2017年3月20日月曜日

横浜芸術アクション事業 山根一仁、上野通明、北村朋幹 ピアノ・トリオの夕べ

2017-03-20 @みなとみらいホール


山根一仁:バイオリン
上野通明:チェロ
北村朋幹:ピアノ

ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調「偉大な芸術家の思い出のために」Op.50
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アンコール
ドボルザーク:ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」第3楽章

山根一仁Vnと上野通明Vcは95年生まれ、北村朋幹Pfは91年生まれという若いトリオ。
山根と北村は数年前にオケの定期で協奏曲を聴いている。
上野は多分初めて。

この3人の組合せはによる公開演奏は2回目、一晩の演奏会としては初めてだそうだがそんな危うさは感じさせない。

1曲めのラヴェルは精緻なガラス細工みたいで静なる異種格闘技の感あり。
メインはチャイコの「偉大な芸術家の思い出のために」。50分近い壮大にして華麗な大傑作で、やや荒っぽさも感じたが迫力に関してはこれまでで一番だった。
これは、3列目で聴いたからでもあるけど、おそらく最後列でも440席の小ホールでは十分によく鳴り響いていたはずだ。
各楽器の繊細なピアニシモからトゥッティの最強音までのダイナミックレンジの広いこと。これぞかぶりつきで室内楽を聴く醍醐味だ。

ちょいと残念だったこと。
第2楽章(終楽章)の第2部のそのまた最終盤、残り1分ほどから始まる葬送行進曲ではピアノの重々しい伴奏で、第1楽章の主題がチェロとバイオリンが交代で歌う最後の聴かせどころだが、ここで上野くんの指が音をほんの僅か外した。半音の半音の更に半音くらいか。遠くで聴いていたら気づかなかったかもしれないが前から3列目だと否応なく耳に入った。尤もそれまでにバイオリンも少し怪しい部分はあったけど、速いテンポの部分では気にもならない。
しかし、ゆったりしたテンポで愈々テーマが再現されるという部分でのチェロのエラーは目立った。すぐ回復したけど、本人も気にして、カーテンコールでも表情が暗かったなあ。多くの国際コンクールで優勝・入賞し、プロのオケとの競演も数々こなしていても、こういうことがあるのだなあ。
でも、このメンバーによるトリオの今後に期待するよ。

♪2017-045/♪みなとみらいホール-13