2025年5月21日水曜日
新国立劇場オペラ「蝶々夫人」
2023年12月21日木曜日
日本フィルハーモニー交響楽団「第九」特別演奏会2023 ❺
2023年5月28日日曜日
日生劇場開場60周年記念公演 NISSAY OPERA 2023 オペラ『メデア』
2021年11月24日水曜日
オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World リヒャルト・ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー<新制作>
2021-11-24 @新国立劇場
【指 揮】大野和士
【演 出】イェンス=ダニエル・ヘルツォーク
【美 術】マティス・ナイトハルト
【衣 裳】シビル・ゲデケ
【照 明】ファビオ・アントーチ
【振 付】ラムセス・ジグル
【演出補】ハイコ・ヘンチェル
【舞台監督】髙橋尚史
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団、二期会合唱団
【管弦楽】東京都交響楽団
【協力】日本ワーグナー協会
ファイト・ポーグナー⇒ギド・イェンティンス
クンツ・フォーゲルゲザング⇒村上公太
コンラート・ナハティガル⇒与那城敬
ジクストゥス・ベックメッサー⇒アドリアン・エレート
フリッツ・コートナー⇒青山貴
バルタザール・ツォルン⇒秋谷直之
ウルリヒ・アイスリンガー⇒鈴木准
アウグスティン・モーザー⇒菅野敦
ヘルマン・オルテル⇒大沼徹
ハンス・シュヴァルツ⇒長谷川顯
ハンス・フォルツ⇒妻屋秀和
ヴァルター・フォン・シュトルツィング⇒シュテファン・フィンケ
ダーヴィット⇒伊藤達人
エーファ⇒林正子
マグダレーネ⇒山下牧子
夜警⇒志村文彦
リヒャルト・ワーグナー
ニュルンベルクのマイスタージンガー<新制作>
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
予定上演時間:約5時間55分
第Ⅰ幕 95分
休憩 30分
第Ⅱ幕 70分
休憩 30分
第Ⅲ幕130分
中でも一番の心配は第3幕の130分間だ。
幕間から開演を待ち、終演後のカーテンコールを経て整列退場まで所要見込みは150分間。
この間に”自然”が我を呼ばねばいいがと祈るような気持ちだったが、できるだけ水を断ち、膝から足下まで防寒して臨んだら、これが無問題・無事観了!
二番目の心配は演出だ。
新国立劇場のサイトに演出家のコメント動画でニュルンベルクを「劇場に設定」したとあったので、やれやれまた劇中劇かと心配していたが、日本版ではだいぶ志を曲げたようだ。
新国立劇場の本来の額縁の中に拵えられた劇場額縁。その中にさらに劇場という3重構造は徹底されなかったので、見かけは気にせずワグナーの台本どおりに脳内転換して楽しんだ。
とはいえ、危なっかしい問題を孕んだ作品。
歌合戦の商品に娘を差し出すとは何たる不埒。
芸術の名を借りたドイツ至上主義が後々ナチズムとの関係を指弾されている。
明示的に示されないがユダヤ人を虚仮にして侮辱する不愉快さ。
ワーグナー唯一の喜劇とされるがこれは笑えない。
しかし、今回の演出版ではラストのアイデアが、それらの鬱憤を晴らす鉄槌となった。
残念ながら全体がそのような方向を目指して設計されていないので(歌詞を変えない限り無理)、不整合で唐突感は拭えないが、フツーの終わり方よりはずっとマシだ。
歌でも光ったエーファ役の林正子が本当に美味しいところを拐った。
音楽はいい。
話に納得できなくとも音楽にはやられた。
とりわけ、3幕の耳に馴染んだ旋律が、合唱を伴い、客席2階バルコニーに陣取ったバンダのラッパを従えて堂々と演奏されるところでは、震えが来た。
2021年7月13日火曜日
ジョルジュ・ビゼー/新国立劇場 高校生のためのオペラ鑑賞教室 2021 「カルメン」全3幕
2021-07-13 @新国立劇場
ジョルジュ・ビゼー:カルメン<新制作>
全3幕〈フランス語上演/日本語及び英語字幕付〉
予定上演時間:約3時間10分
第Ⅰ・Ⅱ幕95分
休憩30分
第Ⅲ幕 65分
指揮:沼尻竜典
演出:アレックス・オリエ
美術:アルフォンス・フローレス
衣裳:リュック・カステーイス
照明:マルコ・フィリベック
合唱:新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
【カルメン】山下牧子
【ドン・ホセ】村上公太
【エスカミーリョ】須藤慎吾
【ミカエラ】石橋栄実
【スニガ】大塚博章
【モラレス】星野淳
【ダンカイロ】成田博之
【レメンダード】升島唯博
【フラスキータ】平井香織
【メルセデス】但馬由香
新国立劇場の高校生のためのオペラ観賞教室は、空席があれば、オトナも当日券を買って入場できる。
今日は、本来はミューザでランチタイムコンサートの日だったが、ふと、出かける前に、WEBで当日券の状況を見たら、1階の19列中央が空いていたので即GET!
観賞教室は手数料込み4730円!
歌手等が異なるとはいえ本公演の1/5だ(同じ1階席=S席の場合)。
こんな後方席で(1週間前に行った本公演は8列の中央。)楽しめるか不安もあったが、歌もオケも問題なし。歌手の顔が小さく表情を読み取るのは難しいが、Nikonの7倍のモノキュラーが役に立った。
本公演との違いは、指揮は大野和士から沼尻竜典に代わり、歌手も全員異なる。とは言え、山下牧子、村上公太、須藤慎吾、石橋栄実、平井香織等は新国立を初めあちこちの舞台で活躍している一流の歌手達だ。
全体として本公演と比べても遜色のない出来栄えだった。
中でも、一番感心したのはやはりミカエラ(石橋)だ。
これはもう役得というものだな。カーテンコールでも彼女への拍手が一番大きかった。
問題の演出は、基本は同じ。
無駄な部分が整理されて、今回の方が観易かった。
ただ、無理な設定は変わっていないので、プログラムの解説では人物紹介と粗筋紹介では矛盾も生じている。
場所の説明は明確にセビリアと書いてある(Aオリエの設定は東京である。無理だっちゅうの!なんで東京で闘牛なんかできるんだ。)。
頼まれた人も、筋の通った解説など書きようもない。
日本でロック歌手だと言ってみても、歌詞(字幕)まで変える訳ではないから、どうしても辻褄が合わなくなってくる。
ホンに人騒がせな演出家だ。振り回された関係者が苦労して尻拭いをしている。
と文句を並べたが、ビゼーの音楽は素晴らしいし、今日の歌手達の良い仕事ぶりは高校生の胸を打ったと思う。
♪2021-072/♪新国立劇場-06
2020年11月10日火曜日
75BTVN2020ピリオド楽器オーケストラ「第九」❷演奏会
2020-10-05 @みなとみらいホール
渡辺祐介:指揮
オルケストル・アヴァン=ギャルド
クール・ド・オルケストル・アヴァン=ギャルド
川口成彦Fp*
藤谷佳奈枝Sp
山下牧子Al
中嶋克彦Tn
黒田祐貴Br
ベートーベン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番ト長調*
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付」/他
-----Enc---------------
ベートーベン:6つのメヌエット WoO.10から第2番*
キワモノめいた惹句だが、中身は至って真面目。
ベートーベン生存時代の演奏を聴かせようというものだ。
「ピリオド楽器」も「古楽」も曖昧な表現だが、可能な限りその時代(period/ピリオド)に迫ろうというものだ。
今日は、「第九」の演奏に先立って「プロメテウスの創造物」序曲とピアノ協奏曲第4番(いずれもベートーベン)を、先頃第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで2位になった川口くんが”ピアノ”ではなくその時代のピアノというべき”フォルテピアノ”で参加するという豪華版。
金管はバルブがない。
木管はリアルウッド。
弦はガット。
バイオリン・ビオラに顎あて・肩あてなし。
チェロはピンなし。
奏法はノンビブラート。
フォルテピアノは初めて聴いた訳ではないがオケと協奏曲というのは初めて。
さすがに音が小さいが耳を済ませて聴いているうちに、ああ、これがベートーベンの時代の音楽なんだと、何やら不思議な懐かしさを感じた。
古楽アプローチによる宗教曲などはたまに聴くがコンサートプログラムは初めて。
ガット弦・ノンビブラートならではのシャキシャキした響きが実に心地よい。スチールは音楽をダメにしたんじゃないか、と途中思ったりもした。
「オルケストル・アヴァン=ギャルド」なるオケの実態は解説を読んでもよく分からないが、今回の為のニワカ仕立てではなさそうだ。BCJ(バッハ・コレギウム・ジャパン)のメンバーを中心にN響などの若手名手で構成されている。
これが実にうまい。
尤も福川名人にもナチュラルホルンは難しそうだったが、あの楽器ではモダン楽器のような撥音の明瞭さを期待すべきではないのだろう。
初めての指揮者・渡辺祐介もよく統率して、嫌味がない。
一方、2楽章の終わり方などフワッと消えるようで、これが洒落ていた。
4楽章はレシタティーヴォに個性が出るところだが、とても自然で好感。
今年2回目の「第九」だった。
声楽入りの本格的「第九」は最初だったが、いきなり真打登場の感あり。
前・みなとみらいホール館長の池辺晋一郎が駄洒落混じりの解説。どうでもいいような中身だったが、この企画・監修はいい仕事をしてくれた。
♪2020-059/♪みなとみらいホール-19
2020年2月19日水曜日
東京フィル第131回東京オペラシティ定期シリーズ
2019年6月7日金曜日
新国立劇場オペラ「蝶々夫人」
ドナート・レンツェッティ:指揮
栗山民也:演出
島次郎:美術
前田文子:衣裳
勝柴次朗:照明
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団
蝶々夫人⇒佐藤康子
ピンカートン⇒スティーヴン・コステロ
シャープレス⇒須藤慎吾
スズキ⇒山下牧子
ゴロー⇒晴雅彦
ボンゾ⇒島村武男
ヤマドリ⇒星野淳
ケート⇒佐藤路子
ほか
プッチーニ:オペラ「蝶々夫人」
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
予定上演時間:約2時間35分
第Ⅰ幕50分
--休憩25分--
第Ⅱ幕80分
新国立劇場今季10公演中、7月の「トゥーランドット」と共に最大の楽しみが「蝶々夫人」で、本日鑑賞。
若い頃はこういう旧弊な物語が好きになれなかったけど今は割と素直に感情移入できる。
これまで観たオペラの中で一番泣ける作品だ。
今回も「号泣する準備はできていた」。
しかし、残念ながら、ウルーッときた程度で止まった。
日本人歌手たちはいずれも良かった。
蝶々夫人・佐藤康子、領事・須藤慎吾、そしてとりわけスズキ・山下牧子は役柄の良さも手伝って舞台を攫った感がある。
一方、海外から招聘したピンカートン役を初めて歌うというS.コステロ君が歌はともかく、演技力が欠如している。この拙さが感情移入を妨げた。
新国立劇場では本公演とは別に来月にも別キャストで「蝶々夫人」を上演するので、当日券に期待して出かけようと思っている。
10月の二期会の「蝶々夫人」は既にチケット入手済み。
4月にも藤原歌劇団の「蝶々夫人」を楽しんだし、今季は蝶々を追いかけ回している。
♪2019-075/♪新国立劇場-06
2019年5月11日土曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ第348回
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
東京混声合唱団♯:女声合唱
石田泰尚♭:Vn
半田美和子♯:Sp
山下牧子♯:Ms
ブロッホ:バイオリン協奏曲♭
メンデルスゾーン:劇付随音楽「夏の夜の夢」Op.61♯
似た名前の「ブルッフ」のバイオリン協奏曲は好きでよく聴くけど「ブロッホ」はチェロの小品(「祈り」)以外はこれまで聴いたことはなかったように思う。
因みに、ブルッフ(1838-1920)はドイツ人。バイオリン協奏曲第1番がダントツに有名でナマでもなんども聴いている。ほかに「スコットランド幻想曲」やこちらもチェロの小品としてよく取り上げられる「コル・ニドライ」が有名か。
ほぼ半世紀後に生まれたブロッホ(1880-1959)はスイス生まれのユダヤ人で「イスラエル交響曲」とかヘブライ狂詩曲「シェロモ」などは聴いた様な気がするが、ナマ演奏は未経験。
そんな訳で、今日の「ブロッホ」のバイオリン協奏曲は初聴きだった。
独奏は神奈川フィル・ソロ・コンマスの石田泰尚。
音楽は、ところどころミクロス・ローザを思わせるヘブライ風で面白い。約40分の大曲だが、西洋からも東洋からもエキゾチックでまるで映画音楽の様に劇的なので面白い。
ただし、神奈川フィルの弦五部が大人しいのが物足りなかった。親分の演奏を引き立てようと抑えていた訳じゃあるまいに。
後半の劇付随音楽「夏の夜の夢」は女声独唱2人、女声合唱、説明付きだが手間かけた割に面白く無かった。
ナレーションの語尾が聞きとりにくく想像が広がらない。
ナレーションのみマイク・拡声装置を使っていたが、むしろ肉声の方が良かったろう。
独唱・合唱陣も出番が少なく物足りない。
意欲的な取組みだがこの形態は演奏会には向かないな。
神奈フィルの演奏はほぼ瑕疵のない良い演奏。
後半70分の長尺。
♪2019-060/♪みなとみらいホール-15
2019年2月23日土曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホール名曲シリーズ 第4回
川瀬賢太郎:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
神奈川フィル合唱団
浜田理恵:ソプラノ
山下牧子:メゾソプラノ
宮里直樹:テノール
妻屋秀和:バス
ヴェルディ:レクイエム
今年2回目のヴェルディ「レクイエム」。
1月のヴィオッティ+東響の演奏があまりにも良かったので、それを上回るのは無理だろうが、できれば肉薄する演奏を期待したい…と思いながら出かけたが、それは杞憂。こちらもなかなかの出来栄えだった。
県民ホールは客席だけでなく舞台も大きいので、その面から若干残念な部分はあった。
声楽独唱はオケの後ろ、合唱団の前に位置した。
合唱は120人位いたか。かなりの大所帯で迫力あり。
それに舞台は間口も広いが奥行きが相当深い。
それだけに声楽ソロが合唱と重なるところでは埋没しがちで、ラクリモーザやリベラ・メ等美しいソロをもっとよく聴きたかった。その為には、声楽独唱だけは、ステージ前方、オケより客席側での歌唱が効果的だったと思う。
もう一つは、大太鼓のサイズが小さかったのが残念。
たかが太鼓1個と謂う勿れ。ヴェル・レクにおいてはオーケストラ中最も大事な楽器なのだから。
いや、あれで相当に大きいのかもしれないが、大きなステージにあっては、存在感が今ひとつ。現に、音圧が物足りない。
「怒りの日」における強烈な裏拍打ちは思い切り大きく、重くて低い衝撃音を聴きたい。それが不足した。
神奈川フィルの演奏は案外控えめで、声楽ソロや合唱を前面に出していたように思う。さりとて音圧に不足もなく、良いバランスだったと思う。
また、全曲にわたって、90分近い長尺をたぶんノーミス(気付かなかっただけかもしれないが)で演奏したのもこれは珍しい。
神奈川フィルの演奏を東響より先に聴いておれば、こちらに軍配を挙げたかもしれないな。
♪2019-022/♪県民ホール-02