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2025年6月11日水曜日

横浜交響楽団 第740回定期演奏会 【交響曲の楽しみ①】

2025-06-11 @県立音楽堂



鏑木蓉馬:指揮
横浜交響楽団

ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」
ベートーべン:交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」
------------------------------
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番



◀️感想省略▶️





♪2025-076/♪神奈川県立音楽堂-07

2025年2月2日日曜日

横浜交響楽団 第737回定期演奏会 【新春コンサート】

2025-02-02 @県立音楽堂



鈴木衛:指揮
横浜交響楽団
バイオリン:門岡亜純*

團伊玖磨:祝典行進曲
ハチャトゥリアン:バイオリン協奏曲ニ短調*
フランク:交響曲ニ短調
------------------------------
ペタル・フリストスコフ:無伴奏バイオリンのための12の奇想曲から「リトル・トッカータ」*



祝典行進曲は吹奏楽を経験したものにはとりわけ懐かしく、時々は聴きたいと思っているだろうが、どっこい生で聴く機会が非常に少ない。記録を見れば、前回はなんと2014年の2月だというから11年間も聴いていなかったよ。

その時は横浜市消防音楽隊55周年記念演奏会だった。もちろん、本家吹奏楽版だ。

今回は、團伊玖磨が自ら横須賀交響楽団のために編曲したという管弦楽版だった。まあ、そうだろうな。横響が演奏するんだから。

ところが、う〜む。
イマイチだったな。
管弦楽版て、なんかスカスカ穴が空いている感じで、違和感大有りだった。やはり、吹奏楽版がいいね。
また11年待つのかな…。生きていないかもな。

ハチャトゥリアンのVn協が超絶技巧でけたたましかったな。

フランクのニ短調。好きな作品だが、今日の出来はイマイチ。とても、オルガン風の響は聴こえず。いつもデッドな響の音楽堂が、冬場の特徴かもしれない、一層乾いた音になっていたせいもあって、潤いのない合奏になった。

♪2025-018/♪神奈川県立音楽堂-03

2024年10月17日木曜日

東京フィル第1006回サントリー定期シリーズ

2024-10-17 @サントリーホール



出口大地:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
服部百音:バイオリン*

ハチャトゥリアン:「ヴァレンシアの寡婦」組曲から
 1イントロダクション
 2歌
 3ダンス
ファジル・サイ:バイオリン協奏曲「ハーレムの千一夜」Op.25*
コダーイ:ガランタ舞曲
コダーイ:ハンガリー民謡「孔雀は飛んだ」による変奏曲 主題と第1〜16変奏とファイナーレ
-----------------------
パガニーニ:ヴェニスの謝肉祭*



大地君の時はハチャトゥリアンはじめロシア・東欧ものが多いよ。本人の希望なの?ドイツものだってできるのに。

今日は多楽章ものを含め作曲家3人の作品4曲で、どうも集中できなかった。

それに弦の出来はイマイチ。

全曲、金管がおとなしい曲ばかりでどうも盛り上がりに欠けたな。

休憩時に外に出て見上げたスーパームーンが綺麗だったよ。


♪2024-139/♪サントリーホール-20

2024年10月5日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第401回横浜定期演奏会

2024-10-05 @みなとみらいホール



出口大地:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
鳥羽咲音:チェロ*

ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」から
「スパルタクスとフリーギアのアダージョ」
カバレフスキー:組曲「道化師」Op.26
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲イ長調 Op.33*
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
------------------------------
プロコフィエフ:マーチ*
プロコフィエフ:古典交響曲から「ガヴォット」





「佳作」という言葉があるが、今日の日フィルは「佳演」とでもいうのがぴったりする良い演奏だった。
4曲のうち1、4が14型。2、3が10型という小編成。

みつばちの法則「雨の日は良く鳴る」が当たって、弦がかなり透明感を保ったし、管弦の交わりも良く、全体としては管楽器の良さが光った。

とはいえ、力づくで聴かせるのではなく、実に、程良い力加減で、全体が「ロココ風」と言ってもいいような品の良さ。

今日は、たまたまだったのかもしれないが、出口くんの音作りって、こういうのを目指しているのか?と興味を持った。

鳥羽咲音(さくら)のチェロも、美音で、まさにロココだったが、カデンツァではもう少しヤニを飛ばして欲しかったな。

♪2024-134/♪みなとみらいホール-33

2023年8月2日水曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 東京フィルハーモニー交響楽団 俊英マエストロ&円熟のピアニスト ~ドラマティック名曲集~

2023-08-02 @ミューザ川崎シンフォニーホール



出口大地:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
清水和音:ピアノ*

ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』から ワルツ
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23 *
ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
---------------------------
ラフマニノフ(ワイルド編):「何という苦しさ」Op21-12*
ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』から マズルカ



指揮の出口大地は昨年7月の東フィル定期で聴いて以来2度目。この人のおかげで?ハチャトゥリアン指揮者コンクールなるものの存在を知った。
それで前回はハチャ~一色のプログラムだったが、今回は、最初の1曲だけ…かと思いきや、Encも同じ作品からお祭りを締めくくるにふさわしい賑やかな作品を演奏した。

なかなか好感の持てる青年だ(34歳?)。
すごく自然で、まっすぐな指揮ぶり。どの音楽も爽快に感じた。

チャイコのPf協1番の独奏は清水和音(でこの曲を聴くのは3回目。)。
圧倒的な演奏で、Pf協とはこういうふうにやるんだ、と言わんばかり堂に入っている。Pfを弾きながらオケも実質的に指揮をしているようだった。指揮者との連携が良かったのだけど。

後半の幻想交響曲は、昨日の読響を彷彿とさせた。
「指環」に比べると楽器編成の規模や多彩さはだいぶ地味だけど、「幻想」オーケストラル・アドベンチャーも、「指環」の完成に40年以上先立つ作品とは思えない程に派手な管弦楽が売り物。どこのオケがやってもたいてい満足できる(中でも5月の大植英次+神奈川フィルは大満足だった。)が、東フィルも見事なもので、これもオペラ絵巻に聴こえてくる。

ところで、3楽章のE-Hrと掛け合いをするバンダのObはどこで吹いていたのだろう?よく「舞台裏」で吹くと解説してあるが、現実には本舞台以外のことを指しているようで、多くの場合袖で吹いていると思うが、今日は舞台の真ん中あたりから聞こえてきたので不思議に思ったよ。

今日のミューザは天井からスピーカーが降りていたが、まさか、あそこから?

♪2023-137/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-17

2022年7月12日火曜日

東京フィル第973回サントリー定期シリーズ

2022-07-12 @サントリーホール


出口大地:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
木嶋真優:バイオリン*

ハチャトゥリアン:バレエ音楽『ガイーヌ』から
 アイシェの目覚めと踊り
 山岳民族の踊り
 ガイーヌのアダージョ
 剣の舞
 レズギンカ
ハチャトゥリアン:バイオリン協奏曲*
ハチャトゥリアン:交響曲第2番『鐘』
---------------------------
Vnアンコール⇒木嶋の弁「クランク(鶴)は紛争による虐殺が起こっていたアルメニアでコミタスが祈りを込めて平和を願って作った民謡。その後Aイグデスマンのモチーフを織り交ぜながら自分で舞台で即興で演奏したもの。」


東フィル定期年間全8回中今回はちょっと異色…というのも、出口大地って指揮者は全く知らなかった。
ハチャトゥリアン指揮者コンクールで1位ほか受賞というのがどれほどのものか知らないけど、少なくともハチャ〜の音楽解釈については一頭地抜きん出た人なのだろう。
そうだとしても、ハチャ〜の音楽ばかりで定期に組むというのは違和感があった。

が、始まってみると、東フィルが実に快調だ。

この日、新国立劇場「蝶々夫人」でピットに入って名演を聴かせたのも東フィルだけど、初台が終わってサントリーホールに駆け付けた訳ではあるまい。大所帯の東フィルならではの活躍ぶり。水準の高さにちょっと驚く!

この日は、サントリーホールとも思えない響きの良さ。夏場に小雨でエアコンフル回転のせいか。

独奏バイオリンの木嶋真優は、これまでのところなかなか心惹かれるに至らなかったが、昨年のショスタコーヴィチ協奏曲(藤岡+日フィル)が素晴らしかったので、今回は楽しみだったが、期待以上の激しさ!
ドイツロマン派などよりロシアものが向いているのかな。

交響曲2番は、多分、初聴き。
スラブっぽい、民族舞曲などを織り込んで哀愁を感じさせる音楽…かと思いきや全然違った。
妙に刺激的な部分はあって、55分の長尺を退屈させず聴かせたが、今日に限れば音楽の面白さというより、木嶋と東フィルの巧さに感心して聴き入っていた。

♪2022-103/♪サントリーホール-12

2022年1月8日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第374回横浜定期演奏会

2022-01-08 @県民ホール


井上道義:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<ニューイヤー道義ワルツ・セレクション>
 ハチャトリアン:バレエ音楽《仮面舞踏会》から ワルツ
 チャイコフスキー:バレエ音楽《白鳥の湖》からワルツ
 池辺晋一郎:ワルツと語ろう(井上道義委嘱作品)
 チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》から第2楽章ワルツ
 J.シュトラウスII世:春の声(管弦楽版)
-----アンコール-----
L.アンダーソン:Plink, Plank, Plunk!
*


モーツァルト「ジュピター」に<ニューイヤー・ミチヨシ・ワルツ・セレクション>ってどういうコンセプトかな?と思いつつ、あの先生の事だから何かやってくれるのだろうと期待して出かけた(番組構成意図については評論家の奥田氏のプレトークで解説があったかもしれないが。)。


「ジュピター」は弦10型でこじんまりと。


でも広い舞台のせいか、意図したのか、管がかなり抑えられてまるで弦楽合奏のようだった。


休憩を挟んで意図不明なワルツが並ぶ第2部は、管弦打ともぞろぞろ膨らんでオケとして約70人。

狙った訳じゃないだろうが、その対比効果は並んだだけで壮観。


最初がハチャトゥリアンのワルツ。


初聴きだったがショスタコーヴィチのJazz組曲2ーワルツ2にそっくり。ヒントを得たのか?

「白鳥の湖」からワルツ、チャイコフスキー「悲愴」2楽章もそれぞれ良かったが、道義先生の一番やりたかったのが、自らダジャレの池辺先生に委嘱して作曲してもらった日本の新年にふさわしい?ワルツだろう。


本人曰くだいぶ目論見が外れたようだが。


最後はJシュトラウスⅡの「春の声」も出てようやく新年らしく収まった。


オマケはL.アンダーソン「Plink, Plank, Plunk!」。

ワルツじゃなかったね。


全体の番組意図は結局よく分からなかったが、今回はチラシやプログラムにもわざわざ<指揮とお話>と刷り込んだだけに、道義先生が漫談みたいに笑わせてくれて、楽しいコンサートだった。


------------------------------
*ルロイ・アンダーソンの「Plink, Plank, Plunk」は、どうやら日本語の読み方が確定していないらしい。

「Plank」も「Plunk」も”ぷらんく”と読めるのが悩みの種で、Plankを名古屋弁風に”ぷりゃんく”と読めば近いのかなあ…💦

はい、みなさん、ご一緒にplɪŋk-plæŋk-plʌŋk!

♪2022-003/♪県民ホール-01

2021年7月4日日曜日

日フィル横浜第369回定期演奏会

2021-07-04 @カルッツかわさき


藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

木嶋真優:バイオリン*

ハチャトゥリアン:「仮面舞踏会」ワルツ
ショスタコーヴィチ:バイオリン協奏曲第1番イ短調 op.77*
チャイコフスキー:「眠れる森の美女」ワルツ
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1919年版)
-------------------------
チャイコフスキー:組曲4番「モーツァルティアーナ」と蝶々作品61から第3曲「祈り」


ロシアもの(ハチャ・タコ・チャイ・スト) 4作。

そんなに演ってくれなくとも良かったのに。


メインはショスタコーヴィチ:バイオリン協奏曲第1番とストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」。


好漢藤岡氏は、昨夜から未明の豪雨によるダイヤの乱れで碌に寝ていないはずだが、疲れは噯(おくび)にも出さず活力漲る指揮ぶりで、音楽も団員の意気も目一杯巻き上げて上出来だった。


バイオリン独奏の木嶋真優は過去に、何故かメンコンばかり聴いていて、印象が希薄だったが、今回のショスタコーヴィチは性に合っているのか、音量は大きく明瞭。3楽章の長大なカデンツァの緊張感にはゾクゾクしたよ。


最後の「火の鳥」でもオーケストラ音楽の面白さを堪能した。


この作品には改訂版が3稿あるそうで、1911年版は聴いた記憶なし。ほぼ演奏されないのではないか?

今日は19年版で、今年になって2回目だ。


一番多く聴くのは45年版で、曲数が多く演奏時間も少し長いが、両方ともほぼ切れ目なしで演奏されるので正直なところ耳で区別はつかない。


藤岡氏の指揮は聴く機会が少ないが、これまで聴いたものはラフマ〜等ロシアものにシベリウス、ドボルザークが多く、多分得意としているのだろうけど、そろそろ正統派独墺音楽を聴いてみたい。


今日の日フィルの演奏はとても良かった。

ただ、カルッツは響きが悪い。やはりみなとみらいホールで聴きたかった!



♪2021-067/♪カルッツかわさき-01

2019年6月28日金曜日

ハチャトゥリアン・コンチェルツ

2019-06-28 @みなとみらいホール


川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

石坂団十郎:チェロ
佐藤卓史:ピアノ
郷古廉:バイオリン

アラム・ハチャトゥリアン
 チェロ協奏曲ホ短調
 ピアノ協奏曲変ニ長調
 バイオリン協奏曲二短調

石坂団十郎(チェロ)、佐藤卓史(ピアノ)、郷古廉(バイオリン)によるハチャトゥリアンが書いた全協奏曲を一気に聴くという企画だ。

みなとみらいホール館長の池辺晋一郎の企画ということで、開演前の解説も同氏が登壇した。

バイオリン協奏曲はランパルが編曲したフルート版を含め何度か聴いているが、他の2本は初聴きだった。

作曲年代順に明らかに民族臭が露風・欧風に変化したのがよく分かる。

いずれも賑やかな音楽だったが、一番古いピアノ協奏曲(1936)が一番土臭く、派手で面白い。

バイオリン協奏曲(40)は多少馴染みもあったが、改めて聴くと成る程これがアルメニア色かと合点。

一番新しいチェロ協奏曲(46)はむしろショスタコーヴィチ作と言われたら信じてしまいそう。

オケは川瀬賢太郎指揮神奈川フィル。

神奈川フィルは全作品を弦12型というコンパクトな編成で演奏した。これが引き締まってとても良かった。

チェロ協奏曲では金管はホルンとトランペットのみ(編成表はなかったので見た目の判断)。他の2曲にはトロンボーン、チューバも入っていたが、出番はホンに少ない。やはり、独奏楽器を引き立てるための楽器編成なのだろう。

全体として、すこし辟易する感じの田舎臭さで、もうたくさん、という感じもしたが、池辺氏曰く「もう、二度と聴く機会がないであろう<破茶滅茶トゥリアン3部作>」という訳で、まあ、いいか。

ところで、余談:
バイオリン協奏曲で、1楽章カデンツァの途中、郷古の楽譜を賢太郎がめくっていたのには吃驚!

独奏者が楽譜を見ながら協奏曲を演奏する場合において、ピアノ以外の独奏楽器にめくりが付くのは見たことがない。現に、今日はチェロ協奏曲とバイオリン協奏曲が楽譜を見ながらの演奏だったが、いずれにもめくりは付かなかった。
普通、独奏者用の楽譜には自分でめくれるようにページの最後に音楽の休止が来るように書かれているはずだが、今日はそうではなかったらしい。譜面台には2ページ分が見開きで置けるのだから、2ページに収まりきらない楽譜だったのか。
いや、これまでもこの協奏曲は数回聴いているが、譜めくりはつかなかったし、指揮者が独奏者の楽譜をめくる姿は見たことがない。
一体どうしたことだろう?
やっぱり、楽譜はiPadの時代だな。

♪2019-090/♪みなとみらいホール-26

2019年1月19日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第3回

2019-01-19 @県民ホール


小泉和裕:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」組曲第1番から
 “剣の舞”
 “バラの乙女たちの踊り”
 “レズギンカ”
ビゼー:「アルルの女」第2組曲 
リスト:交響詩「レ・プレリュード」
ムソルグスキー:歌劇「ホヴァーンシチナ」
 第1幕前奏曲 “モスクワ川の夜明け”
チャイコフスキー:荘厳序曲「1812年」

序曲、前奏曲などの名曲小品集。いずれも耳馴染みばかりで、気楽に楽しんだ…と言いたいところだが、実のところは響が気になって聴きながら何がおかしいのか、なぜ満足できないのか、ずっと考えていた。
こんな風に批判的に音楽を聴くのはアマチュアの楽しみとしては邪道かもしれないなあ、ということも併せて考えてみたり…。忙しい。^^;

県民ホールは音響的にはNHKホール、文化会館らの系譜にあり元々残響が少ないホールだが、それにしても乾いた響だった。

外気乾燥の影響もあったのかもしれない?

各パートの混ざり具合がしっくりこない。

特に、最後の、序曲「1812年」冒頭の低弦とVaの重奏は美しかった。が、これも徐々に木管、金管が加わって厚みを増してゆくと旋律パートが埋もれた部分もあり満足できない。

響が潤いに乏しい。

神奈川フィルの今年最初の演奏会だが、昨年最後の演奏会(「第九」)も県民ホールの同じ席で聴いた。
その際は、豊かな響を聴かせてくれたのだし、常日頃聴く響とは明らかに違っていた。今日は、実力が発揮されていない。
やはり、乾燥した空気のせいだったのだろうか。
だとしたら、エアコンがノーコントロールだな。
あるいは、自分の耳が乾燥した外気に触れていたためにその環境に合わせたチューニングをしていたのかもしれない。

♪2019-006/♪県民ホール-01

2018年5月5日土曜日

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018 M326 〜ロマの音楽〜

2018-05-05 @東京国際フォーラムB7


パヴェル・シュポルツル:バイオリン
     &
ジプシーウェイ(伝統ロマ音楽)

ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
サラサーテ:チゴイネルワイゼン
シュポルツル:ジプシー・ファイヤー
ピアソラ:アヴェ・マリア
ハチャトゥリアン:剣の舞
ロシアン・ファンタジー
モンティ:チャールダーシュ
---------------
アンコールあり。曲名不詳


所謂ジプシーの音楽、ロマ音楽だ。
曲弾きのようなバイオリンにビオラ、コントラバス、ツィンバロンという4重奏。

ハンガリー舞曲(案内では1番だったが本番では5番を演奏)やチゴイネルワイゼン、チャールダーシュなどほとんど、お馴染みの作品ばかりだ。

思い切りメランコリーで、さめざめ泣いたあとには激しいリズムだ。クラシック音楽には禁じ手の減5度や増2度などもお構いなしに登場して、現代の人間にも残る原初的な感性を痛く刺激して心地よい。

ただ、惜しいと思ったのは、拡声装置を使っていたことだ。そのおかげで迫力ある演奏を楽しめたのだけど、スピーカーから流れる爆音はナマとは比べ物にならないひどい音だ。
ホールB7は大して広いホールではなく、せいぜい500人程度ではないか。生演奏でも十分音は場内全体に届くはずだ。
2千人規模のホールでもバイオリン独奏を聴くことができるのだもの。ぜひともナマの繊細な弦やツィムバロンの響きで咽び泣く音楽に酔いしれたかったよ。

♪2018-50/♪東京国際フォーラム-02

2018年4月28日土曜日

華麗なるコンチェルト・シリーズ第5回 石田泰尚〜カリスマ・バイオリニストのConcerto!〜

2018-04-28 @みなとみらいホール


阿部未来:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
石田泰尚:バイオリン*

ワーグナー:歌劇「ローエングリーン」第1幕への前奏曲
ハチャトゥリアン:バイオリン協奏曲ニ短調*
ベートーベン:バイオリン協奏曲ニ長調 作品61*
---------------
アンコール
クライスラー:美しきロスマリン*(+弦楽5部首席)
シューベルト:アヴェ・マリア*(無伴奏)

華麗なるコンチェルトシリーズ(年4回)が去年から始まっていたのは知っていたけど、いくつかダブりがあって、買わなかったが、今年のシリーズは見事に4回とも重ならないのでセット券で買った。

その第一弾が石田泰尚のバイオリン協奏曲2本立てだ。

石田は神奈川フィルのソロ・コンマスで2001年からその地位にあるから、神奈川フィルの顔であり、オケ以外にも室内楽活動も盛んに行っている。ファンが多く、大抵、彼が出演するとチケット完売だ。

「音楽の友」4月号が発表した3年に一度の読者人気投票では、なんと、<日本のバイオリニスト>の中では石田は10位だというのがびっくりだ。いやいやそれ以上に<世界のバイオリニスト>の中でも20位だというのには愕然となった。音友の読者層って、横浜中心なのか?いくらなんでもこれほどまでも上位に位置するとは思えない。あくまでも人気投票なので、いい加減なところはあるだろうけど。
ついでに書きておくと、この華麗コンの全回の管弦楽担当が神奈川フィルだが、このオケが、音友の投票では<日本のオケ>ではなんと4位だと言う。都響、東フィル、読響、新日フィルなどよりも上位にランクしているのも不思議な事だ。
加えて<世界のオケ>の中でも15位にランキングされている。ここでは、<日本のオケ>では神奈川フィルより上位の日フィルが20位内にも入っていないし、同じく神奈川フィルより一つ順位が下の都響が<世界のオケ>で3位というのだから訳が分からない。

あくまでも人気投票だし、確か、好きな奏者・オケを5人(団体)まで選ぶ方式なので、こんな矛盾した結果が生まれるのだろう。

<人気投票>では厳密なことは言えないまでも、少なくとも、バイオリニストとして石田泰尚は日本で一流のランクにあり、神奈川フィルも人気としては我が国のトップレベルにあるということだ。

で、その両者が組んだ2曲のコンチェルト。
ハチャトゥリアンの”バイオリン協奏曲”は初聴きだった。しかし、1年余前にランパルがフルート版に編曲したものを聴いていた…ことを帰宅後思い出した。原曲のバイオリン版より、こちらの方が有名かもしれない。
第1楽章、第3楽章はとてもリズミカルだ。挟まれた第2楽章がエキゾチックでメランコリー。演奏に34分前後要し、オーケストラの編成もかなり大きな本格的な協奏曲で、味わい深く、十分楽しめる。もっと演奏機会が増えても良さそうだが、この華麗コンのように、一度に2曲以上協奏曲を演奏するのでなければ、さほど知れ渡った作品でもないので単独では取り上げにくいのだろう。

ベートーベンも堂々たるもので、とても良かった。

予てから、石田泰尚のバイオリン・ソロは何度も聴いているが、その音色が繊細で美しいのだけど、野性味に欠ける。
今回もハチャトゥリアンのカデンツァなど重音奏法の部分などはもっとガリガリと脂を飛ばしてもいいのではないかと思ったが、全体を聴き終えると、やはり、この繊細さが彼の持ち味で、どんなに速いパッセージでも一音一音に磨きをかけようとしているのだろう。それが彼の音楽である、と受け止めると、一つのスタイルとして納得できる。

バイオリン・ソロも良かったが、神奈川フィルも素晴らしい出来だった。
今日の指揮は阿部未来クン。彼は2015年度から副指揮者を勤めているが、定期演奏会には一度も立ったことがないから、指揮ぶりを見るのは初めてだったが、うまくコントロールしていたのではないか。こう言っちゃ何だが、メンバーも必ずしもエース級を欠いた編成だったが、弦の音もきれいだし、まとまりが良くて実に心地よい演奏だった。
ソロ・コンマスが独奏に立っているので、今日のコンマスは﨑谷君かと思っていたが、コンマス席に座っていたのは見慣れぬ若い女性だった。終演後関係者に尋ねたら日本センチュリー交響楽団のコンマス・松浦奈々という人だった。はっきりした動作で役割を果たしていたのではないか。

♪2018-048/♪みなとみらいホール-14

[参考]
「音楽の友」2018年4月号人気投票結果
◎世界のオケ⇒
  1ウィーン・フィル、
  2ベルリン・フィル、
  3N響
  4R・コンセルトヘボウ、
  5都響
  6NYフィル、
  7バイエルン放送響、
  8ロンドン交響楽団、
  9パリ管、
10ドレスデン・シュターツカペレ、
11チェコ・フィル、
12東響
13ボストン響、
14ミラノ・スカラ座管、
15神奈川フィル(日本オケで4位)

◎日本のオケ⇒
  1N響、
  2日フィル、
  3東響、
  4神奈川フィル
  5都響、
  6東フィル、
  7読響・新日本フィル(同順)、
  9大阪フィル、
10札響

◎世界のVnist⇒
1五嶋みどり
2パールマン、
3クレーメル、
4ハイフェッツ
5ムター、
6諏訪内晶子
7オイストラフ
8五嶋龍
9イザベル・ファウスト、
10庄司紗矢香
11グリュミオー
12スターン
13ツィマーマン、
14ヴェンゲーロフ、
15キュッヒル、
16レーピン、
17樫本大進
18キョンファ、
19三浦文彰、
20石田泰尚 緑は故人

◎日本のVnist⇒
  1五嶋みどり、
  2諏訪内晶子、
  3庄司紗矢香、
  4樫本大進、
  5五嶋龍、
  6神尾真由子、
  7千住真理子、
  8堀米ゆず子、
  9三浦文彰、
10石田泰尚

2017年5月25日木曜日

N響午後のクラシック第2回

2017-05-25 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ウラディーミル・フェドセーエフ:指揮
NHK交響楽団
ボリス・ベレゾフスキー:ピアノ*

ショスタコーヴィチ:祝典序曲 作品96
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23
リムスキー・コルサコフ:スペイン奇想曲 作品34
チャイコフスキー:幻想曲「フランンチェスカ・ダ・リミニ」作品32
------------------
アンコール
ハチャトゥリアン:バレエ組曲「ガイーヌ」から「レズギンカ舞曲」

指揮フェドセーエフ、Pf独奏ベレゾフスキーというロシア人コンビで全4曲ロシアもの。なら、チャイコ2曲ではなくてボロディンなどに入れ替えて4人4曲の方が良かったかなと思ったり…。
4月の出来がぴりっとしなかったので不安な船出。

ところがどっこい。先月のN響はN響ではなかったのかと思うくらい格段に違う。ショスタコ、チャイコ、コルサコフ、いずれも大規模で派手な管弦楽技法。ロシアの哀愁。加えてフェドセーエフのカリスマがN響のやる気と巧さを引き出した。

唯一初聴きの「フランチェスカ〜」の冒頭には驚いた。地獄の様を描いたそうだが正に不気味さ甚だしい強烈な音響はかつて耳にしたことがない。管・弦の低域が銅鑼も加わって唸るように響いたのはどうやら減七和音らしい。生でこそ聴ける音だ。

ベレゾフスキーの貫禄十分なPf協奏曲も楽しめた。ピアノのテンポが良すぎてオケの先を走るんじゃないかと心配したが、フレーズの頭ではきちんと揃う。そのうち、指揮者ともども三者が一体となってオケとのやり取りも自然に。豪快な演奏也。

本篇だけでも満足したが、万雷の拍手歓声に応えたアンコールがやはりロシアのハチャトゥリアン:レズギンカ舞曲。この調子の良い音楽に会場全体が気持ち良く乗せられた。この場限りではあっても全ての憂さを吹き飛ばずフェドセーエフの魔法。


♪2017-090/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-09

2017年1月21日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第326回

2017-01-21 @みなとみらいホール


川瀬賢太郎:指揮(常任指揮者)
上野星矢:フルート*
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

J.S.バッハ(エルガー編曲):幻想曲とフーガハ短調Op.86
ハチャトゥリアン(ランパル編曲):バイオリン(フルート)協奏曲ニ短調
ラフマニノフ:交響曲第3番イ短調Op.44
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アンコール
上野星矢編曲:ロンドンデリーの歌*

ハチャトゥリアンのバイオリン協奏曲というのが初めて。それをフルート用に編曲したのも当然初めて。
フルートの名手ランパルがハチャトゥリアンにフルート協奏曲を依頼したら、ハチャトゥリアンは自分が作曲したバイオリン協奏曲をフルート用に編曲してはどうかと答えたそうで、ランパルは管弦楽部分はほぼそのままに、バイオリン部分をフルートにふさわしい楽想に変えたりカデンツァを加えたりの書き直しをしたそうだ。

ランパルは現代を生きた人なので、2人の間に接点があったということが不思議な感じがしたが、誕生日をみると、ハチャトゥリアンは1903年生まれ(1978年歿)、ランパルは1922年生まれ(2000年歿)なので、僅か19歳違うだけだ。

そのランパルがN響とこの曲を演奏している動画をYoutubeで発見した。
https://youtu.be/4hTV6UsH9R4

1977年10月、NHKホールでの演奏だ。ランパルは55歳、ハチャトゥリアンは74歳でかろうじて存命だったのだ。

さて、彼の音楽はほかには組曲「仮面舞踏会」とバレエ音楽(⇒演奏会用組曲)「ガイーヌ」くらいしか知らないのだけど、まあ、感じは「剣の舞」の如しだ。

上野星矢は華々しい経歴(全日本学生音楽コンクール1位、ランパル国際フルートコンクール優勝など)を納得させる腕前で、第1楽章からして独奏フルートは相当に難しいと思うが、大暴れするような第3楽章は超絶技巧の連続だ。
よくぞ、あんなに早くタンギングができたり、あんなに長く息を保てるのか、不思議なくらいだ。

ラフマニノフの交響曲。これまで2番は何度か聴いているし、アマオケ時代に自分でも演奏しているので馴染みはあったが、第3番は少なくともナマ演奏は初聴きだ。
それでも十分楽しめたのは内容がドラマティックでロマンティックだからだ。まるで壮大な映画音楽のようでもある。

それに、ハチャトゥリアンの音楽も同様だったが、指揮の川瀬賢太郎のコントロールが各パートに行き渡っている感じが演奏にも現れていて、聴く側も集中力を傾注できたのが良かった。
常任指揮者になってまもなく(3月で)3年になるが、神奈川フィルを掌中に収めつつあるような気がする。

♪2017-008/♪みなとみらいホール-02

2015年10月17日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第311回横浜定期演奏会

2015-10-17 @みなとみらいホール


アレクサンドル・ラザレフ[首席指揮者]:指揮
小川典子:ピアノ
日本フィルハーモニー交響楽団

ラームス:大学祝典序曲
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124/R.455
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
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ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」から「レズギンカ」


大学祝典序曲ではイマイチサウンドに輝きがないというか、いつもはもっとまろやかで透明感も感じられるのに、ザワーっとしたような響だったが、2曲めのリストになると弦も良く鳴っていつもの日フィルらしさが戻った。聴く側の耳の問題、気持ちの問題もあるのかもしれないけど、アコースティックな環境でのアコースティックなサウンドってほんに微妙だ。

リストのピアノ協奏曲は3作あるという説もあるが、第3番は聴いたことがない(これは全1楽章だそうだが)。
第1番も第2番も多楽章とはいえ全曲通して演奏される。
その第1番の楽章構成は全3楽章とする見方と全4楽章とする見方があっていずれにせよ通して演奏されるので、楽章の切れ目がよく分からないのだけど、4楽章構成で言えば第3楽章と第4楽章で、3楽章構成でいえば第3楽章で、トライアングルが頻繁に鳴らされるので、それを聴くとああ、この辺まで来たのか、と分かる。

大きなホールの後ろの方で聴いているのだけど、あの小さな楽器がチリンチリンとよく伝わってくる。CDだと聞き逃すことも多いのだけど。

もちろん、主役はピアノで、終始ピアノが華麗に鳴り続けている。

ボロディンの交響曲第2番は、チャイコフスキーの悲愴と並んでロシア人の国民性が如実に反映された作品だ…とワインガルトナーが言ったと解説にある。

しかし、この2作品はその洗練度において大きな開きがあると思うが、あるいは、だからこそ、この2曲がロシアの2面性を代表するのかもしれないが。

とても素朴というか、民族性が露骨に出て、俗っぽい音楽だ。
初めて聴いたが、それだけに分かり易く親しみやすい。


ラザレフは、どの曲も<ここで終わり>という瞬間に指揮台でくるっと踵を返し客席に向かって拍手を促す。それは全然嫌味ではなくて、彼自身が音楽を楽しんで、お客と一体感を味わいたいという気持ちだろう。観客サービスでもある。
普通は、終曲は観客と演奏家が音楽の最後の余韻まで納得して共有して迎えるものだけど、このタイミングはなかなか難しくて、観客も気持ちを一つにできるとは限らないのだけど、ラザレフのようにくるっと客席に向かってバンザイをしてくれると、ああ、これで終わったんだ、という気持ちの整理が<明確に>ついて、文句の言いようもない。


♪2015-104/♪みなとみらいホール-30

2014年11月16日日曜日

N響第1793回 定期公演 Aプログラム

2014-11-16 @NHKホール



サー・ネヴィル・マリナー:指揮
セルゲイ・ハチャトゥリアン:バイオリン
NHK交響楽団

ベートーベン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68
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アンコール
コミタス:「アプリコットの木」(バイオリンソロ)



この日は、本来レナード・スラットキンという人の指揮で、ベートーベンとラヴェルが演奏されるはずだったが、スラットキンの健康上の理由で来日できず急遽ネヴィル・マリナーに交代して、ラヴェルはブラームスに変更された(もちろん、事前に連絡が届いていた。)。

もし、この変更がなければ、僕は今月中に、4回も、しかも連続して「ダフニスとクロエ」第2組曲を聴くという、これまでにもなく、そしてこの先もないであろう稀有な経験をするところだった。
というのも、22日も日フィルの定期で「ダフニスとクロエ」第2組曲が取り上げられるからだ。
それで4つのオーケストラを聴き比べたい気もあったが、ブラームスも魅力的なので複雑な思いだった。

それにしても、この珍事はどうして起こったのだろう…という話は、日フィルのコンサートの感想に書くことにしよう。



サー・ネヴィル・マリナーだ。
最近その名を聞かなかったので、もうこの世の人ではないのだろうとぼんやり思っていたけど、大変失礼した。
御年90歳で矍鑠たるものだ。

もう、半世紀ほども昔になるが、その頃、ヴィヴァルディの「四季」といえばイ・ムジチが定番だった。
そこに、ネヴィル・マリナーがアカデミー室内管弦楽団を創設して新解釈の「四季」で颯爽と登場したことを好感をもって迎えたことを覚えている。それがアカデミー室内楽団のレコードデビューだったかどうかは知らないけど、当時、音楽界ではちょっとした事件だったように記憶している。
イ・ムジチのLPも持っていたけど、アカデミー版の「四季」も早速に購入して、そのアップテンポで歯切れのよい現代風な四季を大いに楽しんだものだ。

映画「アマデウス」の音楽もマリナー&アカデミーのコンビによることはかなり有名かも。


ベートーベンのバイオリン協奏曲は、このジャンルの作品中では好感度ベスト1かな。
ピアノ協奏曲で言えば第5番「皇帝」のような堂々たる風格がある。それでいて、終楽章の中間部に垣間みせる哀愁がたまらない。

バイオリンのハチャトゥリアンは、ちょうど10年前に急遽の代役としてN響デビューした際もベートーベンだったそうで、因縁の作品だ。
その時の演奏は『N響アワー』の2004年度ベスト・ソリスト2位となったという。
このレベルの技量は判断できないけど、オーケストラに埋没することなく堂々と音を響かせてとても満足できた。

そしてブラームス。
ブラームスの溢れ出んとするパッションが古典形式の枠の中で抑制されるパッションとストイズムのせめぎあいがゾクゾクさせる。
特にこの特徴が第1番によく表れていると思う。
40歳を過ぎるまで手を付けなかった交響曲の第1番は、素人目(耳)にもよくぞ綿密に構成されているなと思う。
ハ短調に始まった重苦しさは最後の最後にハ長調のファンファーレで幕を閉じる。

この曲でのティンパニーの使い方は画期的ではないかと思っている。詳しく調べた訳ではないけど、単にリズムを刻むとか音量補強とかクレッシェンド効果とは別に、ひとつのソロ楽器としての独特の使い方をしているような気がするのだけど。それで、ティンパニーを聴くのもこの曲の楽しみの一つだ。

サーの称号を持つネヴィル・マリナー。
90歳とは到底思えない元気な指揮ぶりだったが、燕尾服ではなく、グレイのジャケットに黒いズボンといったカジュアルな出で立ちで、ふらっと立ち寄った感じで指揮台に上った。
終演時、観客は老マエストロに敬愛の念を以って爆発的な拍手喝采で感動を伝え、マエストロも満足そうに何度も観客に笑顔で応えてくれた。
演奏家と観客が気持ちをひとつにできた時、音楽の力をしみじみ感ずる。

♪2014-103/♪NHKホール-06