2023-0603 @みなとみらいホール
日本フィルハーモニー交響楽団
小山実稚恵:ピアノ*
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 op.23*
シューマン:交響曲第4番ニ短調 op.120
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チャイコフスキー:舟歌*
グリーグ:ペール・ギュントから「朝」
本来は、ラザレフと小山実稚恵でプロコフィエフピアノ協奏曲第3番とショスタコーヴィチ交響曲第7番「レニングラード」だったのが、指揮がコバケンに代わり、曲もチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番とシューマン交響曲第4番に変わった。
それで、シューマン4番の出だしのような気分(暗く、重い)で出かけたが、どっこい!変わって大正解だったかも。
チャイコ冒頭のブラスがなんて美しい。
豊かで、透明で、圧がある。
ピアノの和音強打が入ると、これがまたなんて美しい響きだ。3つのうち最低音域の和音はややもするとオケに混じって音の塊のようにはっきりしない場合もあるが、今日のピアノは違う。
名人・小山実稚恵のテクニックも、コバケンの慣れたオケ捌きも手伝ったろうけど、それだけじゃないな。
高域のキラキラとした輝き、中域の甘い響、低域も音の分離がよく明瞭な発音だ。
これが本当のピアノの音だ。ピアノとオケによる協奏曲とはこのように響かなくてないかん。
台風一過の青空のように見事にスッキリした響きであった。
後半、シューマン4番は、どの楽章も魅力的な主題を持つが、コバケン氏に言わせると相当難曲なのだそうだ。そのせいか、演奏会で聴くのは数年に1回といったところだろう。
4番だけでなく、シューマンの交響曲全体とっても演奏機会が少ないように思う。どのオケも客寄せに毎定期取り上げる作曲家の作品もあるが、これらを半分にしてブラームスやシューマンなど渋いのを聴きたいよ。
な訳で、今や「レニグラード」の方がむしろポピュラーなので、今日、シューマン4番が聴けたのはとても良かった。
♪2023-098/♪みなとみらいホール-21