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2020年11月3日火曜日

11月上席 金時改メ五代目三遊亭金馬襲名披露興行

 2020-11-03 @国立演芸場


落語 古今亭志ん吉⇒
二階ぞめき
落語 三遊亭金朝⇒初天神
奇術 マギー隆司
落語 春風亭小朝⇒荒大名の茶湯
落語 柳亭市馬⇒穴泥
-----仲入り-----
口上 金朝、小朝、金馬、小さん、市馬
落語 柳家小さん⇒粗忽の釘
粋曲 柳家小菊
落語 金時改メ三遊亭金馬⇒中村仲蔵


今月の上席は、三遊亭金馬の息子・金時が五代目金馬を襲名した披露興行だ。
四代目金馬は金翁を襲名したが、国立演芸場での上席には2日間のみの登場で、今日は出演しなかった。90歳を超えている現役は最高齢かな。

ともかく、五代目金馬の誕生を祝ってか、珍しく話巧者が揃って聴き応えがあった。

春風亭小朝の頭の回転の良さや博識ぶりが以前は嫌味にさえ感じたが、彼も歳をとり、僕も歳をとって、あまりこだわりがなく楽しめた。実は小朝を生で聴くのは始めてだったがいやはや巧い。達者なものだ。

あまりに巧い噺を先に聴いたので、こちらも達者な市馬さえ少し霞んでしまった。

小さんが、彼の格にしては軽い噺だったのは残念。

さて、真打は当然、金時改メ金馬だ。

「中村仲蔵」を演った。

コレが巧いのなんのって。

話の筋はすっかり分かっているのに乗せられる。

ついウルッときてしまった。

本来は、もっと泣かせることができる話だが、そこをさらりと通り過ぎてゆく軽さがいい。

立派な五代目の誕生に接することができたのは良い思い出になるだろう。

♪2020-073/♪国立演芸場-08

2018年5月14日月曜日

国立演芸場5月中席

2018-05-14@国立演芸場


落語   柳亭市楽⇒やかん  
落語   三遊亭歌笑⇒松山鏡
紙切り      林家楽一
落語         柳亭左龍⇒家見舞
落語   三遊亭圓窓⇒つる
  ー仲入りー
漫才         すず風にゃん子・金魚
落語         橘家圓太郎⇒化物使い
奇術         伊藤夢葉
落語         柳亭市馬⇒笠碁

ほとんど船を漕いでいたよ。
一番感心したのは、初めてお目見えの林家楽一の紙切だ。
紙切芸人は何人か見ているが、その中で男性としては一番若いようだ。芸の方はまずまずだと思うが、ぽつぽつしゃべる話芸のほうがなかなか味があって笑わせてくれる。すべてお客のリクエストに答えていたが、大谷翔平などの新作もそれなりにこなして好感を持った。

すず風にゃん子・金魚は、もうベテランの域なのだろうが、頑張っているのが痛々しくも思えるなあ。

一番楽しみにしていたのはもちろんトリの市馬だったが、これが申し訳ないことに途中から寝てしまい、お客の盛大な拍手で目が覚めた次第。いやいや申し訳ないことをした。

この日は、超満員だった。船橋方面からの団体客だったようだ。と言っても、老人会の風でもなく、平日の昼間に大勢で寄せに来るのはどういう団体だろう。

♪2018-053/♪国立演芸場-07

2017年8月10日木曜日

平成29年度8月上席

2017-08-10 @国立演芸場


落語 柳亭市坊⇒子ほめ
落語 柳亭市楽⇒芝居の喧嘩
落語 柳家さん助⇒二十四孝
音曲バラエティ 東京ガールズ
落語 五明樓玉の輔⇒マキシムド呑兵衛
落語 柳家小のぶ⇒厩火事
―仲入り―
パントマイム カンジヤマ・マイム
落語 古今亭菊太楼⇒家見舞
奇術 ダーク広一
落語 柳亭市馬⇒寝床

今日のメンバーじゃ気乗りはしなかったけど、チケットは既に買ってあるので、だいぶ遅刻して出かけた。当然、前座、二つ目は終わっており、次の柳家さん助も既に始まっていたので待合のTVでぼんやり聴いて、東京ガールズから入場した。

2人組の元気の良い三味線の弾き語りというのかな。よく通る声なのだけど、時に三味線が邪魔をして聴き取れないことがある。それが惜しい。

柳家小のぶは、間も無く80歳という老大家だが、初めて聴いたどころか存在さえ知らなかった。えらく真面目な語り口でしかも訥々としている。すごく味のある噺家か、と期待しながら聴いていたけど、結局のところそうでもなかった。この歳まで落語一筋ならもっと巧くていいのではないか。話が行ったり来たりして危ないところもあった。

菊太郎も初聴きだが、これはまだまだ先が長そう。

やはり、トリを務めた市馬が光る。
演目は有名な「寝床」だ。演者によってマクラもエピソードも変わるけど、骨格は一緒だから、結末を含めてよく知っている話だけど、上手が演ればおかしい。
特に最近は文楽を通じて義太夫節の知識が増えてきたので、可笑しみが深くなってきたようで嬉しい。江戸の話を味わうには歌舞伎・文楽はある意味必須の教養だな。
このクラスとなると客席の共感を確認しながら進めて行けるからとても運びが自然で、噺家の作り上げる世界でお客も一緒に楽しむことができる。
とはいえ、少し言い損ないもあったのが残念。

2017-137/♪国立演芸場-13

2016年8月1日月曜日

国立演芸場8月上席

2016-08-01 @国立演芸場


落語 柳亭市丸(前座)⇒狸札
落語 柳亭市楽⇒売り声
落語 入船亭扇蔵⇒子ほめ
曲芸 翁家社中
落語 川柳川柳⇒ガーコン
落語 三遊亭圓窓⇒枯木屋
―仲入り―
音曲漫才 めおと楽団ジキジキ
落語 橘家蔵之助⇒ぜんざい公社
奇術 花島世津子
落語 柳亭市馬⇒船徳

川柳川柳(かわやなぎせんりゅう)という噺家がいたとは知らなかった。そもそも亭号に「川柳」(かわやなぎ)が存在するのも知らなかった。
彼は6代目三遊亭圓生の弟子(その時の名前は「さん生」)だが、自身の失敗や落語界のいざこざなどが原因して破門され、芸名を返せと求められたために、独自の(多少の謂れはあるらしいが)芸名を名乗ることになったそうだ。
ほとんど古典落語は演らない。今日の「ガーコン」も新作だ。新作と言っても10年以上は演じているはず。そして、ほとんどこの作品しか演らないという話も聞いたが。なので、1年に100回以上「ガーコン」を演じた時期があるそうだ。
昔は相当の売れっ子だったらしい。
噺は落語というより歌謡漫談みたいだ。軍歌~歌謡曲~ジャズを口ずさみながら(うまい。藤山一郎ふうだ)、面白おかしく世相を語る。ジャズはアフタービートだという実演をついには立ち上がって演る。その格好が足踏み脱穀機を稼働する姿に似ているところからその操作の擬音ガーコンが噺の題になったそうだ。
まあ、噺家の生き様には時に「落語」みたいなのを見聞するが、この人はまさに落語、いや漫談か。

面白いのだけど、なんだか、調子が狂ってしまう。

トリが柳亭市馬の「船徳」。これはまっとうな?な古典だ。
主人公の若旦那の設定にはいろいろバリエーションがあるようだけど、要するにド素人が渡し船の船頭になってお客を載せたはいいがなかなか船が進まないという話だ。その様子がおかしい。
舟は揺れてぐるぐる回り岸をこすりながら往くのでお客も前後左右に揺られっぱなしになるので、演ずる方もなかなか体力が必要だ。こういう噺はCDやラジオではおかしさが十分伝わらない。やはり、高座で<観る>のがおかしい。


♪2016-109/♪国立演芸場-08