪2024-036/♪みなとみらいホール-06

2023年10月8日日曜日

東芝フィルハーモニー管弦楽団 第50回定期演奏会

2023-10-08 @ミューザ川崎シンフォニーホール



河地良智:指揮
東芝フィルハーモニー管弦楽団
近藤岳:オルガン*

スメタナ:連作交響詩「我が祖国」から
 ヴィシェフラド(高い城)
モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調 K.543
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」Op.78*
----アンコール-------------
エルガー:威風堂々第1番


東芝フィル〜というアマオケは知らなかったが、JR川崎駅西口周辺は、元は工場街で、ラゾーナは東芝川崎事業所の跡地。ミューザ自体は旧国鉄の施設跡だったと思うが、ミューザの南には東芝柳町工場があった。東芝未来科学館は今もミューザと歩道橋で繋がっている。

そんなふうに東芝と縁の深いミューザで50回の節目の演奏会をやるという。知ったのが遅かったので、良席は全然空いてない。
いっそ、遠くから聴いてみるか、と4Cの最後列を陣取ったが、なんて高い!傾斜も急で眩暈がしそう。

舞台から遠くともミューザはよく聴こえる。
しかし、1Fや2CA中央で聴くのとは全く音が違う。
録音の良いCDを大きな音で再生しているようなものか。
生々しさが違う。物足りない。

一方で、サン=サーンス「ガン付き」ではオルガンの音がよく聴こえた。1Fや2C前方で聴くとオケとオルガンは程よく?溶け合って一体的に聴こえることが多いが、この天井桟敷では、オルガンがどこで入って何を弾いているかが分かって勉強にはなった。

でも、演奏技術の巧拙は別にして、こんなに舞台から離れていては音楽への没入が難しい。

♪2023-168/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-24

2022年10月15日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第380回定期演奏会

2022-10-15 @県民ホール



ダニエル・ライスキン:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

スメタナ:交響詩「わが祖国」から”モルダウ”
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88



指揮のダニエル・ライスキンは神奈川フィル初登場。と言うより僕は初聴き。

ロシア人。ロシアとチェコの作品を振る。

同じスラブ系言語の国の音楽だから得意としているのだろうが、といって格別の、違和感を覚えるような味付けもなく、むしろ、馴染みどおりに自然で好感。

このところ快進撃の神奈川フィルが今日も良い響きを聴かせた。

曲目が弦をうまく活かしているのかもしれないが、最初から最後まで透明感を維持した。
デッドな響きの県民ホールでこれだけ綺麗な弦のアンサンブルを聴かせるのはなかなかのものだ。

団員も遠来の客を暖かく迎えている風で良い光景。

♪2022-150/♪県民ホール-16

2022年7月5日火曜日

石田泰尚スペシャル 熱狂の夜 第3夜《カルテット》アメリカ

2022-07-04 @ミューザ川崎シンフォニーホール



YAMATO String Quartet
 石田泰尚:1stバイオリン
 執行恒宏:2ndバイオリン
 榎戸崇浩:ビオラ
 阪田宏彰:チェロ

ピアソラ:アディオス・ノニーノ
ドボルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」ヘ長調 op.96 B.179
伊福部昭:ゴジラ
スメタナ:弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」ホ短調
ピアソラ:革命家
------------------------
ジミ・ヘンドリクス:リトルウイング
バーンスタイン:ウエストサイドストーリー
ソーラン節


折りしもアメリカ独立記念日に「アメリカ」を2つも聴いた。ま、偶然なのだろうけど。
「無伴奏」⇒「デュエット」の次は「トリオ」でしょ!と言いたいが、なぜか一つ飛ばして今日は第3夜にして「カルテット」。

石田組長も「カルテットでこんなに多く来てくれるとは…」と謝辞。
確かに全5夜のうち、一番敷居が高いかもしれない。しかし、広いミューザの第4層まで埋め尽くした熱心な石田ファンのおばちゃん達にとっては、無伴奏も協奏曲もカルテットも関係ないだろう。

今日のメンバーはYAMATO SQ。
長く演っているだけあって、息が合うとかいうより、完全に石田風の音楽になっている。

前半にドボルザークの「アメリカ」、後半にスメタナの「わが生涯より」と、昔のEPで言えば両A面みたいな豪華版だった。

いつもながら、丁寧で繊細で美しい。

「アメ〜」、「我が〜」を聴いていても、クラシック音楽という意識がぼやけてイージーリスニングみたいだ。

本篇の5曲、いずれも楽しめたが、個人的にはアンコールの2曲目、バーンスタインの「ウエストサイド物語」メドレーが出色の出来。

その冒頭が本日2度目の「アメリカ」から始まるのも心憎い。
優れた編曲にも感心したよ。

♪2022-097/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-23

2022年3月10日木曜日

東京フィル第966回サントリー定期シリーズ

2022-03-10 @サントリーホール



ミハイル・プレトニョフ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団

スメタナ:連作交響詩『わが祖国』(全曲)
------------------------
J.S.バッハ:G線上のアリア(弦楽合奏)


コロナの為に来日できず、公演中止3回!
プレトニョフ執念の4度目の正直「わが祖国」全曲。

しかし、東欧の小国の民族意識を高揚させる音楽をロシア人が振るって、タイミング良くなかったね。
勿論プレトニョフ個人にはなんら関係のないことだけど。

客席も舞台も、妙な緊張感が漂っていた。
終曲後ホッとしたか、オケのメンバーに少し笑みが生まれたが、アンコールをやらない方が良かった。
G線上のアリアが、まるで「ウクライナ鎮魂歌」に聴こえて、弾き終えたオケの面々からもすっかり笑みが消えてプレちゃんはそこそこに舞台を去った。
本来なら、絶賛拍手の嵐の中、舞台に呼び戻されていたろうに。マエストロには気の毒だった。客席も盛上りを欠いた。

さて、「わが祖国」は色んなオケで聴いたが、個人的には一度も良かったと思ったことがない。全曲の構成感がなかなか掴めない。管弦楽化も問題あり?

今日は、曲間休止が短めで、緊張感が持続し、冗長感はなかった。
が、気候のせいか、弦の響が硬く潤いに欠け、よく鳴るブラスに完全に負けていた。





ところで、「わが祖国」の第1曲目「高い城」に出てくる進軍ラッパが、目下世間を騒がせている「1812年」の終盤、ロシア帝国国歌を先触れし、重なって盛り上がる部分そっくりって、気のせい?

我が祖国第1曲「高い城」


1812年序曲(ロシア軍の到着)



♪2022-032/♪サントリーホール-04

2021年2月13日土曜日

NHK交響楽団 02月公演

 2021-02-13 @東京芸術劇場大ホール

熊倉優:指揮
NHK交響楽団

バイオリン:イザベル・ファウスト*

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」-3つの舞曲
シマノフスキ:バイオリン協奏曲第1番 作品35*
ドボルザーク:交響曲第6番ニ長調 作品60
-----Enc---------------
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ第2番イ短調-第2楽章「憂鬱」*




イザベル・ファウストは海外の著名バイオリニストでは一番多く聴いているかも。室内楽がいい、けど今日もアンコールの繊細なイザイの無伴奏に感心した。

しかし、N響の出来はどうだったか?
ホールの音響も良くないけど、内輪の学芸会みたいな緊張感の不足を感ずる。

ドボルザーク交響曲第6番は珍しいのを聴けたという点で収穫だったが。


それにしても、そろそろ、登場しただけでオーラを感じさせる大物指揮者のタクトでピリッとした演奏を聴きたいよ。

代役、若手続きで(時に大成功もあるが)、コンサートの晴れがましさ、ラグジュアリー感が近頃薄れて聴く側(自分です😥)も緊張感を失っているのは反省かも。


♪2021-011/♪東京芸術劇場大ホール-01

2020年1月17日金曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第717回東京定期演奏会

2020-01-17 @サントリーホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

スメタナ:連作交響詩《わが祖国》

「我が祖国」全曲の1本立て。何度かこの全6曲版を聴いている。親しみやすい音楽で嫌いじゃないけど一度に聴くにはメリハリに欠ける。それに体調不十分で肝心のモルダウでは心地よく船を漕いでしまった。

本来、この曲は弦楽合奏を楽しむには好都合な音楽のような気がする。
日フィルの弦はいつもは大抵美しい。今日は16型で分厚いアンサンブルだったが…。

しかし、席が悪い。横浜定期の振替なのでやむを得ないが、6列31番て酷いな。目の前はビオラの4Pだ。いつもこの辺で聴いている人には悪いけどオケを聞く席じゃないよ。弦の大音量に埋まってしまって管はどこにいるの?という感じで姿もほぼ見えないし音も極めてバランスが悪い。

その弦だって、近過ぎてシャリシャリキンキンだ。
演奏自体はかなり好演したと思うが、本来の日フィルの音楽ではなかった。

そもそも振替席が悪いのは日フィルに限らない。
そのくせ、僕の左隣(センター寄り)は2つも空いていた。どころか、中央ブロックにもいくつも空席があった。つまり、振替はその時点で良席は売れる可能性を見込んで温存し、売れそうにない席に振り替えるらしい。

定期のお客様をもっと大事にしてくれよ。中央Bで穴が開いているのはみっともないぞ!

別件:1月N響で日フィルの辻本氏が首席に座っていたので客演かと思っていたが、先月末で退団したと書いてあった。改めてN響のプログラムを見たら首席ではないが名前が出てたよ。

♪2020-007/♪サントリーホール-01

2019年9月2日月曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019後期 〜「カリスマ・バイオリニスト at みなとみらい」 石田泰尚 バイオリン・リサイタル

2019-09-02 @みなとみらいホール


石田泰尚:バイオリン
中島剛:ピアノ

スメタナ:「わが故郷より」
 第1曲イ長調
 第2曲と短調
フランク:バイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:クープランのスタイルによる才たけた貴婦人/道化役者
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲第1番(歌劇「はかなき人生」から)
ピアソラ:アディオス・ノニーノ
     フラカナーパ
     天使のミロンガ
     現代のコンサート
     ル・グラン・タンゴ 
--------------
クライスラー:愛の悲しみ
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
ハムリッシ:映画「追憶」のテーマ
シュニトケ:タンゴ
ピアソラ:リベルタンゴ
プッチーニ:誰も寝てはならぬ

超売れっ子の石田泰尚!神奈川フィルの名物コン・マスでもあるが、最近は独奏・室内楽で予定が目白押しだ。人気があるからいつもほぼ満席。今日も大入り袋が出ただろう。

石田兄やんのバイオリンは強面ぶった外見と正反対で、実に繊細で美しい。ほぼ1曲ごとに調弦するのも美音への拘りか。多少は照れ隠しもあるな。ホンに照れ屋なのでおかしいくらいだ。

石田・中島のコンビのリサイタルは3年前に同じみなとみらいホールで聴いた。その時もフランクのソナタを演奏した。2人ともお気に入りなのだろう。僕もバイオリン・ソナタの中では大好きなものの一つだから、これが聴けたのは良かった。

最近、石田がよく弾くピアソラは特殊奏法も交えて面白い。だんだんと自家薬籠中のものにしているようだ。

ピアソラ5連発の後は、アンコール5曲もサービス。アンコールでは2回も衣装を変えてこれも観客の拍手喝采を受けていた。
何しろご婦人方には格別の人気者なのだ。

ともかく、美しい音色で名曲をたっぷり聴いて大満足!

♪2019-131/♪みなとみらいホール-36

2018年6月23日土曜日

読響第105回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2018-06-23 @みなとみらいホール


コルネリウス・マイスター:(首席客演)指揮
読売日本交響楽団

長原幸太:バイオリン*

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
ブルッフ:スコットランド幻想曲 作品46*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88

冒頭の「売られた花嫁」の弦楽合奏が見事に美しくて驚いた。はじめ良ければすべて良し…と思いきや。

「スコットランド幻想曲」では独奏バイオリンの長原幸太(読響コンマス。今日のコンマスは小森谷巧)が弾き始めの数分で弦がプツッと音をたてて切れ、「張り替えてきます」と客席に向かって断って袖に入った。舞台も客席も苦笑い。これまでも、クラリネットの独奏者が楽器の不具合で途中で取り替えたことを2回経験している。コンマスの弦が切れて楽器の受け渡しをしたのもみている。万全の準備をするのだろうけど、こういうこともあるんだな。

結局は、最初から演奏し直しとなった。
再開後も長原くんは楽器を気にしながら、何度も調弦の微調整を繰り返していた。そんな次第でこの曲ではなかなか集中できなかった。
この作品には別名があるそうで、「スコットランド民謡の旋律を自由に用いた、管弦楽とハープを伴うバイオリンのための幻想曲」と言うそうだ。そういえば、ハープも独奏バイオリンのそば、舞台中央近くに配置されていたが、奏者の顔が隠れていたこともあり、ハープの活躍はまるで耳に入ってこなかった。

最後のドボルザーク交響曲8番こそ期待の作品だったが、これはすごく上出来で、「〜幻想曲」の不満を補って余りあった。
弦楽合奏、特に中低域弦の素晴らしさが光った。終楽章のチェロのテーマなどゾクゾクしたよ。


今日はホールの鳴りが特に良かった気がする。
仮説だが、外気の湿度が高い日ほどホールは良く響くような気がしている。逆さまのようだけど、エアコンがしっかり稼働して、ホール内の湿度がいつも以上に低くなるのではないか…なんてあてにならないけど。
ともかく、もともとよく響くホールが、今日は一層良く響いた。そこで名曲の名演奏を聴く。これぞナマオケ鑑賞の喜び!

ところで、「〜幻想曲」でVn独奏の長原君は弦が切れて張替えのために袖に入った。それで五嶋みどりの「タングルウッドの奇跡」を思い出した。彼はなぜ、コンマスの楽器を借り受けなかったのだろう?

タングルウッドの奇跡

♪2018-073/♪みなとみらいホール-19

2017年9月23日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第330回横浜定期演奏会

2017-09-23 @みなとみらいホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
木嶋真優:バイオリン*

メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲*
​ドボルザーク:スラヴ舞曲第1番、第10番
スメタナ:交響詩《モルダウ》
チャイコフスキー:荘厳序曲《1812年》
-------------
アンコール
ドボルザーク:ユーモレスク(管弦楽版)

木嶋真優(きしま・まゆ)って初めて。かなり若そうに見えたが…。相当有望な若手らしく、Wikipediaによれば、『ドイツの有力紙 Frankfurter Allgemeine Zeitungは、「カラヤンがアンネ=ゾフィー・ムターを、マゼールがヒラリー・ハーンを世界的に注目させたように、ロストロポービッチは木嶋真優を世に出した」と評した。』とある。

彼女がソロを弾いたメンコンは、びっくりするほどの出来栄えではなかったと思うが、さりとてどこが不満ということもなく、気持ち良く聴いた。

休憩後の3曲はいずれも耳に馴染んだ、それも小規模な作品ばかりで、お気楽な名曲コンサートの感じ。
コバケンのお遊びが入るかと思えばそうでもなくて、正統的な演奏だった…と記憶している。

中では「1812年」がまさに荘厳で景気が良い。
一方、「モルダウ」はいつ聴いてもなかなか心に染みる。

♪2017-155/♪みなとみらいホール-35

2017年7月26日水曜日

フェスタサマーミューザ2017 東京都交響楽団 ≪ヤクブ・フルシャの「わが祖国」≫

2017-07-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール

ヤクブ・フルシャ:指揮
東京都交響楽団

スメタナ:連作交響詩「我が祖国」(全曲)

今日は都響の「我が祖国」全曲。
5月にN響でやはり全曲を聴いたが、面白くない音楽だという印象だった。もちろん、単独でよく演奏される第2曲「モルダウ」は馴染んでいるせいもあってなかなか良い曲だとは思うけど、全6楽章、80分という長大曲にしては構成が悪いのではないか。

今日の指揮は、首席客演指揮者のヤクブ・フルシシャ。
既に何度か定期演奏会で聴いているし、定期外でも、昨年の我が鑑賞ステージの有終の美を飾ったのが、彼の指揮による都響「第九」だった。
その前日のブロムシュテット+N響の「第九」には薄皮一枚及ばなかったと記録しているが、好感度の大きな若手指揮者だ。しかも、彼はチェコの出身であるからには、「わが祖国」に対する思い入れも強かろうし、現に、全曲を暗譜で振った。

第1曲めは2台のハープの掛け合いで始まるが、今日の配置は1台を舞台上手に、他方を下手に置いて、耳目を舞台に惹きつける効果的な演出だったが、やはり、その後に始まる管楽器のアンサンブルが美しくない。これはN響でも全く同じく感じたことだ。演奏の上手い下手ではなく、オーケストレーションが悪いに違いない。

かくして、期待薄のまま前3曲が終わり、休憩に入った。

しかし、後半の3曲はだんだんよくなる法華の太鼓だ。
楽器も時間を経て奏者に馴染んで来たのか、あるいは、オーケストレーションが分かりやすいからか。
特に5曲めはユニゾンを中心にした管・弦の強奏のフレーズが多くなり、これが実に力強いアンサンブルだ。
そして、凱歌と共に第1曲のテーマが重なり、圧倒的なフィナーレになだれ込んだ。
このへんまで来ると、既に失聴していたスメタナの執念の作品であることや、その後も精神を病んで亡くなったスメタナの生涯、その「わが祖国」たるチェコ(当時はオーストリア・ハンガリー帝国ボヘミア)への作曲家の思いに、彼にとっても「わが祖国」であるヤクブ・フルシャのスメタナと故郷への思いとが幾重にも重なったかのように熱く盛り上がった。
もちろん、後半充実してきた都響の力強いアンサンブルが素晴らしかったのは言うまでもなし。

フェスタサマーミューザの初日の、ホームオケである東響によるオープニングコンサートよりもお客が多かったような気がする。見渡す限り空席は上層階や舞台後方に数える程でしかなくほぼ満席と言っていいだろう。これはフルシャ人気、都響人気もない訳ではなかろうが、開演時間が他のオケのように15時ではなく、19時だったのも集客に寄与したのではないか。

その満席の観客席は、終演後、ミューザとしては記録的な大きな拍手と歓声に長く包まれた。
儀礼を確実に超えた熱いカーテンコールにフルシャは何度も応えて大いに愛想を振りまいた。もう、オケの団員があらかた引き上げた後も拍手は鳴り止まず、遂に引き出されたフルシャは舞台近くで立ち上がっていた客の何人かと握手をしながら名残惜しそうに袖に消えた。

今日のコンサートで、一番感動したのは、多分、熱烈歓迎を受けたヤクブ・フルシャだったに違いない。しかし、指揮者、オケの団員、お客のすべてが、暖かい空気に包まれた事で、観客もホクホクした心持ちで帰途に着いたのも間違いない。

♪2017-128/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17

2017年5月14日日曜日

N響第1860回 定期公演 Aプログラム

2017-05-14 @NHKホール


ピンカス・スタインバーグ:指揮
NHK交響楽団

スメタナ:交響詩「わが祖国」(全曲)

12年ぶりにN響を振るピンカス・スタインバーグで「わが祖国」全6曲演奏会。
まず、第1曲がしっくり来ない。ハープ2台の前奏に木管・ホルンが重なるところがなんかたどたどしくて、スメタナって、オーケストレーションが下手だなと思ったよ。

その第一印象のせいで第2曲以外はどれを聴いても空疎な響き。第2曲モルダウのみが偏重されるのはやはり、全体の出来が良くないからではないか…などと素人が大胆な発言だが…。N響の演奏も第2曲以降は良くなってきたもののカタルシス得られず。

2017-083/♪NHKホール-04

2017年2月4日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホールシリーズ 第11回

2017-02-04 @県民ホール


小泉和裕:特別客演指揮者
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」よりモルダウ
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より第3幕への前奏曲
サン=サーンス:歌劇「サムソンとデリラ」よりバッカナール
ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」
ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」より間奏曲
チャイコフスキー:イタリア奇想曲Op.45
---------------
アンコール
チャイコフスキー:歌劇「エフゲニ・オネーギン」からポロネーズ

小泉和裕御大が神奈川フィルの特別客演指揮者に就任したのが14年の夏で、それ以来この組合せで5回目だが、今回のプログラムは全9曲がいずれも序曲、間奏曲、前奏曲の類で、ちょっと重めのアンコールピースのような作品ばかりだ。確かにキャッチコピーにあるように「名曲」コンサートではある。

そのせいか、県民ホール定期にしては大勢の観客が入っていた。
県民ホールはキャパが首都圏のコンサートホールとしてはNHKホールについで大きい(2,500人。因みにNHKホールは3,600人、東京文化会館が2,300人だ。)。これだけの席を神奈川フィルの定期会員だけでは到底埋められない。それで、県民ホール定期では時として空席が目立つことしばしばである。
しかし、この日は空席もあることはあったが探さなくちゃいけないほどの少なさだった。それだけお客が入ったのも、この「名曲」ラインナップのせいだろう。また、1回券のチケット料金が年間定期会員券よりも安価に設定してあるではないか!ま、たくさん入るに越したことはないからいいけど。

オーケストラの編成は全曲ほぼ一定で、管楽器が多少出入りした程度で弦5部は固定していたのではないか。コンバス7本大勢は最初からずっと変わらなかったように思う。
つまり、コンバスが7本並ぶということは弦全体の数もそれなりの大きさで70人位いたのかもしれない。

そういう大規模管弦楽で、いずれも耳によく馴染んだ名曲が次から次へと繰り出されるのは実に心地の良いものであった。

初めてナマで聴く音楽は一つもなかったが、どの曲も面白いものばかりだ。
セビリアの音楽も良いが、リストのガンがリー狂詩曲は弦の中低域がとても力強くて美しい。
ローエングリンの前奏曲もファンファーレが見事。
「サムソンとデリラ」の音楽は異国情緒たっぷり。
「中央アジアの高原」もエキゾチックで美しい。日本人好みだ。
「マドンナの宝石」もきれいだ。

たまには、こういう肩の凝らない「名曲」集もいいものだ。

♪2017-016/♪県民ホール-01

2014年8月2日土曜日

フェスタサマーミューザ:NHK交響楽団

2014-08-02 @ミューザ川崎シンフォニーホール



山下一史指揮:NHK交響楽団
小林麻耶:司会

ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」から「プロムナード」
デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
ドビュッシー:交響詩「海」から「風と海との対話」
サン・サーンス:組曲「動物の謝肉祭」から 「白鳥」
プロコフィエフ:交響的物語「ピーターと狼」*
スメタナ:交響詩「わが祖国」より「モルダウ」 
ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲「展覧会の絵」から「バーバ・ヤガーの小屋」、「キエフの大きな門」

*語り:小林麻耶

先月末からミューザで始まった「フェスタサマーミューザ」。
日替わりで在京の10のオーケストラが安価な料金で演奏を聴かせてくれる企画だ。

7月、8月は、音楽界はシーズンオフで、ほとんどのオーケストラの定期演奏会はお休みだから、オケにとっても、この時期閑古鳥が鳴くコンサートホールにとっても、夏休みの子供達にとっても好都合なのだろう。

5月ゴールデンウィークに有楽町で開催される「熱狂の日」の川崎版だが、こちらは主会場がミューザであるから、管弦楽主体のプログラムであり、だいぶ趣が異なるし、なんといっても、「熱狂の日」の会場は音楽専用ホールではないが、こちらはミューザという日本で最高レベルのコンサートホールだというのが魅力だ。


今日は、N響で、ポピュラーな作品ばかり。
お子様メニューのようでもあるけど、一貫したテーマがある。

展覧会の絵に始まって展覧会の絵で終わったが、間に挟まれたものも全て、描写音楽だ。
自然だったり、動物だったり、心象風景だったり、さらにはもっと具体的な物語(ピーターと狼)などを、音楽で表現したものばかり。

今日は、司会者も付き、指揮の山下氏も一緒に楽曲解説をしながら進めてくれた。


「ピーターと狼」は物語の朗読が付くのが通例で、今回も司会の小林麻耶が朗読を担当した。
狼退治の童話であるとともに、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」と似た趣向で、各登場人物(動物も)に特定の楽器が割り当てられているので、オーケストラの楽器紹介にもなっている。

小林麻耶って知らなかったけど、海老蔵の奥方のお姉さんだそうな。初めてお目にかかったが、朗読が終わった後、ホッとしたのか、音楽に感動したのか、泣き出す始末。これでよくアナウンサーが勤まるなあと少々驚いた。



N響は素晴らしかった。
やはり、日本を代表するオーケストラだ。
いつも抜群の安定感があり、繊細さ、透明感、そして重厚さを自在に表現する。

もう一つ感心したのは、ミューザではいつもほとんど舞台後方かその左右で聴いているけど、オケとの距離が近いので、ホールによってはギリギリした音になる場合があるが、ミューザではそれがない。適度に残響の混じった柔らかなサウンドで聴くことができるのが不思議だが、とても嬉しい。

♪2014-74/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07