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2023年2月16日木曜日

白熱の室内楽!<チーム・ソワレ> 藤木大地 & みなとみらいクインテット -あいのうた-

2023-02-16 @みなとみらいホール



カウンターテナー:藤木大地
みなとみらいクインテット
 バイオリン:長原幸太/辻彩奈
 ビオラ:川本嘉子
 チェロ:辻本玲
 ピアノ:萩原麻未

ドボルザーク:ピアノ五重奏曲イ長調 Op.81 B.155から第3楽章*
ベートーべン:アデライーデ Op.46
フォーレ:リディア Op.4-2
プーランク:歌曲集《陽気な歌》FP42から第7曲 <美しき青春>
モノ―:愛の讃歌
ヴォーン・ウィリアムズ:《命の家》から <静かな真昼>
マーラー:交響曲6番イ短調「悲劇的」から第3楽章**
村松崇継:生命の奇跡
木下牧子:夢みたものは+
アーレン:ミュージカル《オズの魔法使い》から <オーバー・ザ・レインボー>
J.S.バッハ:カンタータ第170番 <満ち足れる安らい、うれしき魂の悦びよ>
-----アンコール--------------------
加藤昌則:もしも歌がなかったら

*はピアノ五重奏の原曲。
**は加藤昌則の編曲によるピアノ五重奏
+は作曲者のオリジナル
その他は全て加藤昌則の編曲による歌とピアノ五重奏








-----感想は<マチネ>に同じ----





♪2023-032/♪みなとみらいホール-07

2022年8月30日火曜日

横浜18区コンサート 第Ⅱ期 河村尚子(ピアノ)×読売日本交響楽団メンバー(弦楽五重奏)

2022-08-30 @県民ホール



河村尚子:ピアノ*
読売日本交響楽団メンバー(弦楽五重奏)
 バイオリン1:長原幸太[コンマス]
 バイオリン2:川口尭史[首席代行]
 ビオラ:鈴木康浩[ソロビオラ]
 チェロ:室野良史
 コントラバス:瀬泰幸

モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク K.525から第1楽章
ドボルザーク:弦楽五重奏曲第2番ト長調 OP.77から第3楽章、第4楽章 
(以上、弦楽五重奏 )

シューマン : ピアノ協奏曲イ短調 Op.54*
(弦楽五重奏伴奏版)
----------------
シューベルト:即興曲 変ト長調 作品90-3*



18区コンサートの最後は河村尚子+読響弦楽五重奏団でシューマンのピアノ協奏曲とは誠に嬉しい組合せ。
そして、有終の美を飾る素晴らしい演奏会だった。

最初に五重奏で断章2曲。
いずれも確実なアンサンブル。
が、できればアイネクライネ1楽章をやめてドボルザーク弦楽五重奏曲を全曲聴きたかったよ。

河村ちゃんの話では、県民ホールは2度目で、前回もシューマンPf協だったと言う。
はいはい覚えていますよ。
去年の日フィル4月定期で、本編よりアンコールのシューマン「献呈」が心に沁みたよ。

今回は弦楽五重奏版だ。
いうまでもなく、オケ版より全パートが明瞭そのもの。Pfと弦楽のバランスも良し。

室内楽の丁々発止でPf協奏曲を味わうスリリングな面白さ。

ちょっと残念だったのは長原くんに隠れて河村ちゃんの愛嬌のある表情が良く見えなかった事だ。しかし、こういう編成だとどこに座れば良いか決めようもないからその時の運だ。

昨年9月から始まった横浜18区コンサート最後の大物登場とあって、433席の小ホールだがほぼ満席。
禁を破って歓声を上げた人もいたが、気持ちは大いに分かる。

♪2022-123/♪県民ホール-12

2019年1月25日金曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 アンサンブル・オムニス

2019-01-25 @みなとみらいホール


長原幸太:バイオリン
福川伸陽:ホルン
三浦友理枝:ピアノ

【第1部】
●クララ・シューマン:ロマンス イ短調(ピアノソロ)
●R.シュトラウス:アンダンテ(ホルン&ピアノ)
●ブラームス:スケルツォ ハ短調 WoO2~F.A.Eソナタより 第3楽章(ヴァイオリン&ピアノ)
●ブラームス:ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40

【第2部】
●ラフマニノフ:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2《鐘》(ピアノソロ)
●チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34(ヴァイオリン&ピアノ)
●グラズノフ:エレジー 変ニ長調 Op.17(ホルン&ピアノ)
●ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67(ホルントリオ版)

バイオリン(長原幸太⇒読響コンマス)、ホルン(福川伸陽⇒N響首席)、ピアノ(三浦友理枝)という珍しい編成のトリオ。
第Ⅰ部ドイツ音楽集では、自らホルンを演奏できたというブラームスによるトリオ、第Ⅱ部ロシア音楽集ではショスタコのピアノ・トリオのチェロパートをホルンが演奏するという編曲版トリオがメインで、他にピアノと各奏者のデュエット等。三浦はソロ含め出ずっぱり。

チャイコフスキーとラフマニノフ以外は全部初聴きだった。
響きとして解け合いそうにもないとんがった編成だが、福川のホルンが冴えているからか、ブラームスのトリオは、こういうのもありかなと思わせたが、ショスタコでは弱音器を使ったり奏法を苦心してチェロの代わりを務めたが、これはなかなか苦しいところ。

まあ、変わり種を聴かせてもらったということで。


♪2019-007/♪みなとみらいホール-02

2018年6月23日土曜日

読響第105回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2018-06-23 @みなとみらいホール


コルネリウス・マイスター:(首席客演)指揮
読売日本交響楽団

長原幸太:バイオリン*

スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
ブルッフ:スコットランド幻想曲 作品46*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 作品88

冒頭の「売られた花嫁」の弦楽合奏が見事に美しくて驚いた。はじめ良ければすべて良し…と思いきや。

「スコットランド幻想曲」では独奏バイオリンの長原幸太(読響コンマス。今日のコンマスは小森谷巧)が弾き始めの数分で弦がプツッと音をたてて切れ、「張り替えてきます」と客席に向かって断って袖に入った。舞台も客席も苦笑い。これまでも、クラリネットの独奏者が楽器の不具合で途中で取り替えたことを2回経験している。コンマスの弦が切れて楽器の受け渡しをしたのもみている。万全の準備をするのだろうけど、こういうこともあるんだな。

結局は、最初から演奏し直しとなった。
再開後も長原くんは楽器を気にしながら、何度も調弦の微調整を繰り返していた。そんな次第でこの曲ではなかなか集中できなかった。
この作品には別名があるそうで、「スコットランド民謡の旋律を自由に用いた、管弦楽とハープを伴うバイオリンのための幻想曲」と言うそうだ。そういえば、ハープも独奏バイオリンのそば、舞台中央近くに配置されていたが、奏者の顔が隠れていたこともあり、ハープの活躍はまるで耳に入ってこなかった。

最後のドボルザーク交響曲8番こそ期待の作品だったが、これはすごく上出来で、「〜幻想曲」の不満を補って余りあった。
弦楽合奏、特に中低域弦の素晴らしさが光った。終楽章のチェロのテーマなどゾクゾクしたよ。


今日はホールの鳴りが特に良かった気がする。
仮説だが、外気の湿度が高い日ほどホールは良く響くような気がしている。逆さまのようだけど、エアコンがしっかり稼働して、ホール内の湿度がいつも以上に低くなるのではないか…なんてあてにならないけど。
ともかく、もともとよく響くホールが、今日は一層良く響いた。そこで名曲の名演奏を聴く。これぞナマオケ鑑賞の喜び!

ところで、「〜幻想曲」でVn独奏の長原君は弦が切れて張替えのために袖に入った。それで五嶋みどりの「タングルウッドの奇跡」を思い出した。彼はなぜ、コンマスの楽器を借り受けなかったのだろう?

タングルウッドの奇跡

♪2018-073/♪みなとみらいホール-19

2017年3月26日日曜日

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2017-名手たちによる室内楽の極み 〜モーツァルト、ベートーベン、シューベルト〜

2017-03-26 @東京文化会館


バイオリン:長原幸太*、岡本誠司
ビオラ:鈴木康浩
チェロ:上森祥平*、富岡廉太郎

モーツァルト:バイオリンとビオラのための二重奏曲 第1番 ト長調 K.423*
ベートーベン:弦楽三重奏曲 第3番 ニ長調 Op.9-2*
シューベルト:弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956

昨年もほぼ同様のメンバーによる演奏会を聴きに行ったが、そのときは、弦楽三重奏のほか、むしろピアノ四重奏がメインに据えられた。昨年のキャッチコピーは「若き名手たちによる室内楽の極み」だったから、1年経って、もう若くなくなったようだ。
確かにこのメンバー、既にオケの(客演)首席クラスなのだから、若手というより中堅だ。

今回は弦楽のみの二重奏、三重奏、五重奏と並べたからには、断章程度でいいから四重奏曲も入れてほしかったな。弦の厚みが増すと音楽がどう変わってゆくのか、興味深かったのに。

モーツァルトは音楽も、編成も軽妙でまあオードブルといったところか。
ベートーベンはピアノ三重奏曲は番号付きだけでも11曲、弦楽四重奏曲は番号付きだけでも16曲作っているのに、弦楽3重奏曲は番号付きが作品3の第1番と作品9の3曲(第2番〜第4番)。ほかに作品8のセレナードのみだ。少ないことより、作品番号があまりに若いのに驚く。20歳代に着手して僅かな作品を残してその後は弦楽三重奏曲には興味を失ったのだろうな。
やはり、弦楽四重奏曲という鉄壁の編成を手に入れたら三重奏には戻れなかったのかもしれない。
今日の第3番はナマでは初聴きだったが、モーツァルト同様あまり重苦しくなく気楽に聴ける作品だった。

最後のシューベルトの五重奏曲はシューベルトにとっても最後の室内楽作品だったようだ。31歳の11月になくなっているが、その年の夏に作曲された。
ハ長調の作品だけど、冒頭は暗い。長調に変わっても長くは続かず感情の起伏が激しい。第2楽章もなんとも物悲しい。3連符の伴奏で煽り立てるような慟哭が続いて、やがて、断末魔の喘ぎのような音楽が続いてご臨終かと思うと第3楽章はリズミカルで荒々しく始まるが、中間部(トリオかな)はまた物静かでさびしい曲調だ。終楽章もけっして明朗ではないけど、ここにきてシューベルトらしさが溢れている。

この五重奏は弦楽四重奏の編成にビオラが加わる形が通例なのになんとチェロを加えて、つまりバイオリン2、ビオラ1、チェロ2という編成だ。低音部が充実しているので、それが第3楽章など元気のいい部分には奏功しているけど、あまり低域で別々の音を重ねると響がモゴモゴしてしまうし、さりとてユニゾンは時に効果的だけど終始だど低域が強調されすぎる。第2楽章の物悲しい場面ではその弊害が出たような気がした。2本のチェロの弾き分けがよく聴こえなかったのが残念だった。

♪2017-47/♪東京文化会館-03

2016年4月6日水曜日

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2016-若き名手たちによる室内楽の極(きわみ) ~ベートーベン、シューベルト、ブラームス

2016-04-06 @東京文化会館


バイオリン:長原幸太
ビオラ:鈴木康浩
チェロ:上森祥平
ピアノ:田村響

シューベルト:弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D.471
ベートーべン:弦楽三重奏曲 第2番 ト長調 op.9-1
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第2番 イ長調 op.26
----------------
アンコール
ブラームス:ピアノ四重奏曲 第3番 ハ短調 op.60から第3楽章



読響コンマス他によるシューベルト、ベートーベン、ブラームスの弦楽三重奏&ピアノ四重奏という独墺古典の精華。

シューベルトの作品は初聴きだったが、第1楽章しか完成していない未完成のものだ。
まあ、シューベルトらしい歌心が奔放に繰り出されるといった感じだが、やはり、散漫な感じはする。
「弦楽三重奏曲 第1番」という作品形式の標題ではなく、「断章」とかにしておけばハナからそういう心構えで聴くからもっと好感できたかもしれないのに、と思った。

さて、シューベルトの後でベートーベンを聴くとさすがに見事な「完成品」だ。
弦楽三重奏曲は、楽聖ベートーベンの作品でさえピアノ三重奏曲や弦楽四重奏曲の陰に隠れてあまり有名な作品がない(全4曲)ので、個人的には聴く機会が少ない⇒馴染めない⇒ますます聴く機会が少なくなるという負の連鎖をたどっている。

しかし、今回、ナマで聴いてみると、弦楽三重奏は各声部の動きがこの上なくはっきりしている点が聴いていて面白いな、と思った。

最後にピアノが加わったブラームスのピアノ四重奏曲が一段と素晴らしかった。それまでの単色彩から一挙にカラフルな世界が拡がり、ブラームスらしい情緒が、放逸と抑制の危ういバランスを保ちながら奔流する。これはベートーベンでは味わえない人間・ブラームスの魅力だ。

かくして、今日の各作品は、作曲家各人の個性・力量が演奏順に色彩を伴って明確に現れてきたところが興味深いところであった。


♪2016-38/♪東京文化会館-04