2015-04-26 @ミューザ川崎シンフォニーホール
秋山和慶:指揮[桂冠指揮者]
半田美和子:ソプラノ(スキャット)*
堀江一眞:ナレーション*
東京交響楽団
E.シュトラウス:ポルカ「テープは切られた」op.45
J.シュトラウスⅡ世 :ポルカ「観光列車」op.281
ヴィラ=ロボス:カイピラの小さな列車(ブラジル風バッハ第2番より)
ロンビ:コペンハーゲンの蒸気機関車のギャロップ
オネゲル:パシフィック231
青木望:組曲「銀河鉄道999(スリーナイン)」*
今日のプログラムはどういうコンセプトか、といえば、「列車の旅」だ。
東響桂冠指揮者の秋山和慶マエストロが大の鉄道ファンということで、選曲されたそうだ。
そういう観点から音楽を聴いたこともないから、知らない曲が多かった。
ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」は、たぶん第5番の第1曲「アリア」が突出して有名で、初めて聴いた時は20世紀の音楽でもこんなきれいな旋律を書く人がいるのかと驚いた。
でもこれはナマで聴いたことがない。ソプラノと8本のチェロという編成だからめったに公演で取り上げられないのだろう。
ところで、今日の「ブラジル風バッハ」は残念ながら第2番の第4曲だ。
ブラジル風バッハのCDを持っているから、「アリア」を聴くついでにこの曲も何度か耳にしているのだけど、いちいち曲名(<オーケストラのための>ブラジル風バッハ第2番 IV. トッカータ: カイピラの小さな汽車)を確認せずに垂れ流し状態だから、列車の動きを描写しているとは知らなかった。なるほど、蒸気機関車が重々しく動き出すところから始まっている。
パーカッションの多彩さは半端ではない。全く見たことも聴いたこともない楽器が並んでいた。
ガンザ、ショカーリョ、ヘコヘコなど…。
そういう音楽だとは知らなかったが耳には馴染んでいるせいもあってなかなか楽しい曲だった。
オネゲルの「パシフィック231」はかつて聴いたことがあったのでそのタイトルも覚えていたが、まあ、初めて聴くに等しかった。
楽しいとは言えないね。
休憩を挟んで、後半が青木望という人の作品だけど、知らない人だ。でも「銀河鉄道999」は知っている、というか、マンガは読んだ(見た?)ことがないし、アニメも観たことがない。組曲「銀河鉄道999」という作品があることも知らなかった。
全8曲で構成され、演奏時間50分という大作で、演奏に当っては各曲の前にナレーションが入って物語を説明してくれたが、あまり惹きこまれなかった。
途中、ソプラノのスキャットが入るのだけど、ステージには歌手の姿が見えない。それに肉声ではない。舞台袖などでマイクを使って歌っているのだろうと思ったが、3階のバルコニーで歌っていたらしい。気が付かなかった。
マイク、スピーカーなんてどうかとも思うけど、この会場とオーケストラの規模からして肉声では管弦楽に埋没してしまうだろう。このスキャットがとてもよい感じだった。
東響はいい音を出している。今日はホームグラウンドのミューザだけど、時々サントリーでも聴くがどこでも変わらない響だと思う。
特に管楽器、とりわけ音がひっくり返りやすいホルンも抜群の安定性がある。クラリネットもうまかった。
ただ、今日の演目ではしかたがないけど、弦楽合奏の響が物足りなかったな。
♪2015-34/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07