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2023年10月29日日曜日

横浜交響楽団 第727回定期演奏会 【ミサ曲の午後】

2023-10-29 @県立音楽堂



泉翔士:指揮
横浜交響楽団
横響合唱団

神戸佑実子:ソプラノ
内海祐花:メゾ・ソプラノ
鷹野景輔:テノール
的場正剛:バリトン

モーツァルト:交響曲第1番変ホ長調 K.16
モーツァルト:ミサ曲第9番ハ長調 K.257「クレド・ミサ」
ハイドン:聖ニコライ・ミサ曲 Hob.XXII:6


珍しい作品ばかり3曲。
モーツァルトの交響曲第1番だけは極めて稀だけど生でも聴いているし、全集を買った時にまず1番を聴かないということはない。で、何度か聴いて第1楽章など、実際耳覚えのある曲だ。
先日、最晩年(逝去8月前)の弦楽五重奏曲第6番を聴いたが、逆にこの曲わずか8歳の作品だそうな。そして驚く事に、この曲の第2楽章には最後の交響曲第41番第1楽章のジュピター音形が既に現れている、この不思議な暗合!

次のモーツァルトとハイドンのミサ曲は両方とも珍しい。
そもそも演奏される機会が極めて稀なのだそうだ。
ハイドンの方はCDを持っていて、なんかの折に一度くらいは回したことがある。
両方とも4声部の独唱に合唱団(今回は76名)が入る。

2曲とも古典的な、というか、当時の標準スタイルで作曲されており、キリエ、クレド、〜アニュス・デイと並びも歌詞も同様だ。
もし、途中でハイドンの中にモーツァルトの曲が(逆も然り)紛れ込んでいても分からないだろうな。
作曲年代はハイドンの方が4年ほど早く(1772年=当時40歳)、モーツァルトの方は作曲当時20歳だ。
ハイドンの方が歌心があり心地よく、モーツァルトは劇的だ。

いずれにせよ、古典音楽の原型のようなすっきりした音楽を聴かせてもらった。ノーストレス万歳!

♪2023-187/♪県立音楽堂-10

2022年12月18日日曜日

「第九」2022-❹ 横浜交響楽団 第720回定期演奏会 ”横響・第九演奏会”

2022-12-18 @県民ホール



指揮:鈴木衛
合唱指揮:泉翔士

横浜交響楽団
横響と第九を歌う会合唱団/横響合唱団

鳥海仁子:ソプラノ
高橋ちはる:アルト
土崎譲:テノール
池内響:バリトン

ベートーべン:序曲「レオノーレ」第3番
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調 作品125「合唱つき」


2019年まで横響の「第九」といえば、16型オケに合唱団が600人と、まるで「千人の交響曲」並みの規模で、2,500席の県民ホールを満席にできる数少ないコンサートだった。
コロナに倒れ雌伏2年。ようやく大規模な「合唱付き」が復活…とまではいかん。いまだ道険し。

それでも、約200名の合唱団が、舞台に並ぶ…かと思ばこれが変則で、これまで見たことも聴いたこともない合唱2分割。
卵サンドならぬオケサンドイッチだ。

舞台に並びきれなかった合唱70弱を客席前方に降ろした。
それで客席側合唱には別に指揮者が付いた。

1階客席は27列?より後ろしか客席に使えなかったので、1階の真ん中の真ん中で聴きたい!と駄々をこねることもできず、僕は2階中央に座らざるを得なかった。まあ、そこでも格別悪い席じゃないんだけど。

それにしても、眼下に合唱別動隊。
合唱本体と独唱は遥か舞台後方に。

こんな形になったのは、舞台上の合唱人数がホール側から制約を受けたからだろう。音楽堂は40名までという話も聞いた。県民ホールはせいぜい120名といった辺りで決着がついたか(ミューザは230人も並んだのに!)。

3年ぶりなので何としてもう歌いたい!という合唱人の為に苦肉の策が捻出されたのだろう。

でも、そこまでして合唱を増やす必要があったのか?
舞台だけでも120人以上居たのだから。
神奈川フィルの「第九」の合唱はプロだが39名で格別不満もなかった。日フィルはアマ合唱で80人強。それを思えば120名も居たら十分だったが、この日の第九はオケの為でもお客の為でもない。合唱団の為なんだものな。

独唱は鳥海仁子Sp/高橋ちはるAlt/土崎譲Tn/池内響Br。

演奏の出来は、残念なところがポツポツ。特に一番おいしい終楽章低弦のレシタでは2-3名ツボを外している人あり。

終演後は、蛍の光の合唱でお客を送り出してくれるのが恒例だ。
ともあれ、ここまで辿り着くには大変な苦労があったのだろう。蛍の光を背中で聞いて、少しうるっとしながら、帰途に着いた。


演奏好感度★60点

♪2022-196/♪県民ホール-18

2022年10月25日火曜日

横浜交響楽団 第719回定期演奏会 ”合唱宗教曲”

2022-10-25 @県民ホール


泉翔士:指揮
横浜交響楽団
横響合唱団*

ソプラノ⇒中山美紀*
アルト⇒野間愛*
テノール⇒市川浩平*
バリトン⇒黒田祐貴*

ビゼー:交響曲第1番ハ長調
モーツァルト:レクイエム*


日本のアマオケ最古参、創立90年の横響が719回の定期演奏会…って凄いね。久しぶりに県民ホールで合唱付に臨んだ。
音楽堂では合唱人数が制限されている為らしい。今日の合唱は80人。
前半は、ビゼーの交響曲第1番。若い頃、第2楽章のObの哀愁にやられてたクチだ。

以来好きな曲だが、演奏機会が少ない。プロで聴くのは3年に1回程度か。ビゼー17歳の若作りということで、管弦楽曲としては完成度が低いのかもしれない。

演奏は慎重を期すあまり全体に音圧が低く、大舞台に負けている感じ。Obソロも上手だったがもっと泣き乱れて欲しかったな。

モツ・レクを聴くのはちょうど1年ぶり。
こちらもこじんまり収まって物足りなかった。
声楽独唱はプロで全員NoMaskだが、合唱団は全員Mask。
この為にストレートに声が出ていないのが残念だったが、中盤以降は盛り返したと思う。

12月には3年ぶりの「第九」を楽しみにしているよ。弾けて〜っ!

♪2022-159/♪県民ホール-17

2019年12月22日日曜日

横響第699回定期演奏会 横響・第九演奏会<横響定期第九70回記念・横響と第九を歌う会50周年記念> <第九⑧>

2019-12-22 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮
横浜交響楽団
横響合唱団
横響と第九を歌う会合唱団

横山和美:Sp
松浦恵:Alt
工藤和真:Tn
池内響:Br

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125

「第九」はあと2回残っているが、今日のはそれらを聴かなくとも全10回中最大の「第九」であり、最高とも言えるかも。

横浜交響楽団の《第699回》定期演奏会であり、《第70回》目の「第九」だそうだ。
それほどの歴史を有するアマオケは他に存在しないだろう。毎年の最後の定期演奏会が「第九」だ。

横響の普段の定期は音楽堂だが、「第九」だけは県民ホールに舞台を移す。何しろ、合唱団が640人(今回)も並ぶのだから音楽堂では合唱だけでも入りきらない。
加えて横響の弦編成は16型。これが「最大」の所以也。

その数の迫力に圧倒されるので、他の団体の演奏では得られない不思議な陶酔感が生まれてくる。
これが「最高と言えるかも」の所以也。

実際、処々プロの演奏と聴き違えそうなフレーズにハッとした。全体としてとても良い出来栄えだった。

今日の舞台も当然拡張してあるが、昨日の神奈川フィルに比べ、オケは640人の合唱に押し出されるように、だいぶ舞台の前に位置した。この配置が響を良くしたと思う。

最後は、恒例の蛍の光を客席共々歌い、コーラスがハミングに変わるとお客はオケと合唱団の演奏を聴きながら席を立つ。
合唱団も数が多いので仲間の歌を聴きながら少しずつ袖に消えてゆく。

今年も元気で横響の「第九」を聴けて良かった…なんてお客さんの声も耳にしながらホクホク気分で帰路についた。


♪2019-215/♪県民ホール-07

2019年10月27日日曜日

横浜交響楽団第698回定期演奏会

2019-10-27 @県立音楽堂


飛永悠佑輝
横浜交響楽団
横響合唱団

横森由衣:Sp 
松浦恵:Al 
渡辺大:Tn 
竹内利樹:Br 

ヘンデル:オラトリオ「メサイア」から 
<第2部中27、28、34〜36を除く>
モーツァルト編曲版

横響(横浜交響楽団)は日本最古のアマオケ。
プロを含んでも3番目に古い老舗で、年間8回も定期をやっているのは他に例がないのではないか。
故に今日は698回目。
ある意味日本一のアマオケだが、日本一上手とは言えないけどなぁ。でも意欲的な取り組みは他の模範になるだろう。

‪今日はヘンデルの「メサイア」ほぼ全曲(5曲カット)だが、何とモーツァルトの編曲版で、これは多分極めて稀な「メサイア」ではないかな?‬
‪と言っても、原曲との違いは、僕にはほとんど分からなかった。‬
‪管楽器が少し多めらしく、その分華やかにはなっている。‬
‪指揮と独唱はプロ。

字幕なしが悩ましいが、おおよその物語は分かっているから、まあ、こんなことを歌っているんだろうな、と想像しながら聴いているが、むしろ字幕がない方が純粋に音楽に入り込めるかもしれない。

♪2019-164/♪県立音楽堂-2

2016年12月18日日曜日

横浜交響楽団第675回定期演奏会

2015-12-18 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮
横浜交響楽団

独唱 
ソプラノ:高井千慧子
アルト:小杉瑛
テナー:大川信之
バリトン:大川博
合唱
横響合唱団
横響と「第九」を歌う会合唱団

フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」前奏曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」


横響は年8回の定期演奏会を行うが、ホームは県立音楽堂だ。
年に1回だけ、この「第九」のときだけ県民ホールで開催する。
オケの規模も目一杯大きくなるが、何といっても合唱団が半端ではない。何年か前に600人だと聞いたが、今年も同じなのだろう。

県民ホールの大きな舞台上に所狭しとオケと合唱団が居並ぶこの壮大な景色がワクワクさせる。

演奏も熱が入っていたしなにより第4楽章の合唱の迫力は凄みがある。プロの声楽ソリストたちもとても良かった。

「千人の交響曲」並みの大規模オケと合唱団の爆音に酔った。

♪2015-179/♪県民ホール-5

2016年10月23日日曜日

横浜交響楽団第674回定期演奏会

2016-10-23 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
高品綾野:ソプラノ
宮里直樹:カウンターテナー
山本悠尋:バリトン
横響合唱団
横浜交響楽団

バルトーク:組曲「ハンガリーの風景」 BB 103/Sz.97
オルフ:カンタータ「カルミナ・ブラーナ」〜演奏会形式〜


もう随分前から、この日を楽しみにしていた。
「カルミナ・ブラーナ」を聴きたかったから。

去年の7月に神奈川フィルの演奏を聴いた。これがナマでは初めてだった。素晴らしい演奏で、時として「不甲斐なきN響」を上回るのではないかと思わせる熱演だった。

今回の横響にそれほどのものは期待できないけど、やはり音楽そのものが素晴らしいから、是非とも聴きたかった。

しかし、体調が絶不調だった。

前座のバルトーク「ハンガリーの風景」は初聴きだったが、バルトークとも思えない(実際は、こういう作品が原点なのかもしれないのだけど詳しいことは知らない。)なかなか親しみやすい音楽だ。
5音音階で作曲されたものが幾つか混じっているらしいが、そういえば東洋からアジアに通ずる懐かしさを感じさせる。全5曲続けて演奏され演奏時間はとても短く10分強だった。

ここで休憩となったが、もはや我が体調は1時間もの大曲を聴くに耐える状態ではなく、ここで残念ながらギブアップしてしまった。

次に「カルミナ・ブラーナ」をナマで聴く機会はやはり1年以上待たなくてはいけないだろうな。

♪2016-146/♪県立音楽堂-10

2016年4月24日日曜日

横浜交響楽団第670回定期演奏会

2016-04-24 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
岩下晶子:ソプラノ
相田麻純:アルト
土崎譲:テノール
大沼徹:バス:
横浜交響楽団
横響合唱団

ハイドン:交響曲第101番ニ長調「時計」
モーツァルト:レクイエムニ短調

前半のハイドンは率直に言ってダメだったな。
今日は、曲目に合わせて小編成なので、弦の不揃いがはっきりし、管楽器の頼りなさももろに聴こえてしまう。

最近、横響は腕を上げたと思っていたのに、どうしたことか。

しかし、後半のメインプログラムでは息を吹き返した。というか、オケに数倍する合唱団の迫力の陰で、少々の不揃いが目立たなかったということかもしれない。

声楽ソロは流石にプロだ。きれいな声がよく響き渡る。
横響合唱団もこの曲は歌い慣れているのだろう。全然危なげなかった。
欲を言えば、「トゥバ・ミルム」のトロンボーンソロをもう少しなめらかに決めて欲しかった。

(昨秋の都響とスウェーデン放送合唱団のレクイエムはとにかく素晴らしかったが、その時の「トゥバ・ミルム」のトロンボーンの見事さには大いに驚いたものだ。それを思い出したので、比較してはいけないけど、つい辛い評価になってしまう。)

全体として、ハイドンとはうって変わって良い出来だった。
「レクイエム」は名曲ばかりだけど、やはりモーツァルト絶筆となった「ラクリモーサ」(涙の日)が、<歌曲>としては一番心に染みる。

今日は、開演冒頭に横響理事長のあいさつで、いつもどおり「東北震災復興祈念」と冠しているが、今日のコンサートは併せて、いやそれ以上に熊本の被災者に心を寄せて演奏したい、という趣旨のことを述べていたが、舞台のみならず観客も、その点で一つにつながったのではないか。
今日の演目は半年以上前に発表されていたものだが、この時期に大きな震災が起こるとは悲しい暗合だ。

個人的には、今月16日にはヴェルディの、昨日はブラームスのレクイエムを聴き、今日はモーツァルトのレクイエムが続くとはまことに不思議な偶然だ。


♪2016-049/♪県立音楽堂-03

2015年12月19日土曜日

横浜交響楽団第667回定期演奏会

2015-12-19 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮

独唱: 
ソプラノ⇒村元彩夏
アルト⇒秋本悠希
テナー⇒土崎譲
バリトン⇒小林大祐
合唱:
横響合唱団
横響と「第九」を歌う会合唱団

横浜交響楽団

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調 作品125 「合唱付き」


横響恒例の「第九」だ。
この日は、単なる定期演奏会とは様子が違って、演奏する側も聴衆の側もテンションが高まっている。

横響自体、歴史のあるオーケストラで、1932年の創立(第1回演奏会は翌年)だが、「第九」演奏会は1950年が最初だそうな。
今日は第667回の定期演奏会だが「第九」演奏会としては66回目になる訳だ。こんな長い歴史を持ったアマチュアオケが他にあるだろうか。

アマオケが年8回も定期演奏会を開いているのもすごいことだが、おり、通常、会場は県立音楽堂だが「第九」だけはキャパ2,500人の県民センターに移す。
この大きなホールが、ざっと見回して満席になる。
県民ホールで開かれるプロ・アマの「第九」演奏会の中で最大集客演奏会らしい。

合唱団もアマチュアで総数600人と聞いた。
ふだんクラシックコンサートに縁の遠い人でも、これだけの合唱団が参加するとなると、その家族や友達が数人ずつ客席に付けばそれだけで満席になるのかもしれない。

そのせいもあって、会場は一種のお祭りのような雰囲気がある。
このテンションの高さがいい。

客席の熱い期待に応えて、横響と声楽ソリスト、合唱団も大いに気合が入っていた。

横響について言えば、前回の定期演奏会で急に腕を上げたという印象を受けたが、今回も見事だった。
ミスの目立ちやすい管楽器もほとんど問題なし。
プロでも時々は変な音を出すホルンは特に第3楽章に聴かせどころがあるが、これがもう完璧。下手なプロよりうまい。

弦もピッチが合うようになってきたみたいだ。今日はほとんど干渉波を感じなかった。
難点は、音の出だしが揃わない。メンバーの中には気持ちが遅れている人がいる。これは僕もアマオケ経験者としてよく分かる。自分だけ飛び出したくないし、つい周りの音を聴きながら弾き始めるので、ナノセコンドの単位かもしれないが、ピシっとは決まらない。

バイオリンパートの相対的音量不足も感じた。

第4楽章の低弦のレシタティーヴォは、ここも呼吸合わせが難しいところだけど、まずは破綻なかった。もう少し力強く、息を合わせて、ガリッと脂を飛ばしてほしいところだが。

まあ、全体としては非常に良い出来。近年にない優れた演奏だったように思う。


終曲後は、これも横響恒例のオケとソリストと大合唱団が「蛍の光」を演奏してくれるのだが、それを聴きながら観客は大いなる満足感で胸をホクホクして帰路につくのだ。

この冬(夏にも聴いたが)、「第九」はあと4回聴くことになっている。
今日はその第1回目。
とても良い出だしだった。
明日も同じ県民ホールで神奈川フィルの「第九」だ。
プロの技を聴かせてほしいものだ。


♪2015-128/♪県民ホール-04

2015年10月25日日曜日

横浜交響楽団第666回定期演奏会

2015-10-25 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮

独唱
カルメン:池端歩
ミカエラ:田川聡美
ホセ:浅原孝夫
エスカミーリオ:武田直之

田添菜穂子:語り

合唱
横響合唱団
金沢少年少女合唱団

横浜交響楽団

【 オペラの魅力 】
ビゼー:歌劇「カルメン」 全4幕から抜粋《演奏会形式》


演奏会形式の抜粋版「カルメン」。
前奏曲、間奏曲を含め全18曲。
オリジナルが何曲と数えられるのか知らないが、演奏時間がだいたい160分くらいで、今回の抜粋版が休憩除いて105分だったから、およそ7割弱。耳に馴染んだ曲ばかりだった。

フランス語原語上演だが、要所々々にナレーション(当然、日本語!)が入るので、何を歌っているか、どんな場面なのかは原作歌劇を一度も観たことがない人でもおよそは理解できる趣向になっていた。

まずは、ビゼーの音楽が素晴らしい。
4人のソリストたちの豊かな声量が素晴らしい。
児童合唱団も出番は少なかったが巧いものだ。
横響合唱団もいつになくうまい。

そして何より驚いたのは、横響の素晴らしい響だ。
冒頭の前奏曲から破綻がない!
いつもなら、ピッチの狂いが気になってしかたがないのだけど、弦のユニゾンのきれいなこと!
管・打楽器もいつもよりうまい!

まるで別人のように美しい音を奏でる横響はプロオケと聴き違うほどであったが、一体どうしたのだろう。
次会は恒例の県民ホールでの大合唱団付き「第九」だが、見事なアンサンブルを決めてほしいな。


♪2015-105/♪県立音楽堂-12

2015年4月29日水曜日

横浜交響楽団第662回定期演奏会

2015-04-29 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
高品綾野:ソプラノ
池内響:バリトン
横響合唱団:合唱
横浜交響楽団

【 宗教合唱曲① フォーレ 】
<山田耕筰没後50年>
山田耕筰:序曲 ニ長調 
山田耕筰:「この道」・「中国地方の子守唄」・「赤とんぼ」
シューベルト:交響曲第7番ロ短調「未完成」D759
フォーレ:レクイエム ニ短調作品48


今日の音楽堂は超満員。え~なんで?と一瞬思ったが、舞台には横響合唱団がおよそ200人並んでいる。多分、その関係者がどっと詰めかけたのだろう。

「序曲ニ長調」は山田耕筰が初めて書いた管弦楽曲で、日本人としても初の西洋音楽による管弦楽曲だそうだ。
3分少々の曲で、途中短調への転調部分があったが、全体としてえらく開放的で明るい音楽だった。

序曲は良かったが、今日は、申し訳ないことに体調不十分で、「中国地方の子守唄」ほかが、すっかり僕の子守唄になってしまった。

曲が終わるたびに拍手が起こるから、それで覚醒して僕もパチパチ…。次の曲ではまたもや居眠り。また拍手で覚醒…を繰り返してしまい、「未完成」になるともう確信犯的に寝てしまった。

今日、一番聴きたかったのはフォーレの「レクイエム」だ。これさえ聴けたらよしとしよう。そのためには英気を養っておかなくてはならぬ。

そんな訳で、覚醒し、刮目してきちんと聴いたのは、「レクイエム」だけだった。


フォーレの「レクイエム」はモーツァルト、ベルディと並んで三大レクイエムの一つと目されているようだがその構成は後二者がレクイエムの典型をほぼなぞっているのに対してフォーレのは多くのあるべき詠唱が欠けており、ずいぶん変則的だ。
それに曲調もあまりレクイエムらしくない。

全体に「レクイエム」というより「合唱組曲」のような感じがする。モーツァルトやベルディ、ブラームスの作品のような重々しさや威圧感はほとんどなく、ドラマ性は乏しい(第1曲と第6曲にやや重厚感がある)のだけど、まあ、この柔らかな明るい感じの「レクイエム」も一興だ。

個人的にはブラームスの「ドイツ・レクイエム」の方が数段好きだし、シューマンもいい。
僕が三大レクイエムを選ぶなら、やはりフォーレは外して「ブラームス」を入れたいな。


さて、横響の演奏は、(たいていいつもそう思うが、)最初はいまいちバラバラの感があり、(途中は寝ていたが…)フォーレとなるとこれはとても良かった。技術的な破綻には少なくとも気付かなかったし、低弦はいつもの様にきれいにまとまっている。

来月の横響定期はシベリウスのバイオリン協奏曲だ。これは楽しみ。しっかり体調を整えて、刮目傾聴せねばなるまい。


♪2015-35/♪県立音楽堂-04

2014年12月21日日曜日

横浜交響楽団第659回定期演奏会

2014-12-21 @県民ホール


飛永悠佑輝:指揮
高品綾野 :ソプラノ
平山莉奈 :アルト
宮里直樹 :テナー
池内響    :バリトン
合唱       :横響合唱団
       :横響と「第九」を歌う会合唱団

ボロディン:歌劇「イーゴリ公」序曲
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調Op.125 「合唱付」



今季の「第九」3回め。
でも、一番楽しみにしていた「第九」だ。

横響は、7月から聴いていなかった。演奏会が他のオケとダブってやむなく聴くことができなかった。

でも、12月の横響の「第九」だけは聴き逃すことができない。
幸い、他のオーケストラ公演ともダブリがなく、喜んで、売り出し当日に指定席を買った。
ちょっと前過ぎるなあ、と思いながらも、超大規模編成の管弦楽と600人の大合唱(一昨年の演奏会でそのように聞いたので、多分、毎年その規模だろうと思っている。)を間近で聴きたいという欲求に抗することができず、前から7列目のセンターを購入した。

これでよし。
最高にパワフルな演奏に身も心も包まれるはず!

だいぶ早めに着いたが、県民ホールは大勢のお客でごった返していた。横浜市内の定例の音楽行事としてはおそらく最大の盛り上がりだろう。何しろ、合唱団がものすごい数なので、その家族や友人など一族郎党が、普段はクラシックなど聴かない人まで、この日だけは義理・人情も手伝って総動員されるからほとんど関係者だけでも観客席は埋まってしまうのではないかと思う。
ホール内は開演の前から熱気ムンムンだ。


さて、大いなる期待を抱いて指定席に向かっていったらこれはびっくり。前から7列目を探して座ろうとするが、7列目に第7列がない!
泡食ってしまったが、なんてことはない。
第7列は2列目に変わっていた。
つまり、最前列が第1列ではなく第6列で、僕が買った第7列は2列目になっていたのだ。

なぜなら、大オーケストラと大合唱団を舞台に載せるために舞台が客席側に拡張された結果、前方客席の計5列分がなくなってしまったのだ。

7列目でさえ前過ぎたかなと思っていたのに、2列目はさすがに辛い。前の列の人の前はもうステージで、首席チェリストに手が届きそうだ。それに舞台が結構高いので見上げなくてはいけない。
声楽ソリストは指揮者の直前だったから、これもとても近い。
合唱団は背の高い人以外はほとんど見えない。

演奏中もやたらチェロが響いてくる。バランスは良くない。
超ステレオを聴いているような音場の広さは「目移り」ならぬ「耳移り」して落ち着かない。
元々アマチュアなのでいつものことながら弦のピッチは微妙だ。
でも、アマチュアにしては相当レベルが高いと思う。

あれこれ問題はあったが、終わってみれば、すべて吹き飛ばす熱演であった。ま、来年は2階席でも選んでみようと思うが。

横響の「第九」コンサートは、毎年、終演後「蛍の光」の演奏が恒例になっている。大合唱団のオケ伴つき「蛍の光」は感動的だ。
お客様をお見送りするという趣向なので、僕も遠慮なく演奏を聴きながら少し上気した心持ちでオーディトリアムを後にした。

ギリギリまで拡張された舞台

前5列がなくなった。

余談:
声楽がどこで登壇するか?シリーズ。
大合唱団なので舞台上で座って待つスペースはないから、冒頭から登壇したのでは出番までずっと立ちん坊になるのはしんどい。

そこで第2楽章が終わってから合唱団が入場してきた。合理的だ。その後、ソリストが4人拍手を受けて着席する。

第3楽章が終わって第4楽章の開始は一呼吸程度だった。
一昨日の神奈川フィルも(合唱団は数が少ないので最初から着座していたが)同じスタイルだった。
これが普通だと思うが、18日の日フィルはどうして第3楽章終了後にソリストを入れたのかますます疑問だ。

♪2014-118/♪県民ホール-04