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2025年6月15日日曜日

都響スペシャル

2025-06-15 @ミューザ川崎シンフォニーホール



沖澤のどか:指揮
東京都交響楽団
フランク・ブラレイ/務川慧悟:ピアノ*

ビュッシー:牧神の午後への前奏曲
プーランク:2台のピアノのための協奏曲ニ短調 FP61*
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《春の祭典》
---Enc---------------
プーランク:カプリッチョ FP155*





楽しみは「春の祭典」。それ以外はどうでも良かったけど、聴かない訳にもゆかない。「牧神〜」は好物だ。
でも、これにはがっかりした。肝腎要のFlの音色が最初から最後までぼんやりしていた。もっと明るく艶っぽい音色で誘惑して欲しい。拍手しなかった。そんな気になれなかった。
とは言っても、2曲目プーランクは過去何度か聴いて楽しめる作品だと知っているし、若手の2人のピアニストに期待して前向きに臨んだが、やはりこれは面白い。第2楽章のモーツァルトの引用は20番の協奏曲だ。これで気分を直して後半へ。

弦16型のビッグサイズに拡張して並んだオケは文化会館やサントリーよりも広いミューザの舞台でも目一杯という感じ。
この音楽、リズムさえ破綻なければ上手いも下手も分からないような音楽だが、今日の都響のまとまりの良さには驚く。いつもの都響とは一味違って繊細さも豪胆さも備えて、行き詰まるような緊張感を最後まで維持した。
のどかマジック⁉︎

今日は、完売だそうで、ホンに、客席はもうすずなりだった。久しぶりに都響に大満足したよ。

♪2025-080/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-06

2024年6月24日月曜日

東京フィル第1001回サントリー定期シリーズ

2024-06-24 @サントリーホール



チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
務川慧悟:ピアノ
原田節:オンド・マルトノ

メシアン:トゥーランガリラ交響曲
(トゥランガリーラ交響曲とも)



前回の「カル・ブラ」に続き今回も大ヒット!

「トゥラガリ」は6年5月前の都響に続き2回目。長くクラシックを聴いていてもわずか2回目!

初聴きだった前回も、存外楽しめたが、今日の東フィルの出来は段違いに良かった。

①演奏技術の確かさ。アンサンブルの正確さ。これはチョン・ミョンフンの功績もあるかな。

②今日のサントリーの響の良さが信じられない。
こういう響は5年か10年に一度遭遇するといった感じだ。
それはオケの管弦の交わりの美しさとピアノの響に特によく表れていた。

首都圏最悪のホール、特にピアノの音はトイ・ピアノのような音だと大抵こき下ろしているが、今日のピアノはSTW本来の煌めきがあった(低域はイマイチではあったが)。

どうして?
お客の入り、ホールの乾燥の具合なども関係するだろうが、舞台上手前方にオンマルのスピーカー群が並んだ為に、ピアノは普段の定位置より少し下手寄りだった(指揮台も)。
それによって幸いにも舞台の《最悪のツボ》を外れたのではないか?

③音楽自体、美しくもないし、大して面白くもないのだけど、あれだけ、多種・多量の楽器を鳴らしながら、不快な場面が一度もない。これはメシアンのオーケストレーションの見事さだなあ、と感じ入ったり。

今日の小発見:
ピアノは協奏曲の時と同じ配置だが、今日はその後ろにチェレスタともう一台小型鍵盤楽器が使われた。
あれは何か?編成表にもそれらしいものは見当たらない。

事務局の女性に聞いたら、「ジュ・ドゥ・タンブル」だという。え〜!初耳だぞ!
機能としては「鍵盤グロッケンシュピール」だった。
実際は、この「トゥラガリ」以外にも「魔笛・ダフニスとクロエ・海・マラ7・トゥーランドット」などにも使われているそうだから、当然何度も聴いているのだけど、グロッケンシュピールで代用されていたのかもしれない。

この2台の鍵盤楽器がピアノとユニゾンで旋律を担当する場面が少なからず。その為にピアノが一層煌めいたのかもしれないのだが。

合戦シーンばかり続く映画のバックミュージックのような軽い音楽だが、管弦楽の魅力に溢れている。そして、実に見事な演奏だった。あっぱれ東フィル!


♪2024-090/♪サントリーホール-14

2023年6月9日金曜日

東京シティ・フィル第361回定期演奏会

2023-05-10 @東京オペラシティコンサートホール



高関健” / 山上紘生"" :指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
務川慧悟:ピアノ*

シベリウス:悲しきワルツ 作品44”
グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調 作品16”*
吉松隆:交響曲第3番 作品75””
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ビゼー(ホロヴィッツ編):カルメン幻想曲*



好漢藤岡幸夫を楽しみにしていたが、なんと肺炎の為入院。急遽前半2曲を高関健に、後半を指揮研究生の山上紘生に変更された。山上は高関の藝大での教え子でもあり、シティ・フィルで吉松作品の練習指揮を担当していたので、急なデビューとなった。

結果は上出来で吉松本人にも祝福された華々しく感動的なデビューとなった。

さて、まずは、前半のグリーグPf協が素晴らしかった。先日、みなとみらいHでこれ以上のPf協は聴けないかと思うほどに素晴らしくブリリアントな演奏(コバケン+小山実稚恵+日フィル)を聴いたが、武満MEMもいつも良くなるホールとは言え、これ程までに美しい響だとは驚き。件のPf協にかなり肉薄している。煌めくPfだった。
まずは音が美しい。Pfとオケとの協奏の妙味が発揮されている。時に丁々発止の緊張関係がある。もちろん、ホールを知り尽くした高関健とシティ・フィルのサポートも按配を心得ているのだ。


後半、吉松隆:交響曲第3番は初めて聴いた。これまで、交響曲は6番ばかり。結論を言えば、今日の3番の方が俄然面白い。45分という大作だが、現代作品にありがちなコケ威や意表を突く爆音もないではないけど、それ以上に旋律が耳に馴染みやすい。終楽章など、ラヴェルの「ボレロ」の高揚部分を延々と続け、クライマックスは未曾有の超爆音で燃焼した。
ま、聴きながら、色々考えることはあったが、「現代」に交響曲となれば、これは意義のある作品ではないかと思ったよ。

劇的デビューを果たした山上クンはやんやの拍手喝采。
腕に嵌めていたApple Watchのノイズメーターが94dBを指したよ。

♪2023-103/♪東京オペラシティコンサートホール-04