2020年2月20日木曜日

ランチタイムコンサート〜心が跳ねる!アイリッシュサウンド〜

2020-02-20 @ミューザ川崎シンフォニーホール


O'Jizo(オジゾー/アイリッシュ・ミュージック・インストゥルメンタル・バンド)
ギター、マンドリン:長尾晃司
アイリッシュ・フルート、クラシックフルートなど:豊田耕三
アコーディオン、ブズーキ:中村大史

長尾晃司:ジャーニー・トゥ・ビッグ・カントリー
ジェームズ・ホーナー:映画『タイタニック』から ~ブラーニー・ピルグリム、ケッシュ、ドローシー・マギー
民謡:ロンドンデリーの歌(ダニー・ボーイ)
ヴィンセント・ブロードリック:ロフリアからの最後の電車~ルーシー・ファー
--------------
O'Jizo:Wisteria

バンド名も聴いたことのないグループによるアイリッシュサウンド、といっても音楽の方は、聴けばほとんど思い出すようなポピュラーなものばかり。初聴きのものでさえ、昔聴いたことがあるような懐かしさがある。
中でも一番のお馴染みは映画「タイタニック」のテーマで、アイリッシュフルートのイントロが切ないね。

♪2020-022/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-05

2020年2月19日水曜日

東京フィル第131回東京オペラシティ定期シリーズ

2020-02-19 @東京オペラシティコンサートホール


チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団
杉並児童合唱団

カルメン:マリーナ・コンパラート
ドン・ホセ:キム・アルフレード
エスカミーリョ:チェ・ビョンヒョク
ミカエラ:アンドレア・キャロル
スニガ:伊藤貴之
モラレス:青山貴
ダンカイロ:上江隼人
レメンダード:清水徹太郎
フラスキータ:伊藤晴
メルセデス:山下牧子


ビゼー:歌劇『カルメン』(演奏会形式:全3幕・フランス語上演・字幕付き)

 前奏曲:約4分
第1幕:約50分
 間奏曲:約2分
第2幕:約40分
  ― 休憩:20分 ―
 前奏曲:約3分
第3幕第1場:約40分
 間奏曲:約2分
第3幕第2場:約20分
 合計:約3時間 (休憩含む)

演奏会形式「カルメン」全曲…というとデュトワ+N響を思い出す。あれは良かった。N響の時もメルセデス役は今日の山下牧子だった、というのはどうでもいいけど、歌手・合唱、オケのどれをとっても上出来で大満足だった(わずかな瑕疵は感じたが。)。

東フィルの出だしはざわつき感があったが程なく揃い出してからは最後まで高いテンションを維持した。

ピットのオケのくすんだ響も好きだが、舞台上のオケは明瞭で突き刺さるように音が飛んでくる。迫力十分なのに一定の透明感は維持しているから凄いものだ。

声楽の巧さはよく分からない(下手はすぐ分かる)し、日本人歌手以外は多分全員初めて?必ずしも世界の一流ではなさそうだが、僕にとってはみんな十分に巧い。

馴染み過ぎていて、時々緊張感をなくす「カルメン」だが、今日の演奏は、演奏会型式にもかかわらずやっぱり「カルメン」はいいぞと再認識。至福の3時間。

♪2020-027/♪東京オペラシティコンサートホール-02

人形浄瑠璃文楽令和2年2月公演第Ⅱ部

2020-02-19 @国立劇場


新版歌祭文(しんばんうたざいもん)
 野崎村の段
  中 睦太夫/勝平
  前 織太夫/清治
  切 咲太夫/燕三
    ツレ 燕二郎 
人形役割
 娘おみつ⇒簑二郎
 祭文売り⇒玉延
 親久作⇒勘壽
 手代小助⇒紋秀
 丁稚久松⇒玉志
 下女およし⇒紋吉
 娘お染⇒簑一郎
 ほか

竹本津駒太夫改め
六代目竹本錣太夫襲名披露狂言
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
 土佐将監閑居の段
  口 希太夫/團吾
    津駒太夫改め
  奥 錣太夫/宗助
    ツレ 寛太郎

人形役割
 門弟修理之介⇒玉勢
 土佐将監⇒玉也
 将監奥方⇒文昇
 浮世又平⇒勘十郎
 女房おとく⇒清十郎
 狩野雅楽之介⇒一輔
 ほか

「新版歌祭文」はいわゆる「お染め・久松」の物語だが、先行作があるので本作は「新版~」というらしい。
歌舞伎では「野崎村の段」に先立つ「座摩社」も併せて観たが、今回は「野崎村の段」だけ。
この先お染めと久松は心中をするのだが、まあ、この若い2人は知恵が足らないから自業自得だけど、幼い頃からの久松の許嫁・おみつこそ哀れなり。

この段は3人で語り分け。
「中」が睦太夫、「前」が織太夫、「切」は当然唯一の切り場語り・人間国宝の咲太夫。
咲太夫が登場すると、テンションが高まる感じだ。

後半は、竹本津駒太夫改め六代目竹本錣太夫襲名披露狂言
「傾城反魂香」土佐将監閑居の段。
歌舞伎では2度観ているが文楽は初めて。

絵の才能はあるが、吃音のせいもあって万事うまく立ち回れない又平に代わって、女房のおとくが陽気に喋りすぎるところが好対照の面白さだが、出世を弟弟子に越され、絵師「土佐」の名を与えてもらえない。万事休すで2人は心中を決め、師匠・土佐将監の家の庭の手水鉢に遺書代りに絵を描くと、これが裏面にまで抜け現れる。
その才能に驚いて師匠は又平にも「土佐」の名を与える。

本作の後半、「奥」を「錣太夫」が語った。
津駒太夫時代から聴いていて、上手いとかどうこう言えるほどの耳もないが、素人ながら申し上げれば、上手なんだろうな。いや、本公演に登場するような太夫はみんな上手なので、あとは好みの問題。織太夫、千歳太夫、藤太夫のような情熱派ではないが、堂々として素直な語り口のように思う。

♪2020-026/♪国立劇場-04

人形浄瑠璃文楽令和2年2月公演第Ⅰ部

2020-02-19 @国立劇場


菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
 吉田社頭車曳の段
  芳穂太夫・靖太夫・咲寿太夫・碩太夫・
  津國太夫/清友
 佐太村茶筅酒の段
  三輪太夫/團七
       喧嘩の段
  小住太夫/清馗
 同      訴訟の段
  靖太夫/錦糸
       桜丸切腹の段
  千歳太夫/富助
人形役割
 梅王丸⇒分司
 桜丸(車曳)⇒簑紫郎
 杉王丸⇒玉翔
 松王丸⇒玉輝
 左大臣時平⇒勘一
 親白太夫⇒和生
 女房八重⇒勘十郎
 女房千代⇒清十郎
 女房春⇒一輔
 桜丸(佐太村)⇒簑助
 ほか

文楽版菅原伝授手習鑑では、以前に、序幕というべき「車曳の段」も前段というべき「佐太村茶筅酒の段~桜丸切腹の段」も観ているのだけど、(歌舞伎でも)圧倒的に多いのが後段というべき「寺入り・寺子屋の段」で、その前段の話を味わうのは久しぶりだった。
それし、これらの話を知っていてこそ「寺子屋」の悲壮感が一層高まるのだ。

そういう意味で、今月の文楽公演は3部構成だが、第Ⅱ部か第Ⅲ部にどうして「寺入り」、「寺子屋」を演らなかったのか。残念なり。

忠義の為に、我が命も子供の命さえ犠牲にするという、超アナクロな筋立てに、自分の気持ちを整理するのも難しいが、それでも、やはりその真摯な生き様には感動を禁じ得ない。

クライマックスは「桜丸切腹の段」。目一杯の感情移入で語ってくれる千歳太夫が今日も素晴らしかった。

♪2020-025/♪国立劇場-03

2020年2月15日土曜日

N響第1935回 定期公演 Aプログラム

2020-02-15 @NHKホール


パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団
シュテファン・ドール:ホルン*

アブラハムセン:ホルン協奏曲(NHK交響楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、NTR土曜マチネ、シアトル交響楽団、オークランド・フィルハーモニー管弦楽団共同委嘱/日本初演)*
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調

神奈川フィルの定期を途中退席して、みなとみらい線~東横線~副都心線(と書くと乗り換えが大変みたいだが、全て相互乗り入れなので乗換えなし。)で明治神宮前から急ぎ足でNHKホールに向かう。
ギリギリセーフだったが、日本初演のホルン協奏曲は予想どおり、途中から爆睡。

メインはブルックナーの交響曲第7番。

格別好きでもないし、期待してもいなかったが、出来はイマイチ。
ブル(ブルックナー)・マラ(マーラー)・タコ(ショスタコーヴィチ)というのは演奏が緻密でないと腐った鯛の如く楽しめない。

P.ヤルヴィの振るN響は、たいていいつもは彫琢が行き届いた精緻なアンサンブルに魅了され、無駄に長すぎるという印象を中々払拭できないでいるブルックナーでさえ、聴き応えのあるものになることが多いが、今日は感心できなかった。今日に限っては神フィルの方が上出来!

2020-024/♪NHKホール-03

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第7回 「ドイツ」~楽聖の名曲で辿る、その光と苦悩~ オール・ベートーベン・プログラム

2020-02-15 @県民ホール


現田茂夫:名誉指揮者
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川フィル合唱団
田添菜穂子:司会

奥村愛:バイオリン*
長富彩:ピアノ**

オール・ベートーベン・プログラム
「レオノーレ」序曲第3番 Op.72b
ロマンス第2番ヘ長調 Op.50*
Pf協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」から第1楽章**
交響曲第1番ハ長調 Op.21から第1楽章抜粋
交響曲第3番変ホ長調 Op.55「英雄」から第1、第2楽章抜粋
交響曲第5番ハ短調 Op.67「運命」から第1楽章
交響曲第6番ヘ長調 Op.68「田園」から第1、第4楽章抜粋
交響曲第7番イ長調 Op.92から第1楽章抜粋
交響曲第9番ニ短調 Op.125「合唱付」から第4楽章抜粋

ベートーベン生誕250年、神奈川フィル創立50年記念といっても寄木細工みたいなプログラムってどうかと思うけどな。
それでベートーベンの作曲手法が明らかになるとか、人生観の変遷を見せるとかの仕掛けがあれば別だが、単なるつまみ食いセットではベートーベンもかわいそう。お客も物足りない。

しかし、神奈川フィルの演奏そのものはとても良かった。

県民ホールは雑な演奏だとすぐボロが出る、曖昧さを許さないホールだが、硬く締まった中にも透明感があって管弦楽を聴く楽しさを感じた。

今日はN響定期とダブりで、途中離脱は残念。

自席は真ん中の真ん中だが、途中退席に備えて休憩後は案内嬢に断って1階最後列通路側で聴いたが、これが結構良い響きなので驚いた。音圧は不足するが、まろやかだ。
しかし、ポケットに入れていたチョコレートみたいで輪郭が甘い。やはり真ん中の真ん中がよろしい。

♪2020-023/♪県民ホール-01

2020年2月14日金曜日

オペラ「セビリアの理髪師」

2020-02-14 @新国立劇場


指揮:アントネッロ・アッレマンディ
演出:ヨーゼフ・E.ケップリンガー
美術・衣裳:ハイドルン・シュメルツァー
照明:八木麻紀

管弦楽:東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

アルマヴィーヴァ伯爵⇒ルネ・バルベラ
ロジーナ⇒脇園彩Ms
バルトロ⇒パオロ・ボルドーニャ
フィガロ⇒フローリアン・センペイ
ドン・バジリオ⇒マルコ・スポッティ
ベルタ⇒加納悦子
フィオレッロ⇒吉川健一

ロッシーニ「セビリアの理髪師」
全2幕〈イタリア語上演/字幕付〉

上演時間約3時間10分
 第Ⅰ幕100分
  休憩30分
 第Ⅱ幕60分

歌唱は面白かった⁉︎
ロッシーニの得意な(時代の流行なのか?)トリルだのターンみたいな装飾を散々効かしたり、早口言葉みたいなアクロバティックな歌を軽々と歌い上げるところは唸らせる。が、ドラマは面白くないし演出も過剰だった。
大勢の役者(合唱のメンバー)が登場するが、当然歌も台詞もないパントマイム。それぞれの意味が分からない役が多い。

これまで、ロジーナ役はソプラノが歌うもので(過去に鑑賞した記録を調べたらメゾソプラノも半分いたよ。)、脇園彩もソプラノ歌手だと思い込んで聴いていたが実はMsだと途中から認識。

ロッシーニはなぜソプラノが一人も出ないオペラを書いたのか?
当時は声域に現代のような厳密さはなかったようだ。

♪2020-022/♪新国立劇場-02

2020年2月12日水曜日

人形浄瑠璃文楽令和2年2月公演第Ⅲ部

2020-02-12 @国立劇場


傾城恋飛脚 (けいせいこいびきゃく)
 新口村の段
  口:亘太夫/友之助
  奥:呂太夫/清介
人形役割
 忠三女房⇒簑一郎
 忠兵衛⇒玉佳
 遊女梅川⇒勘彌
 親孫右衛門⇒玉也
 ほか
----------------
鳴響安宅新関(なりひびくあたかのしんせき)
 勧進帳の段
  弁慶:藤太夫/藤蔵
  冨樫:織太夫/清志郎
  義経:芳穂太夫/清𠀋
  伊勢・片岡:南都太夫/清公
  駿河・常陸坊:文字栄太夫/錦吾
  番卒:亘太夫/清允
  番卒:碩太夫/清方
人形役割
 冨樫⇒玉志
 義経⇒文昇
 伊勢三郎⇒勘次郎
 駿河次郎⇒玉彦
 片岡八郎⇒和馬
 常陸坊海尊⇒亀次
 武蔵坊弁慶⇒玉男
 番卒⇒大ぜい

今月の文楽公演は3公演。1日で観られないこともないが、体力に不安を感ずるので2回に分けて鑑賞得ることにした。3公演はそれぞれに演目が異なるので、どれから観ても構わない。
なので、第Ⅲ部からスタートした。

「傾城恋飛脚」から「新口村」は既に何度も観ているので申し訳ないが体調回復を目的とした鑑賞…って何?ま、うっすら眠りながら義太夫の名調子を楽しむということかな。

文楽では初めての「勧進帳」に期待したが、これは凄い。
期待を大きく上回り、心が震えるような感動を覚えた。

舞台は能と同じ作り。

冒頭の冨樫と番卒のやりとりも謡なら、有名な「旅の衣は鈴懸の~」もまるで謡。徐々に三味線が入って義太夫らしくなる。
弁慶・富樫の丁丁発止のスリリングなやりとりに話の筋は分かっていても手に汗握る。何しろ弁慶を語る藤太夫の迫力のすごい事。

冨樫・織太夫も負けてはいない。

この組み合わせは、昨年の「妹背山婦女庭訓」の「妹山背山の段」の対決?シーンを彷彿とさせる。

最高潮は7人の太夫と7挺の三味線の大合奏!
「文楽はミュージカル」だなと、熟熟得心。

人形の遣い手は、普通、主遣(おもづか)いのみ素顔で、左遣い・脚遣いは黒衣姿と決まっているが、弁慶役に限っては3人とも顔を見せる。今日は左が吉田玉佳で、普段なら主遣いをしている(新口村では忠兵衛)。要するに人形遣いにとって弁慶は極めて重い役なのだ。また、顔が見えると遣い手の気合いも伝わって一層の迫力を増した。

♪2020-021/♪国立劇場-02