2014-05-11 @NHKホール
マティアス・ゲルネ:バリトン
ガエタノ・デスピノーサ指揮
NHK交響楽団
●フランク:交響曲 ニ短調
●ワーグナー:
歌劇「さまよえるオランダ人」から オランダ人のモノローグ「期限は過ぎた」*
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲」
楽劇「ワルキューレ」から「ウォータンの別れと魔の炎の音楽」*
楽劇「神々のたそがれ」から「ジークフリートの葬送行進曲」
*マティアス・ゲルネ:バリトン
フランクの作品は今日演奏された「交響曲ニ短調」のほか「バイオリンソナタイ長調」が有名だが、他の作品は一般的にはほとんど知られていないのではないか。かくいう僕もこの2曲しか馴染みはない。
長らく交響曲ニ短調も聴く機会もなかったが、ずいぶん久しぶりに聴いて、やっぱり人気があるのを納得した。
交響曲なのに3楽章しかないという変則構成だけど、第2楽章の中間部がスケルツォなので、古典的な形式に則っているようでもある。
バイオリンソナタの方はいかにもフランス的だけど(ベルギー生まれのフランス育ち)、こちらはドイツ音楽ぽさが濃厚だ。
分かりやすいメロディーが、全楽章にわたって繰り返される構成感の良さも相まって、やっぱり、名曲だと納得する。
昨日のラフマニノフの交響曲2番は冗長の感があったが、フランクは情緒に流されるような部分がなく引き締まって均整のとれたオトナの音楽という感じがする。
休憩を挟んで、ワーグナーの歌劇・楽劇から4曲。
そのうち、2曲がバリトンの歌唱付き。
フランクにワーグナーって妙な取り合わせだし、交響曲が先に演奏されるのも変だなあという気がしていたけど、聴いてみると全然違和感なし。やはり、フランクの交響曲がドイツロマン派っぽいせいかも。
また、交響曲の後にワグナーというのも、楽器編成をみて納得。
フランクもかなり編成は大きかったけどそれを上回る規模だ。
特に最後の「ジークフリートの葬送行進曲」など、ティンパニー2組、ハープ4台、ワーグナーチューバ4台その他いろいろの特大編成で、それだけ、管弦楽の響も厚い。これを先にやってしまってはフランクが気の毒。
うち2曲はマティアス・ゲルネによる歌唱付きで、世界のトップクラスだそうだが、3,600席の大ホールで、伴奏の大オーケストラにも埋もれること無く歌を響かせるとはさすがにプロだ。
重苦しい歌ばかりだったが、ワーグナーの世界を十分感じさせてくれた。
たまたま3日連続して神奈川フィル、日フィル、N響と聴いた。
やはりN響はうまい!と思うのは、そんな気にさせられているだけなのか、やっぱり実力に差があるのか、さてどうなんだろう。
いずれにせよ、オーケストラは楽しい!
♪2014-52/♪NHKホール-02