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2022年7月9日土曜日

音楽堂シリーズ「モーツァルト+(プラス)」第24回

2022-07-09 @県立音楽堂



沼尻竜典(音楽監督):指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
上村文乃:チェロ*

グルダ:チェロと管楽オーケストラのための協奏曲
モーツァルト:ディヴェルティメント K.138
モーツァルト:交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」
----アンコール----
モーツァルト:歌劇「魔笛」から夜の女王のアリア with Vc*


沼さんのプレトークには間に合わなかったが、ひょっとしてプログラムの構成に言及があったかもしれない。惜しいことをした。

グルダ「チェロと管楽オーケストラのための協奏曲」は初聴き…だと思う。上村のチェロの音色は、1月にミューザで聴いた際と同様の太く硬い音だったが、今回はマイクで拾って大掛かりにスピーカーから拡声したので極めて明瞭。爆音と言ってもいいかも。

オケの方はJazzオケと言ってもいい編成で、DrumSet付きリズムセクションに弦バス2本以外弦はなし。管のみの編成だ。アコースティックギターにも拡声装置付き。

A.L.WebberにVariationという傑作があるが、その編成を大きくした感じ。音楽は、ジャズ、ポップス、クラシック混在の面白さ。


チェロの演奏はかなり超絶技巧風で、上村文乃の達者ぶりに感心した。彼女の硬い音もこの音楽には誠に効果的だった。


次のモーツァルト「ディヴェルティメントK138」は10型弦楽オケ。管なし。

ここで、神フィルの弦の美しさが際立った。

最後はモーツァルト「プラハ」で、ここでようやく管・弦・打が揃うという段取りだ。

そして、近年腕を上げている神フィルもここまでの高みに達したかという感動があった。

アンコールは、もう帰ったかと思っていた村上も再登場して、オケと共に「夜の女王のアリア」を演奏した。
ソプラノ部分をチェロが受け持つ趣向だ。これが実に面白い。

至れり尽くせりといった感のある軽妙な番組編成に心地よくやられて快感!

♪2022-091/♪神奈川県立音楽堂-07

2022年1月22日土曜日

名曲全集第173回 サン=サーンスで聴く、日本チェロ界のミューズ&「オルガン付き」

2022-01-22 @ミューザ川崎シンフォニーホール


ユベール・スダーン:指揮
東京交響楽団

上村文乃:チェロ*
大木麻理:オルガン**

サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 op.33*
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 op.78 「オルガン付き」**
------アンコール--------------------
藤倉大:Sweet Suites*
オッフェンバック:歌劇「ホフマン物語」から 舟歌


昨日の新日フィルの熱気に包まれた高揚感とパワフルな演奏の記憶がまだ残っている耳に、今日の東響は響いてこなかったな。


先ず以て、上村文乃のチェロの音が美しくない。


大昔、アマオケで弾いていた頃の僕の安物のチェロより音が悪い(なんと大胆な発言!)。


硬いのだ。

まるで潤いがない。許容限度超也。

そう思いながら聴いていると全然音楽が耳に入ってこない。


その残念感を引きずったまま「オルガン付き」。

18年の暮れ以来ほぼ3年ぶりだが、その18年にはなぜか4回も聴いた。その中に神フィル+今日のOrg大木麻理@ミューザの演奏も含まれる。


それが僕にとってはこの曲の過去最高の名演だったが、今日は及ばず!

リハは十分に積んだのだろうか?

音楽の作りは明快な4部構成なのにその構成感が伝わってこない。

管・弦はそれぞれに演奏している。

各々が呼応し触発し合うEncの面白さは何処に?

ゾクゾクさせる高揚感は何処に?


Orgは舞台で移動コンソールを演奏した。

その為大木ちゃんが楽器と譜面に隠れて全く見えない。

視覚効果の面からも本来の席が良かった。

演奏が見えてこそ聴こえる音がある!


あれやこれやで感動には遠かった。


昨日の新日フィルの熱気との落差、先行のVc協の残念感もだいぶ負に作用したのだけど。


♪2022-010/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-02

2018年6月30日土曜日

華麗なるコンチェルト・シリーズ第6回 ≪熱狂のチャイコフスキー3大協奏曲!≫

2018-06-30 @みなとみらいホール


永峰大輔:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

上村文乃:チェロ
弓新:バイオリン
上原彩子:ピアノ

〜オール・チャイコフスキー・プログラム〜

ロココの主題による変奏曲イ長調 作品33
バイオリン協奏曲ニ長調 作品35
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23

今回のコンチェルトはチャイコフスキーの3つの協奏曲を当然異なる独奏者で味わうという企画。
前回はバイオリンの石田兄いがバイオリン協奏曲を2曲演奏した。
同じく「華麗なるコンチェルト〜」と銘を打ってみなとみらいホールで聴いたものでは、今はなき中村紘子のショパンの1番とラフマニノフの2番という演奏会や、小山実稚恵のベートーベンの5番とラフマニノフの2番という組み合わせが記録にある。

一人で2曲弾くか、3人で3曲弾くか。聴く側としては後者にお得感があるけど、まあ、それも誰が何を弾くか次第だな。

今回のチェロとバイオリンの弾き手は名前は知っていたが、ナマでは初聴きだった。

チェロは「ロココの主題による変奏曲」だったが、チャイコフスキーはチェロ協奏曲を書いていないのだから、変わり得るものとしてはこの曲しかあるまい。チェロと管弦楽のための作品はもう1曲「奇想的小品」という作品があるらしいが、Amazonを観ても見つからないしYoutubeにも出ていない。

さて、「ロココ〜」のチェロ独奏が上村文乃(かみむら・あやの)で、上村昇というチェリストがいるけど、ひょっとして彼の娘さんだろうか。とにかく若い。ガタイがでかい。美形。音は柔らかくてとてもきれいだ。丁寧に弾いて、全体として優しい変奏曲の印象だったが、いまいち弾けていない。オーケストラの伴奏で歌いました、という感じかな。悪かないけど面白みには欠ける。

次の弓新(ゆみあらた)のバイオリン独奏はなかなか元気があって良かった。わずかに音を外すところもあったが、勢いがあるので目立たないし、好感を持った。第1楽章の終盤、とても盛り上がるので、第1楽章が終わった時に場内から結構たくさんの拍手や歓呼の声が上がった。え!と思いつつ僕もつられて拍手してしまったが、確信的な拍手も混じっていたように思う。そんな気にさせる熱演だった。

最後が、休憩後の上原彩子のピアノ協奏曲だった。
ここまで来ると、オーケストラの調子も整ってきたか、前半も悪くはなかったけど、より、響に磨きがかかってきた。また、ピアノの音も実にきれいだ。彼女のピアノは迫力がある。男性に負けていない。オケにも負けていない。うまく、両者が絡み合うのはやはり、指揮者の腕だけではないだろう。ピアニストも自分の音楽を創りながらオーケストラと渡り合う、そこがうまくいくと妙味が出る。なかなか聴きごたえのある音楽で、チャイコ3作を締めてくれた。

♪2018-075/♪みなとみらいホール-20