2015年4月17日金曜日

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.66 ドビュッシー、ジョリヴェ・・・音色の魔術師たちを訪ねて

2015-04-17 @みなとみらいホール


山崎祐介(ハープ)
小林明子(東京都交響楽団ビオラ奏者)
小池郁江(東京都交響楽団フルート奏者)

ジャック・イベール:2つの間奏曲 Fl、Vla、Hp
ガブリエル・ピエルネ:奇想的即興曲 Hp
フランツ・シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821から第1楽章 Vla、Hp
アンドレ・ジョリヴェ:クリスマス・パストラーレ Fl、Vla、Hp
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アンコール(トリオ)
J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調から「ポロネーズ」


2015年上半期シリーズの最初のコンサート。
ハープ、フルート、ビオラという変わった組合わせのトリオだ。
プログラムに並んだ作曲家を見てもシューベルト以外は初めてお目にかかる名前・曲目ばかり。

説明を読むと、シューベルト(ウィーン)以外は全員フランス人。
このフランス人たちはいずれも19世紀後半から20世紀初頭に生まれ、活躍したのは当然20世紀で、一番若いジョリヴェは1974年に没したというから、まだ半世紀も経っていない。

つまり、<現代フランス音楽>という訳で、ハープやフルートという楽器もいかにもの感じがする。

しかし、ジョリヴェに若干の新しさ(現代音楽風味)を感じたけれど、イベールもピエルネも、癒し系イージーリスニングぽい音楽で大変耳ざわりの良いものだった。

ちょっと洒落たサロンミュージックという感じ。

一味違うのはもちろんシューベルトだ。
アルベジョーネ・ソナタは本来アルペジョーネ(6弦の小型チェロだが、ギターのようにフレットがある。)とピアノのための作品だが、アルペジョーネという楽器が短命であったためにいまではほとんどチェロに取って代わられており、たまにビオラなどの他の楽器で演奏されるそうだが、今回は、ビオラとハープという超珍しい組み合わせで聴いた。ビオラにせよチェロにせよ、元々6弦楽器用に書かれたものだから4弦で演奏するのは相当難しいようだ。

冒頭から泣かせるベタ甘の旋律だが、大好きな曲だ。
今日の楽器の組合わせも悪くない。これはこれで楽しめる。
サロンミュージック風アルペジョーネ・ソナタだ。

でも、やっぱり、きちんと聴くならチェロとピアノでガリガリと弾きまくってほしいな。

司会進行を兼ねたハーピストがアンコール曲を紹介するときに、最後は音楽の王道を演奏します、と言って曲名を言わなかったので、何だろ、と思ったら、バッハの管弦楽組曲第2番のポロネーズだった。第2番は全曲にわたってフルートが大活躍するが、とりわけこのポロネーズが心にしみて美しい。

洒落た現代フランス音楽もいいけど、やっぱり、ドイツ・オーストリアのクラシックこそ本当に音楽の王道だなあ、と納得するの巻だった。


♪2015-31/♪みなとみらいホール-13