2015年4月29日水曜日

横浜交響楽団第662回定期演奏会

2015-04-29 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
高品綾野:ソプラノ
池内響:バリトン
横響合唱団:合唱
横浜交響楽団

【 宗教合唱曲① フォーレ 】
<山田耕筰没後50年>
山田耕筰:序曲 ニ長調 
山田耕筰:「この道」・「中国地方の子守唄」・「赤とんぼ」
シューベルト:交響曲第7番ロ短調「未完成」D759
フォーレ:レクイエム ニ短調作品48


今日の音楽堂は超満員。え~なんで?と一瞬思ったが、舞台には横響合唱団がおよそ200人並んでいる。多分、その関係者がどっと詰めかけたのだろう。

「序曲ニ長調」は山田耕筰が初めて書いた管弦楽曲で、日本人としても初の西洋音楽による管弦楽曲だそうだ。
3分少々の曲で、途中短調への転調部分があったが、全体としてえらく開放的で明るい音楽だった。

序曲は良かったが、今日は、申し訳ないことに体調不十分で、「中国地方の子守唄」ほかが、すっかり僕の子守唄になってしまった。

曲が終わるたびに拍手が起こるから、それで覚醒して僕もパチパチ…。次の曲ではまたもや居眠り。また拍手で覚醒…を繰り返してしまい、「未完成」になるともう確信犯的に寝てしまった。

今日、一番聴きたかったのはフォーレの「レクイエム」だ。これさえ聴けたらよしとしよう。そのためには英気を養っておかなくてはならぬ。

そんな訳で、覚醒し、刮目してきちんと聴いたのは、「レクイエム」だけだった。


フォーレの「レクイエム」はモーツァルト、ベルディと並んで三大レクイエムの一つと目されているようだがその構成は後二者がレクイエムの典型をほぼなぞっているのに対してフォーレのは多くのあるべき詠唱が欠けており、ずいぶん変則的だ。
それに曲調もあまりレクイエムらしくない。

全体に「レクイエム」というより「合唱組曲」のような感じがする。モーツァルトやベルディ、ブラームスの作品のような重々しさや威圧感はほとんどなく、ドラマ性は乏しい(第1曲と第6曲にやや重厚感がある)のだけど、まあ、この柔らかな明るい感じの「レクイエム」も一興だ。

個人的にはブラームスの「ドイツ・レクイエム」の方が数段好きだし、シューマンもいい。
僕が三大レクイエムを選ぶなら、やはりフォーレは外して「ブラームス」を入れたいな。


さて、横響の演奏は、(たいていいつもそう思うが、)最初はいまいちバラバラの感があり、(途中は寝ていたが…)フォーレとなるとこれはとても良かった。技術的な破綻には少なくとも気付かなかったし、低弦はいつもの様にきれいにまとまっている。

来月の横響定期はシベリウスのバイオリン協奏曲だ。これは楽しみ。しっかり体調を整えて、刮目傾聴せねばなるまい。


♪2015-35/♪県立音楽堂-04