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2023年7月7日金曜日

東京シティ・フィル第362回定期演奏会

2023-07-07 @東京オペラシティコンサートホール



秋山和慶:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
周防亮介:バイオリン*

リャードフ:交響詩「キキーモラ」作品63
プロコフィエフ:バイオリン協奏曲第2番ト短調 作品63*
スクリャービン:交響曲第4番 作品54「法悦の詩」
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シュニトケ:ア・パガニーニ から抜粋*



20世紀初頭のロシア音楽の内、精緻な管弦楽技法がウリの作品集と纏められるのかな?

リャードフの「キキーモラ」は、極めて弱音に始まり、ムソルグスキーを思わせる旋律が垣間見え、不気味な調子で徐々に音量が大きくなったかと思ったら、ピッコロが悲鳴を上げてストンと終わった。

プロコのVn協2番。独奏バイオリンのソロから始まるメロディは、耳に馴染んでいるけど、親しみやすいものでもなく、なんか、このままでは済まないぞという不穏な旋律で、聴き手にこの先の解決を待ち望ませるような効果がある。

気持ちの休まるところはなくて、緊張がずっと継続したまま超絶的に盛り上がって終わる。そして当然ながらここまで引きずってきた冒頭の不穏さがようやく解決される。30分程度の尺だからこういうスタイルが可能なんだろうな。


周防亮介は初めて聴いた時(19年)は、格別の印象もなかったが、昨年からとても良くなったのは、僕の耳垢がポロッと落ちたのか、彼が楽器を変えたのか?とにかく、音が明瞭で14型の弦のTuttiにも埋もれない安心感。
またEncで聴かせた超絶技巧。Enc用の小品とも思えないリサイタル・ピースのような作品であり演奏だった。

今日のような演奏会では素顔が出ることもないが、室内楽で見せる表情や話を聞くと、とても穏やかでカワユイところがあって、人間的も魅力的だ。

最後の「法悦」は7年ぶりに聴いた。どんな音楽だったか、全く忘れていたし、音楽が始まっても思い出すこともできなかった。残念ながらエクスタシーも感じられなかった。しかし、神秘和音とやらを探しながら、強力な管打楽器群(Hr9本!Tp5本など)にざわざわと翻弄され、パイプオルガンも加わって賑やかな極彩色管弦楽絵巻を楽しんだ。

秋山御大82歳か。お元気な様子で嬉しい。今年も年末の東響は秋山「第九」チケ取り済み。


♪2023-119/♪東京オペラシティコンサートホール-05

2023年4月12日水曜日

みなとみらいランチタイムコンサート 〜周防亮介

2023-04-12 @みなとみらいホール



日本フィルハーモニー交響楽団メンバー
弦楽五重奏団
 田之倉雅秋/末廣沙弓:バイオリン
 小中澤基道:ビオラ
 大澤哲弥:チェロ
 宮坂典幸:コントラバス

周防亮介:バイオリン*

シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調 Op.163から第1楽章
パガニーニ:バイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
-----アンコール--------------------
A.シュニトケ:ア・パガニーニ*


みなとみらいランチタイムコンサートの久しぶりの復活。
その第1回が日フィルメンバーによる弦楽五重奏団と周防亮介の共演。
彼のソリストとしての演奏は何度か聴いていたが、刮目したのは昨年9月の日フィル定期。まるで集音マイクで拾ったかのような明瞭な音色と豊かな音量。

その後、藤木大地と組んだみなとみらいクインテットでも聴いたが、この時はアンサンブル向けにコントロールされていたが、やはり発音が美しい。
そして初めておしゃべりを聴いたがこれで人柄に好感。
以降、僕にとって要注意の重要なバイオリニストになった。

今日のパガニーニは超絶技巧の塊。

自在なスピッカート、低音から超高域に瞬間移動して小指一本で決めるフラジオレットがピタリと音程のツボに触れるなど抜群のテクニック。

そして、今回も収音マイク付きじゃないかと疑いたくなるほど1678年ニコロ・アマティがみなとみらい小ホールの好音響を得てビンビン響き渡る。午11:30開演にもかかわらず超満員。

♪2023-060/♪みなとみらいホール-12

2021年2月20日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽堂シリーズ第19回定期演奏会

 2021-02-20 @県立音楽堂


阪哲朗:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
﨑谷直人、直江知沙子:バイオリン*

ベリオ:Divertimento per Mozart
モーツァルト:ディヴェルティメントニ長調K.136
シュニトケ:Moz Art a la Haydn*
モーツァルト:交響曲第36番ハ長調K.425「リンツ」



神奈川フィルの音楽堂定期は、先月も極上だったが、今月も上出来。
いや、今月の方がさらに上出来。

4曲ともモーツァルト又はモーツァルト由来の作品。

ベリオ:Divertimento per Mozart は現代曲で初聴き。

弦楽合奏23人にクラリネットが2人という変わった編成。

面白い。

シュニトケ:Moz Art a la Haydnも初聴き。

13人の弦楽合奏。

これも現代曲で、機嫌が悪い時に聴けば腹を立てるような趣向の作品だが、今回は、素直に楽しめた。まあ、余興のような音楽だが。

モーツァルト:嬉遊曲ニ長調は弦のみで21人。
モーツァルト:交響曲「リンツ」も小規模編成。

全体として弦楽合奏を楽しむような演奏会だったが、音楽堂の乾いた響きがピッタリと合って実に軽快で、シャキシャキとしていた。

管・打とのアンサンブルも程よい混ざり具合で心地よく、阪氏の指揮の下で団員が楽しんでいたのが良い。

♪2021-016/♪県立音楽堂-02

2019年9月2日月曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2019後期 〜「カリスマ・バイオリニスト at みなとみらい」 石田泰尚 バイオリン・リサイタル

2019-09-02 @みなとみらいホール


石田泰尚:バイオリン
中島剛:ピアノ

スメタナ:「わが故郷より」
 第1曲イ長調
 第2曲と短調
フランク:バイオリン・ソナタ イ長調
クライスラー:クープランのスタイルによる才たけた貴婦人/道化役者
ファリャ(クライスラー編):スペイン舞曲第1番(歌劇「はかなき人生」から)
ピアソラ:アディオス・ノニーノ
     フラカナーパ
     天使のミロンガ
     現代のコンサート
     ル・グラン・タンゴ 
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クライスラー:愛の悲しみ
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番
ハムリッシ:映画「追憶」のテーマ
シュニトケ:タンゴ
ピアソラ:リベルタンゴ
プッチーニ:誰も寝てはならぬ

超売れっ子の石田泰尚!神奈川フィルの名物コン・マスでもあるが、最近は独奏・室内楽で予定が目白押しだ。人気があるからいつもほぼ満席。今日も大入り袋が出ただろう。

石田兄やんのバイオリンは強面ぶった外見と正反対で、実に繊細で美しい。ほぼ1曲ごとに調弦するのも美音への拘りか。多少は照れ隠しもあるな。ホンに照れ屋なのでおかしいくらいだ。

石田・中島のコンビのリサイタルは3年前に同じみなとみらいホールで聴いた。その時もフランクのソナタを演奏した。2人ともお気に入りなのだろう。僕もバイオリン・ソナタの中では大好きなものの一つだから、これが聴けたのは良かった。

最近、石田がよく弾くピアソラは特殊奏法も交えて面白い。だんだんと自家薬籠中のものにしているようだ。

ピアソラ5連発の後は、アンコール5曲もサービス。アンコールでは2回も衣装を変えてこれも観客の拍手喝采を受けていた。
何しろご婦人方には格別の人気者なのだ。

ともかく、美しい音色で名曲をたっぷり聴いて大満足!

♪2019-131/♪みなとみらいホール-36