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2025年7月19日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第406回

2025-07-19 @みなとみらいホール



シュテファン・ヴラダー:指揮/ピアノ
神奈川フィルハーモニー管弦楽団


モーツァルト:交響曲第31番ニ長調 K.297「パリ」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
モーツァルト:交響曲第41番ハ長調 K.551「ジュピター」
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シューベルト:4つの即興曲 作品90-3 変ト長調 アンダンテ



随分久しぶりに大江くんが古巣に戻って客演でコンマスを務めた。それで良かったかどうかは分からないけど、オール・モーツァルト・プログラムを楽しんだ。

この手の企画はそう珍しくもないけど、全部が良かったというのはそうそうない。

指揮兼ピアノのシュテファン・ヴラダーは、以前シティ・フィルで「皇帝」を聴いたが、良い印象は残っていなかった。ピアノがどうこういうよりオケとピアノのアンサンブルに疑問を感じた…と7年も前の感想に書いてあった。

しかし、今日の演奏は、これは神奈川フィルが良かったのか、2者の相性が良かったのか、いやいや大江くんのリードも良かったのかもしれないが、弦12型のコンパクトな編成で、小気味良い演奏だった。

欲を言えば、Pf協が残念。
弾き振りなので、やむを得ないかもしれないが、Pfを縦方向に置き、屋根を取り払って、お客さんに尻を向けて弾いたり、振ったりだ。

尻を向けるのは構わないけど、屋根がないPfはこれまでも何度も経験しているが、音が良くない。客席に響いてこない。
P席とか舞台周りの客席には好都合だろうけど、1階席では音が飛んでこない。演奏はとても好ましいものだったが、その点が残念だ。
モーツァルトのPf作品だもの、普通に横に向けて屋根をつけて演奏しながら指揮もできたのではないか。

ピアノで弾き振りする場合は、是非ともその方法を開拓してほしいよ。


♪2025-098/♪みなとみらいホール-21

2025年7月18日金曜日

N響「夏」2025

2025-07-18@NHKホール



ダーヴィト・アフカム:指揮
NHK交響楽団
マルティン・ヘルムヒエン:ピアノ*

シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 作品54*
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68 
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シューマン:「森の情景」作品82-第7曲「予言の鳥」*
シューベルト:「ロザムンデ」間奏曲第3番






逡巡した挙句、7月は回数が多すぎるので一度は断念した。が、ブラームスとシューマンというプログラムに惹かれて、遅まきながら買ったので、良い席が残っておらず3階席の前方中央で我慢することにしたが、3階席なんてもう10年ぶり?もっと前かも。

どうも1階席で慣れた耳にはまるで響きが違う。

なかなか音楽に入ってゆけない。
自分の気持ちと戦っているうちの終わってしまった。


♪2025-097/♪NHKホール-06

2025年5月31日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第407回横浜定期演奏会

2025-05-31 @みなとみらいホール



ガボール・タカーチ=ナジ:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
三浦謙司:ピアノ*

シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D759「未完成」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467*
コダーイ:組曲《ハーリ・ヤーノシュ》 op.15
 (ビオラ独奏:安達真理)
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シューマン:3つのロマンスから第2番*
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲





昨日、神フィル室内楽でバルトークとコダーイを聴いた。
コダーイなんて、「ハーリ・ヤーノシュ」くらいしか知らないなあ、と思っていたが、今日、プログラムはすっかり忘れて出かけたら、なんとその「ヤーノシュ」がメインだった。

全3曲とも、珍しく楽しめなかったが、最後の最後のオケEncがなんとバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」で、これも昨日Vn+Pf版を聴いたばかり。
しかし、これが良かった。9回2アウトから満塁ホームランで逆転勝利という感じ。


シューベルトは冒頭のVc(+Cb)の音があまりに弱音すぎて音楽になっていない、と感じた。Vnの刻みも極端に小さい。それでいて、Ob+Clの主題は、弦の序奏に見合うような弱音は出せないので、浮いてしまっている。このアンバランスでもう興醒めした。
その後の2曲でも、弦(特にVc)は極端なほど抑えられている。

モツPf協21番も、弦は10型なのはいいが、弦全体が抑制されているのでモダンピアノが(かなり抑え気味に弾いていたがそれでも)浮いてしまう感じで、全体のバランスが良くない。

オケ自体は、良い演奏だと思ったが、タカーチの独自さについてゆけなかったよ。

しかし、Encが上出来で、終わりよければすべてよし。
ご本人も相当ご満悦で手応えを感じたんだろうな。

♪2025-069/♪みなとみらいホール-13

2025年1月25日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団 特別演奏会 第19回フレッシュ・コンサート 未来を奏でる新星たち

2025-01-25 @県立音楽堂



高井優希:指揮
神奈川フィルハーモニー交響楽団
バイオリン:郡司菜月*
ピアノ:山縣美季**
(指揮:高井優希)

シューベルト:劇付随音楽「魔法の竪琴」序曲 D644(ロザムンデ序曲)
メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲ホ短調 Op.64*
ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11**
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アレクセイ・イグデスマン:アップルマニア*
ショパン:別れの曲**



◀️感想省略▶️


♪2025-012/♪神奈川県立音楽堂-02


2024年6月19日水曜日

第2015回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2024-06-19 @サントリーホール



鈴木優人:指揮
NHK交響楽団
イザベル・ファウスト:バイオリン*

ウェーベルン:パッサカリア 作品1
シェーンベルク:バイオリン協奏曲 op.36*
J.S.バッハ(ウェーベルン編):6声のリチェルカーレ
シューベルト:交響曲第5番変ロ長調
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ニコラ・マティス(父):バイオリンのためのエア集第2巻〜「パッサッジョ・ロット」*






前半3曲は睡魔との戦い。いずれも少ないけど何度か聴いているが、リチェルカーレ**は、なんでこういう編曲をしたのか?管弦楽で聴く意味があるのかと白けてしまう。

Iファウストはこれまでロマン派の作品ばかり聴いてきた。
そして、好ましく思っていたが、シェーンベルクは付いてゆけないよ。

最後に、シューベルトのこぢんまりした交響曲5番でようやく元を取った感じ。

僕にとって今日がN響B定期会員としての最後の公演だった。
名演だったら後ろ髪を引かれたろう。未練が残らず良かったよ。

**リチェルカーレ(形式)とリチェルカータ(具体的作品)の違いがあるそうだが、音楽解説などを読んでも明確に使い分けてあるとは思えないので、耳慣れたリチェルカーレを使うことにする。

♪2024-087/♪サントリーホール-13

2024年5月17日金曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2024前期 ≪クリスタル・ヴォイス≫森麻季 ソプラノ・リサイタル

2024-05-17 @みなとみらいホール



森麻季:ソプラノ
山岸茂人:ピアノ(*ピアノソロ)

プッチーニ:私のお父様 ~歌劇「ジャンニ・スキッキ」から
プッチーニ:私が街を歩くと/ムゼッタのワルツ ~歌劇「ラ・ボエーム」から
ベートーべン:ピアノソナタ第8番ハ短調 作品13《悲愴》から 第2楽章*
山田耕筰:この道
山田耕筰:からたちの花
越谷達之助:初恋
フォーレ:ノクターン第4番変ホ長調 作品36*
ドビュッシー:星の夜
リスト:夢に来ませ
プッチーニ: 私の名はミミ ~歌劇「ラ・ボエーム」から
プッチーニ:ドレッタの夢 ~歌劇「つばめ」から
ベッリーニ:おお!幾たびか ~歌劇「カプレーティとモンテッキ」から
ショパン:ノクターン第2番変ホ長調 作品9-2*
プッチーニ:お聞きください、王子様 ~歌劇「トゥーランドット」から
プッチーニ:海にも陸にも春風はそよぎ ~歌劇「蝶々夫人」から
プッチーニ(ホジャイノフ編):《蝶々夫人》から ハミングコーラス*
プッチーニ:ある晴れた日に ~歌劇「蝶々夫人」から
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シューベルト:アヴェ・マリア
マスカーニ:アヴェ・マリア



森麻季を聴く機会は多かったけど、リサイタルは初めて。
アンコールを含め15曲を歌った。

きれいで可愛らしく、スタイルもそこそこスリムで、白雪姫のようなピカピカドレスがかくも似合う人は少ないのではないか。

P席や袖上の席のお客さんにもクルクル回りながら顔を見せ、声を通し、サービスに努め、愛想を振りまいた。
プログラムはうち8曲はプッチーニの馴染みの名曲揃い。その他も親しみやすいものばかり。

前半、イマイチ聴きどころが少なかったが「ミミ」で覚醒したかのような拡声が大ホールに轟いた。

後半は、すっかり喉の調子が良くなったか、《クリスタル・ヴォイス》とやらが本領発揮。ステージングも控えめなMCだがとても好感を与えて満足度の高いリサイタルだった。

…とここで止めておけばかわいいのに、やはり正直に書いておこう。

歌い方に独特の癖がある。
これまでは「第九」やオラトリオなどドイツものを中心に聴いてきたので、気付かなかったが、うんと近くで15曲も聴くと嫌でも森節が耳に付く。

フレーズの頭がポーンと出ない。
とても小さな声で始まり、半拍かそのまた半拍か遅れてぬ〜と声が出てくる。
そうでない歌い方も2曲くらいあったが、ほとんどが、さぐり歌いのような、歌い方で、これは気持ちが良くない。
こんな歌い方をするオペラ歌手は他に知らない。

それに、コテコテと飾りすぎる。歌の表情が濃厚すぎて違和感を覚えるのだ。もっと、フツーの歌い方で聴きたい。

2024-065/♪みなとみらいホール-015

2024年4月14日日曜日

NHK交響楽団2007回A定期 04月公演

2024-04-14 @NHKホール



マレク・ヤノフスキ:指揮
NHK交響楽団

シューベルト:交響曲第4番ハ短調 D. 417「悲劇的」
ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68





ヤノフスキはN響とのコンビしか聴いていない。
N響定期以外に東京春祭のオペラ・ワーグナーシリーズもいくつか聴いている。

しかし、見事にドイツものばかりだ。ワルシャワ生まれだけどドイツ育ちで、音楽の得意分野もドイツ音楽らしい。
こういう人のドイツ音楽は、安心して聴ける。おそらく、最も王道を極めつつあるのだろうな。

…と思って楽しみに拝聴したが、正統すぎて、存外淡白なドイツ音楽だった。そう聴こえたのは、たまたまその日の僕の体調のせいかもしれない。

N響の場合は、ほぼ全回?TV放送されるので、自分が会場で聴いた時の音楽と後日放送で聴く時では、印象が変わることも再々あるのでアテにはならない。

シューベルトの交響曲第4番は2〜3年に一度聴く程度なので、ほとんど馴染みがないけど、「悲劇的」なのは冒頭だけで、ほぼ全編明るく調子が良い。19歳の作だそうだ。

ブラームスの1番。いつ聴いてもよくできた音楽だと感心するが、もうちょっと、情緒的、情熱的な部分が欲しかったが、禁欲的なブラームスとしてはこんなところが正解なのかもしれない。

今日は振替席で聴いた。劣悪な席にふ振替られることが多いが、ラッキーなことに本来席とほぼ同じ場所でとても良かった。

♪2024-053/♪NHKホール-03

2024年3月15日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#21

2024-03-15 @すみだトリフォニーホール



上岡敏之:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
アンヌ・ケフェレック:ピアノ*

ベートーべン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 作品15*
シューベルト:交響曲第8番ハ長調 D944「グレート」
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ヘンデル(ケンプ編):組曲第1番 HWV434から第4曲「メヌエット」




上岡ちゃんはクセがある。ハマれば面白い。が、今日のような曲ではそういうケレンは感じられなかった。
その代わり、古巣からえらく美しいアンサンブルを引き出した。
いつも、聴きたい!と思っている弦の透明感があって力強い響。管弦の交わりも絶妙だ。大将が振るとこういう音を出すのか!と軽い驚き。

「グレート」の「天国的な長さ」。
今日は指定どおりの繰返し(第2楽章以外)を全部やったかどうか分からないけど(55分という演奏時間は微妙)、手持ちのCDは多くが完全版と言っても60分前後で、作曲当時はともかく、その後無駄に長い作品がたくさん作られたから、それらと比べると「グレート」は健康的な美旋律の釣瓶打ちなので、まさに<天国的>だ。

これを演奏時間の長さゆえに批判する人は、もちろん、マーラーやブルックナーも嫌悪しているのだろうな。それなら一貫している。賛成はできないけど。

良い演奏だった。
しかし、今日のすみトリの響は燻んでいたよ。
オケもピアノも綺麗な音を出すのに、なぜかどこかでフィルターがかかったようにそのままが客席に届かなくて隔靴掻痒の思い。

いつもの席なのに。
いつもは大抵満足できるのに。
これまで、ホールの響として不満を感じたことがなかったのに。

そこが、これまで味わったことのない不安だった。自分の健康問題かもしれないけど。

2024-038/♪すみだトリフォニーホール-02

2024年1月24日水曜日

クァルテット・インテグラ 山崎伸子プロデュース 輝く若手演奏家による「未来に繋ぐ室内楽」Vol.7

2024-01-25 @フィリアホール



クァルテット・インテグラ
 三澤響果:第1バイオリン
 菊野凛太郎:第2バイオリン
 山本一輝:ビオラ
 パク・イェウン:チェロ(築地杏里から変更)
山崎伸子:チェロ(特別出演)*

ハイドン:弦楽四重奏曲ロ短調 Hob.III:37/Op.33-1
バルトーク:弦楽四重奏曲第2番 Sz.67/Op.17
シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調 D956*



山崎伸子が主導するシリーズ7回目。
とても丁寧なアンサンブルだが、もう少し若々しくガリガリとヤニを飛ばすような勢いを期待したが…。

最後に山崎が加わって前回同様シューベルト五重奏曲。こういう編成上、楽曲が限られてくるんだな。

ところで、この曲。何度も聴くが面白味が分からない。
チェロ2本使ったアイデアが奏功していない?
長過ぎる(実測55分)?
暗過ぎる…ハ長調で作曲する意味が?

♪2024-014/♪フィリアホール-01

2023年10月27日金曜日

横浜バロック室内合奏団定期演奏会107回 〜室内楽の喜び

2023-10-27 @みなとみらいホール



横浜バロック室内合奏団
 Vn:小笠原伸子、藤村陽子、梅原真希子
 Va:百武由紀、大本綾子
 Vc:間瀬利雄、中垣文子
 Cb:大西雄二
 Pf:堀由紀子

モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩」
シューベルト:ピアノ五重奏曲イ長調 D.667「鱒」
モーツァルト:弦楽五重奏曲第6番変ホ長調 K.614



毎年、10月はバロックを少し離れて古典派〜ロマン派の室内楽。モーツァルトは弦楽四重奏「狩」と最晩年の弦楽五重奏第6番。シューベルトは「鱒」といずれも有名曲だけど、これが案外生で聴く機会が少ない。

特に、モーツァルトの五重奏6番は生では初聴き。
死の8月前の作品で、この後に作曲された器楽曲はクラリネット協奏曲のみだそうだ。なのに、この明るさがかえって哀しみを誘うよ。

今日もみなとみらい小ホールは実に良い響で、こんなに美しいアンサンブルを聴かせられると、来季も継続決まりだな。

ところで、弦楽器のうち、ビオラは見かけはスチール弦だけどその柔らかな響きはガット弦ではないか?と休憩中に奏者に聞いてみた。やはりガットだという。
問い:それにしては外見がメタルぽいけど?
答え:本当のガットは扱いにくいので、表面を糸状の金属を巻き付けたもの(巻線)が一般的なんです。
問い:えっ!じゃあ、他の楽器もガットだったの?
答え:バイオリンはガットでした。

ということで、僕はカルチャーショックを受けたよ。

終演後チェリストにも聞いた。
「はい。ガットです。今日のはお高いのを使ったんですよ」。
「な〜る。どうりで雅な音がしてましたよ。」
「ま、そうですか。ホホホ」。

♪2023-185/♪みなとみらいホール-38

2023年10月20日金曜日

新日本フィル:すみだクラシックへの扉#18

2023-10-20 @すみだトリフォニーホール



鈴木秀美:指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」op.26 
シューベルト:交響曲第7番ロ短調 D.759「未完成」
ベートーベン:交響曲第6番ヘ長調 op.68「田園」





鈴木秀美といえば、14年に神奈川フィルを指揮したベートーベン「運命」が、J・ノセダのN響「運命」と同じくらいインパクトを与えてくれた。

その後も彼の指揮を何度も聴いているが、圧倒的にベートーベンが多く、今回も、たぶん研究が行き届いた成果の発表なのだろう。

それにしては、あの疾走する「運命」とはだいぶ雰囲気の異なる穏やかな「田園」だった。もちろんそもそもの音楽の違いからから「田園」が疾走してどうするか、ということだけど、何か、ここが秀美印、と言ったものを感じたかった。

それは発揮されていたけど、僕が聴き落としたのかも知れない。

2023-179/♪すみだトリフォニーホール-07

2023年8月8日火曜日

フェスタサマーミューザKAWASAKI2023 日本センチュリー交響楽団 天下の台所からクラシックフルコース

2023-08-08 @ミューザ川崎シンフォニーホール



秋山和慶:指揮
日本センチュリー交響楽団
HIMARI:バイオリン*

シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485
ブルッフ:バイオリン協奏曲第1番ト短調 Op.26*
ドボルザーク:交響曲第8番ト長調 OP.88
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ナタン・ミルシテイン:パガニーニアーナ*



居ながらにして地方のオケを聴けるのがFSMuzaの楽しみの一つ。日本センチュリーは初めて。びっくりするほどの出来でもなかったけど、ともかく「整然」という言葉がピッタリの演奏だった。

オーストリア、ドイツ、チェコのロマン派のやや通好みの作品3本立て。これでは2時間に収まるまいと思った…とおりで、だいぶ時間を超過したが、これは幸せな時間だった。

3曲とも弦編成は12型を通した。それで1-2曲目は程良い感じだったが、ドボ8はやはりこれは14型で演って欲しかったな。
管、特に金管の「整然」とした勢いに対して弦が薄い。薄いだけでなく、低域にもう少し「やんちゃな」勢いが欲しかった。こちらも「整然」としすぎだ。
とはいえ、終楽章のHrの嘶(いなな)きが素晴らしい。指揮者によっては、ふつうのTrillで済ませる場合もあるが、あそこは、もう、強力に嘶いてほしいところだ。今日は、新日フィルの日高氏が客演していたが、期待に応えてくれたよ。

初めて聴いたのはオケだではなく、ブルッフでVn独奏したHIMARI嬢(12歳)だ。こちらもかなりの難曲だと言われているが、「整然」とこなした。年齢の割には相当な腕前なのだろうが、オケと協奏曲をやるには身体が出来上がっていないのではないか。枯れ枝の如き細腕からは本来ソリストに要求される周囲を圧するような音量は無理なのだろう。狭いダイナミックレンジの中で上手に弾いてはいても、とても協奏曲にはなっていなかったな。まあ、将来の楽しみにしよう。

たまたま見つけた8歳の娘さんの演奏がなかなか優れもの。
https://youtu.be/kQ9CXQm4UzM


♪2023-141/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-20

2023年6月14日水曜日

横浜交響楽団 第724回定期演奏会 【ロマン派の音楽】

2023-06-14 @県立音楽堂


田中健:指揮
横浜交響楽団

シューベルト:劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」から(抜粋)
 序曲(歌劇「アルフォンスとエストレッラ」の序曲)
 間奏曲Ⅲ
 狩人の合唱
 バレエ音楽Ⅱ
 間奏曲Ⅰ

メンデルスゾーン:交響曲第3番イ短調 作品56「スコットランド」 



シューベルト作品もメンデルスゾーン作品もいずれも重量級だった。

前半の劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」からの5曲の抜粋がこれ迄に聴いた組合せとは異なり、少なくとも
「序曲」は初演時と同じ「アルフォンスとエストレッラ」の転用序曲で、これは初聴き。
間奏曲Ⅲは一番有名だが、最後に演奏された
間奏曲Ⅰも多分初聴きかな。これこそ未完成交響曲のフィナーレだという説があるそうだ。曲順を変えて最後に持ってきたのは、その重々しさゆえだろうな。これは複雑な音楽だなと感じたよ。

「スコットランド」。
好きな曲だけど、今日改めてなかなか難しい音楽だなと思った。アマオケが手こずったからというのではなく、横響は善戦していたが、音楽自体の重さに気付かされた思い。

余談(俄勉強):シューベルトは、劇音楽「キプロスの女王ロザムンデ」の初演に「序曲」が間に合わなかったので、自作・歌劇「アルフォンスとエストレッラ」の序曲を転用した。
その後シューベルトの死後60年以上経過して楽譜が出版される際に混乱が生じ、これも自作・歌劇「魔法の竪琴」の序曲が本作の序曲としても演奏されるようになった。
現在ではこちらが「序曲」として一般的になっているが、今回の演奏は、本来の姿に戻った。と言ってもどうせ、転用なのだけど。

間奏曲Ⅲの主題は次の作品にも転用されている…とあれこれに書いてある。

弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」D804
ピアノ即興曲変ロ長調 D935-3

しかし、この2作品以外にもロザムンデの旋律はシューベルトの他の作品でも転用している気がしてならないけど分からないので隔靴掻痒。

♪2023-107/♪県立音楽堂-07

2023年4月12日水曜日

みなとみらいランチタイムコンサート 〜周防亮介

2023-04-12 @みなとみらいホール



日本フィルハーモニー交響楽団メンバー
弦楽五重奏団
 田之倉雅秋/末廣沙弓:バイオリン
 小中澤基道:ビオラ
 大澤哲弥:チェロ
 宮坂典幸:コントラバス

周防亮介:バイオリン*

シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調 Op.163から第1楽章
パガニーニ:バイオリン協奏曲第1番ニ長調 Op.6*
-----アンコール--------------------
A.シュニトケ:ア・パガニーニ*


みなとみらいランチタイムコンサートの久しぶりの復活。
その第1回が日フィルメンバーによる弦楽五重奏団と周防亮介の共演。
彼のソリストとしての演奏は何度か聴いていたが、刮目したのは昨年9月の日フィル定期。まるで集音マイクで拾ったかのような明瞭な音色と豊かな音量。

その後、藤木大地と組んだみなとみらいクインテットでも聴いたが、この時はアンサンブル向けにコントロールされていたが、やはり発音が美しい。
そして初めておしゃべりを聴いたがこれで人柄に好感。
以降、僕にとって要注意の重要なバイオリニストになった。

今日のパガニーニは超絶技巧の塊。

自在なスピッカート、低音から超高域に瞬間移動して小指一本で決めるフラジオレットがピタリと音程のツボに触れるなど抜群のテクニック。

そして、今回も収音マイク付きじゃないかと疑いたくなるほど1678年ニコロ・アマティがみなとみらい小ホールの好音響を得てビンビン響き渡る。午11:30開演にもかかわらず超満員。

♪2023-060/♪みなとみらいホール-12