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2023年11月4日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 県民名曲シリーズ第17回 「吹奏楽 in オーケストラ」

2023-11-04 @県民ホール



現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
須川展也:サクソフォン*
佐藤采香:ユーフォニアム**

バーンズ(大橋晃一編):アルヴァマー序曲(管弦楽編曲版初演)
保科洋:管弦楽のための「風紋(原典版)」
スパーク(大橋晃一編):パントマイム**
リード:アルメニアン・ダンス・パート(管弦楽編曲版初演)
挾間美帆:サクソフォン・ソナタ第1番「秘色の王国」(管弦楽編曲版-須川展也委嘱作品)*
ラヴェル:ボレロ* **
東海林修:管弦楽のための「ディスコ・キッド」


プログラムには何にも言及してなかったが、チラシには「吹奏楽 in オーケストラ」と書いてある。
大昔、中高時代吹奏楽をやっていたのだけど、その頃と今では様変わりで、近年の事情はさっぱり分からない。

でも、どうやら、今日の演奏曲の大半は、吹奏楽の世界ではヒット曲らしい。

ラヴェル「ボレロ」以外は初聴き?だと思うが、みんな調子の良い、わかりやすい音楽で、とても楽しく聴いた。

しかし「吹奏楽」と銘打つなら、2、3曲は本当の吹奏楽編成で聴きたかったな(木管調達が大変だろうだけど。)。

(昔、N響のコンサートで、<N響吹奏楽>と称して、吹奏楽編成でヴォーン・ウィリアムスの「イギリス民謡組曲」などを聴いた。あの名人上手が演奏する吹奏楽のオリジナルで同曲を聴けたのはホンに嬉しかったよ。得難い体験。)


演奏はどの曲も見事なのだけど、特に「ボレロ」の出来には感心した。スネアも中低弦のピチカートも最初はやっと聴こえる程度の弱音から始まる。最初に主題を引き受けるのがFlだが、ここで、それまでのぎりぎり抑えた静寂の世界をいっぺんに台無しにするような音量で登場することが少なくないのだ。しかし、前にも聴いた経験があるが、神奈川フィルの江川女史は違う。よくこんなに抑えて吹けるなと思うくらい弱音でスネアに乗ってくる。もうその辺からゾクゾクしてくるよ。


今日の弦は12型だった。これが良かった。12型の「ボレロ」は初めてかも。

広々とした、特に奥行きのある舞台に12型だから、管打はゆったりと並んでいた。県民ホールは舞台の四方を頑丈な反響版に囲まれているから、音の抜けが良い。細大漏らさず客席に飛んでくる感じだ。スッキリと12型で明瞭な音楽が残響重視のホールとはまた違った味わいを見せる・聴かせる。

今日のコンマスは読響から小森谷巧氏が客演した。神奈川フィルの総大将はあちこち出稼ぎで忙しいのか。でも、いろんなコンマスを迎えるのは良いことだと思うよ。今度マロさん呼んで親子共演を聴かせて欲しいな。

♪2023-190/♪県民ホール-1

2023年8月9日水曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 日本フィルハーモニー交響楽団 カーチュン・ウォンの描く『展覧会の絵』

2023-08-09 @ミューザ川崎シンフォニーホール



カーチュン・ウォン:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
須川展也:サクソフォン*

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
菅野祐悟:サクソフォン協奏曲「Mystic Forest」*
ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲「展覧会の絵」
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真島俊夫:シーガルから*
エルガー:「エニグマ」変奏曲から「ニムロッド」



「カーチュン・ウォンにハズレなし」とこれまで何度書いたろう。今日も上書きしておこう。
尤も、2曲目の菅野祐悟SAX協はダメ。3月にも日フィル・須川コンビで聴いたが、その時も楽しめず、今回も面白いとは思えなかった。

まず、「運命の力」。
8分足らずの小品だが。最弱音から最強音までの細部にわたって、「力」が入っていた。ウォンの彫琢の跡だ。

その発展形が「展覧会の絵」で、ここでは各曲の終わり毎、いや、時にはフレーズの終わり毎のそれぞれの結び目に落款が押してあるようだった。

その決め方にこだわり、どんな些細なフレーズもおろそかにせず、ウォン流を貫こうとしているふうだ。

そんなふうに聴き始めると、いつもの「展覧会の絵」は聴き馴染んだ心地良い娯楽作品ではなくなって、「カーチュン・ウォンの習作集」みたいになってくる。
敢えて「習作」というのは、けっして完成形ではないから。
オケも「カーチュン・ウォンの絵」をまだ自分のものとはしていない様子だった。

でも、あと2-3回演奏すれば「カーチュン・ウォンの絵」になるのだろう。
新鮮で発見に満ちた「絵」を再び聴いてワクワクしてみたい。

♪2023-142/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-21

2023年3月11日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第385回横浜定期演奏会

2023-03-11 @みなとみらいホール



藤岡幸夫:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
須川展也:サクソフォン*

菅野祐悟:サクソフォン協奏曲《Mystic Forest》*
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36
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グリーグ:過ぎにし春






ちょっと気分が悪く、それを引き摺って鑑賞したので音楽の聴こえ方にも悪影響を齎した。やはり、心身とも健康な状態で臨まねばならんなあ。

菅野祐悟の作品は3度目だけど、どういう訳か藤岡幸夫+日フィルが多い。

前に聴いた作品は分かりやすい映画音楽を聴いているようで、面白くなかったが、今回のサックス協奏曲は、全編モダンで難解で、今回も共感できなかった。わざわざ旋律のツボを外す事で、意表を突く事が目的みたいだ。
独奏の須川展也は名人なのだろうけど、サックスの音色の魅力が感じられず、煩いばかり。

チャイコ交響曲第4番は、冒頭のファンファーレが魅力的で、ホルン+トランペット+ファゴットから音が下がってトロンボーン、テューバが加わる節は生理的快感。ここが良ければあとは大抵好感を持てる。

今日は、打楽器群の音が明瞭。前半喧しかった弦も美しく迫力があった。終楽章、最後の盛り上がりがあっけなかったが、ここの加減は難しいね。

♪2023-043/♪みなとみらいホール-11