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2023年10月25日水曜日

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら特別公演 通し狂言「妹背山婦女庭訓」その2

2023-10-25 @国立劇場



蘇我入鹿⇒中村歌六
漁師鱶七実ハ金輪五郎今国⇒中村芝翫
宮越玄蕃⇒坂東彦三郎
烏帽子折求女実ハ藤原淡海⇒中村梅枝
荒巻弥藤次⇒中村萬太郎
入鹿妹橘姫⇒中村米吉
大判事清澄⇒河原崎権十郎
杉酒屋娘お三輪/采女の局⇒尾上菊之助
豆腐買おむら/藤原鎌足⇒中村時蔵
 ほか

近松半二=作
通し狂言「妹背山婦女庭訓」<第2部>三幕四場
(いもせやまおんなていきん)

  戸部銀作=脚本
  高根宏浩=美術

序 幕  布留の社頭の場
          「道行恋苧環」竹本連中
二幕目  三笠山御殿の場
大 詰  三笠山奥殿の場
     同  入鹿誅伐の場





先週観たばかりだけど、どうも、面白みが分からず、このまま、初代国立劇場での歌舞伎鑑賞を終えるのもすっきりしないので、ちょうど夜にN響Bが入っているので、この日のチケットを買った。

今月の歌舞伎公演はこれで初代国立劇場の見納めということもあって、いつになくお客さんが大勢で、良席は全然残っていなかった。

今月の公演は9月「妹背山婦女庭訓」第1部の続き(第2部)だが、その前半と部分と今月の後半部分は、どうも木に竹を継いだような展開で、釈然としない。

文楽でも通しで観ているけど、文楽版の方が、見どころが多かったように思う。

かくして、2ヶ月にわたる大作を気合を入れて観た割には消化不良で終わったのが誠に残念。

明日で、初代国立劇場は事実上閉館になって、再開場は2029年だ。もちろんその間も、あちこちの劇場を借りて歌舞伎公演は継続されるが、舞台機構(歌舞伎専用劇場ではないから花道、回り舞台、すっぽん、セリもない)の制約から演目も限られてくるね。

♪2023-183/♪国立劇場-13

2023年10月19日木曜日

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら特別公演 通し狂言「妹背山婦女庭訓」その2

2023-10-19 @国立劇場


近松半二=作
通し狂言「妹背山婦女庭訓」<第2部>三幕四場
(いもせやまおんなていきん)

  戸部銀作=脚本
  高根宏浩=美術

序 幕  布留の社頭の場
          「道行恋苧環」竹本連中
二幕目  三笠山御殿の場
大 詰  三笠山奥殿の場
     同  入鹿誅伐の場


蘇我入鹿⇒中村歌六
漁師鱶七実ハ金輪五郎今国⇒中村芝翫
宮越玄蕃⇒坂東彦三郎
烏帽子折求女実ハ藤原淡海⇒中村梅枝
荒巻弥藤次⇒中村萬太郎
入鹿妹橘姫⇒中村米吉
大判事清澄⇒河原崎権十郎
杉酒屋娘お三輪/采女の局⇒尾上菊之助
豆腐買おむら/藤原鎌足⇒中村時蔵
 ほか





先月に続いて、通し狂言「妹背山婦女庭訓」の後半だ。
この公演が、初代(つまり、現在の)国立劇場の掉尾を飾る。この後、2029年の第二代国立劇場の完成まではあちこちの劇場を渡り歩くことになる。寂しいことだ。それに6年後なんて、足腰は大丈夫だろうかと心配。

「妹背山婦女庭訓」は文楽では19年に、こちらも2公演にわたる通し狂言として観ている。
歌舞伎公演の先月の前半は、見処たっぷりなので先に観た文楽の内容も結構覚えており楽しめたが、今回の後半は、文楽でもややこしい話で、4年以上経過していることもありなかなか思い出せなかった。

しかし、役者陣は歌六、芝翫、時蔵、菊之助を中心に、病気による菊五郎の休演をはね飛ばさんと気合の入った様子。芝翫はますます貫禄が付いた。彦三郎は相変わらずよく通る声。梅枝が珍しく立役。菊五郎の代役も務めた時蔵は最後は藤原鎌足役で髭を生やしていたのも初めて観たよ。
米吉は今も可愛らしい娘役が似合うが、6年後はどうなっているだろう。菊之助も美しい娘役(二役)だったが、少し太っていたな。

初代国立で最後に観る舞台としては消化不良だったのが残念だった。時間を作って再度挑戦するべ。

♪2023-177/♪国立劇場-12

2023年7月19日水曜日

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら公演 令和5年7月歌舞伎鑑賞教室(第107回歌舞伎鑑賞教室) 『双蝶々曲輪日記-引窓-』

2023-06-10 @国立劇場



●解説「歌舞伎のみかた」
 澤村宗之助
 坂東やゑ亮
 中村橋三郎
 中村翫延

●『双蝶々曲輪日記-引窓-』
南与兵衛後ニ南方十次兵衛⇒中村芝翫
女房お早⇒市川高麗蔵
平岡丹平⇒中村松江
三原伝造⇒坂東彦三郎
母お幸⇒中村梅花
濡髪長五郎⇒中村錦之助
        ほか


本来は長い話で、その通し狂言も随分前に観たが筋はさっぱり覚えていない。しかし、「引窓」の1幕だけは独立して上演される機会が多いので、何度か観ている。よくできた話だ。

訳あって人を殺めた関取・濡髪が追手に捕まる前に、密かに再婚した母お幸に会いに来るが、お幸の再婚相手の義理の息子十次兵衛は皮肉にも十手持ちだった。

十次兵衛は父の亡き後代官の跡目を告げずに悶々としていたところ、今日は、ようやくにして代官に就任の命が下って親子夫婦ともども大喜び。
そんな時に、既に人相書きが出回り追い詰められた濡髪が登場するのだ。

もはやこれまでと覚悟を決めた濡髪を母親お幸が引窓の縄で縛る。

早速の大手柄を挙げることになった十次兵衛だが、濡髪が義母の実子と知って、縄を切り逃してやるのだった。

その日は、折しも生き物を放つ「放生会」の夜だった。

…見事にまとまった人情話である。

引窓なんて見たこともないが、引窓を開けて中秋の満月でも見たいものだ。

♪2023-125/♪国立劇場-08

2022年11月2日水曜日

未来へつなぐ国立劇場プロジェクト 初代国立劇場さよなら公演 “歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵”

2022-11-02 @国立劇場大劇場


春風亭小朝
翁家社中
----------
早野勘平⇒中村芝翫
女房おかる⇒市川笑也
千崎弥五郎⇒中村歌昇
母おかや⇒中村梅花
判人源六⇒中村松江
一文字屋お才⇒市村萬次郎
斧定九郎/原郷右衛門⇒中村歌六
         ほか

●落語 春風亭小朝
 一 殿中でござる(でんちゅうでござる)
  -太神楽-曲芸 翁家社中
 二 中村仲蔵(なかむらなかぞう)
 
●歌舞伎  仮名手本忠臣蔵 二幕三場
     (かなでほんちゅうしんぐら)
    竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作
         国立劇場美術係=美術
    
 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
 同   二つ玉の場
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場



<歌舞伎&落語>
小朝と芝翫の組合せを繋ぐのは「忠臣蔵」。

企画は良かったが、イマイチの出来。

現存真打の中でも最高ランクの小朝にしては、大劇場の空気を掴み取れなかったか。そもそも寄席の芸を披露する場ではなかったか。

「殿中でござる」は新作だが、忠臣蔵の一つの見方の解説止まり。

1番の楽しみ「中村仲蔵」は志ん朝を愛聴している為にどうしても比較してしまう。小朝も悪か無いけど、気持ちが入っていかん。

音楽でもそうだが、過去に優れたものに接していると、それを超えるもので無い限り、なかなか感動は得られない。寄席で聴けばまた違った味わいがあったかも。残念。

芝翫の早野勘平。これもイケメン過ぎたか。

好感したのは、斧定九郎を演じた歌六だ。
この芝居こそ、中村仲蔵の工夫が今に受け継がれている。
黒の着付けに蛇の目傘。朱鞘の大小。鉄砲に撃たれて着物からはみ出た白塗りの脚に垂れる鮮血。
定九郎の台詞はたった一つ「五十両」だけだが、見事にこの場を引き締めて「千両」役者。

♪2022-164/♪国立劇場-11

2021年11月25日木曜日

国立劇場開場55周年記念 令和3年度(第76回)文化庁芸術祭協賛公演 11月歌舞伎公演『一谷嫰軍記』

2021-11-25 @国立劇場



並木宗輔=作
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)  二幕
国立劇場美術係=美術

序   幕    御影浜浜辺の場
二幕目    生田森熊谷陣屋の場


熊谷次郎直実     中村芝翫
源義経        中村錦之助
梶原平次景高     中村松江
経盛室藤の方     中村児太郎
堤軍次        中村橋之助
亀井六郎       市村竹松
片岡八郎       市川男寅
伊勢三郎       中村玉太郎
駿河次郎       中村吉之丞
庄屋孫右衛門     中村寿治郎
番場の忠太      中村亀鶴
熊谷妻相模      片岡孝太郎
白毫の弥陀六          中村鴈治郎
 実ハ弥平兵衛宗清

ほか


今回は、初日に観劇して、今日千穐楽に再見した。

初日に面白かった、というか、よくできた芝居だなと思ったことと、中心となる「熊谷陣屋」の演じ方の、多分、珍しい方である「芝翫型」は当分観る機会がないだろうからと思い、もう一度観る機会を窺っていた。


N響定期を振り替えたので、ちょうどこれが歌舞伎の楽日と重なって観賞効率が良くなった。


型を重んずる芸の世界なので、アドリブらしき台詞も初日と同じだったのが笑えたが、おそらく、この3週間で磨きがかかったのだろう。


問題は、初日同様入りが悪い。

こんな調子で芝翫型が廃れたのでは寂しい。


♪2021-138/♪国立劇場-10

2021年11月2日火曜日

国立劇場開場55周年記念 令和3年度(第76回)文化庁芸術祭協賛公演 11月歌舞伎公演『一谷嫰軍記』

2021-11-02 @国立劇場


並木宗輔=作
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)  二幕
国立劇場美術係=美術

序   幕    御影浜浜辺の場
二幕目    生田森熊谷陣屋の場


熊谷次郎直実     中村芝翫
源義経        中村錦之助
梶原平次景高     中村松江
経盛室藤の方     中村児太郎
堤軍次        中村橋之助
亀井六郎       市村竹松
片岡八郎       市川男寅
伊勢三郎       中村玉太郎
駿河次郎       中村吉之丞
庄屋孫右衛門     中村寿治郎
番場の忠太      中村亀鶴
熊谷妻相模      片岡孝太郎
白毫の弥陀六         中村鴈治郎
 実ハ弥平兵衛宗清
ほか



初日観賞。
この演目の完成形を知らない。
『一谷嫰軍記( いちのたにふたばぐんき)』と言っても、一谷の合戦は描かれない(文楽版では全五段版を見たが、戦に出かけるところから演じられるのでこの芝居の隠された面白さが明らかになる。)。

多くの場合、戦が終わってからの「熊谷陣屋」だけ、それも冒頭部分がカットされて演じられるのが通例だ。

その「陣屋」の演じ方には芝翫型と團十郎型があるそうな。
いずれも何度も観ているが表札の扱いなどは違いが分かるが、細かい点まで覚えていないので大した違いではないと思う…。

芝翫型を正しく受け継ぐのが中村芝翫だ。
2016年の襲名披露興行でも演じた。
これも観たが、5年経過してうんと良くなったような気がする。分かり易い。それだけ観ている方も入魂できる。

●一つには「陣屋」の前に「御影浜」の場が置かれ、弥陀六<鴈治郎>が陣屋に登場する経緯などが明確になったこと。

●「陣屋」の冒頭に敦盛の母・藤の方<児太郎>が訪ねてきて直実の妻・相模<孝太郎>に匿われるという経緯が置かれる。
襲名披露版ではそこが省かれていたからお客にはなぜ藤の方がいきなり懐剣を持って奥の部屋から出てくるのかが分からなかった。
…と細かい工夫がなされて、成程納得。目から鱗。

芝翫は熱演!児太郎はこれまで随分観ているけど、今回の藤の方はとても良かった。
弥陀六の鴈治郎も強かさを秘め軽さもありで面白い。
一番感心したのは相模を演じた孝太郎だ。
この芝居の主人公は相模かもしれないなと思いながら観入った。
「敦盛」の首を抱えて悲痛な母の思いが胸を打つ。

これまでに観た「熊谷陣屋」の中では一番”筋”が通っていたこともあり、とても楽しめた。

しかし、残念なことに、初日だというのに客席はガラガラだった。


♪2021-123/♪国立劇場-09

2019年10月7日月曜日

10月歌舞伎公演「通し狂言 天竺徳兵衛韓噺」

2019-10-07 @国立劇場


天竺徳兵衛/座頭徳市/斯波左衛門⇒中村芝翫
梅津掃部⇒中村又五郎
梅津奥方葛城⇒市川高麗蔵
山名時五郎/奴鹿蔵⇒中村歌昇
下部磯平⇒大谷廣太郎
銀杏の前⇒中村米吉
佐々木桂之介⇒中村橋之助
侍女袖垣⇒中村梅花
石割源吾/笹野才造⇒中村松江
吉岡宗観/細川政元⇒坂東彌十郎
宗観妻夕浪⇒中村東蔵
          ほか

四世鶴屋南北=作
国立劇場文芸研究会=補綴
通し狂言「天竺徳兵衛韓噺」(てんじくとくべえいこくばなし)
 三幕六場
 国立劇場美術係=美術

序幕  北野天満宮鳥居前の場
   同         別当所広間の場
二幕目 吉岡宗観邸の場
   同         裏手水門の場
大詰  梅津掃部館の場
   同         奥座敷庭先の場

国立劇場での通し狂言としては20年ぶりだそうだが、17年前に猿之助の「天竺徳兵衛新噺」(明治座)を観ていたので、変だなと思ったが、よく読めば「韓噺〜いこくばなし」と「新噺〜いまようばなし」との違いがある。

今回のは「いまよう」ではないのだから、古くからある噺で本家なのだろう。

大蝦蟇が出てきたり妖術を使ったりと外連味たっぷりの娯楽作とはいえ、猿之助と芝翫ではだいぶキャラが違う。

たまたま両方の舞台に異なる役で出ている米吉も二つの演目は噺が違うとプログラムに書いているが、その違いはもはや思い出せず、猿之助版の方が遥かに面白かったことは思い出しながら芝翫版を観たのでイマイチ気合が入らなかった。



♪2019-152/♪国立劇場-13

2019年2月26日火曜日

初世尾上辰之助三十三回忌追善 二月大歌舞伎 昼の部

2019-02-26 @歌舞伎座


初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言
一 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)〜すし屋
いがみの権太⇒松緑
弥助実は三位中将維盛⇒菊之助
娘お里⇒梅枝
若葉の内侍⇒新悟
梶原の臣⇒吉之丞
梶原の臣⇒男寅
梶原の臣⇒玉太郎
六代君⇒亀三郎
弥左衛門女房おくら⇒橘太郎
鮓屋弥左衛門⇒團蔵
梶原平三景時⇒芝翫

初世尾上辰之助三十三回忌追善狂言
長谷川 伸 作 / 村上元三 演出
二 暗闇の丑松(くらやみのうしまつ)
暗闇の丑松⇒菊五郎
丑松女房お米⇒時蔵
浪人潮止当四郎⇒團蔵
料理人作公⇒男女蔵
料理人伝公⇒彦三郎
料理人巳之吉⇒坂東亀蔵
料理人祐次⇒松也
建具職人熊吉⇒萬太郎
建具職人八五郎⇒巳之助
杉屋遣手おくの⇒梅花
湯屋番頭甚太郎⇒橘太郎
お米の母お熊⇒橘三郎
杉屋妓夫三吉⇒片岡亀蔵
岡っ引常松⇒権十郎
四郎兵衛女房お今⇒東蔵
四郎兵衛⇒左團次

三 団子売(だんごうり)
杵造⇒芝翫
お臼⇒孝太郎

「義経千本桜」から「すし屋」の段。
「義経千本桜」は五段続きだそうな。そのうちのいくつかは歌舞伎と文楽で観ていたが、「すし屋」は初めてだった。

凡その筋は知っているものの「すし屋」の前段に当たる「小金吾討死」の話が前に置かれるのかと思ったていたがそうではなく、いきなりの「すし屋」で、少しまごついた。予習しておいてよかったよ。

しかし、権太=松緑、維盛=菊之助の配役は、当代では最適・最好のコンビではなかったか。いずれも初役ということで、多分、厳しい目にはまだ役がこなれていないのだろうが、僕の目には十分楽しめた。この2人で再演を観たいものだ。

「暗闇の丑松」も初見。これは興味深い物語だった。
昭和初期の作品で、新歌舞伎といわれるジャンルだ。
新劇のような凝った構成と演出に唸る。
止むを得ず人を殺め、人混みの中に消えてゆく幕切れは「夏祭浪花鑑」を思わせた。底辺に暮らす無法者となった男や哀れ。

♪2019-023/♪歌舞伎座-01







2018年10月4日木曜日

十月歌舞伎 通し狂言「平家女護島」

2018-10-04 @国立劇場


近松門左衛門=作
国立劇場文芸研究会=補綴
国立劇場美術係=美術
通し狂言 平家女護島(へいけにょごのしま)三幕四場

序 幕 六波羅清盛館の場 
二幕目 鬼界ヶ島の場
三幕目 敷名の浦磯辺の場
同   御座船の場

(主な配役)
平相国入道清盛/俊寛僧都⇒中村芝翫
俊寛妻東屋⇒片岡孝太郎
瀬尾太郎兼康⇒中村亀鶴
能登守教経/丹左衛門尉基康⇒中村橋之助
俊寛郎等有王丸⇒中村福之助
上臈松ヶ枝⇒中村梅花
海女千鳥⇒坂東新悟
越中次郎兵衛盛次/丹波少将成経⇒中村松江
後白河法皇⇒中村東蔵
ほか

所謂「俊寛」に前後の段を加えた通しとして演じられた。できるだけオリジナルを復元して次代に伝えようという姿勢で、これが国立劇場の魅力だ。
しかし、先月秀山祭@歌舞伎座で吉右衛門が「俊寛」を演ったせいか、2ヵ月続いて「俊寛」では誰が演じてもお客は呼べないだろう。

僕は、秀山祭は昼の部だけを観て夜の部の「俊寛」をパスし、今月の国立での通し狂言「平家女護島」に期待をしていた。

しかし、というか、案の定というべきか、厳しい状況で、芝翫が吉右衛門にかなうはずもなし。
今日のお客の入りは全館で五分〜せいぜい六分の入りか。

舞台は芝翫親子が熱演しているのだけど、空席の目立つ客席は緊張がシカンしていた。

芝翫の息子たち、橋之助・福之助兄弟はそれぞれに出番の多い役で頑張っていたが、舞台にも生まれる緊張の隙間を埋めるには到底心もとなく、お稽古教室の感があった。

鬼界ヶ島で俊寛に斬り殺されてしまう悪役・瀬尾太郎兼康を中村亀鶴が演じていた。亀鶴という役者をこれまで何度も観てきているが、その都度忘れてしまう、まあ、あまり存在感のある役は振られていなかったように思うが、今回の役はなかなか良かった。元気な悪党ぶりが頼もしかった。これで当分覚えているだろう。

♪2018-123/♪国立劇場-014

2018年2月1日木曜日

二月大歌舞伎 昼の部

2018-02-01 @歌舞伎座


一、春駒祝高麗(はるこまいわいのこうらい)
工藤祐経⇒梅玉
曽我五郎⇒芝翫
大磯の虎⇒梅枝
喜瀬川亀鶴⇒梅丸
化粧坂少将⇒米吉
曽我十郎⇒錦之助
小林朝比奈⇒又五郎
     
二、一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)
檜垣/奥殿
一條大蔵長成⇒染五郎改め幸四郎
常盤御前⇒時蔵
お京⇒孝太郎
吉岡鬼次郎⇒松緑
茶亭与市⇒橘三郎
女小姓⇒宗之助
八剣勘解由⇒歌六
鳴瀬⇒秀太郎
     
三、歌舞伎十八番の内 暫(しばらく)
鎌倉権五郎⇒海老蔵
鹿島入道震斎⇒鴈治郎
那須九郎妹照葉⇒孝太郎
成田五郎⇒右團次
小金丸行綱⇒彦三郎
加茂三郎⇒坂東亀蔵
桂の前⇒尾上右近
大江正広⇒廣松
埴生五郎⇒弘太郎
荏原八郎⇒九團次
足柄左衛門⇒男女蔵
東金太郎⇒市蔵
局常盤木⇒齊入
宝木蔵人⇒家橘
加茂次郎⇒友右衛門
清原武衡⇒左團次
     
北條秀司作・演出
四、井伊大老(いいたいろう)
井伊大老⇒吉右衛門
お静の方⇒雀右衛門
昌子の方⇒高麗蔵
宇津木六之丞⇒吉之丞
老女雲の井⇒歌女之丞
仙英禅師⇒歌六
長野主膳⇒梅玉

高麗屋3代同時襲名披露公演の第2弾、と言っても3人が揃うのは夜の部で、これは3等席以下の切符が取れない。2等席といっても1万5千円だ。これなら日生劇場のS席に回したい。
昼は新・幸四郎が一条大蔵卿に出ただけで新・白鸚も新・染五郎も夜の部だけだ。それに夜の部には高麗屋の3人以外に菊五郎、仁左衛門、玉三郎、猿之助、藤十郎などのスターが登場するので、昼のぶとは比べ物にならない豪華さだ。
昼夜の配役の偏りは大いに不満。
それで料金は同じなんだものなあ。
結局、昼の部だけではなく夜の部も観せようという商魂か。
いや、それだけではなく「仮名手本〜七段目」ではお軽勘平を偶数日と奇数日で、玉三郎+仁左衛門と菊之助+海老蔵というダブルキャストにして、よければ二度とも観てくださいという魂胆であるのが腹立たしい。


その高麗屋の貴重な出番「一條大蔵譚」では新・幸四郎の阿呆ぶりはもっとハジけたかった。この芝居は何回か観ているが、誰が演っても無理があって、面白いと感じたことはない。大義のために阿呆なふりをしているが、ここ一番では正気に戻ってかっこよく見せ問題が片付くとまた阿呆に戻るのだが(もう、戻る必要はないのではないか、という気がしてならないのだけど。)、こういう変化はなんかお客を喜ばせるにはとても安易でどうも気分が乗れない。
ま、ここぞというところで、一條大蔵卿が孔雀の羽を広げるように豪華な衣裳を見せて見得を切るというところが、歌舞伎の華々しいところで、これはこれでいいのだろうけど。

「暫」は前に七之助の「女暫」を観たが、本家?は今日が始めて。海老蔵がさすがの貫禄。長い刀を振り回して大勢の首を跳ねるところは「女暫」で経験していたが、面白い。
「井伊大老」はえらく地味な科白劇だが、2幕途中から登場する吉右衞門と雀右衛門のシットリ芸がいい。

♪2018-013/♪歌舞伎座-01

2016年10月25日火曜日

中村橋之助改め 八代目 中村芝翫 中村国生改め 四代目中村橋之助     中村宗生改め 三代目中村福之助 中村宜生改め 四代目中村歌之助 襲名披露      芸術祭十月大歌舞伎

2016-10-25 @歌舞伎座


山口晃 作
寛徳山人 作
一 初帆上成駒宝船(ほあげていおうたからぶね)
橋彦⇒国生改め橋之助
福彦⇒宗生改め福之助
歌彦⇒宜生改め歌之助

二 女暫(おんなしばらく)
巴御前⇒七之助
舞台番松吉⇒松緑
轟坊震斎⇒松也
手塚太郎⇒歌昇
紅梅姫⇒尾上右近
女鯰若菜⇒児太郎
局唐糸⇒芝喜松改め梅花
東条八郎⇒吉之丞
江田源三⇒亀寿
猪俣平六⇒亀三郎
成田五郎⇒男女蔵
清水冠者義高⇒権十郎
蒲冠者範頼⇒又五郎
     
三 お染 久松 浮塒鷗(うきねのともどり)
女猿曳⇒菊之助
お染⇒児太郎
久松⇒松也

河竹黙阿弥 作
四 極付 幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
幡随院長兵衛⇒橋之助改め芝翫
女房お時⇒雀右衛門
唐犬権兵衛⇒又五郎
伊予守源頼義⇒七之助
坂田公平⇒亀三郎
御台柏の前⇒児太郎
極楽十三⇒国生改め橋之助
雷重五郎⇒宗生改め福之助
神田弥吉⇒宜生改め歌之助
下女およし⇒芝喜松改め梅花
舞台番新吉⇒吉之丞
坂田金左衛門⇒男女蔵
出尻清兵衛⇒松緑
近藤登之助⇒東蔵
水野十郎左衛門⇒菊五郎


芝翫襲名を前にして不埒?な話題でマスコミを賑わしてしまったのがバッドタイミングだったが、「芸の肥やし」だと開き直れる時代ではないが、ひんしゅくを買ったことも含め、このことは「芸の肥やし」として生きてくるのだろう。

そういう事情もあって、一部にチケットの売れ行きが悪いとかいう説も流れていたが、なんのなんの。

「夜の部」は「襲名口上」のほか「熊谷陣屋」の直実を、一般的に行われている團十郎型ではなく先々代が工夫した「芝翫型」で演ずるという点でも評判が高く、玉三郎が「藤娘」を踊るということもあってか、「夜の部」の3階席のチケットが取れず、「昼の部」にした。

しかし、「昼の部」も襲名披露興行らしい演目が4つも並んでいずれも楽しめた。

一つ目と三つ目はいずれも踊りを味わうもので、まあ、こんなものか。
七之助が巴御前を演じた「女暫」が傑作で、この人はなかなかうまいと思うよ。悪党の首をゾロっとはねて一応幕が閉まるが、その後に松緑が演ずる舞台番の松吉(なんで舞台番がここで登場するのか分からなかったが。)が出てきて、花道の七三で芝翫親子の襲名を祝う巴御前に(この辺も筋はもう無茶苦茶だ。)、六方を踏んで下がるよう勧め、巴御前は女だてらに恥ずかしいとかなんとか遣取りがあって、結局松吉に教わった六方の型を少し、その型も恥ずかしさに崩して花道を下がるという段取りで、本来の芝居の部分に取って付けたような筋の通らない話だが、ま、ここは何でもありの歌舞伎ならではのサービスだ。

いよいよ、「幡随長兵衛」が新・芝翫の見せどころ。
男気を通して殺されるという、ちょっと馬鹿な話なのだけど、丁寧な話の作りで、長兵衛(芝翫)やその女房(雀右衛門)たちの心情の機微がよく伝わって、気持ちが芝居に入り込んだ。
6月国立劇場での「魚屋宗五郎」の橋之助は素晴らしかったが、こういう世話物というのか、町衆の心意気などを演ずるとまことにハマって巧いと思うよ。

今回は、芝翫、七之助、松緑が実に良かった。

♪2016-147/♪歌舞伎座-07