2020-02-19 @国立劇場
新版歌祭文(しんばんうたざいもん)
野崎村の段
中 睦太夫/勝平
前 織太夫/清治
切 咲太夫/燕三
ツレ 燕二郎
人形役割
娘おみつ⇒簑二郎
祭文売り⇒玉延
親久作⇒勘壽
手代小助⇒紋秀
丁稚久松⇒玉志
下女およし⇒紋吉
娘お染⇒簑一郎
ほか
竹本津駒太夫改め
六代目竹本錣太夫襲名披露狂言
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の段
口 希太夫/團吾
津駒太夫改め
奥 錣太夫/宗助
ツレ 寛太郎
人形役割
門弟修理之介⇒玉勢
土佐将監⇒玉也
将監奥方⇒文昇
浮世又平⇒勘十郎
女房おとく⇒清十郎
狩野雅楽之介⇒一輔
ほか
「新版歌祭文」はいわゆる「お染め・久松」の物語だが、先行作があるので本作は「新版~」というらしい。
歌舞伎では「野崎村の段」に先立つ「座摩社」も併せて観たが、今回は「野崎村の段」だけ。
この先お染めと久松は心中をするのだが、まあ、この若い2人は知恵が足らないから自業自得だけど、幼い頃からの久松の許嫁・おみつこそ哀れなり。
この段は3人で語り分け。
「中」が睦太夫、「前」が織太夫、「切」は当然唯一の切り場語り・人間国宝の咲太夫。
咲太夫が登場すると、テンションが高まる感じだ。
後半は、竹本津駒太夫改め六代目竹本錣太夫襲名披露狂言
「傾城反魂香」土佐将監閑居の段。
歌舞伎では2度観ているが文楽は初めて。
絵の才能はあるが、吃音のせいもあって万事うまく立ち回れない又平に代わって、女房のおとくが陽気に喋りすぎるところが好対照の面白さだが、出世を弟弟子に越され、絵師「土佐」の名を与えてもらえない。万事休すで2人は心中を決め、師匠・土佐将監の家の庭の手水鉢に遺書代りに絵を描くと、これが裏面にまで抜け現れる。
その才能に驚いて師匠は又平にも「土佐」の名を与える。
本作の後半、「奥」を「錣太夫」が語った。
津駒太夫時代から聴いていて、上手いとかどうこう言えるほどの耳もないが、素人ながら申し上げれば、上手なんだろうな。いや、本公演に登場するような太夫はみんな上手なので、あとは好みの問題。織太夫、千歳太夫、藤太夫のような情熱派ではないが、堂々として素直な語り口のように思う。
♪2020-026/♪国立劇場-04