2021年5月25日火曜日

ランチタイムコンサート パイプオルガン&ソプラノ ~フランスのエスプリを感じて~

 2021-04-25 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ジャン=フィリップ・メルカールト:オルガン
國光ともこ:ソプラノ*

ドビュッシー(メルカールト編曲):牧神の午後への前奏曲
ラヴェル(メルカールト編曲):シェエラザード*
デュプレ:「エヴォカシオン」からアレグロ・デチーゾ
----アンコール-------------
フォーレ:「レクイエム」から「ピエ・イエス」*


メルカールトのパイプオルガンと國光ともこのソプラノで仏音楽集。

メル〜編曲のドビュッシー&ラヴェルも悪くはないけど、やはりデュプレによるオルガン・オリジナルが面白かった。

演奏の2人とも初めて聴いたがメルカ〜氏は日本滞在が長く、日本語もソコソコ上手で、本番後の2人によるオルガントークが参考になった。

先日、神尾真由子の金ピカドレスに驚いたが、今日は國光女史の銀ピカ・クロムピカ・鏡ピカにも驚いた。一体どんな素材でできているのだろう。近くで見たかったよ。

ユリアンナ・アヴデーエワは演奏家の衣装のあり方に哲学があり実践しているが、対極にあるユジャ・ワンだって彼女なりの哲学があるのだろう。

女性演奏家の衣装がどうあるべきかという問題はなかなか難しいが、僕個人としてはユジャ・ワンのような挑発的なドレスに心乱されても修行だと思って受け入れるよ🤤。


♪2021-048/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-10

2021年5月22日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第368回定期演奏会

 2021-05-22 @県民ホール


沼尻竜典:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

バイオリン:石田泰尚*
ピアノ:石井楓子**
ソプラノ:中村恵理***

武満徹:ノスタルジア*
三善晃:ピアノ協奏曲**
マーラー:交響曲第4番ト長調***
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武満徹:「リタニ」から第2曲*


最近好調の神奈川フィルは、先月定期でのブルックナー第4番に続いて今日はマーラーの交響曲第4番だ。

しかもその前に邦人作の2曲を取り上げるなんて、意欲的だ。


マーラーでのソプラノ独唱は中村恵理。

これは2月の大野和士指揮都響のマーラー交響曲第4番と同じ組合わせ。

都響が弦16型であったのに対し、今日の神フィルは12型と小振りだが、迫力は十分。


むしろ、引き立つはずのソプラノの響きは2月の都響公演の方がよく通っていた。


ホンにホールの響きは微妙だ。

今日の県民ホールは、マーラーの前に演奏された三善晃のピアノ協奏曲でもピアノの音が燻んでいた。

僕の席は真ん中の真ん中だが、案外後ろの席の方が届いていたのかもしれない。


ま、ともかく、沼さん。神奈川フィル次季音楽監督のデビューは華々しく成功を飾って、今後の活躍に期待。

♪2021-047/♪県民ホール-06

2021年5月21日金曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第368回横浜定期演奏会

 2021-05-21 @ミューザ川崎シンフォニーホール


田中祐子:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

神尾真由子:バイオリン*

ワーグナー:ジークフリート牧歌
ブラームス:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.77
ベートーベン:交響曲第5番《運命》ハ短調 op.67
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ハイドン:弦楽四重奏曲op33-2「冗談」(Hob.Ⅲ-38)第4楽章Presto

3本立てのうち、神尾真由子のブラームスVn協奏曲が一番聴き応えがあった。

今回は見た目の豪華さ(後述)も手伝ったが、風格を感じた。


発音がはっきりして曖昧さがない。


終楽章はもう少しハイテンポが好みだけど、しばらく進めば違和感も消えた。ま、なんていうか存在感があるな。


メインは「運命」だったが、些か食傷気味だし、40分のブラ協を聴いた後では期待はしていなかったが、小細工のないスッキリした小気味の良い音楽作りだった。

尤も、今日の日フィルは金管に瑕疵が目立ったが。


最近では珍しく、オケによるアンコールがあった。その時既に21時07分だったのに!

ハイドンの弦楽四重奏曲作品33-2、いわゆる「冗談」の第4楽章、仕掛けは知っていたのに、ついハイドンの仕掛けた冗談に乗せられてしまった😅。


音楽外であるが、一番インパクトがあったのは神尾真由子のドレスだ。クリムトの絵を思わせる金ピカだが、色合いは銀に近い渋さなので品は保っている。

こんな豪華なドレスを見たのは初めてかも。

上は諸肌出しだが、下は足も隠れるほど長く、腰の辺から同じ生地でできた折紙のような大きな飾りが付いている。


その腰巻きみたいにまとわりついている部分の布地だけで、ユジャ・ワンのドレスなら2着くらい作れるなあと思ったよ。


他の女性演奏家を思い浮かべて、誰ならこれを着こなせるだろうかとあれこれ考えたが、今のニッポンには神尾真由子以外にはおらんだろうな。


♪2021-046/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09

2021年5月15日土曜日

名曲全集第167回 大植英次 名曲全集 再登場

 2021-05-15 @ミューザ川崎シンフォニーホール


大植英次:指揮
東京交響楽団
北村朋幹:ピアノ*

武満徹:鳥は星形の庭に降りる
バルトーク:ピアノ協奏曲第1番 Sz. 83*
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 op. 73
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ショパン:マズルカ第27番ホ短調 作品41-2*


大植英次は聴く機会の少ない指揮者だが聴く度に驚きがある。

東響とは7年ぶりらしい。ノットの代役ではなく彼の得意な音楽を聴きたかったが。


2年ぶりに尊顔を拝したが、その睨みつけるような顔付きにエネルギーが充満している。東響も彼の気合いに応えて熱演した。


疑問があったのは、バルトークのピアノ協奏曲だ。

ノットの好みらしく、以前、彼の指揮で川崎定期でも聴いたが、その時、Pfの屋根は客席に反響するように開いていた…はず。もしそうでなかったら、奇異に感じたはずだから。


しかし、今回は取り払われていた。

ということは、大植の指示によるのではないか。


しかし、屋根の抜けたピアノの音は、P席等舞台周りの席にとっては聴きやすかったかもしれないが、正面席には不都合だ。

音がオケに埋もれがちだった。その意図不明。


とはいえ、メインのブラームス交響曲第2番。これは良かった。弦がよく鳴ること。特に低弦が美しい。


かつて大植+日フィルの「新世界」を聴いた時のような驚きではなく、とても聴き馴染んだ素直な音楽作りだったと思うが、丹念にリハをしたのか、大植のエネルギーがオケに伝染したか、毛細血管にまで気合が行き届いているような生命力を感じた。


♪2021-045/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-08

2021年5月7日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会97回 〜ドイツバロックの華

 2021-05-07 @ひまわりの郷

横浜バロック室内合奏団
Vn小笠原伸子、根来由美、吉成とも子
Va小森佳奈、櫻井すみれ、眞中望美
Vc間瀬利雄、中垣文子、岡本蒼馬
Cb大西雄二
Cemb山口範子
Fl竹森ゆきえ

ビバルディ:バイオリン協奏曲ホ長調 作品8-1「四季」から”春”
早川昭三:バロック風「日本の四季」から”春”
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV1048
テレマン:「食卓の音楽」第2集第4曲”トリオソナタ ホ短調” TWV42:e2
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
-----アンコール-----
J.S.バッハ:G線上のアリア

みなとみらいホールが休館の為に会場が今季から上大岡駅そばの「ひまわりの郷」(港南区民文化センター)に移った。

「フィリアホール」や「かなっくホール」と同じ位置付けの横浜市の公的施設だが、立派なので驚いた。

響も少し硬めだけど悪くない。


今季第1回目の今日は「ドイツバロックの華」というテーマでプログラムが構成されていた。

J.S.バッハが中心でビバルディ、テレマン等。


異色は早川昭三の「日本の四季」から「春」。

今後毎回「四季」からその季節の曲を取り上げるそうだ。


いかにもバロック音楽という出だしだが、よく聴いていると日本古謡や童謡が素材になっていて面白い。


編成は5人から11人。弦5部にCemb。今回はFlが客演というスッキリ編成。


全曲明るい調子で、小難しいところがないのがバロックの良さ。

それにメンバーのうち9人が女性で、全員カラフルなドレスというのも華やいでいい。


肩の凝らない息抜きコンサートだ。


♪2021-044/♪ひまわりの郷-1

2021年5月4日火曜日

小林美樹 バイオリンリサイタル&トーク 〜Anthology

2021-05-03 @関内ホール


小林美樹:バイオリン
坂野伊都子:ピアノ

ドボルザーク(クライスラー編):スラヴ幻想曲
ブラームス(ハイフェッツ編):5つの歌曲 作品105から 第1番「歌が導くように」
ガーシュウィン(ハイフェッツ編):《ポーギーとベス》から「そんなことはどうでもいいのさ」
パガニーニ:カンタービレ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
ヴィターリ:シャコンヌ
ルビンシテイン:2つのメロディ 作品3から第1番「へ長調のメロディ」
首藤健太郎編:さくら変奏曲
武満徹(森山智宏編):武満SONGSから「さようなら」、「恋のかくれんぼ」、「めぐり逢い」
シューマン(アウアー編):《ミルテの花》作品25から 第1番「献星」
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ
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メンデルスゾーン(クライスラー編):無言歌集から第25番「5月のそよ風」
モンティ:チャールダッシュ

気合の入った演奏会だった。

全曲間に美樹嬢によりMC(解説〜エピソード)が入り、一曲一曲にとても共感を覚えながら名曲と妙技を楽しんで満足度120%!

先日のNHKBSクラシック倶楽部のインタビューでも人柄が偲ばれたが、あれはよそゆきで実際はもっと率直で気さくなのに驚いた。

昨秋発表したCD「Anthology」の発売記念コンサートということで、CD収録曲全11曲+2曲が演奏された。

特に素晴らしかったのは、
ヴィターリ:シャコンヌ、
ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテラ、
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソは心にも腹にも染みわたり満腹状態。

終演後、コロナ禍では珍しく演奏家によるホワイエでのお見送りがあった。

彼女はステージで、サイン会でゆっくりお話ができないのが残念と話していたが、立話はできたので、ホンのごあいさつをしたが、気取りのない態度にますますファン度が昂じてきたよ。

来月のブラームス:ソナタ全曲が楽しみ!

♪2021-043/♪関内ホール-01

2021年5月1日土曜日

モーツァルト・マチネ第45回「一期一会」

2021-05-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


太田弦:指揮
東京交響楽団

山根一仁

≪オール・モーツァルト・プログラム≫
交響曲第32番ト長調 K.318
バイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
交響曲第36番ハ長調 K.425「リンツ」


今日が今季の始まり。

今季も前季と同じ中規模オケ向きの絶好良席を確保したが、生憎前の席はマーラー第1番が座っている。指揮者が全然見えないよ。この人もセット会員なら困ったことだ。


とはいえ、前半の東響は軽快で歯切れ良く、山根くんもキビキビしてモーツァルト天真爛漫の楽しさ。


「リンツ」では管が増えたかどうか記憶が曖昧だが、弦は10型から12型に拡大した。その必要があったのだろうか?


弦もざわついてきたが、この曲では金管と木管のTuttiの拍がぼやけてきて気になったよ。

かくしてオケ全体としては輝きを失ってしまったのが残念。


♪2021-042/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07