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2025年6月14日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第408回横浜定期演奏会

2025-06-14 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
千葉清加:バイオリン*

モーツァルト:バイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216
マーラー:交響曲第1番(巨人)ニ長調
-----------------------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリンのためのパルティータ第3版*
マーラー:交響曲第1番(巨人)ニ長調終楽章最後尾部分



日フィル定期に限らず、どのオケ定期でも席は1階の真ん中だ。しかし、今回は、振替でもないのに席が変わった。
2階席を買った友人が、1階の真ん中で聴きたいというので交代してあげた。僕もミューザ以外の2階席はもう10年近く座っていない。たまには2階(4列目の中央なので、
決して悪い席ではないし、1階よりこの辺が好きだという人も少なくないのではないか?)で聴いてみたくて交代した。

しかし、全然没入できなかった。

最初のモーツァルトVn協は弦が10型だったかな。それに管が6本という小編成で、それはいいのだけど、音がもうか細いのなんのって、悪いけど、千葉ちゃんのVnも蚊の鳴くような音だよ。こりゃ、もう音楽以前だ。よくこんな席で(S席なんだけど)聴いているなあ、と心底驚いた。

後半は流石にマーラーの1番だ。弦は16型に管打が並ぶだけ並びましたと言わんばかりの大所帯。Hr8本、Tp5本、Tb4本、Tympも2組。その他打楽器も多い。

それで、2階席にも十分届いたので、これはまずまず楽しめたが、それでも弱い。1階のいつもの席で聴いていたらどんなにすごかったか、と悔やむこと頻り。

もう2度と2階席はゴメンだ(ミューザを除いて)。



♪2025-069/♪みなとみらいホール-14

2024年3月30日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第395回横浜定期演奏会

2024-03-30 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

神尾真由子:バイオリン*
石丸由佳:オルガン**

モーツァルト:バイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219「トルコ風」*
サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」**
-----------------
パガニーニ:24のカプリースから第5番*
アイルランド民謡:ダニーボーイ(弦楽合奏)
サン=サーンス:交響曲第3番第4楽章終結部




昨日のオケは良い音だったがピットの中だった。
1Wぶりに舞台上のプロオケを聴くと、モヤの晴れたくっきりと明瞭で美しいサウンドに、まずは一安心した。

しかし、今日の2本は誠に不思議な思いで聴いた。
モツVn協5番もサン=サーンス「ガン付き」もとても聴き馴染んだ作品だ。後者は先月も聴いたばかり。

よく馴染んだ音楽なのに、頭の中で少しも纏まらないのが不思議だった。
特にモーツァルトはどうだろう。全部、繋がってゆかない感じだ。特に3楽章は、作曲者に精神の異常があるのではないかと思うほど纏まらない。いや、異常はこちらか。

コバケンは、若い頃はその良さが分からなかったけど、最近はとても好ましく思うし、この人には、思い切り好きに振ってほしいし、それを味わいたいと思っている。

後半、オルガンが本領を発揮してきて、堂々たる旋律がゆったり目のテンポで進んでゆく時に、抑えた表現の中に溜めが効いていて、微妙なバランスを保つ緊張が解けないのがマジックのようでゾクゾクしながら聴いていたが、それがラストのクライマックスで完全放出とはいかなかったように思った。
つまり、僕の感性不足なのか。隔靴掻痒の感があったが、もう一度同じ演奏を聴いてみたいとも思った。

余談:サン=サーンスのガン付きを含むプログラムでは、今日のように神尾麻由子がVn協などで共演するのは4回目だ。先月も然り。彼女がガン付きを運んでくるのか?

♪2024-046/♪みなとみらいホール-10

2023年12月21日木曜日

日本フィルハーモニー交響楽団「第九」特別演奏会2023 ❺

2023-12-21 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学

オルガン:石丸由佳*

ソプラノ:小川栞奈
アルト:山下牧子
テノール:錦織健
バリトン:大沼徹

J.S.バッハ:高き天よりわれは来たれり BWV738*
J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ*
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565*

ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125




コバケンの「第九」は17年以来6年ぶり。
僕のコバケンへの思いはこの間に変化して、ケレン味の多いちょっと軽い感じの指揮者から、真摯な音楽家へ。それで敬愛の情を抱くに至っている。

しかし、センセイは変わらない。
6年前とまるで同じだった。

今年今日までに5回聴いた中で第2楽章は最速だったが、それ以外の楽章と全曲の演奏時間はいずれも最長だった。
これだけでも、独特の構成感だということが分かるが、処々利かすタメが大袈裟(効果的とも言える)だったり、管楽器のメリハリも強く、Hr四重奏部分は何度もベルアップで強奏した。
弦も強弱の差が大きく、終楽章の低弦のレシタでは全体の流れを掴み損なうほどに鷹揚な節回しだった。

クセの強い「第九」だが、日フィルの16型大編成の弦は、(慣れているのだろうが)コバケンの指揮によく応えて、実にスペクタクルな演奏をした。センターラインの席で聴いているので、広い舞台の両翼に伸びたプルトが発する響はホンにステレオ効果で包み込まれるような広がりを持った。
読響の12型とは全く異質な響だが、鋭く明瞭で、かつ、大所帯にしてはきれいにまとまっているのに感心。

こういう経験は、音楽を<聴く>というより<体験する>という方がピッタリだ。

♪2023-223/♪みなとみらいホール-49

2023年11月3日金曜日

日フィル第755回東京定期演奏会

2023-11-03 @サントリーホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学(126人)

ソプラノ:澤江衣里
テノール:髙橋淳
バリトン:萩原潤

コダーイ:ガランタ舞曲
オルフ:世俗カンタータ《カルミナ・ブラーナ》





前座の「ガランタ舞曲」は現在はスロバキアの「ガランタ」という地方の民謡(実質はロマの音楽)を素材にしているだけに、大げさな哀愁に満ちた、情緒溢れる、まさしく「ロマ」ンチックな音楽で、初聴きでも抵抗感なく楽しめる。が、実際は7年半前に聴いていたことを忘れていたよ。滅多に演奏されないものなあ。

「カル・ブラ」が傑作。この曲は誰が指揮しようとどのオケが演奏しようと、まず楽しめないことはない。
オルフはドイツ人だが、この音楽はどこの音楽だろう?これもやはり、ロマと地続きの音楽ではないだろうか?とハンガリーに縁の深いコバちゃんに無理に結びつけたようだけど、彼は得意なんだと思う。こういう土着の俗謡から成るリズミックで華々しい音楽が。

「ガランタ」は「ガラクタ」状況だったのに、「カル・ブラ」では、コロナ以降僕が聴いた範囲では最大規模(126名)の合唱団が、ガンガン歌うので、オケの不調は全く気にならなかった。いや、調子を戻していたのかもしれないが、管打鍵盤楽器も賑やかだし、独唱陣も(ほぼBrの独擅場だが)頑張りを聴かせて、良いも悪いも、とにかく盛り上がった。

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「カル・ブラ」の大判の歌詞集が、プログラムとは別に配られた。親切とは言えるが、読みたい人は、事前に目を通すか、家に持って帰って読むとかすればいいのに、僕の席のまわりでは数人がその大判の歌詞集を演奏に合わせてめくっていた。
プログラムのサイズならそっとめくれば音はしないが、今日のように大判でペラペラだとどうしても隣人に聞こえるような音がする。

僕は、演奏中の音のマナーにはあまり拘らない方だけど、今日のはちょいと気になったな。

やはり、プログラムに印刷しておけばよかったよ。

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今日は、横浜定期の振替だった。いつものように振替席は楽しくない。1桁列で、右翼席だった。中央も空いていたのに。

とにかく、目線の先はVaの第2Pと第3Pとの間だ。
目に入るVaは裏側ばかりが見える。
チェロはほぼ側板ばかり。
その代わりVn1-2は16+14がしっかり飛んでくる。
これでは弦のバランスはひどい。

ガランタ舞曲が僕の耳には雑音のように聴こえたのは半分は席のせいだ。半分は高域弦がキャンキャン言っていたからでもあるが。

やはり、席はこだわりたい。
定期を減らして一回券で好きなものだけ聴くたって、今日のような席だと金返せレベルだ。

やはり、定期で良席を死守しないといかんな。

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今日のコバちゃんの熱演も楽しかったよ。
でも、忘れられない「カル・ブラ」はNHK音楽祭2018でのPヤルヴィ+N響だ。

Spが前年新国で「ルチア」を歌ったペレチャッコ。
合唱は児童合唱+新国入れて130人。

プログラムも洒落ていて、
ドビュ〜「牧神〜」に続いて、オルフ「踊る牧神<日本初演>」、「カル・ブラ」と尻取り遊びのような緊密に繋がった構成に魅了されたが、何といってもN響の演奏が神がかり。

聖の世界から生の世界、そして性の世界と、正に聖俗の混交だ。
宝箱のようなおもちゃ箱をひっくり返したように次から次と刺激的で官能的で、土俗的で、時に天上の音楽が繰り出され、聴いている側も息をつく間もないめくるめく感興に振り回される。

圧倒、圧巻、感動、最高~なんて賛辞を軽々に使いたくないが、この演奏に使わずしてどこで使う?
パーヴォ・ヤルヴィの緩急自在な棒にオケも合唱もピタリと合わせて見事。聴きながら幸福に浸りオルフがこの作品を残してくれた事に感謝せずにおれなかった。

名演は、鑑賞のハードルを上げてしまって、幸福はだんだんと狭まる。

♪2023-189/♪サントリーホール-22

2023年6月3日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第388回横浜定期演奏会

2023-0603 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
小山実稚恵:ピアノ*

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23*
シューマン:交響曲第4番ニ短調 op.120
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チャイコフスキー:舟歌*
グリーグ:ペール・ギュントから「朝」





本来は、ラザレフと小山実稚恵でプロコフィエフピアノ協奏曲第3番とショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」だったのが、指揮がコバケンに代わり、曲もチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番とシューマン交響曲第4番に変わった。

それで、シューマン4番の出だしのような気分(暗く、重い)で出かけたが、どっこい!変わって大正解だったかも。

チャイコ冒頭のブラスがなんて美しい。
豊かで、透明で、圧がある。
ピアノの和音強打が入ると、これがまたなんて美しい響きだ。3つのうち最低音域の和音はややもするとオケに混じって音の塊のようにはっきりしない場合もあるが、今日のピアノは違う。
名人・小山実稚恵のテクニックも、コバケンの慣れたオケ捌きも手伝ったろうけど、それだけじゃないな。

高域のキラキラとした輝き、中域の甘い響、低域も音の分離がよく明瞭な発音だ。
これが本当のピアノの音だ。ピアノとオケによる協奏曲とはこのように響かなくてないかん。

台風一過の青空のように見事にスッキリした響きであった。

後半、シューマン4番は、どの楽章も魅力的な主題を持つが、コバケン氏に言わせると相当難曲なのだそうだ。そのせいか、演奏会で聴くのは数年に1回といったところだろう。

4番だけでなく、シューマンの交響曲全体とっても演奏機会が少ないように思う。どのオケも客寄せに毎定期取り上げる作曲家の作品もあるが、これらを半分にしてブラームスやシューマンなど渋いのを聴きたいよ。

な訳で、今や「レニグラード」の方がむしろポピュラーなので、今日、シューマン4番が聴けたのはとても良かった。

♪2023-098/♪みなとみらいホール-21

2023年4月23日日曜日

読売日本交響楽団第125回横浜マチネー名曲シリーズ

2023-04-23 @みなとみらいホール



小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
青木尚佳:バイオリン*

メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 作品64*
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
----ENC----------------
イザイ:無伴奏ソナタ第4番第3楽章*





「メンコン」も「巨人」も頻繁に聴いているので、1公演にこの両者が組み合わされる事も過去に読響を含め3回。今回が4回目。
かくも数多く聴いていると余程の”出来”じゃなければ”感心”もできない。
結論を言えば、今日の2本立て。いずれも”残念賞”だった。

どうしてか、を考えるのも面倒なので直感的に言えば、「メンコン」についてはさらりと綺麗なだけで、ワクワクさせるものがなかった。
最近ではレイ・チェン+スラットキン+N響や、少し遡るが、辻彩奈+大友直人+都響では翻弄される快感を味わった。

「巨人」も惹き込まれなかった。
マーラーの作品中、巨人はダントツに聴く機会が多いので十分に馴染んでいるし、名演に遭遇した時の快感を何度も経験している。
Pヤルヴィ+N響、エストラーダ+hr響、コバケン+日フィルなど。

にもかかわらず今日のコバケンのテンポ感は面白くない。
もたつきあり。

とは言っても、遅すぎるという訳ではない。実測で55分。平均的だ。

最初に素材のかけらを「小出し」にして、徐々に回収して歌に繋げるという作品では、この「小出し」の不安感や緊張感がやがてカタルシスを生むのだが、反面「小出し」故の散逸感が緊張感に勝ると音楽に入ってゆけなくなる。
今日はそんな感じだった。

ラスト。
ホルン7本の立奏は作者の指示だそうだが、コバケンは日フィルで演った時もホルンの他にトランペットとトロンボーンも立たせた。今回も予期したとおりの展開で驚かない。
17人の立奏は見栄えだけだ。音に関係ない。音楽外の外連だ。マーラーの変な趣味だ。

第2ティンパニーは神奈川フィルの篠崎くん。
第1バイオリンの次席(コンマスの隣)は葵トリオの小川響子だった。トロンボーンにも客演がいたような…。




終演後はみなとみらいを徒歩で帰宅。
読響のトラックが楽屋口に居るのはいつもの光景だが、2両連結のバスが走っていた。これは珍しい。これまで昼間に見たことがなかったから。

♪2023-069/♪みなとみらいホール-16

2023年3月17日金曜日

読響第8回川崎マチネーシリーズ

2023-03-17 @ミューザ川崎シンフォニーホール



小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団
仲道郁代:ピアノ*

グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 作品16*
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36
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シューマン:謝肉祭から「ショパン」*
アイルランド民謡 :ダニー・ボーイ(弦楽合奏)



この頃燃え盛らなくなった炎のコバケン・仲道郁代・読響によるグリコン(グリーグ:ピアノ協奏曲)が実に良かった。

(お互いに)若い頃のコバケンは、遊び(その実、客席サービス)が多くて、抵抗感があったけど、もう5〜6年くらい前から?遊びを封じてとても共感できるようになった。

今では、マエストロと呼ぶのに抵抗がない数少ない指揮者の1人だ(…といいながら実際は”コバケン”なのだけど)。

グリコンでは冒頭ティンパニ・ロールがクレッシェンドしてクライマックスにピアノとオケが同時にアタックする。
このピアノとオケの同時攻撃!特にティンパニとは協奏機会が多く、生演奏では2者、3者の強打が全て揃う事は極めて稀だ。少々ズレるのがフツー。生だもの。それぞれには勢いがあるから電子音楽みたいにぴったり合わなくたっていい。

でも、この日の(指揮)、ピアノ、オケは見事に次々とステージクリアして行った。
ベテラン仲山は勘処でオケや指揮を見、ティンパニを聴くゆとりがあり、コバケンも両者の息を合わせた。

ここには、指揮者が存在することの意味をきっちりと音楽で表した。
ほう、協奏曲って本来はこうなんだ、と小感動したよ。


最近、ホールの音はどこも硬めだ。加えてピアノが珍しくYAMAHAだったので、スタインウェイに比べると硬い。
しかし、仲山は高域をコロコロと輝かせて耳タコの美旋律で酔わせてくれた。

後半、チャイフスキー交響曲第4番。6日前に日フィル@みなとみらいホールで聴いたばかり。

今日の読響はあの冒頭のファンファーレが今一歩。いつも素晴らしい響の読響ブラスが日フィルに負けるか?

ま、今日のホールのコンディションも影響したはずだ。

しかし、その後は盛り返した。最後の最後に遠慮がちにコバケン節が顔を覗かせて、これはむしろ嬉しかったよ。

♪2023-046/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-06

2022年9月22日木曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第380回横浜定期演奏会

2022-09-22 @県民ホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
周防亮介:バイオリン*

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲 ニ長調 op.35
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》ロ短調op.74
--------------------
タレガ:アルハンブラの思い出*
アイルランド民謡:ダニーボーイ(弦楽合奏版)


チャイコ2本立て。
前半は周防(スホウ)亮介でバイオリン協奏曲。
これまで何度か聴いて良い印象は一度も持てなかったのに、今日はどうしたことか、独奏バイオリンの何と明瞭で美しいこと。
昨日のJ.エーネスとN響に聴かせたい。
これぞ協奏曲の面白さ。支える日フィルのうまいこと。

県民ホールのやや硬めの反響が余計に周防のバイオリンを引き立てたかもしれないが、こんなに独奏バイオリンが見事なのはなかなか例がない。

休憩中に日フィル君に、ありゃマイクで集音して拡声しているのではないか!と詰め寄ったら、とんでもニャアですと否定された。ま、そうでしょ。ちょっと言ってみただけ。


後半の「悲愴」も上出来。
コバケンせんせは体調を壊して申し訳なかったと言っていたけど、黙ってりゃ分からないのに。

前半12型から超拡大の16型。
広い舞台の両翼まで弦が並んだ。
弦は多けりゃいいってもんじゃない。むしろ少ない方が安全。
しかし、今夜の日フィルは16型ならではの迫力を聴かせた。ほぼ、終始透明感を保った。

管部門(ホルンの出来はイマイチ)も良かった。特にオケにおける木管の良い働きを再発見した思い。分けてもフルートが柔らかく他の木管や弦との混ざり具合も絶妙な響きだった。そうそう、シンフォニー(交響)ってこうでなくちゃ。

今季からN響と共に終演時カーテンコールの”静止画”撮影OKになったが、お嬢さん方、マスク外してね。

♪2022-135/♪県民ホール-13

2022年4月16日土曜日

名曲全集第176回 演奏活動60周年!前橋汀子のメンデルスゾーン

2022-04-16 @ミューザ川崎シンフォニーホール



小林研一郎:指揮
東京交響楽団

前橋汀子:バイオリン*

メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 op. 64
ドボルザーク:交響曲第9番ホ短調 op. 95 「新世界から」
---------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン・ソナタ第3番ハ長調 BWV1005から ラルゴ*
ドボルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op. 95「新世界より」から 第4楽章の最終部分


前橋汀子は演奏活動60周年だそうだ。御年78歳には見えない。尤もコバケンの方は82歳というから驚く。

この2人のメンコンが存外良かった。

初めは独奏Vnの音が小さく、これは如何なものかと思っていたが、だんだん良くなる法華の太鼓。徐々に味わいが出てきた。

もう、彼女の形が完全に出来上がっているんだと思った。
コバケンは指揮台を45度下手に回し、ほとんどの間、前橋の方を向いて指揮をした。時々のアイコンタクトは息を合わせるというより、前橋がキューを出しているかにみえたよ。

2人合わせて160歳のメンコンが何やら心温まるひとときになった。

後半は「新世界」。

コバケンの「新世界」は初めてではないが、7年ぶりだ。その時は終楽章を弄り回して遊んでいたのでがっかりしたことを覚えているが、最近はほぼ遊びを封じている。
とは言え、終楽章はやはり、かなりタメを効かせたコバケン節が垣間見えたが、むしろ、好感を以って楽しんだ。

東京”マスク”交響楽団は、僕が定期会員になっている9オケのうち最もマスク着用率が高い。弦楽器のほぼ全員(前半3-後半4人を除く)がマスクをして呼吸困難な演奏をするが、皆んな感染しているのか?
それにしては、今日は良い響きだった。

な訳で弦奏者は顔が分からん。
Vcの首席が見慣れぬ顔。ひょっとして?と後で訊いたら、やはりカルテット・アマービレの笹沼くんだった。

♪2022-053/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-11

2021年10月22日金曜日

読響第3回川崎マチネーシリーズ

2021-10-22 @ミューザ川崎シンフォニーホール




小林研一郎:指揮
読売日本交響楽団

服部百音:バイオリン*

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 作品35*
チャイコフスキー:交響曲第5番ホ短調 作品64 
----アンコール-------------
クライスラー:レシタティーヴォとスケルツォ*
チャイコ5番終楽章最後の90秒!


チャイコフスキー2本立て。
服部百音のバイオリンは十分良かった?のだけど、如何せん、月初に聴いた辻彩奈+都響のメンデルスゾーン@アプリコがずば抜けて素晴らしい演奏で、バイオリンの明瞭で美しい響きといい、オケのバックアップ、オケとの絡み等、バイオリン協奏曲の理想形と言いたいような名演を聴いてしまった後では分が悪い。

ミューザの12列目(2CA最前列)中央という良席だ。

蚊の鳴くようなharmonicsも聴き取れるが強奏となると思いのほか音圧が不足した。

辻彩奈@アプリコでも席は12列中央だったので、舞台からの距離はほぼ同じだった。
何が原因か分からないが、先に辻のメンコンを聴いていなければとても良い印象を持ったと思う。

メインはチャイコフスキー交響曲第5番。
弦の編成は1プルト増えて14型。

炎のコバケン氏、最近は独自色がすっかり陰を潜めて聴き馴染んだ(正統的?)音楽作りだ。これが良かった。

弦の響きも、管弦の混じり具合も、朗々たるブラスの咆哮も凄まじく、これぞ読響サウンド。

♪2021-115/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-33

2020年9月26日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第360回横浜定期演奏会

 2020-09-26 @みなとみらいホール


小林研一郎:指揮

日本フィルハーモニー交響楽団

實川風:ピアノ*

モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488*
ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調 op.55《英雄》
-----Enc---------------
ショパン:マズルカ Op24-1*
アイルランド民謡:ダニーボーイ(弦楽合奏)


先日の都響+大野ではとても元気の良い「英雄」に感心した。
今日の日フィル+コバケンは非常に濃厚に小林印が押された「英雄」だった。

冒頭の強奏2連発は、都響が拳骨なら今日の日フィルは鋭い鉈の2連発。極めて短く強いTuttiがホールにこだました途端、これは新しい音楽が始まるなという予感。

音楽が進むにつれ細部にコバケン節が顔を出す。
聴き慣れなれないテンポだったり強弱変化など、いわば外連味だ。

度が過ぎると嫌味になるが今日の流れは塀の上を渡り歩くが中には落ちない抑制が効いていた。

特に第2楽章が格別の出来だった。

ゆったりと始まった。実演でこんなに遅いテンポは初めてかも。

どのフレーズもパートも疎かにしない決意が感じられる。遅め故の緊張感が絶えないが、じわじわ湧き上がってくるものは情感がいっぱいに溢れている。第2楽章がかくも情緒的な音楽に成りうるのか、という驚きで心平安ならず。

この楽章が終わって、もうここで全巻の終わりでいいのではないかとさえ思った。

第3・4楽章も随所に小林印が押されていたがアップテンポに救われた。既に膨満感すらあって、じっくりやられたら聴いている方も疲れ切ったろう。


CD朝比奈+新日フ「英雄」を思い起こした。あの感覚に近い。

♪2020-057/♪みなとみらいホール-13

2020年1月17日金曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第717回東京定期演奏会

2020-01-17 @サントリーホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団

スメタナ:連作交響詩《わが祖国》

「我が祖国」全曲の1本立て。何度かこの全6曲版を聴いている。親しみやすい音楽で嫌いじゃないけど一度に聴くにはメリハリに欠ける。それに体調不十分で肝心のモルダウでは心地よく船を漕いでしまった。

本来、この曲は弦楽合奏を楽しむには好都合な音楽のような気がする。
日フィルの弦はいつもは大抵美しい。今日は16型で分厚いアンサンブルだったが…。

しかし、席が悪い。横浜定期の振替なのでやむを得ないが、6列31番て酷いな。目の前はビオラの4Pだ。いつもこの辺で聴いている人には悪いけどオケを聞く席じゃないよ。弦の大音量に埋まってしまって管はどこにいるの?という感じで姿もほぼ見えないし音も極めてバランスが悪い。

その弦だって、近過ぎてシャリシャリキンキンだ。
演奏自体はかなり好演したと思うが、本来の日フィルの音楽ではなかった。

そもそも振替席が悪いのは日フィルに限らない。
そのくせ、僕の左隣(センター寄り)は2つも空いていた。どころか、中央ブロックにもいくつも空席があった。つまり、振替はその時点で良席は売れる可能性を見込んで温存し、売れそうにない席に振り替えるらしい。

定期のお客様をもっと大事にしてくれよ。中央Bで穴が開いているのはみっともないぞ!

別件:1月N響で日フィルの辻本氏が首席に座っていたので客演かと思っていたが、先月末で退団したと書いてあった。改めてN響のプログラムを見たら首席ではないが名前が出てたよ。

♪2020-007/♪サントリーホール-01

2019年8月7日水曜日

フェスタサマーミューザ2019 日本フィルハーモニー交響楽団 ≪炎のマエストロ+若手ピアニストの熱演≫

2019-08-07 @ミューザ川崎シンフォニーホール


小林研一郎:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
藤田真央:ピアノ*

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ長調 作品23*
ベートーベン:交響曲第7番イ長調 作品92
-----------------
リスト:愛の夢第3番*
ダニーボーイ

睡眠不足なのに無理に起きて出かけたらなんと開演時刻を間違えていて、1時間早く到着してしまった。ああ、もう1時間寝られたのに。喫茶店、本屋や家電店に立ち寄って時間潰したが、それでけっこう疲労してしまった。

そんな訳で、せっかくの、今をときめく超人気若手ピアニスト、藤田真央をボーっと聴いてしまった。
そのせいでもないと思うが、特に変わったところもない正統派チャイコフスキーの演奏だったと思うが…?

アンコールで弾いたリストの「愛の夢」がえらくさっぱりした弾き方で大人っぽいのにはちょっとびっくり。

オーケストラの方は、後半、弦16型(弦だけで60人)に増やしたベートーベンの7番はなかなかの迫力。
特に2楽章の弦のアンサンブルが厚い。
これはアンコールのコバケンお得意の「ダニーボーイ」(弦楽合奏)でも遺憾無く発揮された。その代わり、透明感は不足気味。

今日のホールの響きはまずまずで、ピアノも明るく響いたが、やはり28日の小川典子が演奏した際の響には至らず。まことに微妙なものだ。

藤田真央人気か超満員完売で当日券もなし。

♪2019-118/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-13