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2023年8月11日金曜日

工藤重典 フルート・スペシャル・プログラム 素晴らしいフルート・アンサンブルの世界

2023-08-11 @みなとみらいホール



フルートⅠ:工藤重典、岩佐和弘、梶川真歩、神田勇哉、山内豊瑞、瀧本実里
フルートⅡ:成川結衣、坂本伽耶、高橋綾野、伊藤里桜、大場藍、松田実
(この6人は、第38回かなが音楽コンクールフルート部門優秀者)**
ピアノ:工藤セシリア*

①J.S.バッハ:「音楽の捧げもの」 BWV1079から「6声のリチェルカーレ」
②ドビュッシー:「小組曲」から*
 1小舟にて/2行列/3メヌエット/4バレエ
③F.ドップラー / K.ドップラー:リゴレット幻想曲 Op.38*
④ギオー:ディベルティメント・ジャス
⑤R.コルサコフ(神田寛明編):「シェヘラザード」Op.35から第3曲「若い王子と王女」
⑥パガニーニ:常動曲ハ長調 Op.11,MS72
⑦モーツァルト(エンゲル編):きらきら星変奏曲*
⑧チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」組曲から**
 1小序曲/2マーチ/3トレパック/4金平糖の踊り/
 5アラビアの踊り/6中国の踊り/7葦笛の踊り
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⑨編曲者不明:五木の子守唄**

①〜⑦まではフルートⅠから曲により2〜6人が参加。
⑧、⑨はフルートⅠ全員とフルートⅡが加わり、工藤重典は指揮に回った。




工藤重典のフルートは4回目。ギターデュオのほか複数のフルートとピアノによるアンサンブルを聴いてきたが、今回は、本人含んで6人とピアノ。過去最大編成。5人は工藤の弟子筋のようだが、オケで言えば首席クラス。

演奏作品は、6本のフルートによるもの、フルート2本とピアノ、フルートのみの四重奏など、多様な形式の作品を、ピッコロ、フルート、アルトフルート、バスフルート、コントラバスフルート、ダブルコントラバスフルートと多様なフルートを使って、多彩に繰り広げた。

どれも面白かったが、特に本編の最後の「くるみ割り人形」とアンコール曲「五木の子守唄」では本来のアンサンブル・メンバー5人(工藤は指揮に回った)に加えて、第38回かながわ音楽コンクールフルート部門優秀者の6人(全員女性!)が加わって、11人による6種類のフルートを使った演奏だったが、これまで聴いたことのない響に驚いた。

本来は管弦楽曲だがフルートだけでもそこそこやれますよ、といったレベルではなく、新しいアンサンブルの形を垣間見た気がした。本格的に発展させるためには「五木の子守唄」のような、斬新な編曲が必要だし、この編成の為の新曲を聴いてみたいと思ったが、人数を増やし、楽器の種類を同族限定にせよ増やせば、それは面白いことができるだろうけど、際限がないし、却ってフルートアンサンブルの面白味を危うくすることになるのかなあ…と複雑。

とにかく、休憩除いても110分という長丁場だったが、作品毎に工藤の説明が入り、バラエティに富んだ編成と楽器構成でとても充実した時間を過ごせた。

2023-144/♪みなとみらいホール-28

2020年9月6日日曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 特別公演 工藤重典フルートアンサンブル

 2020-09-06 @みなとみらいホール


工藤重典◎
白石法久(第14回びわ湖国際FlCon第1位)◯
山内豊瑞(第1回三田ユネスコ・FlCon第1位)⌘
東佳音(第13回仙台FlCon第1位)♡
長崎麻里香(ピアノ)♧

ベートーベン:二重奏曲 アレグロとメヌエット ト長調 WoO26◎♡
J.S.バッハ:G線上のアリア◎♡♧
シューベルト:アヴェ・マリア◎♡♧
ベートーべン:ロマンス第2番ヘ長調 Op.50◎♧
ドップラー :2本のフルートとピアノのためのソナタ Op.25◎⌘♧
ベートーベン:からくり時計のためのアダージョ ヘ長調 WoO33,No.1◎♧
ブラームス:ハンガリー舞曲第6番⌘♡♧
ドボルザーク:スラヴ舞曲ホ短調 Op.72-2◎♡♧
ドビュッシー:月の光◎♡♧
吉松隆: 鳥ぷりずむ Op.45⌘◯♧
ポール・ボノー:ディベルティスマン◎◯⌘♡♧
----ENC----------------
モーツァルト:きらきら星変奏曲◎◯⌘♡♧
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番◎◯⌘♡♧


ランパルの愛弟子…にしてはもうしっかりオヤジだけど、腕前はますます磨きがかかっている?

門下の若手3人&Pfで、Fl二重奏からPf四重奏まで休憩込みで2時間半みっちりと。

Flアンサンブルには珍しくベト作品がオリジナルのFL二重奏曲を含む3曲が取り上げられた。


御大も若手もみんな上手で本当に美しい音色で見事なものだ。

欲を言えば、せっかくの四重奏なので、Sp、Al、Bsフルートなどを交えたアンサンブルも聴きたかったな。


ところで、Flマスク?なるものを初めて見たよ。

「フルートセーフティガード」というらしい。全員が歌口に付けていた。


客席最前列まで少なくとも3mはあるのにそんなものを付ける必要があるとは思えないが、困った世の中になったものだ。


開発メーカーは「夢のような」製品だと言っているが、狭い部屋での複数レッスンでは意味があるだろうが、舞台では「悪夢のような」製品だよ。


♪2020-045/♪みなとみらいホール-10

2015年5月29日金曜日

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.67 工藤重典&鈴木大介 デュオ・リサイタル

2015-05-29 @みなとみらいホール



工藤重典:フルート
鈴木大介:ギター

~フルートとギターが綴るタンゴの歴史~
ピアソラ:アディオス・ノニーノ 【ギターソロ】
ロドリゲス:ラ・クンパルシータ 【ギターソロ】
ピアソラ:6つのタンゴ・エチュードより
 №4レント/№3モルト・マルカート・エ・エネルジコ 【フルートソロ】
ピアソラ:タンゴの歴史【ギター+フルート】
 酒場1900/カフェ1930/ナイトクラブ1960/今日のコンサート
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アンコール(トリオ)
ラヴェル:ハバネラ形式の小品


フルートとギターのデュオ。アマチュアならともかくプロではありそうでなかった、いや、聴く機会がなかった組合せだ。

この組合せのオリジナル曲というのはなかなかないのだろうな。
初めのギターソロ2曲は編曲モノだろう。

いずれも聴き覚えがある、というか「ラ・クンパルシータ」は超有名曲、だけどとてもアルゼンチンの土着音楽風に出来上がっていて、よく耳にするようなダンス音楽とは様子が違った。
特にピアソラの作品はそもそもダンス伴奏から聴くタンゴへの革命を志したというだけあって、これでは踊れそうにもない。





















そのピアソラが唯一フルートのために、それも無伴奏曲として作ったのが「6つのエチュード」だ。
これは「タンゴ」のエチュードなのか「フルート」のエチュードなのかよく分からないのだけど、「フルート1本でタンゴを演奏するための」エチュードかも。

さて、どこが「タンゴ」なのか分からないような作品で、「現代曲」としか言いようが無い。
メロディーラインもはっきりしないし、調性も怪しい。
でも、さすがの工藤名人が鮮やかに輝かしい音色を発すると、なにやら説得されてしまうようなところがあった。


最後がピアソラの「タンゴの歴史」。
これはデュエットで、4つの部分(楽章?)に別れ、1900年、1930年、1960年そして現代(ピアソラが作曲したのは1986年)のタンゴの特徴を表現しているのだけど、相当タンゴの歴史に通じていなくてはその「歴史的変化」を理解できないだろう。

最初のパートでは明らかにピアソラ独特の切分音が登場して、ああ、これはピアソラのタンゴだと思えるけど、時代が下るに従って「タンゴ」ぽさは消えてゆき、最後の「現代」では「6つのタンゴ・エチュード」と区別がつかないような音楽だった。

この曲については、帰宅後、録りダメビデオの中の5月25日のクラシック倶楽部で有希・マヌエラ・ヤンケ&エマヌエール・セグレというバイオリンとギターデュオのリサイタルがあって、正にこの「タンゴの歴史」を取り上げているのを発見してびっくりした。


フルートではなくバイオリンとギターなのでやや趣は異なるけど、こういう音楽になると、やはり表現のメリハリという面でフルートはバイオリンにはかなわないのかなあ、と思った。

この曲については、フルートとピアノ版もあり、いったい元はどういう楽器編成で作曲されたのか気になってあれこれ調べたら、この日聴いたフルートとギターこそオリジナルだそうな。


工藤名人の演奏はほぼ1年前にやはりこのクラシック・クルーズで聴いているけど、やはりテクニックもさることながら音の輝くような明瞭さに惹き込まれる。ランパル直系と言われるのは、こういう音質もあるんだろうな。


♪2015-51/♪みなとみらいホール-14

2014年5月14日水曜日

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.56 クドウ・シゲノリ・フルート・アンサンブル

2014-05-14 @みなとみらいホール


工藤重典 岩佐和弘 秋山君彦 立花千春 吉田杏奈(以上Fl)
成田有花(Pf)

J.B.ボワモルティエ:5本のフルートのための協奏曲第4番
モーツァルト:自動オルガンのためのアンダンテ K616
L・アンダーソン(町田育弥編曲):ワルティング・キャット
F.J.ゴセック(安田芙充央編曲):タンブーラン・ア・ラ・ポップ
ドップラー:アンダンテとロンド
P・ボノー:ディベルティスマン
S・ジョップリン:メイプル・リーフ・ラグ
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アンコール
H・アーレン:オーバー・ザ・レインボウ
H・マンシーニ:小象の行進


フルートばかりの五重奏団。曲によっては編成が変わり、ピアノ伴奏が入った。

最初の「5本のフルートのための協奏曲第4番」はフルートのみの五重奏で3楽章構成の本格的な協奏曲。
作曲したジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエという人はロココ時代のフランス人らしいが、まずは優雅な音楽だった。

しかし、なんでフルートだけで五重奏なのか、という疑問は終始離れなかったなあ。ピッコロを入れるとか、ソプラノフルートやバスフルート(見たことないけど)とか入れたら面白いのに。
でも、当時(17世紀末~)のことだから、フルート仲間5人で演奏できる曲を作ってくれという注文があったのだろうな。

このフルート五重奏曲のほかにもピアノを含めた何種類かの編成でいろんな曲が演奏されたが、どの曲がどういう編成だったか、もう思い出せない。

彼(彼女)らのフルートの音色は柔らかく、時にハッとするくらい美しい。名人上手にかかると豊かな低音から突き抜けるような高音までどこをとっても魅力に溢れている。


恥ずかしながら工藤重典(呼び捨て御免)の存在をこれまで知らなかったが、かの有名なランパルの一番弟子であり、サイトウ・キネンの首席でもあり、日本を代表するフルーティストの1人らしい。CDもたくさん出ているのだ。

今日のフルートアンサンブルは工藤とその弟子筋のグループらしいが、めったに聴けないフルートアンサンブルを堪能できた。

欲を言えば、ドップラーのハンガリー田園幻想曲も聴きたかったが。
あまりにもポピュラーすぎて演奏する側にはつまらないのだろうか。

コンサートの後、早速Amazonで工藤のCD(もちろん、ハンガリー田園幻想曲入り)を買った。

♪2014-53/♪みなとみらいホール-22