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2023年5月10日水曜日

東京シティ・フィル第360回定期演奏会

2023-05-10 @東京オペラシティコンサートホール



高関健:指揮
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
バイオリン:山根一仁*

ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20
ベルク:バイオリン協奏曲*
ネオゲル:交響曲第3番「典礼風」
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J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第1番から第3曲「サラバンド〜ドゥーブル」*





シティ・フィル今季1回目。
なのに高関センセは小難しいのばかり並べた。

ベルクとオネゲルはいずれもN響と都響で過去数回ずつ聴いていたが良い印象は残っていない。

ブリテンは初聴き。せめてこれに淡い期待をかけていたがやはり面白くない。
しかし、いずれの曲もオケの気合いと迫力は十分感じた。

ブリテンはとても「レクイエム」とは思えない轟音で始まって、途中にも、いかなる爆睡者をも覚醒させる大爆音。

最後のオネゲルも終盤手前で、さあ起きろ!と言わんばかりの大爆音。

弦は変則14型(14-11-10-8-7)で管打もさほど多くはないのだけど、こんな大音量が出るのかと思う程の凄さに圧倒されてしまった。

先述の如くオネゲル「典礼風」は過去2-3回は聴いているのだけど、その日の記録を読み返してもその轟音について何も書いていないのが不思議。

たぶん、武満メモリアルの、時に鳴り過ぎる響の良さが今回は奏功したか。

♪2023-076/♪東京オペラシティコンサートホール-03

2022年12月22日木曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2022後期 〜大フーガ〜

2022-12-22 @みなとみらいホール


エール弦楽四重奏団
 バイオリン:山根一仁/毛利文香
 ビオラ:田原綾子
 チェロ:上野通明

モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番 蝶々 K464
ウェーベルン:5つの断章 op5
ベートーべン:弦楽四重奏曲第13番変ロ長調「大フーガ」付き op130/133(初演版)




大ホールで室内楽を聴くアフタヌーンコンサート・シリーズなので、比較的前方で聴いている。
前回は堤剛と萩原麻未で、それなりに楽しめたが、今回はダメ。気持ちが乗ってゆかない。やはり弦楽四重奏(SQ)では音圧が決定的に不足する。
過去、みなとみらいホールの大ホールでは1度経験しただけで、その時もあまり楽しめなかった…と記録に。

ミューザでは弦楽(ピアノなし)の小編成を聴いたことは数回あるが、いずれもかぶりつきで聴いているので不満らしき記録はない。

それに今日の演目がキツかった。
馴染んでいるのはモーツァルトSQ第18番だけ。

ベートーベンSQ第13番「大フーガ」付きは、家で聴くときは大抵ベートーベンが書き直した版で。こちらは軽快で親しみやすい。CDにはその後にフーガ楽章も録音されているが楽しんで聴いたことはない。この楽章だけで15分超だもの。しかも親しみやすいとはいえない。

それで、今日は、生演奏の迫力で怠惰に流れやすく凡庸な耳を鍛えたいと思っていたが、現実には音量不足で、これは心構えでどうなるって問題ではない。物足りなくて隔靴掻痒に終始した。

奏者の一人一人はとても魅力的な若者ばかり。
これは是非小ホールで聴きたかったよ。

本日の入場者は、小難しい演目にもかかわらず1,200名程だったそうだ。当然、2階や3階にもお客は少なからず。
果たして、音楽は届いたのか?
か細い音でも聴く人の心次第?


♪2022-200/♪みなとみらいホール-11

2022年9月26日月曜日

横浜18区コンサート 後期 山根一仁 X 阪田知樹

2022-09-26 @リリスホール



山根一仁:バイオリン*
阪田知樹:ピアノ

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
フローラン・シュミット:ワルツ・ノクターン第1番op.31-1
稲森安太己:Motus intervallorum(Just Composed 2020 Winter 委嘱作品)*
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
プロコフィエフ:バイオリン・ソナタ第2番ニ短調 op.94bis*
------アンコール------
プロコフィエフ:3つのオレンジへの恋から「行進曲」*
(無印はPfのみ)



横浜18区コンサート後期。
9月からは前期までの独奏+弦楽五重奏で協奏曲をメインに据えるというスタイルが変わった。今回はバイオリンXピアノという編成だ。

前回の毛利文香X小林海都を体調不良でサボったので、今日は後期の1回目。

本郷台駅そばのリリスホールで聴くのは3回目で、前回が山根くん+新日フィル五重奏。その前も管・弦室内楽だった。

ゆえに、このホールでピアノを聴くのは初めてだった。

ボサボサ髪の阪田くんがのそーっと登場して一礼するや間を置かずラヴェルを弾き始めたが、その音色の明瞭なることにまずは吃驚。

過去2回で響きの良いホールだとは知っていたけど、これ程まで美音なのは珍しい。

ピアノが鳴るというより、ピアノ発音のメカニズム全体が音を発している…って妙な例えだな。体力に自信のない身には怖い位に音が突き刺さってくる。
こうなると、もうその「音」自身が魅力なので何を聴いていてもワクワクしてくる。

18区シリーズには横浜所縁の奏者が多く、今日の2人も生まれは違うが横浜育ちで、中盤からは2人が子供時代の思い出も交えて曲の説明に入り、まずはバイオリンとピアノの為の実験的な作品を演奏した。

山根くん曰く、楽器を壊す以外はなんでもありという、多様な技術を駆使した超難曲だった。

メインのプロコのソナタ2番は生では初聴き?だったが、「実験曲」の後では、抵抗感なく(これも難しそうだが)楽しんだ。

それにしても響きの良いホールだ。同じ横浜市区民文化センターの仲間にはフィリア、かなっく、サルビア、ひまわりの郷、戸塚さくらプラザなど音の良いホールが揃っているが、ひょっとして1等賞かも。

♪2022-137/♪リリスホール-01

2021年11月17日水曜日

横浜18区コンサート 第Ⅰ期 山根一仁(Vn)×新日本フィルハーモニー交響楽団メンバー(弦楽五重奏)

2021-11-17 @リリスホール



新日本フィルハーモニー交響楽団メンバー(弦楽五重奏)
 バイオリン:崔文沫、古日山倫世
 ビオラ:中恵菜
 チェロ:多田麗王
 コントラバス:藤井将矢

山根一仁:バイオリン*

ドボルザーク:弦楽五重奏曲第2番ト長調 作品77から第1、第4楽章
J.S.バッハ :バイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041(弦楽五重奏伴奏版)*
J.S.バッハ:バイオリン協奏曲第2番ホ長調 BWV1042(弦楽五重奏伴奏版)*
----------------
J.S.バッハ:無伴奏バイオリン組曲第3番第3曲 ロンド形式のガボット*



横浜18区コンサートの第1期全5回は、すべて弦楽五重奏団+独奏バイオリン又はピアノの組合せ。
今回はリリスのある本郷台で青春時代を過ごしたという山根君の独奏バイオリンと新日フィルが登場した。

最初は、五重奏だけでドボルザークの五重奏曲から2つの楽章を演奏したが、全曲聴きたかったな。しかし、最初に長尺ものを全曲演奏すれば、バランスは悪いけど。

いよいよ、山根君を迎えてバッハのバイオリン協奏曲第1番と2番。

リリスホールは9月に小林美樹らの室内楽を聴いたのが初めてで音の良さにびっくりしたが、今日の1+五重奏も見事に美しい響きだった。

各人の音が明瞭であればこそ絡み合いも楽しい。

とりわけ、山根君の独奏バイオリンの音色が一際綺麗に抜け出して、流石にオケをバックにソロを取るとはこういうことか、と改めて感心した。

J.S.バッハの原曲も弦楽合奏と通奏低音だから、作曲当時の演奏形態はもう少し大きかったろうけど、今日の山根君と五重奏団のように、仲間がアイコンタクトで合図をしながら”協奏”を楽しんでいたのだろう。

軽妙なバッハを再発見の感。


♪2021-130/♪リリスホール-02

2021年5月1日土曜日

モーツァルト・マチネ第45回「一期一会」

2021-05-01 @ミューザ川崎シンフォニーホール


太田弦:指揮
東京交響楽団

山根一仁

≪オール・モーツァルト・プログラム≫
交響曲第32番ト長調 K.318
バイオリン協奏曲第3番ト長調 K.216*
交響曲第36番ハ長調 K.425「リンツ」


今日が今季の始まり。

今季も前季と同じ中規模オケ向きの絶好良席を確保したが、生憎前の席はマーラー第1番が座っている。指揮者が全然見えないよ。この人もセット会員なら困ったことだ。


とはいえ、前半の東響は軽快で歯切れ良く、山根くんもキビキビしてモーツァルト天真爛漫の楽しさ。


「リンツ」では管が増えたかどうか記憶が曖昧だが、弦は10型から12型に拡大した。その必要があったのだろうか?


弦もざわついてきたが、この曲では金管と木管のTuttiの拍がぼやけてきて気になったよ。

かくしてオケ全体としては輝きを失ってしまったのが残念。


♪2021-042/♪ミューザ川崎シンフォニーホール-07

2017年6月10日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第328回横浜定期演奏会

2017-05-20 @みなとみらいホール


アレクサンドル・ラザレフ:指揮[桂冠指揮者兼芸術顧問]
日本フィルハーモニー交響楽団

山根一仁:バイオリン*

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲ニ長調 作品35*
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 作品47
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アンコール
イザイ:無伴奏バイオリン・ソナタ第2番から「メランコニア」*
ショスタコーヴィチ:組曲「馬あぶ」から第3曲「祝日」

先月のN響が指揮も独奏もロシア人によるオールロシア・プロだったが、今月の日フィルもロシア人ラザレフの指揮でチャイコフスキーのバイオリン協奏曲とショスタコーヴィチの交響曲第5番というロシアものの鉄壁プログラム。
バイオリンソロは俊英21歳の山根一仁くん。彼は…ロシア人ではないな。

指揮者にとってもオケ(+ソリスト)にとっても、演奏し慣れた作品ばかりというせいもあるのだろうが、軽やかなものだ。

バイオリン1本の微細な響からショスタコーヴィチ終楽章の爆裂音まで。このダイナミックレンジの大きさに浸るシアワセ。

いつものように、終演後のラザレフ・パフォーマンスが音楽会の興奮を一層高めてくれる。
大きな身体を揺すって拍手しながら舞台を歩き回り、客席にも拍手を促し、素晴らしい演奏だった!とアピールしてくれるので、みんな笑顔で満足して万歳。


♪2017-088/♪みなとみらいホール-20

2017年3月20日月曜日

横浜芸術アクション事業 山根一仁、上野通明、北村朋幹 ピアノ・トリオの夕べ

2017-03-20 @みなとみらいホール


山根一仁:バイオリン
上野通明:チェロ
北村朋幹:ピアノ

ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調「偉大な芸術家の思い出のために」Op.50
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アンコール
ドボルザーク:ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」第3楽章

山根一仁Vnと上野通明Vcは95年生まれ、北村朋幹Pfは91年生まれという若いトリオ。
山根と北村は数年前にオケの定期で協奏曲を聴いている。
上野は多分初めて。

この3人の組合せはによる公開演奏は2回目、一晩の演奏会としては初めてだそうだがそんな危うさは感じさせない。

1曲めのラヴェルは精緻なガラス細工みたいで静なる異種格闘技の感あり。
メインはチャイコの「偉大な芸術家の思い出のために」。50分近い壮大にして華麗な大傑作で、やや荒っぽさも感じたが迫力に関してはこれまでで一番だった。
これは、3列目で聴いたからでもあるけど、おそらく最後列でも440席の小ホールでは十分によく鳴り響いていたはずだ。
各楽器の繊細なピアニシモからトゥッティの最強音までのダイナミックレンジの広いこと。これぞかぶりつきで室内楽を聴く醍醐味だ。

ちょいと残念だったこと。
第2楽章(終楽章)の第2部のそのまた最終盤、残り1分ほどから始まる葬送行進曲ではピアノの重々しい伴奏で、第1楽章の主題がチェロとバイオリンが交代で歌う最後の聴かせどころだが、ここで上野くんの指が音をほんの僅か外した。半音の半音の更に半音くらいか。遠くで聴いていたら気づかなかったかもしれないが前から3列目だと否応なく耳に入った。尤もそれまでにバイオリンも少し怪しい部分はあったけど、速いテンポの部分では気にもならない。
しかし、ゆったりしたテンポで愈々テーマが再現されるという部分でのチェロのエラーは目立った。すぐ回復したけど、本人も気にして、カーテンコールでも表情が暗かったなあ。多くの国際コンクールで優勝・入賞し、プロのオケとの競演も数々こなしていても、こういうことがあるのだなあ。
でも、このメンバーによるトリオの今後に期待するよ。

♪2017-045/♪みなとみらいホール-13

2014年5月18日日曜日

ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集 第97回

2014-05-18 @ミューザ川崎シンフォニーホール


山根一仁(Vn)
川瀬賢太郎指揮
東京交響楽団

ニールセン:狂詩曲風序曲「フェロー諸島への幻想の旅」
ブルッフ:スコットランド幻想曲 作品46
メンデルスゾーン:交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」 作品56
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アンコール(Vn独奏)
ハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト:シューベルトの『魔王』による大奇想曲」作品26

                          <ホールに入る長い階段。 これが好き!>

今日の演奏会のテーマは「スコットランド」だった(え!いつもテーマなんかあったの?)。
そこで、ニールセンの狂詩曲風序曲「フェロー諸島への幻想の旅」。フェロー諸島というのはスコットランドの北方に位置するデンマークの自治領だそうな(俄仕込み)。
ニールセンの名前は知っていたがその音楽は全く不知。
この音楽は、20世紀の音楽だけど特に変わったものでもなく初めて聴いたけど普通に楽しめた。
最後にクラリネットの最弱音が残り消え入るのだけど、うまかったなあ。リード楽器で弱音をきれいに無音状態まで維持して消えてゆくのは難しいと思う。それがとても印象的だった。

ブルッフはかろうじてバイオリン協奏曲やチェロと管弦楽のための「コル・ニドライ」で好感は持っていたが、今日の「スコットランド幻想曲」は初めてだった。
「幻想曲」というが、独奏バイオリン及び独奏ハープと管弦楽との協奏曲で、全5楽章の大部な作品だ(正式には「スコットランド民謡の旋律を自由に用いた、管弦楽とハープを伴ったヴァイオリンのための幻想曲」)。

この曲も、先日聴いた團伊玖磨の交響組曲「アラビア紀行」と同じく、各楽章が交響曲とは異なる自由な個性を持って面白い。

                                <山根一仁>

独奏バイオリンは山根一仁。
95年生まれというからせいぜい19歳か。中学時代に全国音楽コンクールで1位のほか、輝かしいキャリアを重ねている。

アンコールに独奏で弾いた「シューベルトの『魔王』による大奇想曲」が見るからに超絶技巧で、その腕前を発揮した。

                      <登り切って見下ろした風景。 これが好き!>

最後は、メンデルスゾーンの交響曲 第3番 「スコットランド」。
5曲ある交響曲のうち、最後に完成されたが、第4番、5番は彼の死後出版されたので3番に落ち着いているらしい。
4番の「イタリア」があまりにも有名すぎてそれ以外は陰に隠れているが、隠れた中ではよく聴く機会がある。
「イタリア」同様、スコットランド旅行の際に最初の16小節を思いついたというエピソードから「スコットランド」と本人が名付けたのか、後年そう呼ばれるようになったのか不知。

10年以上かけて完成されたが、最初に思いついたという楽想はいかにもメンデルスゾーンらしい哀調(ピアノ三重奏曲第1番の冒頭を思い出す。)だ。これが他楽章でも再現され、形を変えて登場する。そんなせいで全体にしめやかだが、最後は同名調のイ長調で畳み掛けるように終わって、カタルシス!

CDで聴いていると各楽章がトラックを別にして録音されているが、演奏は全楽章を一気に切れ目なく演奏される。シューマンの4番もそうだが、シューマンは1歳年上のメンデルスゾーンのアイデアを借用したのかもしれないなあ。

<ミューザとは関係ないけど、川崎駅南口の地下街川崎アゼリアと駅を繋ぐ大階段。 これが好き!>

♪2014-56/♪ミューザ川崎シンフォニーホール03