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2021年3月20日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第10回

 2021-03-20 @県民ホール


川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
二期会合唱団*

青木エマSP*
高野百合絵Ms*
大山大輔Br*
加耒徹Br*

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」から"間奏曲"
シュミット:歌劇「ノートルダム」から"間奏曲"
ベートーベン:ウェリントンの勝利 Op.91

音楽劇による「レ・ミゼラブル(ヴィクトル・ユゴー原作)」~若者たちの60分のレ・ミゼ~*
構成台本:田尾下哲 Les Misérables

①大橋晃一編曲:ラ・マルセイエーズ
②ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」から"Nemico della partia"
③グノー:歌劇「ファウスト」から“宝石の歌”
④ミュージカル「レ・ミゼラブル」から"A heart full of love"
⑤ミュージカル「レミゼラブル」より “On my own"
⑥ミュージカル「レ・ミゼラブル」から “One day more"
⑦ミュージカル「ジキルとハイド」から“This is the moment"
⑧プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」から“ハミングコーラス"
⑨レハール:喜歌劇「メリー・ウィドウ」から “Lippen schweigen"
⑩マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から“間奏曲”



前半に序曲・間奏曲など小品が4曲。

後半に<若者たちのレ・ミゼ〜>って一体どういうコンセプト?と思ったが、
前半は「レ・ミゼ〜」の世界の雰囲気作りというかなり強引な構成。
後半はミュージカル「レ・ミゼ〜」の3曲を含む色んな歌劇のアリアの寄せ鍋。

…と書くと不満があるように読めるけど、聴いてみれば大傑作だった。

まずは神フィルは今年に入って4連勝だ。

いずれの回も素晴らしい演奏が続いているが、今回はとりわけ見事。管打も良かったが、今回はゲストコンマス(東フィルから三浦文彰のパパ、三浦章宏)の起用が奏功したのか、いつになく、弦の透明感が高く美しい。


「ウェリントンの勝利」は先月同じ賢太郎氏が都響で振ったが、演奏は神フィルに軍配。
尤もべートーベンにしてはつまらない曲だが。


後半が4人の歌手に8人の合唱が加わって、演出家の田尾下によるコゼット、エポニーヌら若い世代を中心に「レ・ミゼ〜」の物語を新たに構成した音楽劇。

パッチワークのような作品だったが、Brの大山大輔が歌のほか語りも務めて分かり易く、あちこちから寄せ集めた音楽も不思議と違和感なく一つの物語に溶け込んでいた。

これなら、いっそ前半の音楽も物語に組み込んで「60分のレ・ミゼ」ではなく100分版をやってくれたらもっと感動できたかも。

それはともかく、「音楽の力」、「歌の力」を強く実感して高揚した気分で県民ホールを後にした。

♪2021-025/♪県民ホール-03

2019年12月4日水曜日

大村博美リサイタル

2019-12-04 @トッパンホール


大村博美:ソプラノ
中野正克:ピアノ*
*アルベルト・ヴェロネージから急遽変更

リスト:ペトラルカの3つのソネット
トスティ:あなたが望むなら
デュパルク:フィディレ
R.シュトラウス:《5つの歌》Op.39より 第4曲〈解き放たれて〉
アーン:私の歌に翼があったなら
グノー:オペラ《ファウスト》より〈宝石の歌〉
プッチーニ:太陽と愛/そして小鳥は
プッチーニ:オペラ《トスカ》より〈歌に生き、恋に生き〉
ジョルダーノ:オペラ《アンドレア・シェニエ》より〈私の亡くなった母が〉
--------------
マスネ:「マノン」より さようなら、私たちの小さなテーブルよ
グノー:アベマリア

前半は聴いた覚えのない曲ばかり。後半もオペラからは3曲で、全般に馴染みのない音楽が多かった。

間近で見る大村はデカイ。その体軀を生かしたブラスの咆哮の如き声楽は、さすがにオペラ歌手だと納得させた。

が、直前のピアニスト変更が不幸だった。また、周囲の客も騒ぎすぎで、残念也。

♪2019-194/♪トッパンホール -01

2018年8月10日金曜日

フェスタサマーミューザ2018 東京ニューシティ管弦楽団 ≪センター争奪、灼熱のアリアバトル≫

2018-08-10 @ミューザ川崎シンフォニーホール


曽我大介:指揮
東京ニューシティ管弦楽団
司会:朝岡聡

ソプラノ:髙橋維
ソプラノ:土屋優子
メゾ・ソプラノ:野田千恵子
メゾ・ソプラノ:高野百合絵
テノール:芹澤佳通
バリトン:吉川健一

●ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
●プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から“誰も寝てはならぬ”(芹澤)
●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」から“今の歌声は”(高野)
●ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」から“祖国を裏切る者”(吉川)
●ロッシーニ:歌劇「タンクレーディ」から“この胸の高鳴りに”(野田)
●ヴェルディ:歌劇「椿姫」から“ああ、そはかの人か~花から花へ”(高橋)
●プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」から“ある晴れた日に”(土屋)
-----休憩-----
●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲
●ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師 」からロジーナとフィガロの二重唱“それじゃ私だわ…嘘じゃないわね” (高野/吉川)
●プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」からロドルフォとミミの二重唱“おお麗しの乙女よ”(芹澤/土屋)
●マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
●プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」蝶々夫人とスズキの二重唱"桜の枝を揺さぶって"(土屋/野田)
●ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」からノリーナとドン・パスクワーレの二重唱 “お嬢様、そんなに急いでどこへ”(高橋/吉川)
●ヴェルディ:歌劇「リゴレット」序曲
●ヴェルディ:歌劇「リゴレット」第三幕四重唱”美しい恋の乙女よ” (高橋/野田/芹澤/吉川)
---------------
アンコール
ヴェルディ:歌劇「椿姫」から”乾杯の歌”(全員)
アンドレア・ボチェッリ:”タイム・トゥ・セイ・グッバイ”(全員)



コンサートのキャッチコピーは「センター争奪、灼熱のアリアバトル」。
要はイタリア・オペラの有名アリアを女声4人(ソプラノ2人、メゾソプラノ2人)と男声2人(テノール、バリトン)が各1曲ずつ歌い(前半)、前半終了後の休憩中に観客に投票でラストステージのセンターを決めようというお遊び。

下手に進行すれば嫌味なコンサートになるが、指揮者も、歌手たちも、何よりMCを務めた朝岡聡(元テレ朝)の軽いノリで穏やかに、楽しむことができた。

投票率は85.6%と驚異的だったのも、客席が楽しめたからだ。

で、みんな何を基準に投票したのか?

結局は歌唱力というより、歌手というより<何を歌ったか>で決めたのだろうな。

イタリア・オペラからアリアを選ぶなら、断然プッチーニが、それもテノールかソプラノが有利だ。ここ一番の名曲が割り当てられているから。

僕の好みで言えば、最初に歌った、プッチーニ「トゥーランドット」からテノールの「誰も寝てはならぬ」が良かったが、最後に登場した、やはりプッチーニの「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」のソプラノの名曲にやられてしまい、ほとんどの票がこの歌に浚われたのではないか。

休憩後の後半は、二重唱〜四重唱。おまけは六重唱に指揮者も飛び入りして(結構巧い!)七重唱で盛り上がった。

東京ニューシティ管弦楽団は、最近になってフェスタサマーミューザに登場するようになったが、在京オケの中では気の毒なくらいマイナーな存在だ。お客もあまり入らないだろうという観測からか、舞台周りの後方・側方の席は売らなかったらしく誰も座っていなかった。

オケもこじんまり(12型)していたが、歌伴だけでなく序曲や間奏曲などでオケの実力を聴かせたが、なかなかのものだ。

ベートーベンやブラームスといった正統派企画ならお客の入りは厳しいかもしれないけど、今日の<歌合戦>みたいなユニークな企画で是非とも来年以降もフェスタサマーミューザに参戦してほしいものだ。

♪2018-098/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-14