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2025年3月4日火曜日

新国立劇場オペラ「カルメン」

2025-03-04 @新国立劇場



指揮:ガエタノ・デスピノーサ
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:マルコ・フィリベック

【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】TOKYO FM 少年合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

【カルメン】サマンサ・ハンキー
【ドン・ホセ】アタラ・アヤン
【エスカミーリョ】ルーカス・ゴリンスキー
【ミカエラ】伊藤晴
【スニガ】田中大揮
【モラレス】森口賢二
【ダンカイロ】成田博之
【レメンダード】糸賀修平
【フラスキータ】冨平安希子
【メルセデス】十合翔子

ジョルジュ・ビゼー「カルメン」
全3幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間10分
 第1・2幕       95分
  休憩         30分
 第3幕1場/2場 65分





演出がAオリエになってからの新国・カルメンは全然楽しくない。無茶な読替え演出が全く意味をなしていないので、こんな設定で芝居をやらされる方は気の毒だと思う。

カルメン役のSハンキーの声が細くて迫力に欠けた。
前回のSドゥストラックの場合も同様だったが、第一声の「ハバネラ」が舞台奥から歌うので、余計に心許ない。

歌手陣は、ミカエラ(伊藤晴)を筆頭に日本人の出来が良かったな。

それはそれとして、やはり音楽の素晴らしいこと(Gデスピノーサ指揮東響)。ビゼーの音楽の、旋律の曲がり角みたいな繋ぎ部分まで魅力を感じた。


♪2025-030/♪新国立劇場-04

2022年2月9日水曜日

オペラ:ドニゼッティ「愛の妙薬」

2022-02-09 @新国立劇場



指 揮】ガエタノ・デスピノーサ
【演 出】チェーザレ・リエヴィ
【美 術】ルイジ・ペーレゴ
【衣 裳】マリーナ・ルクサルド
【照 明】立田雄士

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

【アディーナ】砂川涼子
【ネモリーノ】中井亮一
【ベルコーレ】大西宇宙
【ドゥルカマーラ】久保田真澄
【ジャンネッタ】九嶋香奈枝

ガエターノ・ドニゼッティ「愛の妙薬」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間30分
 第Ⅰ幕   70分
  休憩   25分
 第Ⅱ幕   55分


今月はオペララッシュで、1週間前に「さまよえるオランダ人」を観たばかりで今日は「愛の妙薬」。

指揮のデスピノーサ&東響も「オランダ人」に引き続きの登板だ。


キャストはコロナの為に(元から出演予定の九嶋以外の)主要4役が全員日本人に代わった。

でも、それで大成功…は言い過ぎとしても、とても良かった。


何がいいかって、砂川涼子が素晴らしい。

あのふくよかで明かるく美しい声は、努力だけでは獲得できない天分だと思う。


ネモリーノ役の中井亮一にとっては歌手人生最高の大役だったと思うが、期待に応えた。

1番の聴かせどころ「人知れぬ涙」もヨシ!

もうちょっとツヤがあれば憂いも出てなお良かったが。


不満を挙げれば。

演出も美術も前回2018年公演と同じだが、前回は気づかなかったが点が今回は気になった。5年間の成長?


「文字」に拘る演出は美術面でも表れているが、「トリスタンとイゾルデ」はこの物語の契機に過ぎないのに全編にわたって「トリ・イゾ」由来の作り物がさも意味ありげに登場するのは紛らわしい。


薬売りの娘が登場するがセリフはない、歌もない。にもかかわらずなぜMaskをしているのか?

「オランダ人」の時もパントマイムの役者だけがMaskをしていた。

他にも兵士達が1幕ではMaskを。同じ連中が2幕ではNoMask。

いったいどういう整理基準なのか?


ともかく、Maskはやめてくれえ!


♪2022-016/♪新国立劇場-03

2022年2月2日水曜日

オペラ:Rワーグナー「さまよえるオランダ人」

2022-02-02 @新国立劇場



【指揮】ガエタノ・デスピノーサ
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術】堀尾幸男
【衣裳】ひびのこづえ
【照明】磯野睦
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】村田健輔

【管弦楽】東京交響楽団
【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団

【ダーラント】妻屋秀和Bs
【ゼンタ】田崎尚美Sp
【エリック】城宏憲Tn
【マリー】澤田康子(再演演出)⇒演技/金子美香Ms⇒歌唱(山下牧子の代役)
【舵手】鈴木准Tn
【オランダ人】河野鉄平Bs

R.ワーグナー「さまよえるオランダ人」
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間50分
 第Ⅰ幕   55分
  休憩   25分
 第Ⅱ・Ⅲ幕 90分


オペラ本体はとでも良い出来で大いに楽しめた。
まずはオケがいい。ピットに入っていたのは東響だが、管・弦がうまく交わった時のみ聴こえる甘い響きを久しぶりに聴いた。
ピット効果と新国立劇場の音響の良さも大いに寄与していると思うが。

【ダーラント】妻屋秀和、【舵手】鈴木准以外の外人勢はすっかり日本人代役に変わったが、今日以降、マリー代役の山下牧子が出演できなくなり、さらに彼女の代役も出演できなくなり、急遽演技は演出の澤田某が口パクで、歌唱は袖から金子美香が担当する、というとんでもないことが起こったが、よくこのクラスを急拵えできたものだ。

流石に、マリーの動きはほぼ下手袖(鈴木美香がここで歌っている)近くに限定される等芝居の面で不自然さはあったが、歌手全員が、それをカバーしようとしたか?歌唱の方もとても良い出来で、【オランダ人】河野鉄平、【ゼンタ】田崎尚美(厚化粧で顔の表情が不分明だったが…)も代役にもかかわらず文句なし。妻屋の歌唱もコミカルな芝居も良かった。鈴木も安定感。


ともかくオケ・歌唱とも高水準。
演出も分かり易くて良かった。

大したことでないと思っているが、オランダ人は救済されるのか否か。

これは序曲終盤(初演時の救済なしバージョンに、後年「救済」のテーマが追加されているの)で分かるけど、そこをぼんやり聴き逃すと終幕まで分からない。いや、最後まで観ても音楽の最後(やはり「救済のテーマ」の追加。最終の強勢アタックが締め括りの1回だけ。救済なしバージョンでは「救済のテーマ」がなく、強勢アタックは重々しく3回鳴る。)を聴かないと分からない場合も多いがこの演出は舞台を見ているだけで、救済された事が分かる。

救済と言っても半死半生状態から確実な死を迎えると言う事であり、その死によって新しく生きると言う事なのだろう。

この辺はもうワーグナーの死生観の独擅場で、自己中のオランダ人が救済されようとされまいと、僕の楽しみ方としては、どっちでもいい。


小さな残念が一つ。
合唱が大活躍するが、嬉しいことに全員NoMaskだった。流石新国立劇場だ、と喜んでいたが、3幕に入ると水兵たち狂乱の場だが、舞台前方で浮かれる6人?だけMaskをしている。ましてや歌う訳ではないのだからMaskの必要性がどこにある?
マスク神経症の僕としては気になったよ。

♪2022-013/♪新国立劇場-02

2021年12月10日金曜日

第1946回 NHK交響楽団 定期公演 池袋C-1

2021-12-10 @東京芸術劇場大ホール


ガエタノ・デスピノーサ:指揮
NHK交響楽団
佐藤晴真:チェロ*

チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 作品33(原典版)*
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
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カザルス:鳥の歌*


急遽出演できなくなったワシーリ・ペトレンコの代役であるガエタノ・デスピノーサは14年にN響で聴いた。フランクとワーグナーで好印象。

チェロ独奏もダニエル・ミュラー・ショットから佐藤晴真に交代した。

佐藤晴真は、最近よく聴くようになった


今年だけでも3回目。ホールにもよるけど、たいていは綺麗な音がよく響く。


ロココ風は奏者変更で、原典版に変わったそうな(尤も複数版の存在は知らなかったが。)。


編曲版「展覧会の絵」は、Hウッド版やストコフスキー版も聴いたことがある。

先日聴いたフォーレ四重奏団のピアノ四重奏版も驚嘆の音楽だった。

その昔、EL&Pの爆音演奏も生で聴いた(こういう電気増幅音楽はCDで聴く方がずっといい。)。


素材が良いからどう料理しても美味しくできるのだろう。


そして一番よく聴く編曲はラベル版だ。

耳に馴染んで安心感がある。


今日ももちろんラベル版だが、N響の演奏は、部分的には聴いたことがあるが、全曲は初めてだった。


流石にうまい。


もう、文句のつけようがない。

「展覧会の絵」の教科書のような、お手本となるような出来栄えに気分はホクホクしたよ。


いや、少しだけ不満があった。

最後のタムタムの音色が薄かったのは残念。タムタムの本来の響きはグオ〜ンという地響きのようであって欲しい。しかし、今日のタムタムは大シンバルを鳴らしたようなジャ〜ンという響きだったよ。


♪2021-150/♪東京芸術劇場大ホール-06

2014年5月11日日曜日

N響第1781回 定期公演 Aプログラム

2014-05-11 @NHKホール


マティアス・ゲルネ:バリトン
ガエタノ・デスピノーサ指揮
NHK交響楽団


●フランク:交響曲 ニ短調
●ワーグナー:
歌劇「さまよえるオランダ人」から オランダ人のモノローグ「期限は過ぎた」*
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲」
楽劇「ワルキューレ」から「ウォータンの別れと魔の炎の音楽」*
楽劇「神々のたそがれ」から「ジークフリートの葬送行進曲」

*マティアス・ゲルネ:バリトン


フランクの作品は今日演奏された「交響曲ニ短調」のほか「バイオリンソナタイ長調」が有名だが、他の作品は一般的にはほとんど知られていないのではないか。かくいう僕もこの2曲しか馴染みはない。

長らく交響曲ニ短調も聴く機会もなかったが、ずいぶん久しぶりに聴いて、やっぱり人気があるのを納得した。

交響曲なのに3楽章しかないという変則構成だけど、第2楽章の中間部がスケルツォなので、古典的な形式に則っているようでもある。

バイオリンソナタの方はいかにもフランス的だけど(ベルギー生まれのフランス育ち)、こちらはドイツ音楽ぽさが濃厚だ。
分かりやすいメロディーが、全楽章にわたって繰り返される構成感の良さも相まって、やっぱり、名曲だと納得する。
昨日のラフマニノフの交響曲2番は冗長の感があったが、フランクは情緒に流されるような部分がなく引き締まって均整のとれたオトナの音楽という感じがする。


休憩を挟んで、ワーグナーの歌劇・楽劇から4曲。
そのうち、2曲がバリトンの歌唱付き。

フランクにワーグナーって妙な取り合わせだし、交響曲が先に演奏されるのも変だなあという気がしていたけど、聴いてみると全然違和感なし。やはり、フランクの交響曲がドイツロマン派っぽいせいかも。

また、交響曲の後にワグナーというのも、楽器編成をみて納得。
フランクもかなり編成は大きかったけどそれを上回る規模だ。
特に最後の「ジークフリートの葬送行進曲」など、ティンパニー2組、ハープ4台、ワーグナーチューバ4台その他いろいろの特大編成で、それだけ、管弦楽の響も厚い。これを先にやってしまってはフランクが気の毒。


うち2曲はマティアス・ゲルネによる歌唱付きで、世界のトップクラスだそうだが、3,600席の大ホールで、伴奏の大オーケストラにも埋もれること無く歌を響かせるとはさすがにプロだ。
重苦しい歌ばかりだったが、ワーグナーの世界を十分感じさせてくれた。

たまたま3日連続して神奈川フィル、日フィル、N響と聴いた。
やはりN響はうまい!と思うのは、そんな気にさせられているだけなのか、やっぱり実力に差があるのか、さてどうなんだろう。
いずれにせよ、オーケストラは楽しい!

♪2014-52/♪NHKホール-02