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2025年1月18日土曜日

NHK交響楽団2025回A定期01月公演

2025-01-18 @NHKホール



トゥガン・ソヒエフ:指揮
NHK交響楽団

ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調 作品60「レニングラード」




記録している限りでは3年に1回の割で聴いている。
最近は、ウルバンスキ東響、PヤルヴィN響、沼さん神フィルと続いて最新版が今日のソフィエフN響だ。

過去の3回は、いずれも熱演で、惹き込まれた。

中でもPヤルヴィN響は超特大オケ(弦が何型だったか不明だが、コンバスが10本!だということは記録している。)でありながら緻密なアンサンブルととんでもないダイナミズムでハラハラしながら聴いていたことを覚えている。

今日の午後に、コリヤ・ブラッハー神奈川フィルの超名演を聴いた後というのも比較の上で気の毒だったし、僕自身の体調もイマイチだった(昨日も5時間20分の歌舞伎の後、Pf協奏曲にマラ7=80分という生命を削るようなプログラムだった)ので、好感しているソフィエフには誠に申し訳なかったが、集中力に欠けた。聴く機会が限られた作品なのに残念無念だった。

「眠眠打破」より強力な「強眠打破」のおかげで寝ることはなかったが、音楽の印象は第一声で決まるよ。
もし、ここで引き込まれたら80分間、気持ちを張り詰めることができたかも知れないが、なんか違う…と思った。N響はもっと美しいアンサンブルを聴かせるはずなのに。
その違和感が最後まで付き纏ってしまった。

大きくは、僕の体調がすぐれなかったのが原因だが、N響にも多少責任はあるぞ。部分的には(終楽章の盛上り)N響らしさもあったが、疑問がを打ち消すには至らず。


♪2025-010/♪NHKホール-01

2024年1月24日水曜日

第2003回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2024-01-24 @サントリーホール



トゥガン・ソヒエフ:指揮
NHK交響楽団
郷古廉:バイオリン*
村上淳一郎:ビオラ*

モーツァルト:バイオリンとビオラのための協奏交響曲変ホ長調**
ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調「英雄」
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モーツァルト:グバイオリンとビオラのための二重奏曲第2番変ロ長調 K.424から第3楽章「主題と変奏」**





協奏曲の場合弦12型が多いが、今日のVn+Va協はなんと8型。独奏者を除き弦楽器23人しかいない。管も4人だけ。

Vn1に対抗配置のVaは4人しかいない。その奥にCb2人。
独奏者2人は指揮者の下手に立つので、指揮者を中心にして奏者が圧倒的に下手に固まったような配置だ。

これじゃ指揮もやめて真ん中上手寄りに独奏者2人が立てば良かったのに…と思いつつ、仲間内の軽妙なやり取りを楽しんだけど。

やはり、ベト3番が力演だった(弦14型)。
ソフィエフの音楽は明るく闊達で、視界の良い「英雄」で好ましかった。とは言っても、A定期の「カルメン組曲」の自在さに軍配を上げるけど。

コンマスが初めてその名を聞く藤江扶紀(トゥールーズ・キャピトル管コ・コンサートマスター)という女性だった。N響に女性がコンマスで客演するのは僕は初めての経験だった。コ・コンサートマスター(Co-Soliste)って何なんだ?
いや、仕事ぶりは立派だったと思う。好感を持った。ソフィエフとはトゥールーズで繋がっているんだね。


♪2024-014/♪サントリーホール-03

2024年1月13日土曜日

NHK交響楽団2001回A定期 01月公演

2024-01-13 @NHKホール



トゥガン・ソヒエフ:指揮
NHK交響楽団

ビゼー(シチェドリン編):バレエ音楽「カルメン組曲」
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル:バレエ音楽「ラ・ヴァルス」





好漢ソフィエフ。
何でもできる人みたいだが今日は全🇫🇷もの。
今年に入って何故か🇫🇷塗れ。
シチェドリンのカルメン。打楽器協奏曲又はビゼー協奏曲風で面白い。
久々にN響の面目躍如。

欲を言えば、
バレエを入れてくれ!
せめて後半だけでも!

♪2024-007/♪NHKホール-01

2023年1月25日水曜日

第1976回 NHK交響楽団 定期公演 B-1

2023-01-25 @サントリーホール



トゥガン・ソヒエフ:指揮
NHK交響楽団
アミハイ・グロス:ビオラ*

バルトーク:ビオラ協奏曲(シェルイ版)*
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」組曲 第1番、第2番
ドビュッシー:交響詩「海」
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バルトーク(ペーテル・バルトーク編):44のバイオリン二重奏曲(ビオラ版)-第37番「プレリュードとカノン」* with 佐々木亮



N響の1月はトゥガン・ソヒエフ月間。
Aでドイツ、Bでハンガリー+フランス、Cはロシアと満遍なく取り上げた。
Cは会員じゃないし、他のオケとのダブり解消困難で聴けなかったのは残念。

今日は、なぜバルトークが含まれているか?
多彩な管弦楽技法を楽しむ…とプログラム解説にあった説明は後付けだろう。真意は分からない。

ソヒエフがやりたかっただけかもしれないけど、結果的には管弦楽技法を楽しむ番組になった。

しかし、煌めく色鮮やかな管弦楽の妙味を心から堪能した…という訳にはゆかなかったな…。

N響のアンサンブルは引き締まっていた。細部まで手が入ったという印象だ。

これはAプロでも感じたが、ソヒエフとオケとの信頼関係が確立できていたからではないだろうか。

残念なのは、ホールが乾いていた?
音に潤いが乏しかった。
三鳥の特質とも言えるけど、特に今日は響かなかった。寒気と厚着満席のせいか?
が、合奏力の確かさを実感し、ソヒエフの人柄にも好感。

♪2023-012/♪サントリーホール-02

2023年1月14日土曜日

NHK交響楽団1974回A定期 01月公演

2023-01-14 @NHKホール



トゥガン・ソヒエフ:指揮
NHK交響楽団

ハオチェン・チャン:ピアノ*

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op. 83
ベートーべン:交響曲第4番変ロ長調 作品60
---------------------------------
ブラームス:3つの間奏曲 Op117から第1番変ホ長調




昨日、新日フィルで聴いたばかりのブラームス:ピアノ協奏曲第2番を、今日はソヒエフ指揮+ハオ・チャン:ピアノ+N響で。

昨日も素晴らしかったが、今日も大満足。
どっちがどうとも言えない。
今日の方が元気があったか。
でも、昨日は渋かったし。
管は昨日に軍配かな。
弦の一体感はN響が優ったかも。

みんなちがって、みんないい(みすず)
…ということにしよう。

ハオチェン・のアンコールが昨日のネルソン・ゲルナーとニアミスで、同じくブラームスの間奏曲(Op117から1番)だった。
これも個人的には大好きで、Gグールドで聴き倒した⁉︎時期があったので、最初の2音でもう分かったよ。
気が利いた選曲だ。嬉しいね。

ベートーベン交響曲第4番。
プログラムの解説に思わせぶりなことが書いてあって、へえ、そういう見方もあるのか、と注意して聴いたが、確かに冒頭序奏部に仕掛けがあるとも言える。

これまで、どちらかと言えば軽い、陽気な受取りをしていたが勉強になった。

さて、今日(と明日)はマロさん最後のコンマスだったが、名曲・名演で有終の美を飾った。


ところで、ソヒエフは2016年にN響横浜定期で聴いて以来だった。その時は全ロシアものだったが、今月のN響A・Bにはロシアが含まれない。あれれ、気を遣っているのか?と思ったが、Cはロシアものだけのプロだ。それでいいんだ。得意なのをやってくれ!

ウクライナ侵攻以来翻弄された挙句いくつかの要職を擲った際のソヒエフの辞任の弁を読んだ時に、日本は待っているよ、N響が出番を用意するはずだよと心の中で語りかけた。

前季は結局来日できなくなったが、今季も来季も1月はソヒエフの月だ。

プーチンのロシアは問題外だが、文学・音楽・バレエなどロシアの賜物をないものにはできないだろう。

とまれ、ソヒエフが戻ったことを大歓迎する。

♪2023-007/♪NHKホール-01

2016年1月23日土曜日

NHK交響楽団2016横浜定期演奏会

2016-01-23 @みなとみらいホール


トゥガン・ソヒエフ:指揮
ルーカス・ゲニューシャス:ピアノ*
NHK交響楽団

グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」作品20(抜粋)
  序奏
 [第1幕] 第  1曲 情景
      第  2曲 ワルツ(コール・ド・バレエ)
 [第2幕] 第10曲 情景
 [第1幕] 第  8曲 乾杯の踊り
 [第2幕] 第13曲 白鳥の踊りー
      Ⅳ 小さい白鳥の踊り
                   Ⅴ オデットと王子のパ・ダクシオン
 [第3幕] 第20曲 ハンガリーの踊り:チャールダーシュ
      第21曲 スペインの踊り
      第22曲 ナポリの踊り
      第23曲 マズルカ
 [第4幕] 第28曲 情景
      第29曲 情景・終曲
--------------
アンコール*
ショパン:ワルツ 作品34-3

トゥガン・ソヒエフ(北オセアチア(ロシア連邦構成共和国)の出身)はまだ38歳だが、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団及びベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者であり、ボリショイ劇場の音楽監督の地位にあるって、なかなかすごいことなんだろうな。

今回の曲目はオールロシア・プログラムだ(N響定期1月Bプログラムと同じ。)。ソヒエフにとっては経歴からフランスものもドイツものも得意なんだろうけど、なんといってもロシアものには当然自信も親近感も持っているのだろう。

指揮ぶりはエネルギーを消耗するような派手な身振りはなく、堂々として、なにより楽しそうなのが見ていても感じがいい。
N響もこれに応えてえらく引き締まった演奏を聴かせてくれた。
如何に素晴らしかったかは、後述しよう。

ピアノのルーカス・ゲニューシャスは更に若く25歳。
チャイコフスキー&ショパンピアノコンクールの両方に入賞というから、腕前に不満なし。
と言ってみても、実際は、N響と共演するようなクラスの腕前は僕には区別がつかないのだけど。

さて、「ルスランとリュドミーラ」序曲が始まったすぐその時点で、大げさかもしれないが、息を呑んだ。
なんて、重厚なアンサンブルだ。
それに音圧がただならぬ大きさ。
それでいて歯切れがいい。

これはどうしたことか。
この曲に限って言えば、終始賑やかななので、弦の弱音の透明感を味わう場面はなかったが、とにかくグイグイ引っ張られる。

ラフマニノフのピアノ協奏曲の冒頭はピアノから始まる。重々しい全音符の和音に2分音符の低音部が追いかけるのだけど、その音の迫力のあること。これにも驚いた。

「白鳥の湖」も同様に弦が厚い。管もよく鳴る。


おかしい!

席は舞台後方P席の最前列中央で、手を伸ばせばティンパニーに届きそうな(到底届かないけどね。)場所なので、当然迫力はあるのだけど、この席は神奈川フィルの定期、読響の定期も1列後ろなだけでほとんど変わらないのだ。両オケのコンサートではこれほどの音圧を感じたことはない。わずか1列の差でかくも異なるとは思えない。いや、違いは音圧だけの問題ではない。

やはり、N響は良く鳴る。今日のN響は良く鳴っていた。
みなとみらいホールは残響が多すぎるように思っているけど、今日に限れば原音自体の鳴りがシャキッとしているので全然気にならなかった。

「白鳥の湖」ではハープに乗せてバイオリンのソロがあるが、両者の音が実にクリアに響いてくるのもまるで狐につままれた(実体験はないけど)ようだ。

多少残念だったのは、P席の悲しさ。楽器のバランスは悪い。
特にピアノは前方客席に向かっているので、ソロの時はさほど問題ない(特に今日は鳴りが良かった)けど管弦楽が強奏で入ってくると霞んでしまう。

しかし、それらを補って余りある管弦楽の重厚な響と明瞭な音楽のラインが、これまで耳にタコができるほど聴いているラフマニノフやチャイコフスキーの音楽が、まるでクリーニングしたように見違えるような、いや聴き違えるような新鮮さをもたらした。

特に、「白鳥の湖」は、あゝ、こういう音楽だったのか、という目からうろこ(耳から耳垢?)の驚きだった。
各パートが埋もれることなくはっきりと聴こえて、かつ互いに絡みあうアンサンブルの面白さが遺憾なく発揮されたのがその原因ではないかと思う。

ほぼ同じ場所でいつも聴いている他のオケと比べて、今日はN響の格違いの巧さを感じてしまったのが、悲しい。


♪2016-008/♪みなとみらいホール-03