2023-06-10 @NHKホール
ジャナンドレア・ノセダ:指揮
NHK交響楽団
べフゾド・アブドゥライモフ:ピアノ*
プロコフィエフ:交響組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品16*
カゼッラ:歌劇「蛇女」からの交響的断章(日本初演)
[第2組曲]
Ⅰシンフォニア
Ⅱ前奏曲
Ⅲ戦いとフィナーレ
[第1組曲](切れ目なしに演奏)
Ⅰアルティドール王の夢の音楽
Ⅱ間奏曲
Ⅲ戦士の行進
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ラフマニノフ:13の前奏曲 作品32から第5番ト長調*
ノセダはほぼ8年ぶりだ。その前回が初めてで大きな衝撃を受けた。是非もう一度、それもN響で聴きたいと思っていたが、ようやく果たせた。
前回の「運命」があまりに強烈な印象を残したので、今回は、もう始まる前から、おそらくこんな感じの音楽だろうな、と想像を膨らませていたが、いやはやそのとおりになった。
実は、プロコの「3つのオレンジへの恋」は”行進曲”以外ナマでは聴いたことがないし、カゼッラの「歌劇『蛇女』からの交響的断章」は日本初演なので当然聴いたこともない。にもかかわらず、音楽の感じは想定したとおり、期待したとおりだった。
テンポが良く、シャキシャキとして歯切れの良い音楽だ。
聴いていて小気味良い。
プロコのPf協2番は、多分3番程には有名ではないと思うが、今回初聴きのアブドゥライモフのPfがプロコらしいのだけど、それ以上にノセダらしい音楽だった。
そう言えば、前回聴いた際もプロコPf協3番を演ったのは、お得意のレパートリーなのかもしれない。
また、今日のNHKホールの響の良いこと。今のシーズンはPf向きなのだろうか?このホールの響も好きだけど、Pfがかくもキラキラと美しく鳴ったのはずいぶん久しぶりの感じだ。
さて、問題は、日本初演だ。
カゼッラなんて聞いたこともなかったよ。今年生誕140年というからラフマより10歳若い。レスピーギより4歳若いだけなのでほぼ同世代のイタリア人。
歌劇「蛇女」からの交響的断章は初演が1932年だそうだが、こんな時代の人の作品が日本初演というのに驚く。
2つの組曲(各3曲)で構成されているが、普通は第1組曲から演奏されるところ、今回は、急遽、第2ー第1の順に変えられた。第1組曲は3曲が切れ目なしに演奏される。そして、こちらの方が派手なエンディングを迎えるので、この変更は大正解だったと思う。
実に分かり易く、まるで真面目に構成した軽音楽のようでもあり、映画音楽のようでもあり、聴きながら、昨日聴いた吉松隆の交響曲第3番と感じが似ているなと思った。もちろん吉松作は和のテイストが散りばめられているが、カゼッラの場合は、イタリアの…ローマの…はっきり言えばレスピーギのテイストがそこここに匂い立つ。
イタリアの青い空を思い浮かべて心地良く帰途についた。
そう言えば、Bプロではラフマとレスピーギを取り上げる。これもとても楽しみだ。
♪2023-105/♪NHKホール-05