2014年9月27日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団第300回横浜定期演奏会

2014-09-27  @みなとみらいホール


三ツ橋敬子:指揮
菊池洋子:ピアノ
千葉清加:コンサートマスター(日フィル・アシスタント・コンマス)
菊地知也:ソロ・チェロ(日フィル)
日本フィルハーモニー交響楽団

ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番≪戴冠式≫
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プッチーニ:オペラ≪マノン・レスコー≫から第3幕への間奏曲
レスピーギ:交響詩≪ローマの松≫
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アンコール
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス(Pfソロ)
レスピーギ:≪ボッティチェリの3枚の絵≫から第3曲「ヴィーナスの誕生」


7月の定期演奏会も、指揮者・ソリスト・コンマスが女性で固められたが、今回も主要キャストは女性ばかりだ。

写真で見る限り美形が揃っているというのに、こういう日に限って、こういう日のために(野鳥を見るためではなく)買った単眼鏡を忘れていったのは残念だった。



盛りだくさんのプログラムだったが、イタリア・オペラの巨頭2人の序曲(ロッシーニ)と間奏曲(プッチーニ)。
この先輩たちの後塵を拝して登場した近代イタリア管弦楽のパイオニア、レスピーギの「ローマ三部作」から≪ローマの松≫。
以上イタリア尽くし。

そこになぜかモーツァルトが挟まれた。

27曲あるピアノ協奏曲の中では「戴冠式」という名前が付いていることから、一番有名かもしれないしれない。僕も好きだけど、一番好んで聴くのは第23番かな。
大げさな表題がついた割にはとても軽やかで分かりやすい。

菊池洋子さん。何度かのカーテンコールの後、アンコールに応えて弾いてくれた曲が、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」だった。本来は合唱と弦楽器、通奏低音による賛美歌だが、リストがピアノ用に編曲したものが演奏された。ピアノ版は初めて聴いたが、やはりきれいな曲だ。

休憩を挟んでプッチーニの間奏曲は聴いたことがあるような無いような曲だったが、さすがにプッチーニ。甘いメロディーだ。
ヒロインが恋人に抱かれて息を引き取る場面の音楽だそうでなるほど納得。

最後は、いよいよ、今日のメインディッシュ「ローマの松」。
去年の日フィル定期でも「ローマの祭」に圧倒されたが、ローマ三部作の中でも一番好きなのが「松」だ。

ありとあらゆる楽器を総動員し、弦楽の規模も大きく、パイプオルガンも交え、バンダ(別働隊ホーン・セクション)もトランペートが4本にトロンボーンが2本。ステージとは一段高いパイプオルガンのそばに位置して咆哮していた。

このバンダの「定位置」というのは決まっていないようで、演奏会場の構造の違いで、いろんな場所に出没することがある。
前にすみだトリフォニーで「ローマの松」(金聖響+読響)を聴いた際は1階客席に6人が登場したのにはびっくりした。
今回も2階バルコニーとかでやってくれたら面白かったのに。

4部構成だけど、切れ目なく演奏される。
特に最後のアッピア街道の松が圧巻で、オーケストラを聴くことがこんなにも幸福かと思わせる。

指揮者にとってもやりがいのある曲だろう。


もう、これを聴いてお腹いっぱいなのに、アンコールが準備されていた。300回記念ということもあったのかもしれない。

初めて聴く曲だったけど、同じレスピーギの作品で、「ローマの松」の余韻を引き伸ばすような音楽で、違和感がなかったからこれなら良かった。
が、途中に長い休止があったために、一部のお客さんが終曲と勘違いして拍手をし、その一帯に追随する人が出たのはちょっとまずかった。

聴衆マナーとして居眠りも良くないけど、終曲の判断は、指揮棒が完全に降りるかどうかだ。よく知っている曲であっても、慌てて拍手してはいけない。指揮者の感性を尊重すべきだ。

ま、その後も何事もなかったように音楽が続き、大きな拍手に包まれて終わったので良かった。

♪2014-88/♪ @みなとみらいホール-36