2023-11-30 @東京オペラシティコンサートホール
高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:東京シティ・フィル・コーア
児童合唱・羊飼い:江東少年少女合唱団
トスカ:木下美穂子
カヴァラドッシ:小原啓楼
スカルピア:上江隼人
アンジェロッティ:妻屋秀和
堂守:晴雅彦
シャルローネ&看守:大塚博章
スポレッタ:高柳圭
プッチーニ:歌劇「トスカ」全3幕(演奏会形式)
定期会員だからいつもの席はあるし、オケを聴くには十分満足しているけど、今日はオペラなので、別途1回券を買って前の方に陣取った。
いつになく、気合が入っていてプレトークなど聞いたことがなかったが、今回は間に合うように出掛けて聞いた。高関氏のカラヤンの下での修行時代の秘話も面白かった。
一般的な演奏会型式とは異なる声楽・楽器配置も氏の工夫らしい。できるだけ音楽を途切れさせたくないという遠慮がちな物言いは、歌手への気配りだったのだろう。拍手が起こるのは仕方がない。しかし、途切れさせたくない。
20年3月に予定されていた公演を同じキャストで3年8月越しで実現できるという喜びと高揚感が言葉の端々に漲って、いよいよ期待が高まる。
シティ・フィルが先ず以て上出来。主要歌手もホレボレの歌唱。
近くで聴いたせいこれまで何度も聴いている音楽なのに、改めてプッチーニのオーケストレーションの上手さも発見した。
予てから1幕の終わり、「テ・デウム」にはオルガンが欲しいなと思っていたが、今日は、立派なパイプオルガンが荘重な響で盛り上げた。
このオルガンについてはこれまで誤解していたが、プッチーにはオルガンを編成に入れているんだ。今日もプログラムにはバンダ/オルガン2(2はミスプリだと思う。)と表記されていた。つまり、これまで聴いた「トスカ」でも袖でポジティフオルガンを使っていたようだ。それに気が付かなかったのだ。
今日は、オペラシティでの演奏会形式なので、袖でポジティフを鳴らすなんて野暮なスタイルではなく、堂々とパイプオルガンを使ったのが嬉しい。
名アリアが続出だ。「妙なる調和」、「歌に生き、恋に生き」、「星は光ぬ」…。終われば拍手したいところだが、プレトークの高関さんの「できるだけ音楽を途切れさせたくない」が効いたか、誰も拍手をしないのは立派?だった。
その代わり、終演後の拍手喝采は一際大きかった。
大いに楽しみ、大いに勉強になった。
♪2023-205/♪東京オペラシティコンサートホール-08