2015-10-17 @みなとみらいホール
アレクサンドル・ラザレフ[首席指揮者]:指揮
小川典子:ピアノ
日本フィルハーモニー交響楽団
ブラームス:大学祝典序曲
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調S.124/R.455
ボロディン:交響曲第2番ロ短調
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ハチャトゥリアン:バレエ音楽「ガイーヌ」から「レズギンカ」
大学祝典序曲ではイマイチサウンドに輝きがないというか、いつもはもっとまろやかで透明感も感じられるのに、ザワーっとしたような響だったが、2曲めのリストになると弦も良く鳴っていつもの日フィルらしさが戻った。聴く側の耳の問題、気持ちの問題もあるのかもしれないけど、アコースティックな環境でのアコースティックなサウンドってほんに微妙だ。
リストのピアノ協奏曲は3作あるという説もあるが、第3番は聴いたことがない(これは全1楽章だそうだが)。
第1番も第2番も多楽章とはいえ全曲通して演奏される。
その第1番の楽章構成は全3楽章とする見方と全4楽章とする見方があっていずれにせよ通して演奏されるので、楽章の切れ目がよく分からないのだけど、4楽章構成で言えば第3楽章と第4楽章で、3楽章構成でいえば第3楽章で、トライアングルが頻繁に鳴らされるので、それを聴くとああ、この辺まで来たのか、と分かる。
大きなホールの後ろの方で聴いているのだけど、あの小さな楽器がチリンチリンとよく伝わってくる。CDだと聞き逃すことも多いのだけど。
もちろん、主役はピアノで、終始ピアノが華麗に鳴り続けている。
ボロディンの交響曲第2番は、チャイコフスキーの悲愴と並んでロシア人の国民性が如実に反映された作品だ…とワインガルトナーが言ったと解説にある。
しかし、この2作品はその洗練度において大きな開きがあると思うが、あるいは、だからこそ、この2曲がロシアの2面性を代表するのかもしれないが。
とても素朴というか、民族性が露骨に出て、俗っぽい音楽だ。
初めて聴いたが、それだけに分かり易く親しみやすい。
ラザレフは、どの曲も<ここで終わり>という瞬間に指揮台でくるっと踵を返し客席に向かって拍手を促す。それは全然嫌味ではなくて、彼自身が音楽を楽しんで、お客と一体感を味わいたいという気持ちだろう。観客サービスでもある。
普通は、終曲は観客と演奏家が音楽の最後の余韻まで納得して共有して迎えるものだけど、このタイミングはなかなか難しくて、観客も気持ちを一つにできるとは限らないのだけど、ラザレフのようにくるっと客席に向かってバンザイをしてくれると、ああ、これで終わったんだ、という気持ちの整理が<明確に>ついて、文句の言いようもない。
♪2015-104/♪みなとみらいホール-30