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2016年9月10日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第320回横浜定期演奏会

2016-09-10 @みなとみらいホール


大井剛史:指揮
ソプラノ:半田美和子
アルト:手嶋眞佐子
テノール:望月哲也
バリトン:甲斐栄次郎
ボーイソプラノ:野沢晴海
ほか声楽独唱8人(合唱兼務)

日本フィルハーモニー交響楽団
日本フィルハーモニー協会合唱団

メンデルスゾーン:オラトリオ「エリヤ」 Op.70


2日前にN響「千人の交響曲」を聴いたばかりだが、今日は今季オープニング、日フィル60周年ということもあってか、定期演奏会なのにメンデルスゾーンの大曲オラトリオ「エリア」全曲。
音楽正味130分(さすがに途中休憩が入った。)。オルガン付き管弦楽に大合唱団、独唱5人+8人。

めったに聴けないどころか、ナマは初聴き。それも定期で。太っ腹な日フィルにブラボー。
CDは持っている(メンデルスゾーンはCD化されてものはほとんど網羅しているはず。)ので、一度くらい聴いたことはあったのだけど、こんなに聴いていて楽しい音楽だとは思わなかった。
旧約聖書「列王記」を中心に預言者エリアの活躍を描いているが、これがなかなかのドラマなのだ。

初期ロマン派のメロディーメーカーだけあって耳に馴染む明快な旋律の一方で預言者エリアの闘いを劇的に表現して飽きさせない。
声楽陣が素晴らしかった。合唱も実にうまい。
管弦楽はあまり目立たないのだけど声楽とうまく溶け合って見事なアンサンブルだった。

これまで日フィルを結構の回数聴いている(2014年以降は記録しているので今日までに30回)が、日フィル鑑賞歴で最高のコンサートとなった。音楽も良かったし、演奏も良かった。それにみなとみらいホールの音響の良さもやっとこさ感じた(全体として良いホールだけど場所を選ぶと思っている。)。

いつも目立たない指揮者の大井剛史氏には常から好感を持っているけど、ホンに良い仕事をしてくれたと思う。


♪2016-120/♪みなとみらいホール-23

2014年12月19日金曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホールシリーズ 第1回

2014-12-19 @県民ホール


小泉和裕【特別客演指揮者】
佐々木典子(ソプラノ)
手嶋眞佐子(メゾソプラノ)
福井敬(テノール)
小森輝彦(バリトン)
神奈川フィル合唱団(合唱)
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ベートーべン:交響曲第9番ニ短調Op.125 「合唱付」



神奈川フィルの定期コンサートが、メインのみなとみらい定期のほかに、今年から県立音楽堂と県民ホールでの演奏会(の全部ではない)が、音楽堂シリーズ、県民ホールシリーズという形に定期化された(これまでも両ホールで演奏会は広く行われていたけど、「定期」外の特別演奏会という位置付けだった。)。
音楽堂シリーズは既に5月に始まったが、県民ホールシリーズの方は今日が第1回めだった。
その記念すべき第1回定期の演奏曲目が「第九」とはまことにふさわしいスタートになった。

3つのホールはそれぞれに味わいがあって、同じオケを異なるコンサートホールで聴くのは楽しい。



県民ホールはオペラ公演も念頭に置いているせいか完璧なまでのプロセニアム(額縁)形式だ。
館内の色彩は黒、淡いベージュ、臙脂の系統で統一され、舞台の床まで黒い。
たいていのコンサートホールは木目調だから開設40周年(の節目にリニューアルされた。)を迎えた歴史のあるホールだがデザインの斬新さはなお健在だ。

さて、年末の「第九」も今日で2回め。
何度聴いても飽きることはないけど、だんだん感動が遠ざかっているような気もする。毎年年末に健康で「第九」を聴けることに感謝せねばならないと思うけど、本音を言えば3回も聴けばいいかとも思う。でも、次回の横響の「第九」は楽しみにしている。


今日、良かったこと。
まずは音がきれいに響いていたこと。
県民ホールはみなとみらいホールより500人近く客席数が多いが、NHKホールをモデルにした客席設計のせいで客席も横に長い分、3階席でも案外舞台が近い。
そのため音が遠いという感じは全くなく、適度に残響も効いて不満なし。

合唱団は小振りで120人程度(前回のみなとみらいホールでの日フィルの合唱団は200人くらい。)だったが、特に音量に不足は感じない。

合唱団は全員が最初から登壇した。
この程度の規模だと出番まで座って待っておれるから最初から登壇した方がいいに決まっている。
問題はソリストがいつ登壇するか、だ。
これが気になるところだったが、今回は第2楽章が終わった時点で静々と入って着座したのは良かった。やはり、ここだ。
「第九」には音楽の分かれ目というのがある。それは第2楽章と第3楽章の境目にあるんだ。

この結果、第3楽章が終わるとほんの一呼吸で第4楽章に突入したのはうれしい。「第九」はかくあるべきという形だ。


残念なこともあった。
第3楽章、ホルンの聴かせどころがあるが、音がひっくり返ってしまった。音階練習みたいなフレーズで、楽譜の見た目にはもっとすごい難所はあるのだけど、この部分の失敗例はほかでも聴いているので、ホルンにとっては特に音が出しにくい音域なのかもしれないが。


とはいえ、いつも気になる、気にする第4楽章の低弦も実にきれいな音で満足。声楽ソリストも声量たっぷり。合唱団も力いっぱい。終わりよければすべてよし。

♪2014-117/♪県民ホール-03