2023-11-17 @みなとみらいホール
横浜弦楽四重奏団
Vn:小笠原伸子、有馬希和子
Va:百武由紀
Vc:間瀬利雄
Pf:岡原慎也
ベートーべン:弦楽四重奏曲第3番ニ長調 作品18-3
シューマン:ピアノ五重奏曲変ホ長調 作品44
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番ニ長調 作品11
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ボロディン:弦楽四重奏曲第2番ニ長調 から第3楽章ノクターン
「横浜弦楽四重奏団」として聴くのは初めてだったが、メンバーは横浜バロック室内合奏団と同じ。で、バッロック定期の一つが行けなくなったので、こちらに振り替えてもらって、何と同じ席を用意してもらった。僕の好みを尊重してくれたようだ。というのも、バッロク定期に比べるとだいぶお客が少ないから、たまたま同じ席が用意できたということだろうけど。
1曲目ベートーベン3番は4年前ぶり。
そもそも弦楽四重奏を聴く機会が少ないからだ。
残念ながらあまり感ずるところはなかった。
でも、本日の期待はシューマンのピアノ五重奏にあるので、まあ、前座の腕鳴らしと了解。
ピアノが加わることで音楽のスケールがいっぺんに広がる。
それに、いつ聴いても気持ちを鷲掴みにされる力強さに繊細な抒情。シューマンのオーケストレーションはあまり好評ではないが、この作品は編成がピアノ・ソナタの延長にあるような規模だから、彼は完全掌握して自在に・効果的に五重奏に仕上げたのではないか。
ま、演奏に関しては、欲を言えば、ピアノが頑張りすぎで弦とのユニゾンでは弦が埋もれがち。
これもやはり聴く機会が少なくて、有名な第2楽章Andante Cantabileだけを聴く機会は何度かあったが、ナマで全曲は初聴きかも。
1楽章の旋律の絡み合い、2楽章は耳馴染みのせいもあって実に美しい。3楽章の土の匂いのする民謡風なスケルツォも魅力的。終楽章も民謡風な旋律を撒き散らしながら疾走して爽快。
それにしても、トルストイが涙を流したという第2楽章はやはり美しい。
ところが、アンコールではボロディンの2番から超有名なノクターンを演奏してくれて、これがもう、しみじみと心を打った。
トルストイが絶対音楽(Andante Cantabile)で泣くとは精神状態がバランスを欠いていたと思うが、ボロディンのノクターンは聴かなかったのか?もしこちらも聴いたら、泣くどころか、崩れ落ちたかもしれないな…などと思いながら、僕は平常心を保ちながら聴いたが、なんて美しいのだ😢。
♪2023-196/♪みなとみらいホール-40