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2025年5月31日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第407回横浜定期演奏会

2025-05-31 @みなとみらいホール



ガボール・タカーチ=ナジ:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D759「未完成」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467*
コダーイ:組曲《ハーリ・ヤーノシュ》 op.15
 (ビオラ独奏:安達真理)
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シューマン:3つのロマンスから第2番*
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲





昨日、神フィル室内楽でバルトークとコダーイを聴いた。
コダーイなんて、「ハーリ・ヤーノシュ」くらいしか知らないなあ、と思っていたが、今日、プログラムはすっかり忘れて出かけたら、なんとその「ヤーノシュ」がメインだった。

全3曲とも、珍しく楽しめなかったが、最後の最後のオケEncがなんとバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」で、これも昨日Vn+Pf版を聴いたばかり。
しかし、これが良かった。9回2アウトから満塁ホームランで逆転勝利という感じ。


シューベルトは冒頭のVc(+Cb)の音があまりに弱音すぎて音楽になっていない、と感じた。Vnの刻みも極端に小さい。それでいて、Ob+Clの主題は、弦の序奏に見合うような弱音は出せないので、浮いてしまっている。このアンバランスでもう興醒めした。
その後の2曲でも、弦(特にVc)は極端なほど抑えられている。

モツPf協21番も、弦は10型なのはいいが、弦全体が抑制されているのでモダンピアノが(かなり抑え気味に弾いていたがそれでも)浮いてしまう感じで、全体のバランスが良くない。

オケ自体は、良い演奏だと思ったが、タカーチの独自さについてゆけなかったよ。

しかし、Encが上出来で、終わりよければすべてよし。
ご本人も相当ご満悦で手応えを感じたんだろうな。

♪2025-069/♪みなとみらいホール-13

2023年9月29日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#17

2023-09-29 @すみだトリフォニーホール



阿部加奈子:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(管弦楽版)
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調 作品83*
チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 op. 74「悲愴」
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ドビュッシー:忘れられた映像*



1曲目「亡き王女〜」の冒頭のHrソロ(日高名人!)もそれを支える弦も頼りなくて失望。誰も失敗した訳ではないのだけど、恐る恐るのアンサンブル。
確かに、この曲のアタマは難関のようで、他のオケでもこれはいいと思ったことは記憶にないな。帰宅後、N響の演奏ビデオ(Hr福川名人)を視聴したが、やはりどこがきごちない。
オーケストレーションの魔術師ラヴェルでもやり損なったのではないか。

同じくラヴェルのピアノ協奏曲は三浦謙司の独奏。彼のラヴェルは1年前に東響で聴いたが、その時のはっきりしないイメージを今回は払拭して気持ち良く聴いた。

メインの「悲愴」がどうだか。
お初の、阿部加奈子の指揮はかなり<独自>で、聴き慣れた標準的な「悲愴」のイメージとはだいぶ異なって、まあ、よく言えば緩急自在なのだけど、違和感が拭えなかった。何度か聴けば納得できるのかもしれないけど。

第3楽章は非常に元気よくクライマックスを迎えたので、ここでかなり多くの拍手が起こった。ここまでに既に40分経過だし、曲の盛り上がり方からも拍手したいところだ。
完全終曲したと思って拍手した人が多いのだろうけど、確信的に拍手した人もいたのではないか。
「悲愴」は第3楽章でも拍手OKの慣行ができてもいいかなと思うよ。

尤も完全終曲の終わり方にも不満があって、もっと消えゆくようにppppで終わって欲しかった。
また、指揮者の呼吸が掴めなくて拍手のタイミングが難しかった。
最初に出た拍手はフライングではないかと思ったが、では、どこまで待つのか。それを示唆するのも指揮者の仕事だと思う。

2023-163/♪すみだトリフォニーホール-06

2023年6月8日木曜日

日本テレビ 読響プレミア

 2023-06-08 @ミューザ川崎シンフォニーホール

















米田覚士:指揮
読売日本交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ:パガニー二の主題による狂詩曲*
チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲
------アンコール-------------------
ドビュッシー:月の光*
チャイコフスキー:弦楽セレナードハ長調 作品48 第2楽章 ワルツ



開演時間に十分間に合うように家を出たが途中電車が止まって動かない。結局開演時刻には間に合わなかったので、2曲目から4F席で聴くことになった。普通なら、曲間に入れてくれるが、今日はTV収録コンサートということもあってか、前半は4Fで、後半を1Fの自席で聴くことになった。何しろ無料なんだし遅参したのだから文句は言えない。

長らくミューザに通っていても4Fは座ったことがなかったので、どんな響きがするのか、むしろ、楽しみだった。

しかし今年6回目の「パガニー二の主題による狂詩曲」はさっぱりだった。あまりにも音源が遠すぎる。角が取れて真ん丸になったオケは気の抜けたビールの如し。ピアノはもうピアノとは思えない。あまりに音が酷くて鑑賞に値しない。

後半の本来の指定席も良い席とは言えなかったが、さすがはミューザの1F。やっと精気のある音を聴いた。左翼だったので見た目のバランスは悪いけど、音は許容範囲だ。ミューザは懐が深い。

でもコンマスの背中を斜め後ろから見ながら聴くのは落ち着かない。読響の魅力が伝わることはなかった。

♪2023-101/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-12

2023年3月28日火曜日

東京・春・音楽祭2023 シューマンの室内楽

2023-03-28 @東京文化会館



バイオリン:金川真弓、山本翔平*
ビオラ:佐々木亮*
チェロ:横坂源
ピアノ:三浦謙司

シューマン:幻想小曲集 op.88
シューマン:ピアノ三重奏曲 第1番ニ短調 op.63
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44*



25日にミューザでコルンゴルトを好演したばかりの金川真弓が中2日でシューマン室内楽に登板!三重奏はピアノ:三浦謙司、チェロ:横坂源。五重奏は加えて第2バイオリン:山本翔平、ビオラ:佐々木亮という今が旬の面子。全曲金川が第1バイオリンでリードした。

この日の彼女は黒地に金糸?が織り込まれた?ような衣装に時々見せるアルカイック・スマイルで、いよいよ弥勒菩薩ぽい。

22日に同じ会場でN響メンバーによる室内楽(弦楽五〜六重奏)を聴いたが、この時は文化会館小ホールとも思えないような乾いた響に大いにがっかりしたので、今日はどうか、と心配しながら第一声を待ったが、何の!横坂源のブンブン鳴るチェロであっさりと不安は吹き飛んだ。
かぶりつきだったこともあるが、弦は生々しくピアノは煌めいている。こうでなくちゃ!

全3曲は、どれもシューマンらしい感情表出に溢れてゾクゾクさせるが、やはり、一番面白いのは五重奏だ。
同編成の五重奏曲の中ではブラームスと並んで最高傑作だと思っている(シューベルトの「鱒」も大好き!だが、こちらは、第2バイオリン無しでコントラバスが入る変わった編成だ。)。
欲を言えば、全員が元気なので、聴いていて心地良いのだけど、アンサンブルの妙という点では、更に彫琢する余地があったような気もした。

五重奏になって加わった佐々木の存在感に比べ山本はやや影が薄かったのは、そもそもそういう音楽なのかもしれないけど。

ともあれ、25日から始まった6連投中の4日目。それが全部素晴らしいコンサートが続いて4戦全勝とは嬉や。

♪2023-054/♪東京文化会館-04

2022年11月12日土曜日

名曲全集第181回 次世代を担う2人がベルリオーズ&ラヴェルの傑作を披露

2022-11-12 @ミューザ川崎シンフォニーホール



川瀬賢太郎:指揮
東京交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」op. 9
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調*
ベルリオーズ:幻想交響曲 op. 14
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ドビュッシー:月の光*


ほぼ1年前にカーチュン・ウォン指揮神奈川フィルとブラームスのピアノ協奏曲を聴いたのが三浦謙司の初聴き。
その時は三者の心地よい緊張感が好印象だった。
その日のピアノの音について、特に美しかった事を感想に記録している。「この音色があって初めてPf協は面目躍如だ。」と。

三浦についてはよく知らなかったけど、最近、クラシック倶楽部が取り上げた際に彼の異色の経歴を知って驚き、今日を楽しみにしていた。

演奏はカチッとして、オケともスリリングなやり取りをしていたと思うが、残念なことに、今日のミューザのピアノの音の重い事には驚いた。

前回、三浦謙司を聴いた時のピアノの印象。
「低域はジーンと響き、中域はカーンと抜け、高域はコロコロと輝かしい。」と書いている。
今日は信じられない事に「ドンドン、コンコン、トントン」だった。

ま、サントリーのピアノ程酷くはないけど。

オケも全体に重い響だったけど、こちらは、メリハリ利かせた演奏で上等。

幻想交響曲でハープ2台を舞台前方に対峙させたのは楽しくなかった。
第2楽章しか出番がないから、出番が終わったら、楽器を舞台に残して(まあ、やむを得ないけど。)2人共退出してしまった。その楽器が視界を遮り邪魔なこと!

みなとみらいホールのバルコニーは舞台上の奏者を輪切りにするが、今日のハープ2台はその奥の奏者を短冊切りにした。

それにせっかくスター扱いなのにマスクするかね…!













♪2022-169/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-39

2021年9月11日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第371回定期演奏会

2021-09-11 @ミューザ川崎シンフォニーホール



カーチュン・ウォン:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

ピアノ:三浦謙司*

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83*
ベートーベン:交響曲第7番イ長調Op.92
----アンコール------------------
F.モンポウ:前奏曲第5番*


カーチュン・ウォンにハズレなし!といっても彼の指揮で聴くのはまだ4回目だが、いつも満足度が高い。
柔らかく、オケをグリップしているような気がする。

また、今日の神奈川フィルの出来が特に良かった。
昨日、N響の合奏力に感嘆したが、会場の違い(池袋芸劇よりミューザの方が断然良い響)もあるとはいえ、負けず劣らず見事な好演。

前半のブラームス:ピアノ協奏曲第2番では、オケとピアノのシンフォニックなダイナミズムを楽しんだが、とりわけ、ピアノの音の良さを堪能できた。
ミューザとしてはいつもの事なのだけど、低域はジーンと響き、中域はカーンと抜け、高域はコロコロと輝かしい。
この音色があって初めてピアノ協奏曲は面目躍如だ。

後半はベートーベン交響曲第7番。
これがまた格別に良い出来で、神奈川フィルはいつの間にこんなに巧くなったのだろう⁈

普段は気づかなかった処々弱音での弦楽合奏が、毛細血管に生命を満たすように、緊張を維持しながら流れる。

この辺りにカーチュン・ウォンの丁寧な仕事ぶりを感じた。
特に第2楽章は固唾を飲んで聴き惚れた。

♪2021-094/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-030