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2025年9月6日土曜日

東京シティ・フィル第381回定期演奏会 歌劇「ドン・カルロ」

2025-09-06 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:東京シティ・フィル・コーア

フィリッポ2世:妻屋秀和
ドン・カルロ:小原啓楼
ロドリーゴ:上江隼人
宗教裁判長:大塚博章
エリザベッタ:木下美穂子
エボリ公女:加藤のぞみ
修道士:清水宏樹
テバルド:牧野元美(初聴き)
レルマ伯爵:新海康仁
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2023/11/30の「トスカ」の配役
トスカ:木下美穂子◎
カヴァラドッシ:小原啓楼◎
スカルピア:上江隼人◎
アンジェロッティ:妻屋秀和◎
堂守:晴雅彦
シャルローネ&看守:大塚博章◎
スポレッタ:高柳圭

ヴェルディ:歌劇「ドン・カルロ」
(演奏会形式)【1884年イタリア語版(全4幕 ※第2幕第2場、大フィナーレを除く全曲)】



「ドン・カル」の本舞台経験は1度だけだが、ディスクは6枚も持っている。これらのすべてより(生だからというだけではなく)、とんでもなく素晴らしい出来で、しっかり入魂できた。
歌手陣が、高関健さん曰く「望み得る最高」で、誰も彼も巧いのにはびっくりだ。

本当に適役だったが、好みを言えば、エボリ公女:加藤のぞみ、エリザベッタ:木下美穂子、初聴きのテバルド:牧野元美が見事。女声ばかりを挙げたが男声も文句なし。

オケも、全く不満なし。

こんな素晴らしい公演をたった1回きりとは惜しい。

キャストは2年前の「トスカ」と多くがダブっているが、あの時よりも強く・深く心に刺さった。

こういうのを見せられると、シティ・フィルもやめられそうにないなあ…。

♪2025-120/♪東京オペラシティコンサートホール-08

2024年2月8日木曜日

新国立劇場オペラ「ドン・パスクワーレ」

2024-02-08 @新国立劇場



指揮:レナート・バルサド
演出:ステファノ・ヴィツィオーリ
美術:スザンナ・ロッシ・ヨスト
衣裳:ロベルタ・グイディ・ディ・バーニョ
照明:フランコ・マッリ

管弦楽:東京交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ドン・パスクワーレ:ミケーレ・ペルトゥージ
マラテスタ:上江隼人
エルネスト:フアン・フランシスコ・ガテル
ノリーナ:ラヴィニア・ビーニ
ほか

ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間30分
第Ⅰ幕・第Ⅱ
 80分
 --休憩25分--
第Ⅲ幕
 45分





瑕疵ある物語が無理矢理の大団円でねじ伏せられるオペラは少なくない。これもその一つ。
ドン・パスクワーレは、物欲・色欲の爺さんが若者にいっぱい食わされる喜劇として受け取られている向きがあるが、ほぼ笑えない。なぜなら、これは気の良い老人を思いやりのない若者が虐待する話なのだから。

愈々ドン・パスクワーレを同じくらいの年齢として見ると切なくなってくる。

が、音楽的には、久しぶりにベルカントの華やかな歌唱が良かった。耳に馴染んだ幾つかのアリアも「なんというこころよさ」。

新国立劇場としては前回2019年が新制作・初演だが、今回もその時と同じ演出・美術だった。
海外での演出・装置・衣装をそのまま持ち込んだ為か、新国立劇場の天井の高い舞台を生かしきっていない感じもしたが、台所のシーンなど装置にも驚かされるし、アクロバチックなサビースもあって、全体として良くできているなと感心した。

♪2024-024/♪新国立劇場-04

2023年12月23日土曜日

東京フィルハーモニー交響楽団 ベートーベン「第九」特別演奏会❽

2023-12-23 @サントリーホール



出口大地:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団

ソプラノ:光岡暁恵
アルト:中島郁子
テノール:清水徹太郎
バリトン:上江隼人

ベートーベン:「献堂式」序曲 作品124
ベートーベン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



この日は、望む席が取れず、やむを得ず左右中央だが一桁列の後方で聴いたが、やはり前過ぎた。
普段聴き慣れない音の景色で、原始状態の音を聴いたような気がした。同じツボを外れるなら、やはり後ろの方がいい。

音はともかく、出口「第九」は、不思議なくらい正統的で、特異なものは全く感じなかった。喉越しの良い音楽だ。

さはさりながら席があまりに前だったので、オケ・声楽とも強力過ぎた。
その分、ガサつきも聴こえてきて音楽に集中するのが難しい。
この日のサントリーホールは、珍しく不満のない響だったので、もう少し後ろで聴けたらもっと楽しめたかも知れない。

Apple Watchのおかげで、袖口に指を入れてタッチするだけで、全曲とLapタイムが測定できるので、「第九」に限っては毎年記録しているが、出口「第九」は終わってみると演奏時間は各楽章・全曲とも今年の8回の平均とほぼ同じなのでびっくりした。こんなことってあるのか…。まあ、それほどに時間配分もフツーだった。

ともかく。
やはり、席は選ばなくてはいかん。

♪2023-226/♪サントリーホール-28

2023年11月30日木曜日

東京シティ・フィル第365回定期演奏会

2023-11-30 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:東京シティ・フィル・コーア
児童合唱・羊飼い:江東少年少女合唱団

トスカ:木下美穂子
カヴァラドッシ:小原啓楼
スカルピア:上江隼人
アンジェロッティ:妻屋秀和
堂守:晴雅彦
シャルローネ&看守:大塚博章
スポレッタ:高柳圭

プッチーニ:歌劇「トスカ」全3幕(演奏会形式)


定期会員だからいつもの席はあるし、オケを聴くには十分満足しているけど、今日はオペラなので、別途1回券を買って前の方に陣取った。

いつになく、気合が入っていてプレトークなど聞いたことがなかったが、今回は間に合うように出掛けて聞いた。高関氏のカラヤンの下での修行時代の秘話も面白かった。
一般的な演奏会型式とは異なる声楽・楽器配置も氏の工夫らしい。できるだけ音楽を途切れさせたくないという遠慮がちな物言いは、歌手への気配りだったのだろう。拍手が起こるのは仕方がない。しかし、途切れさせたくない。

20年3月に予定されていた公演を同じキャストで3年8月越しで実現できるという喜びと高揚感が言葉の端々に漲って、いよいよ期待が高まる。


冒頭の強烈な管弦のTuttiにまずは驚く。何しろ、5列目真ん中なので、普段聴くオケの音圧ではない。ここでもう、身も心も揺さぶられてしまった。あとは、至福の3時間。
シティ・フィルが先ず以て上出来。主要歌手もホレボレの歌唱。
近くで聴いたせいこれまで何度も聴いている音楽なのに、改めてプッチーニのオーケストレーションの上手さも発見した。

予てから1幕の終わり、「テ・デウム」にはオルガンが欲しいなと思っていたが、今日は、立派なパイプオルガンが荘重な響で盛り上げた。
このオルガンについてはこれまで誤解していたが、プッチーにはオルガンを編成に入れているんだ。今日もプログラムにはバンダ/オルガン2(2はミスプリだと思う。)と表記されていた。つまり、これまで聴いた「トスカ」でも袖でポジティフオルガンを使っていたようだ。それに気が付かなかったのだ。

今日は、オペラシティでの演奏会形式なので、袖でポジティフを鳴らすなんて野暮なスタイルではなく、堂々とパイプオルガンを使ったのが嬉しい。

名アリアが続出だ。「妙なる調和」、「歌に生き、恋に生き」、「星は光ぬ」…。終われば拍手したいところだが、プレトークの高関さんの「できるだけ音楽を途切れさせたくない」が効いたか、誰も拍手をしないのは立派?だった。

その代わり、終演後の拍手喝采は一際大きかった。

大いに楽しみ、大いに勉強になった。

♪2023-205/♪東京オペラシティコンサートホール-08

2023年7月8日土曜日

日フィル第752回東京定期演奏会 〜歌劇《道化師》演奏会形式〜

2023-07-08 @サントリーホール



広上淳一:指揮
日本フィルハーモニー交響楽団
合唱:東京音楽大学
児童合唱:杉並児童合唱団

カニオ(座頭/道化師役
 ⇒笛田博昭
ネッダ(女優・カニオの妻/コロンビーナ役
 ⇒竹多倫子
トニオ(のろま役の喜劇役者/タデオ役
 ⇒上江隼人
ベッペ(喜劇役者/アルレッキーノ役
 ⇒小堀勇介
シルヴィオ(村の若者
 ⇒池内響
農民:岸野裕貴、草刈伸明
A/B )はAが劇中の役Bが劇中劇の役


レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》
(演奏会形式オペラ)



「道化師」は、深く考えなければ単純な物語だけど、台本の欠陥か、作者の知恵が深すぎるのか、よく分からないところがある。この点については後記することにしよう。長くなりそうだから。

最近、どのホールも響が良い。エアコンがんがん入れているからか、お客が軽装になったからか分からないけど、サントリーでさえ全く不満はなかった。

横浜定期を振り替えてもらったので、好みの席ではなかったけど、まあ、許容範囲で、オペラ向きに舞台からも近くて良かった。

演奏会形式だ。それも全員正装で譜面台の後ろに立つ。もちろん多少の身振り手振りはあるけど、簡易な舞台装置もなく、小道具もなし。照明も通常のコンサートと同じ。

東フィルや神奈川フィルのオペラの場合、演奏会形式といっても、スカーフを纏うとか、小道具を手にするとかそれなりの役作りがあり、照明も工夫されているが、こんなにすっからかんに割り切ったのは初めてだ。
しかし、これはお客の方も割り切れば良いので、ひたすら、歌唱を、音楽を味わうにはこれもありだろう。


歌手陣の中では、やはり主役の笛田博昭が声量も豊かだし、歌いながらの演技という面でも一番良かった。彼は藤原歌劇団でこの役を演じているから、自家薬籠中のものとしているのだろう。

今日は、大勢の合唱団もP席を使わず舞台最後列に並んだので、跳び箱二段重ねのような高い指揮台に立った広上センセが、踊って落ちやしないかと心配だったが、いつもながら小さな身体を目一杯大きく使ってエネルギッシュに指揮をしているのはなかなか形が美しいなと感心をした。

休憩なし70分が予定されていたが、実際は幕まで80分くらいだった。


最後のセリフ「喜劇は終わった」を、今日はカニオが言った。トニオが言う演出もあり、先日家で観た藤原歌劇団のビデオではトニオだった。念の為、我がコレクション計4枚を終幕のところだけ再生したら、2対2だった。

僕が演出家なら、当然、トニオのセリフにするけどな。
なぜなら、オペラの冒頭、幕の前で(今日は幕がなかったが)トニオが前口上を述べる。これがこれから始まるオペラへの口上なのか、オペラの中で演じられる劇中劇に対する口上なのかはっきりしない。いや、はっきりしていて、前者が正解だと思うが、演出によっては、劇中劇でトニオが演ずるタデオ役の衣装を身につけて口上を言うものもあるからだ。しかし、そのように解してはオペラ全体の時制が混乱してしまう。

だから、冒頭のトニオの口上は、トニオではなく、もちろんタデオでもない、レオンカヴァッロ本人の口上だと考えるべきだ。そしてこの時制はいわば時を超越した《超越》時制だ。

幕が開くと、オペラ《劇》の始まりだ。カニオと妻ネッダは険悪になるがカニオは怒りを抑え、間も無く始まる芝居の準備をする。以上が《劇》第1幕。
第2幕が始まると今度は《劇中劇》の世界だ。偶然にも《劇》第1幕と同じドラマが展開され、カニオは劇中であることを忘れ妻とその恋人を殺めてしまう。
とんでもないことをしてしまった、と我に帰ったのが《劇》の世界。その混乱をおさめるセリフが「喜劇は終わった」だ。そのセリフはどの時制から発せられるのか?
「喜劇」が《劇中劇》を指しているなら、《劇》の時制から。
「喜劇」が《劇》を指しているなら、《超越》時制からと言うことになる。
しかし、《劇中劇》は我に帰った時点で《劇》になるのだから、「喜劇」とは《劇》そのものであり、それを「終わった」と宣告できるのは、オペラの冒頭「時」を超越して前口上を述べた時制と同じでなければならないはず。つまり、「喜劇は終わった」は、《劇中劇》ではタデオを演じ、《劇》中ではトニオを演じていた、その実正体はレオンカヴァッロ自身ではないか、と思うのである。

…と仮説を立てて、次回観るときの観察視点としよう。


♪2023-120/♪サントリーホール-15

2022年12月22日木曜日

「第九」2022-❻ 東京フィルハーモニー交響楽団 ベートーベン「第九」特別演奏会

2022-12-21 @東京オペラシティコンサートホール



尾高忠明:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

ソプラノ:迫田美帆
アルト:中島郁子
テノール:清水徹太郎
バリトン:上江隼人

ベートーべン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲 作品43
ベートーべン:交響曲第9番ニ短調「合唱付き」作品125



「第九」マラソンも6本目でちょうど半分。
今日もオペラシティ。
指揮は尾高忠明。
独唱陣は迫田美帆Sp/中島郁子Alt/清水徹太郎Tn/上江隼人Br。
合唱は新国立劇場合唱団。

今日は、昨日に比べると相当前の方だったので、オケの音圧に塗(まみ)れる喜び。

このホールは、独断と偏見で言えば(いつも断り無しに断じているが)、都内の大ホールの中で少なくとも”音響”に関しては最高だ。シューボックスの良さが存分に生かされて、スウィートエリアが広い。
流石にあまり前の方は遠慮したいが、最後列にも十分な音量が届くのを、遅刻した時に最後列後ろの壁際で立って聴いた時に実感して驚いたことがある。

昨日の東響も、今日との比較では遠い位置だったが実にエネルギッシュで、音量も申し分なかった。
今日の東フィルは舞台に近い分、更に強力だった。

今日は演奏時間の計測失敗で、厳密な比較はできないが、昨日よりややアップテンポだったような気がしたが、音圧のせいでそう感じたのかもしれない。

昨日の秋山御大もそうだったが、2人とも正統的で、何のケレンもない。安心して聴いておられるのは何よりだ。

とは言え、6回も聴いていると変則を聴いてみたくもなるが、後半戦でトンデモ「第九」が出てくるやしれん。それが楽しみでもある。

昨日と決定的な違い…。それは合唱だ。

行進曲に入る直前にソプラノの最高音がフォルティシモで続くところ。
ここが今日は濁らずに綺麗だった。
昨日の東響コーラスも善戦していたが、やはり、新国立合唱団がプロの違いをはっきりと聴かせた。
当然、NoMask、NoScore。

演奏好感度★90点

♪2022-199/♪東京オペラシティコンサートホール-04

2021年10月11日月曜日

ロッシーニ「チェネレントラ」<新制作>

2021-10-11 @新国立劇場



【指 揮】城谷正博
【演 出】粟國淳
【美術・衣裳】アレッサンドロ・チャンマルーギ
【照 明】大島祐夫
【振 付】上田遙
【舞台監督】髙橋尚史

【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

ドン・ラミーロ⇒ルネ・バルベラ
ダンディーニ⇒上江隼人
ドン・マニフィコ⇒アレッサンドロ・コルベッリ
アンジェリーナ⇒脇園彩
アリドーロ⇒ガブリエーレ・サゴーナ
クロリンダ⇒高橋薫子
ティーズベ⇒齊藤純子

ロッシーニ「チェネレントラ」<新制作>
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約3時間15分
第Ⅰ幕 105分
  休憩25分
第Ⅱ幕 65分



元々、話は分かりやすく、アリアや重唱は変化に富んで明るい調子ばかり。なので、何にも手を加えずに順番に歌って行っても面白い。


でも、演出がNG。


大抵オペラをつまらなくするのは演出だ。粟國淳の演出は過去何度も観ているがどれも正統的で満足できたのに。


映画を作ると言う二重構造の設定で、劇中劇としてオペラ「チェネ〜」が進行する。


辻褄合わせに、字幕を一部変えたり、カメラマンや監督が劇中劇にもパントマイムで登場するが、目障りなだけ。


せめて、幕尻に「カット!」の声でも掛かれば工夫しているなと思うけど。


その無意味な演出には目を閉じて劇中劇を楽しめば、冒頭書いた様になかなかの傑作なのだ。


チェネレントラ役の脇園彩はハマり役だった。過去に新国ではドン・ジョヴァ、セビリアを観ていたが今回が一番魅力的(ま、誰が演じても良い結果になると思うが)。


大柄で舞台映えもするので、海外勢にも全く見劣り・聴き劣りなし。

むしろ、あちこちで長年Dマニフィコを歌っているAコルベッリに弾けたところがなかった。


ダンディーニの上江隼人も上出来で、存在感を示した。


下手な演出さえなかったらもっと楽しめたろうと思うと残念なり。


♪2021-110/♪新国立劇場-08

2020年2月19日水曜日

東京フィル第131回東京オペラシティ定期シリーズ

2020-02-19 @東京オペラシティコンサートホール


チョン・ミョンフン:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
新国立劇場合唱団
杉並児童合唱団

カルメン:マリーナ・コンパラート
ドン・ホセ:キム・アルフレード
エスカミーリョ:チェ・ビョンヒョク
ミカエラ:アンドレア・キャロル
スニガ:伊藤貴之
モラレス:青山貴
ダンカイロ:上江隼人
レメンダード:清水徹太郎
フラスキータ:伊藤晴
メルセデス:山下牧子


ビゼー:歌劇『カルメン』(演奏会形式:全3幕・フランス語上演・字幕付き)

 前奏曲:約4分
第1幕:約50分
 間奏曲:約2分
第2幕:約40分
  ― 休憩:20分 ―
 前奏曲:約3分
第3幕第1場:約40分
 間奏曲:約2分
第3幕第2場:約20分
 合計:約3時間 (休憩含む)

演奏会形式「カルメン」全曲…というとデュトワ+N響を思い出す。あれは良かった。N響の時もメルセデス役は今日の山下牧子だった、というのはどうでもいいけど、歌手・合唱、オケのどれをとっても上出来で大満足だった(わずかな瑕疵は感じたが。)。

東フィルの出だしはざわつき感があったが程なく揃い出してからは最後まで高いテンションを維持した。

ピットのオケのくすんだ響も好きだが、舞台上のオケは明瞭で突き刺さるように音が飛んでくる。迫力十分なのに一定の透明感は維持しているから凄いものだ。

声楽の巧さはよく分からない(下手はすぐ分かる)し、日本人歌手以外は多分全員初めて?必ずしも世界の一流ではなさそうだが、僕にとってはみんな十分に巧い。

馴染み過ぎていて、時々緊張感をなくす「カルメン」だが、今日の演奏は、演奏会型式にもかかわらずやっぱり「カルメン」はいいぞと再認識。至福の3時間。

♪2020-027/♪東京オペラシティコンサートホール-02

2019年12月5日木曜日

砂川涼子 ソプラノ・リサイタル

2019-12-05 @紀尾井ホール


砂川涼子:ソプラノ
園田隆一郎:ピアノ
上江隼人:バリトン*

ビバルディ:歌劇「ジュスティーノ」から“喜びと共に会わん”
ビバルディ:歌劇「ポントの女王」から“私はジャスミンの花”
ヘンデル:歌劇「セルセ」から”喜び満ちて小川は”
ヘンデル:歌劇「リナルド」から”なんて素敵な喜び”
中田喜直/別宮貞雄:さくら横ちょう
ドナウディ:「古典様式による36のアリア」から
 ”私は望みを失ってしまった”
 ”いつかまた君に逢えるだろうか”
 ”私は心に感じる”
ロッシーニ:「ヴェネツィアの競艇」から
 第1曲 競艇前のアンゾレータ
 第2曲 競艇中のアンゾレータ
 第3曲 競艇後のアンゾレータ
モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」から“おいでください、膝をついて”
ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」から”準備はできたわ” with *、”天使の様に美しい” only *
グノー:歌劇「ファウスト」から “ああ、私が微笑んでいるのが見えるわ(宝石の歌)”
プッチーニ:歌劇「カルメン」から”怖くないと言ったけれど”
プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」から“あなたの愛の呼ぶ声に”
プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から“氷のような姫君の心も”
-------アンコール
ヴェルディ:歌劇「椿姫」から第2幕第1場”ヴィオレッタとジェルモンの二重唱”

日本のソプラノを代表する大村博美に続いてもう一人のディーバにしてオペラ界の我がマドンナを、恥ずかしくて言えないくらいの最良席で終始照れながら至福の時を過ごした。

大村博美とは声質が違うから単純比較はできないが柔らかく透明感のある声がもう全身を癒してくれる。

こちらのプログラムも前半は知らない曲ばかりだったが、いずれも彼女にかかるとすっかり馴染んでいたものが引き出される様だった。

後半はオペラから名アリアの釣瓶撃ち。
アンコールも椿姫から長大アリア。

特筆したいのはオペラでもコンビが多い園田隆一郎のピアノ。
二人のコンビネーションの良さは実に好感。

♪2019-196/♪紀尾井ホール-3