2020年2月9日日曜日

名曲全集第154回 これぞ王道。魅惑のチェロ名曲集

2020-02-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール


齋藤友香理:指揮
東京交響楽団

横坂源:チェロ&指揮(ハイドン)

ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.Ⅶb.1(横坂:弾き振り)
ズザンネ・ツァガール=スヴィリドフ*:チェロ協奏曲(横坂源による委嘱作品)
ドボルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104
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ブルッフ :コル・ニドライ

横坂源によるチェロ協奏曲3連発!
スヴィリドフの作品は横坂の委嘱で当然現代作品。
今日が日本初演で作曲家本人も登壇。
この手の音楽は好きになれないが、この作品を間に挟んだことで、皮肉にもハイドン、ドボルザークが独奏Vcを上手に引立てているのが良く分かった。

スヴィ協とドボ協での弦5部の編成は12型。
協奏曲としては普通の編成。

前者はともかく後者ではチェロとオケのバランスが良く双方が美しく響いた。

ドボルザークの作品はとかく諄いところがあるが、東欧民謡風な哀愁がどこか深いところで日本人のDNAにも通底しているのかもしれない。

一番の驚きであり上出来は、横坂自身の弾き振りによるハイドン1番だ。
管4本(オーボエ2、ホルン2)に弦5部(打楽器なし)だが、弦の編成は第1バイオリンから順に5-4-3-2-1という極小サイズで、室内管弦楽団を名乗るオケでもここまで小さくはない。
しかし15人の引き締まった弦アンサンブルの妙が素晴らしい。
小気味良い響きだ。

12型になったドボ協でも今日の東響の弦は澄んでいたが、5型?ではもう濁りようもなく透明でキビキビしている。

ここに横坂の美しくもビリビリ響くVcが乗って、軽快で、陽気で、洒落ていて、正にハイドンの楽しさが横溢していた。ブラボー横坂!

3曲も弾いては、さすがにアンコールはあるはずないと確信していたのに驚いた。オケとの共演でブルッフの「コル・ニドライ」だ。いや~好きな曲だよ。しかも10分強の作品で、とてもアンコールで演るような作品ではないのだが、これもしみじみと良かった。

♪2020-018/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-04






*ズザンネ・ツァガール=スヴィリドフは、
オケとミューザのホームページでの表記。
今日のプログラムでは、
スザンネ・ツァガー=スヴィリドフ。
チラシでは、
ズザンネ・エルディング=スヴィリドフ。