2023年11月10日金曜日

東京フィル第992回サントリー定期シリーズ

2023-11-10 @サントリーホール



アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
佐藤晴真:チェロ*

《チャイコフスキー没後130年》
チャイコフスキー:幻想曲『テンペスト』Op.18
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 イ長調(原典版)Op.33*
チャイコフスキー:幻想序曲『ハムレット』Op.67a
チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
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J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番から「サラバンド」*








先月の東フィルは実に良かった。それは、演奏も良かったが、首都圏最悪のホールといつも悪口を言っているサントリーの響がとても良かったからだ。そして1年に一度あるかないかの響だとツィートした。

ありゃ~!
今月もだよ。とてもサントリーとは思えないような明るくて管弦の交わりの豊かさ、音の定位の良さ。なんだよ、サントリーでもやればできるのか!
…ではないね。
一つは、みつばちの仮説「雨の日はよく響く」に当たったこと。
弦14型で通したことがとても音の見通しを良くしたこと。
東フィルが、やっぱり巧いこと。
そしてバッティが実にオケを上手に束ね、実力を引き出したこと。
…を感じた。


それだけではなく、佐藤晴真のVcの豊かでまろやかな音の美しいことにもびっくりしたね。
1月弱前にみなとみらい小ホールで日フィルメンバーとの室内楽を聴いたが、あの最高級のホールでもその時のVcの音はもっと硬かった。
ひょっとして、室内楽用とコンチェルト用で楽器(又は弦)を変えているのかもしれない。同じ楽器とは思えないまろやかさだった。

プログラムは、チャイコ没130年ということで、全曲チャイコ。それもロココ以外は3曲とも「幻想(序)曲」というジャンルで、題材も3曲とも沙翁の作品から得ている。
なら、ロココでなくて、なんかピッタリするものがなかったのか…と思ったが、なさそうだな。

昼間の「すみとり」に大いに失望した後だったので、余計に良く聴こえたのかもしれないが、本格的な、大人の管弦楽を聴く喜びここに。

♪2023-192/♪サントリーホール-23