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2019年6月8日土曜日

N響第1915回 定期公演 Aプログラム

2019-06-08 @NHKホール



パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団

マティアス・ゲルネ:バリトン*

マーラー:こどもの不思議な角笛*
ニールセン:交響曲第2番ロ短調 作品16「4つの気質」

マティアス・ゲルネは海外招聘組としては聴く機会が多く、N響定期で過去2回。今日で3回目。他に、最近ではバイエルン国立歌劇場公演「タンホイザー」でも聴いている。

今回の不思議な口笛ではあまり張り上げるところもなく(そのような作品だから)穏やかに終始したので遠くの席まで届いたかしらと心配したが、オケも穏やかだったので余計な心配だったかもしれない。
ご本人は上出来だったようで、1曲歌う毎パーヴォと目を合わせて満足のご様子。

ニールセン(ニルセン)は年に1回聴く程度で、今回の交響曲は初聴き。「4つの気質」を描いているそうだが、全然気にせず、まるで映画音楽みたいな軽さと刺激を楽しんだ。

前回のN響(横須賀公演)の出来が悪かったので、同じオケとも思えない異次元の響に、これぞN響だと安心したよ。

斜め前に音楽評論家堀内修氏を発見!
♪2019-076/♪NHKホール-04

2017年9月25日月曜日

バイエルン国立歌劇場公演「タンホイザー」

2017-09-25 @NHKホール


バイエルン国立歌劇場 2017年日本公演 
ワーグナー作曲 「タンホイザー」(全3幕)

キリル・ペトレンコ:指揮

 ロメオ・カステルッチ:演出・美術・衣裳・照明
シンディー・ヴァン・アッカー:振付
バイエルン国立管弦楽団
バイエルン国立歌劇場合唱団

領主ヘルマン⇒ゲオルク・ツェッペンフェルト
タンホイザー⇒クラウス・フロリアン・フォークト
ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ⇒マティアス・ゲルネ
ヴァルター・フォン・フォーゲルヴァイデ⇒ディーン・パワー
ビッテロルフ⇒ペーター・ロベルト
ハインリッヒ・デア・シュライバー⇒ウルリッヒ・レス
ラインマル・フォン・ツヴェーター⇒ラルフ・ルーカス
エリーザベト、領主の姪⇒アンネッテ・ダッシュ
ヴェーヌス⇒エレーナ・パンクラトヴァ
羊飼い(声)⇒エルザ・ベノワ
羊飼い(少年)⇒ティモシー・モーア
4人の小姓⇒テルツ少年合唱団

海外歌劇場の引越公演を観るのは初めて。それもバイエルン歌劇場といえば、世界でもトップクラス。音楽監督が次季ベルリン・フィルの首席指揮者に就任予定のキリル・ペトレンコというから、チケットはヒジョーに高かったが、一度、世界一流のオペラに接してみたいと思ってた。

結果的には、料金に見合うような出来だとは思えなかった。このチケット代なら新国立劇場のS席2枚買ってお釣りがくるので、そっちのほうが良かったかも。でも、一度は聴いてみないと比較もできないから仕方がない。

オーケストラの響は、時にハッとさせるような管と弦の美しいアンサンブルが聴こえてくるので流石にうまいものだと思ったし、身を乗り出して指揮するペトレンコのコントロールが行き渡っているようにも思った。

不満に思ったのは、演出・舞台美術だ。
 ロメオ・カステルッチという人が、今年5月にバイエルンで初演出したものを日本でもそのままやったらしい。
舞台装置は実に簡素で、専らカーテンが前後左右に重ねられる程度で、ほかに、舞台装置らしきものはない。
衣裳もギリシャ神話の世界のようで簡素。

主要等人物以外にも合唱やバレエダンサーらしき人が大ぜい登場して、本筋のドラマの背景を演ずる。ここがまさに演出の見せ所だが、これがやたら抽象的で分かり難い。いや、全然分からないと言ってもいい。どうやら、肉欲の愛と信仰に叶う愛との相克を表現しているらしいが、無意味な過剰説明にしか思えない。

ワーグナーの台本どおり、歌い、演ずるだけで、十分物語は理解できる単純なドラマなのに、わざわざひねりを加えて難解にしてしまったように思う。

歌手たちの歌いぶりも、METなどで聴くものとは異なって、物静かな歌いぶりだ。簡素・静謐なワーグナーを目指したか。どうも、物足りなかったな。

2017-156/♪NHKホール-08

2016年2月7日日曜日

N響第1829回 定期公演 Aプログラム

2016-02-07 @NHKホール


パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
マティアス・ゲルネ:バリトン*
NHK交響楽団

マーラー:亡き子をしのぶ歌*
ブルックナー:交響曲 第5番 変ロ長調(ノヴァーク版)

マティアス・ゲルネの歌を聴くのはN響定期で2度めだ。
前回はワーグナーのアリア集で、オーケストラのバックも派手で聴き応えがあったが、今回は地味な歌だ。
当初は同じくマーラーの「子供の不思議な角笛(抜粋)」と発表されていたが、いつの間にか、プログラムが訂正され、「亡き子を偲ぶ歌」になっていた。
僕としてはCDも持っていないし、まともに聴いたことのない「子供~」の方が聴いてみたかったが。

詩人リュッケルトが2人の子供を相次いで亡くした哀しみを綴った慟哭の詩に作曲したものだから当然訳詞を読んでも暗い内容だし、音楽も然り。聴き慣れていないせいもあって楽しむには程遠くまあ、一応聴いたというところ。

しかし、マティアス・ゲルネは前回も感心したが、立派な体格から発声するバリトンは広いNHKホールにも十分こだましていた。


ブルックナーの5番は一昨年のN響定期でマレク・ヤノフスキの指揮で聴いて、その時初めてブルックナーに開眼した思いがした、という作品なのだけど、今日は残念ながら体調不十分で前回のような集中は出来なかった。

厳格な対位法的手法が駆使されているそうで、それは前に聴いた時にもうすうすは感じた。
今回は事前にスコアを読みながら手持ちのCDを何度か聴いてある程度は確認できた。
第1楽章の主題を始め、幾つかの主題(らしき旋律)が他楽章でも繰り返し(形を変えて)登場し、終楽章はその極みのようにソナタ形式の中にフーガが取り込まれているようだ。
終始、第1楽章の主題が波状攻撃を仕掛け、金管の派手なコラールがクライマックスを形成する。
おそらく、とても精密に構成されているのだろう。
しかし、いかんせん長過ぎる(終楽章だけで24分位。全楽章で75前後。)。その中で何度も同じ旋律(の断片)が繰り返されるので、無駄な重複ではないか、と感じてしまう。

まあ、これも繰り返し聴いているうちに至福をもたらす音楽の一つになるのかもしれないが、僕には道が険しそうだ。


♪2016-015/♪NHKホール-02

2014年5月11日日曜日

N響第1781回 定期公演 Aプログラム

2014-05-11 @NHKホール


マティアス・ゲルネ:バリトン
ガエタノ・デスピノーサ指揮
NHK交響楽団


●フランク:交響曲 ニ短調
●ワーグナー:
歌劇「さまよえるオランダ人」から オランダ人のモノローグ「期限は過ぎた」*
楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲」
楽劇「ワルキューレ」から「ウォータンの別れと魔の炎の音楽」*
楽劇「神々のたそがれ」から「ジークフリートの葬送行進曲」

*マティアス・ゲルネ:バリトン


フランクの作品は今日演奏された「交響曲ニ短調」のほか「バイオリンソナタイ長調」が有名だが、他の作品は一般的にはほとんど知られていないのではないか。かくいう僕もこの2曲しか馴染みはない。

長らく交響曲ニ短調も聴く機会もなかったが、ずいぶん久しぶりに聴いて、やっぱり人気があるのを納得した。

交響曲なのに3楽章しかないという変則構成だけど、第2楽章の中間部がスケルツォなので、古典的な形式に則っているようでもある。

バイオリンソナタの方はいかにもフランス的だけど(ベルギー生まれのフランス育ち)、こちらはドイツ音楽ぽさが濃厚だ。
分かりやすいメロディーが、全楽章にわたって繰り返される構成感の良さも相まって、やっぱり、名曲だと納得する。
昨日のラフマニノフの交響曲2番は冗長の感があったが、フランクは情緒に流されるような部分がなく引き締まって均整のとれたオトナの音楽という感じがする。


休憩を挟んで、ワーグナーの歌劇・楽劇から4曲。
そのうち、2曲がバリトンの歌唱付き。

フランクにワーグナーって妙な取り合わせだし、交響曲が先に演奏されるのも変だなあという気がしていたけど、聴いてみると全然違和感なし。やはり、フランクの交響曲がドイツロマン派っぽいせいかも。

また、交響曲の後にワグナーというのも、楽器編成をみて納得。
フランクもかなり編成は大きかったけどそれを上回る規模だ。
特に最後の「ジークフリートの葬送行進曲」など、ティンパニー2組、ハープ4台、ワーグナーチューバ4台その他いろいろの特大編成で、それだけ、管弦楽の響も厚い。これを先にやってしまってはフランクが気の毒。


うち2曲はマティアス・ゲルネによる歌唱付きで、世界のトップクラスだそうだが、3,600席の大ホールで、伴奏の大オーケストラにも埋もれること無く歌を響かせるとはさすがにプロだ。
重苦しい歌ばかりだったが、ワーグナーの世界を十分感じさせてくれた。

たまたま3日連続して神奈川フィル、日フィル、N響と聴いた。
やはりN響はうまい!と思うのは、そんな気にさせられているだけなのか、やっぱり実力に差があるのか、さてどうなんだろう。
いずれにせよ、オーケストラは楽しい!

♪2014-52/♪NHKホール-02