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2025年3月20日木曜日

読売日本交響楽団第140回横浜マチネー名曲シリーズ

2025-03-20 @みなとみらいホール



鈴木優人:指揮
読売日本交響楽団

ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*
遠藤真理:チェロ#

一柳慧:オーケストラのための「共存」
ソッリマ:「多様なる大地」(日本初演)*
ソッリマ:「チェロよ、歌え!」#*
ベートーベン:交響曲第7番イ長調 作品92
----------------------
ソッリマ:「When We Were Trees:Leaves Postcards」*




このところ凡打が続いたが、今日は期待していた。
演奏作品はなんでも良かった。

読響@みなとみらい。
Vc独奏がなんとソッリマ!
ついでにコンマスは大好きなバイオリン界の百済観音日下紗矢子。
これだけ揃えば期待せずにおれようか。

そして期待は裏切られることなく全部が素晴らしかった。

ソッリマは何度も聴いているが、つまらなかったことは一度もない。この「全身音楽家」は今日も大いに楽しませてくれた。
しかも新しい楽しさ=作曲家としても実に好感の持てる作品を書く。もちろん現代音楽だが、自己満足に陥るのではなく、俗っぽくもなく、良い塩梅の聴き手をくすぐるサービス精神がある。

演奏家としては、もう音楽に入り込んでその精神は音楽と一体となって爆発している。

この人のドボコンを2度聴いたが、そういう古典を演奏しても傑作なのだけど、今回彼の自作を聴いて、自作自演こそ彼の真骨頂が発揮されると得心した。

指揮の鈴木優人も良かった。特にベト7は良いノリだった。
大袈裟ではない、軽くもないが、まとまりの良い演奏だった。
もちろん読響のアンサンブルは極上だった。みなとみらいでこそ味わえる響だ。

我がマドンナ日下紗矢子嬢も、いつものように背筋を伸ばした美しいフォームは眼福モノだ。

CCが終わり、最後の最後、彼女がコンマスとして1人客席に向かって笑顔で頭を下げるところまで、餡のたっぷり詰まった特上鯛焼き君を味わうことができた。

♪2025-037/♪みなとみらいホール-06

2023年5月3日水曜日

ジョヴァンニ・ソッリマ無伴奏チェロ・リサイタル

2023-05-03 @フィリアホール



ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ

ジョヴァンニ・ソッリマ:ヘル1 * 
ジュリオ・デ・ルーヴォ:ロマネッラ / タランテッラ🎻
コミタス:鶴 *
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007🎻
ジョヴァンニ・ソッリマ: *
 ナチュラル・ソングブックNo.1「プレリューディオ」
 ナチュラル・ソングブックNo.6「サティの『ジムノペディ第1番』より再創造」
-------------------休憩-----------------------------
シチリアのアルバニア系住民に伝わる伝承曲:美しきモレアよ(ソッリマ編) *
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調BWV1010🎻
エリオドーロ・ソッリマ:田舎の歌(「コロノスのオイディプス」(1975)から)
ジョヴァンニ・ソッリマ:ラメンタチオ *
フランチェスコ・コルベッタ:カプリス・ド・シャコンヌ(ソッリマ編)🎻
サレント地方の伝承曲:聖パウロのピッツィカ(ソッリマ編)🏹
ジョヴァンニ・ソッリマ:ファンダンゴ(ボッケリーニへのオマージュ) *
-------------------アンコール-----------------------
坂本龍一:「ラストエンペラー」のテーマ  *
ジミ・ヘンドリックス:エンジェル *
ジョヴァンニ・ソッリマ:Terra Acqua🥢

曲目の最後の
* 印はモダン弓、
🎻はバロック弓、
🏹はモダン弓の先に錘(鈴入り)を付けた弓
🥢は割り箸



改修休館もあり、1年4月ぶりのフィリアが目立たぬように綺麗になっていた。
さて、今日は、指揮にもオケにも合わせる必要のない無伴奏でやりたい放題の独演会。こういうプログラムこそ即興性を持ち味にするソッリマの独擅場であり、面目躍如だ。

バッハ無伴奏Vc組曲1番&4番以外は、自作・父作・古今の伝承曲等で僕は殆どが初聴き(先日の日フィルでの独演会で少なくとも1曲は聴いたが他は不明)。これらを概ね新作・古典の順で交互に演奏し、それぞれに用意した複数の弓(モダン・バロック・モダン改作)及び割り箸で弾き分た。

いや、弾き分けるというより、両手・片手ではじいたり、腕で弦を押さえたり、楽器を叩いたり、駒の下・テールピース・エンドピンまで擦り、床を踏み鳴らし、奇声を発し、考えられるありとあらゆる発音手段で音楽を表現した。
Vc界のコパチンスカヤだ。
面白さに呆気に取られる!

バッハ以外は新旧作とも、類似の旋法なのか、或いは同一地方の独自の音階なのか、散り散りの旋律などに共通する哀愁の片鱗も感じて好ましかった。

バッハはどうだったか?
そもそもあれはバッハなのか?

Vc聖書さえも南国民謡風に超速でかっ飛ばしてこれも一興。
おお、仰天のソッリマ!

♪2023-073/♪フィリアホール-01

2023年4月22日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第386回横浜定期演奏会

2023-04-22 @みなとみらいホール



原田慶太楼:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*

ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104 B.191*
吉松隆:交響曲第6番「鳥と天使たち」 op.113
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アルバニア伝承曲:美しきモレアよ*





今日のマチネは不覚にも寝てしまったので、帰宅後仮眠をとってソワレに挑戦。
もう、体調も回復していたが、それより寝ているどころじゃなった。

ドボコンは聴く機会は多いのになかなか”お見事”な演奏に出くわさない。チェロとオケの音量バランスが悩みの種で、みなとみらいHのようによく鳴る会場でも、物足りなさを感ずる。

第1楽章が終わった時にファゴットが楽器の不調で退出。
そこでなんとソッリマが独奏を始めた。
抒情的な調べで、コンマスに指示して即興で?第1バイオリンとビオラだったかな?バックを付けた。といっても単音を伸ばしていただけ。

その後、今度はソッリマ独奏でモダンな曲を弾き始めた。
この2曲がなんという曲か分からない。1曲目なんか、ほんの思いつきで即興的に自作した感じ。2曲目も自作ではなかったか?

ようやくファゴットが戻って、第2楽章が始まった。
余興が面白かったか、その後はオケもソッリマも吹っ切れた感じで快調だった。

全曲を弾き終えた後、再度、アンコールを演奏した。
アルバニアの伝承曲らしいが、これがとてもモダンで弾きながら何か叫んでいた。
客席は大喜びで、既に休憩時間に入って客席も明るくなっても拍手は鳴り止まず、一旦区切りのついたCCが延長された。

その後もハプニングが続いたが省略。

後半。
吉松隆の交響曲第6番はほぼ1年前に新日フィルで聴いたので2回目。現代音楽撲滅運動を主唱する氏の作品だから、小難しいところはなく、遊び心に溢れた玩具箱の感じ。
弦5部は14型だったが、管は極めて少なく(それも多くがオカリナに持ち替える。)、その代わり打鍵楽器が多種多様だ。

作品中には吉松自作、シベリウス・ショスタコーヴィチ・チャイコフスキー・ベートーベンのいずれも交響曲第6番のカケラが顔を出すそうだが、チャイコフスキーとベートーベンと吉松作「平清盛」の音楽しか分からなかった。

「鬼のような変拍子と転調」だそうだが、当然、破綻することもなく、前半のソッリマ独演ショーに十分対抗できる演奏だった。
カーテンコールでは作曲者本人も登壇。

♪2023-068/♪みなとみらいホール-15

2022年4月15日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#6

2022-04-15 @すみだトリフォニーホール




久石譲:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
リーウェイ・キン:チェロ*

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 op. 33*
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」(M.ラヴェルによる管弦楽編)
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ソッリマ:アローン*
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番サラバンド*
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ


「雨の日はホールが良く鳴る」が当たった日。そんな訳か、3作品とも楽しめた。オケは良い出来だったと思う。

久石譲の指揮に関しては、以前ベト2本立を聴いた時に感じた違和感が今回は全然なし。
非独墺・近代の作品は彼自身の作風に近いものがあるのかもしれない。

初めて聴くチェロのリーウェイ・キン(中国系豪州人/チャイコ銀)はとても繊細で綺麗な音を出したが、惜しむらくは音量が小さかった。
冒頭のユニークな掴みで聴衆を掴みきれなかった?

「展覧会の絵」も管・弦が良く鳴って楽しく聴いた。

昨年末のデスピノーザ+N響とは比べない事にする。

♪2022-051/♪すみだトリフォニーホール-03

2019年8月6日火曜日

フェスタサマーミューザ2019 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ≪人気作曲家の意欲作を今ふたたび!≫

2019-08-06 @ミューザ川崎シンフォニーホール


藤岡幸夫:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ジョヴァンニ・ソッリマ:チェロ*

シベリウス:「レンミンカイネン組曲」作品22から第4曲『レンミンカイネンの帰郷』
ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104*
芥川也寸志:交響曲第1番
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ソッリマ:ナチュラル・ソング・ブック第4、6番*
エルガー:夕べの歌

好漢・藤岡幸夫の采配が楽しみだったが…。
チェロ独奏のソッリマのドボルザークの協奏曲はスリリングで良かったが、むしろアンコールに弾いた自作の無窮動風超絶技巧曲が床を足でふみ鳴らし、お客に手拍子を求めて大いに盛り上がった。

芥川也寸志の交響曲第1番は初聴きだったが、懐古和風の興趣があって面白かった。
客席には芥川夫人もおられた。

藤岡氏は今年4月に首席客演に就いたそうだ。
今後、情熱的な演奏を聴かせてくれる事を期待するよ。

今日に限っては、オケのは元気はあったが、仕上がりが荒っぽい印象を受けた。
また、今日のミューザは珍しくお客の入りが悪くキャパシティの半数に少し届かなかったようだ。気の毒な気がしたよ。


♪2019-117/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12

2019年6月30日日曜日

華麗なるコンチェルトシリーズ〜宮田大《チェロよ歌え!》

2019-06-30 @みなとみらいホール


粟辻聡:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

宮田大:チェロ
高木慶太:チェロ(読響団員)*

ブルッフ:コル・ニドライ
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
ソッリマ:チェロよ歌え!〜2つのチェロと弦楽のためのバラード〜*
フォーレ:チェロと管弦楽のためのエレジー ハ短調 作品24
ポッパー:ハンガリー狂詩曲
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三枝成彰:チェロのためのレクイエム

華麗なるコンチェルト・シリーズ。
と言っても今回は協奏曲は無しでオケ伴奏付きチェロ小品集。

ソッリマの現代曲以外は全部馴染んでいるつもりだったがブロッホのヘブライ狂詩曲「シェロモ」はスコットランド狂詩曲と勘違いしていたか、初聴きだった。
ブルッフの「コル・ニドライ」に輪をかけたヘブライ色濃厚でまるでミクロス・ローザの映画音楽を彷彿とさせて面白い。

これまでの経験で、「宮田大に外れなし」。

今回も、明瞭で美しいチェロの音に感心したが、とりわけ後半のフォーレ「エレジー」とポッパー「ハンガリー狂詩曲」は、普段聴き慣れているピアノ伴奏版とは違いオケ版で一層音楽が豊かに広がり、大海に漕ぎ出したようにチェロも朗々と歌い切った。


♪2019-091/♪みなとみらいホール-27