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2025年2月5日水曜日

新国立劇場オペラ「フィレンツェの悲劇」/「ジャンニ・スキッキ」

2025-02-04 @新国立劇場



指揮:沼尻竜典
演出:粟國淳
美術:横田あつみ
衣裳:増田恵美
照明:大島祐夫
舞台監督:斉藤美穂

管弦楽:東京交響楽団

●フィレンツェの悲劇
グイード・バルディ⇒デヴィッド・ポメロイ
シモーネ⇒トーマス・ヨハネス・マイヤー
ビアンカ⇒ナンシー・ヴァイスバッハ

●ジャンニ・スキッキ
ジャンニ・スキッキ⇒ピエトロ・スパニョーリ
ラウレッタ⇒砂田愛梨(三宅理恵の代役)
ツィータ⇒与田朝子
リヌッチョ⇒村上公太
ゲラルド⇒髙畠伸吾*/青地英幸
ネッラ⇒角南有紀*/針生美智子
ゲラルディーノ⇒網永悠里
ベット・ディ・シーニャ⇒志村文彦
シモーネ⇒河野鉄平
マルコ⇒小林啓倫*/吉川健一
チェスカ⇒中島郁子
スピネッロッチョ先生⇒畠山茂
アマンティオ・ディ・ニコーラオ⇒清水宏樹
ピネッリーノ⇒大久保惇史
グッチョ⇒水野優
*は2-4日のみ代役


アレクサンダー・ツェムリンスキー:
「フィレンツェの悲劇」
全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

ジャコモ・プッチーニ:
「ジャンニ・スキッキ」
全1幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約2時間20分
フィレンツェの悲劇
 60分
 --休憩25分--
ジャンニ・スキッキ
 85分




新国立劇場の前回公演は6日前に観た「オランダ人」で、今回は間隔がとても短い。その前作にオランダ人の代役で登場した河野鉄平が「ジャンニ」にも引き続き登場していた。ご苦労なことだよ。

彼は今回は代役ではないが、「ジャンニ」では早くから発表されていたラウレッタ役(砂田愛梨)のほかに、インフルエンザに感染した3人が、急遽、今日と次回のみカバー歌手に代わった。
いやはや最近代役が多い。
公演間隔やカバーの立て方など問題が多いと思うが。

新国立劇場でこのWビルは19年に続き2回目でスタッフは全く同じだ。指揮は沼さん、オケは東響。東響は「オランダ人」でもピットに入っていたから、結構ハードだよ。

歌手が変わっただけの再演だが、今回の方がずっと洗練されていたと思う。


わずか3人しか登場しない「フィレンツェ」は緊迫感に富み、オペラというより心理サスペンスで、前回は腑に落ちなかった結末も、今回は説得力を感じた。

「ジャンニ」は大勢が登場するのでバラバラになりそうな話だが、こちらも前回に比べてずっと分かりやすい。2度目ということもあるだろうけど。

「私のお父さん」が馴染みすぎて、全体の中で浮いた感じになるのは仕方がないけど、あれがなくちゃつまらない。

舞台セットは、ガリバーの「巨人国」みたいに、部屋の調度や置き物は人間の大きさに比べてとても大きく作ってある。なぜそのようにしたのか分からないが、舞台美術としては、もしこれらの作り物が実物大であったら、舞台は実に平凡なものになってしまうだろう。うまくできているな、と思ったよ。

♪2025-019/♪新国立劇場-04

2017年4月20日木曜日

オペラ:モーツァルト「フィガロの結婚」

2017-04-20 @新国立劇場


オペラ:モーツァルト「フィガロの結婚」全4幕〈イタリア語上演/字幕付〉

指揮:コンスタンティン・トリンクス
演出:アンドレアス・ホモキ
美術:フランク・フィリップ・シュレスマン
衣裳:メヒトヒルト・ザイペル
照明:フランク・エヴァン

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史


アルマヴィーヴァ伯爵:ピエトロ・スパニョーリ
伯爵夫人:アガ・ミコライ
フィガロ:アダム・パルカ
スザンナ:中村恵理
ケルビーノ:ヤナ・クルコヴァ
マルチェッリーナ:竹本節子
バルトロ:久保田真澄
バジリオ:小山陽二郎
ドン・クルツィオ:糸賀修平
アントーニオ:晴雅彦
バルバリーナ:吉原圭子
二人の娘:岩本麻里、小林昌代

今日が初日だが、新国立劇場では2003年にアンドレアス・ホモキの演出で初演。その後、同じバージョンで2、3年おきに再演され、今回が5回目…とプログラムに書いてある。演出が同じなので舞台装置、衣裳なども同じなのだろう。因みに、指揮のトリンクスという人は2003年の初演でも指揮をしているから。

僕は新国立劇場の「フィガロ」は初めてだ。

舞台は周囲を壁・天井に囲まれた大きな部屋。全4幕は基本的にこの形をスザンナの部屋、伯爵夫人の部屋、庭などに見立てる。
この部屋の床・壁・天井はほぼ白一色。
衣裳も白と黒というモノトーンで統一された簡素なデザインだ。

大きな部屋は、劇の進行に伴い回りの壁が引き離される。どうやら、権力の枠組みからの解放を表しているらしいが、一方で床が傾いてゆくのはどういう意味なのかよく分からない。段々安定に向かうならともかく、段々不安定になってゆく。

元々、「フィガロ」は登場人物が多く、筋自体が色恋を巡る騙し合いで分かりにくい上に、今回の演出では白黒で始まった衣裳が終幕では暗い舞台に全員が白の寝間着なので、登場人物の判別が難しかった。

歌手は力演だが伯爵等は愛嬌不足。喜劇性も不足したのは残念だ。どうも舞台美術に懲りすぎてあの陽気なフィガロはどこへ行ったという印象。

もっとも、音楽はもちろんとてもいい。
昨日の「オテロ」と比べるとピットに入ったオケの規模もだいぶ小さいし、「オテロ」のようなダイナミックな音楽ではないが、こちらはもう相当聴き馴染んだものばかりなので気楽に楽しむことができた。

♪2017-062/♪新国立劇場-4