2014年5月14日水曜日

つの笛の鬼 〜日高 剛 ホルン一筋〜

2014-05-14 @かなっくホール


日高剛(ホルン)
大野真由子(ピアノ)
お話:平井邦俊(音楽プロデューサー、ホルン奏者)

ブヤノフスキー:スペイン(独奏ホルンのための4つの即興曲「旅の印象より」より)
チャイコフスキー:交響曲 第5番 第2楽章(ホルン独奏/ピアノ版)
クーツィール:ホルンのためのソナチネ 作品59-1
サン=サーンス/演奏会用小品 作品94
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アンコール
中原達彦:ハレルヤ for Horn & Piano



日高さんというのは、元N響の首席代行で、我が国のトップクラスのホルン奏者だそうだ。

舞台に誰もいない状態で会場が暗転し、ハテ?と思っていると、客席後方から素晴らしいホルンの響き!
ワーグナーのバイロイト音楽祭のファンファーレが大音量で鳴り響いた。
まずは、意表をつく演出。

そして明るくなり舞台へ。
まずは、無伴奏でブヤノフスキー作曲「スペイン」。
ブヤノフスキーという人は初めて聴く名前だ。自身ホルンの巨匠だったそうで、相当高度なテクニックを要する難曲と見た。
                                                

2曲めがチャイコフスキーの交響曲第5番から第2楽章をまるママピアノ伴奏で演奏。元々この楽章はホルンが長いソロで大活躍する曲だが、ピアノとホルンだけで、オーケストラの雰囲気を再現してなかなかの聴きものだった。
ピアノパートがこれもとても難しいらしい。そりゃそうだな。ほぼ一人で管弦楽を全部受け持つのだもの。

このピアノのお姉さんがまだ可愛らしいくて、芸大の修士課程を卒業して母校の講師を勤める傍らリサイタルなどのコンサート活動もしているそうだ。大野真由子さん。感じ良かった。

                                                   大野真由子(ピアノ)

今日はクラッシックコンサートには珍しく平井邦俊さんという人が司会を務めたが、この人もホルン奏者ということだが、実に軽妙な司会ぶりで面白かった。

演奏の合間を縫って、ホルンという楽器がどうして生まれたか、どうしてかたつむりみたいにまいているのか、角笛とはどう違うのかなどを説明してくれた。
そしてクライマックスはホルンと同じ長さのゴムホースの端に小さなプラスティック製漏斗を取り付け、直線に伸ばして片方にマウスピースをつけて、ここに彼が息を吹き込むと、もう信じられない。
少し音色は違うけどまさにホルンの音がして、ちゃんと音楽が演奏できるのだ。

その後の演奏も知らない曲ばかりだったが、ホルンも名手にかかるとこんなに美しい音が出るのかと大いに驚いた。
また、N響って、こういうレベルの演奏家を揃えているんだなあ、巧いはずだよ、と思った。

<かなっくホールエントランス。かなっくの「な」にも神奈川区のシンボル浦島太郎の亀がデザインされていたとは、この日まで知らなかったよ。>

さて、こんな楽しいコンサートが、わずか500円!
しかもあるいて7、8分ほどの駅に隣接しているかなっくホールで聴けるとはほんとにラッキー。

♪2014-54/♪かなっくホール-02