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2024年3月12日火曜日

みなとみらいアフタヌーンコンサート2024前期 ライナー・ホーネック&菊池洋子 デュオ・リサイタル 〜ウィーンの薫り〜

2024-03-12 @みなとみらいホール


ライナー・ホーネック:バイオリン
菊池洋子:ピアノ

モーツァルト:バイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.378
ブラームス:バイオリン・ソナタ第3番ニ短調op.108
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~クライスラーとめぐる世界一周の旅~
《イタリア》前奏曲とアレグロ
《ドイツ》羊飼いのマドリガーレ
《チェコ》スラヴ幻想曲
《ハンガリー》ジプシー奇想曲
《フランス》ルイ13世のシャンソンとパヴァーヌ
《スペイン》スペイン舞曲
《中国》中国の太鼓
《アメリカ》シンコペーション
《ウィーン》ウィーン風狂騒的幻想曲
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クライスラー:踊る人形
コルンゴルト:ガーデン・シーン ~組曲「空騒ぎ」から
クライスラー:愛の喜び
クライスラー:愛の悲しみ



事前にプログラムを調べてゆかなかったので、会場で前半にソナタ2曲、後半にクライスラーの小品集という構成であると知って大いに違和感。前後反対じゃないの?という不審感から聴き始めたのは失敗だった。やはり、プログラムを承知しておくことはその日の音楽の聴き方・構え方に影響するよ。

軽妙なモーツァルトK.378にブラームスの内省的な3番が続くと、なんだか、気持ちが乗れなくて困った。

後半は、クライスラーだけで残り時間がもつのか?と思ったが、全9曲でピッタリ2時間。アンコールは4曲もあって、予定時間を遥かに超えた。

タイトルからは初聴きが多いなと思ったが、実際には知らずに聴いていた耳馴染みが多く、ヘーっ!これもクライスラーだったのか、と驚くこと頻り。

本編最後がウィーン風狂騒的幻想曲で、これは初聴きではないけど、とても珍しい。…と思っていたが、今日のNHKクラシック倶楽部のエマニュエル・チェクナヴォリアン(再放送)が取り上げていて、1日に2度聴くとは妙な暗合だった。

アンコールの最後は定番の「喜び」と「悲しみ」で締めたが、ここまでくると、やはり副題の「ウィーンの薫り」に大いに納得して、なるほどやはりクライスラーを後半に据えたのは正解だった。

♪2024-037/♪みなとみらいホール-08

2019年6月16日日曜日

名曲全集第147回

2019-06-16 @カルッツかわさき


ユベール・スダーン:指揮
東京交響楽団

菊池洋子:ピアノ*

シューマン:「マンフレッド」序曲 作品115
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54*
チャイコフスキー:マンフレッド交響曲イ短調 作品58(原典版)

ミューザ改修中につき代わりのカルッツかわさきは音響面でイマイチな上、割り当てられた席がミューザでの本来席より3列も前で、原音が強すぎ、ざわざわとして落ち着かない。

そんな訳で、前半2曲はイマイチ集中できなかったが、メインのチャイコ「マンフレッド」はそんな環境をものともせずにその巨大な存在感を見せた…否、聴かせた。

CDでは何度か聴いているが、バーンスタインが「屑」と言ったらしいこの曲を僕も全然好きになれなかった。
大げさで無駄に長い(手持ちはムーティ指揮フィルハーモニア管:演奏時間59分)。

しかし、今日、16型3管編成による演奏を爆音にまみれて聴くという体験が評価を変えた。「幻想交響曲」を上回る迫力。また、これほど打楽器陣が活躍する曲はないかも。

わけても終楽章、それも終盤のクライマックスはかつて聴いたことがない大音量で床も震え怖いくらいだ。

そして、気づいたのは、この演奏が原典版によるということ。
過去に聴いていたのは終盤にオルガン付きコラールを加えた改訂版だった。これもよかろうと思うが迫力の点で桁違い。10分ほど短くなったのもスッキリして良い。

♪2019-083/♪カルッツかわさき-03

2017年7月15日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第329回横浜定期演奏会

2017-07-15 @みなとみらいホール


西本智実:指揮
菊池洋子:ピアノ*
日本フィルハーモニー交響楽団

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11*
モーツァルト:歌劇《後宮からの誘拐》序曲 K384
レスピーギ:交響詩《ローマの祭》作品P157
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アンコール
ドゥーセ:ショピナータ*
レスピーギ:リュートのための古代舞曲とアリア第3組曲からシチリアーナ

西本智実の指揮ではこれまで(得意の?)ロシアものを聴く機会が多かったが、今日はコンセプトがよく分からないプログラム編成。でも、それぞれの出来栄えはかなりのものだった。

菊池洋子のピアノを前回聴いたのはやはり日フィルの定期で、その時はモーツァルトの26番「戴冠式」。指揮は三ツ橋敬子。今回同様2人の女花の競演とかキャッチコピーに書いてあったな。これが松尾葉子の指揮だったらなんて書くんだろう。女流実力派とかになるのかな。

ショパンの協奏曲については、元々大好き、という訳でもないのでまあ、こんなものかと思いながら聴くともなく、もの思いに耽りながら気がつけば終わっていた。

何といっても、本日のメインイベントは「ローマの祭」だ。
こういう、超特大編成、しかも、バンダあり、オルガンあり、打楽器は多種多様出、凝りに凝ったオーケストレーションこそ、管弦楽を聴く楽しみだ。
やや荒っぽい部分もあったように感じたが、何より派手で大音量がうれしい。
定期演奏会だからオケのアンコールはないと思っていたが、あった。それも同じくレスピーギのリュートのための古代舞曲とアリア第3組曲からシチリアーナ(弦楽合奏)と、これは気の利いた選曲だった。

♪2017-122/♪みなとみらいホール-30

2014年9月27日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団第300回横浜定期演奏会

2014-09-27  @みなとみらいホール


三ツ橋敬子:指揮
菊池洋子:ピアノ
千葉清加:コンサートマスター(日フィル・アシスタント・コンマス)
菊地知也:ソロ・チェロ(日フィル)
日本フィルハーモニー交響楽団

ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番≪戴冠式≫
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プッチーニ:オペラ≪マノン・レスコー≫から第3幕への間奏曲
レスピーギ:交響詩≪ローマの松≫
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アンコール
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス(Pfソロ)
レスピーギ:≪ボッティチェリの3枚の絵≫から第3曲「ヴィーナスの誕生」


7月の定期演奏会も、指揮者・ソリスト・コンマスが女性で固められたが、今回も主要キャストは女性ばかりだ。

写真で見る限り美形が揃っているというのに、こういう日に限って、こういう日のために(野鳥を見るためではなく)買った単眼鏡を忘れていったのは残念だった。



盛りだくさんのプログラムだったが、イタリア・オペラの巨頭2人の序曲(ロッシーニ)と間奏曲(プッチーニ)。
この先輩たちの後塵を拝して登場した近代イタリア管弦楽のパイオニア、レスピーギの「ローマ三部作」から≪ローマの松≫。
以上イタリア尽くし。

そこになぜかモーツァルトが挟まれた。

27曲あるピアノ協奏曲の中では「戴冠式」という名前が付いていることから、一番有名かもしれないしれない。僕も好きだけど、一番好んで聴くのは第23番かな。
大げさな表題がついた割にはとても軽やかで分かりやすい。

菊池洋子さん。何度かのカーテンコールの後、アンコールに応えて弾いてくれた曲が、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」だった。本来は合唱と弦楽器、通奏低音による賛美歌だが、リストがピアノ用に編曲したものが演奏された。ピアノ版は初めて聴いたが、やはりきれいな曲だ。

休憩を挟んでプッチーニの間奏曲は聴いたことがあるような無いような曲だったが、さすがにプッチーニ。甘いメロディーだ。
ヒロインが恋人に抱かれて息を引き取る場面の音楽だそうでなるほど納得。

最後は、いよいよ、今日のメインディッシュ「ローマの松」。
去年の日フィル定期でも「ローマの祭」に圧倒されたが、ローマ三部作の中でも一番好きなのが「松」だ。

ありとあらゆる楽器を総動員し、弦楽の規模も大きく、パイプオルガンも交え、バンダ(別働隊ホーン・セクション)もトランペートが4本にトロンボーンが2本。ステージとは一段高いパイプオルガンのそばに位置して咆哮していた。

このバンダの「定位置」というのは決まっていないようで、演奏会場の構造の違いで、いろんな場所に出没することがある。
前にすみだトリフォニーで「ローマの松」(金聖響+読響)を聴いた際は1階客席に6人が登場したのにはびっくりした。
今回も2階バルコニーとかでやってくれたら面白かったのに。

4部構成だけど、切れ目なく演奏される。
特に最後のアッピア街道の松が圧巻で、オーケストラを聴くことがこんなにも幸福かと思わせる。

指揮者にとってもやりがいのある曲だろう。


もう、これを聴いてお腹いっぱいなのに、アンコールが準備されていた。300回記念ということもあったのかもしれない。

初めて聴く曲だったけど、同じレスピーギの作品で、「ローマの松」の余韻を引き伸ばすような音楽で、違和感がなかったからこれなら良かった。
が、途中に長い休止があったために、一部のお客さんが終曲と勘違いして拍手をし、その一帯に追随する人が出たのはちょっとまずかった。

聴衆マナーとして居眠りも良くないけど、終曲の判断は、指揮棒が完全に降りるかどうかだ。よく知っている曲であっても、慌てて拍手してはいけない。指揮者の感性を尊重すべきだ。

ま、その後も何事もなかったように音楽が続き、大きな拍手に包まれて終わったので良かった。

♪2014-88/♪ @みなとみらいホール-36