2017年4月20日木曜日

オペラ:モーツァルト「フィガロの結婚」

2017-04-20 @新国立劇場


オペラ:モーツァルト「フィガロの結婚」全4幕〈イタリア語上演/字幕付〉

指揮:コンスタンティン・トリンクス
演出:アンドレアス・ホモキ
美術:フランク・フィリップ・シュレスマン
衣裳:メヒトヒルト・ザイペル
照明:フランク・エヴァン

演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
合唱指揮:三澤洋史


アルマヴィーヴァ伯爵:ピエトロ・スパニョーリ
伯爵夫人:アガ・ミコライ
フィガロ:アダム・パルカ
スザンナ:中村恵理
ケルビーノ:ヤナ・クルコヴァ
マルチェッリーナ:竹本節子
バルトロ:久保田真澄
バジリオ:小山陽二郎
ドン・クルツィオ:糸賀修平
アントーニオ:晴雅彦
バルバリーナ:吉原圭子
二人の娘:岩本麻里、小林昌代

今日が初日だが、新国立劇場では2003年にアンドレアス・ホモキの演出で初演。その後、同じバージョンで2、3年おきに再演され、今回が5回目…とプログラムに書いてある。演出が同じなので舞台装置、衣裳なども同じなのだろう。因みに、指揮のトリンクスという人は2003年の初演でも指揮をしているから。

僕は新国立劇場の「フィガロ」は初めてだ。

舞台は周囲を壁・天井に囲まれた大きな部屋。全4幕は基本的にこの形をスザンナの部屋、伯爵夫人の部屋、庭などに見立てる。
この部屋の床・壁・天井はほぼ白一色。
衣裳も白と黒というモノトーンで統一された簡素なデザインだ。

大きな部屋は、劇の進行に伴い回りの壁が引き離される。どうやら、権力の枠組みからの解放を表しているらしいが、一方で床が傾いてゆくのはどういう意味なのかよく分からない。段々安定に向かうならともかく、段々不安定になってゆく。

元々、「フィガロ」は登場人物が多く、筋自体が色恋を巡る騙し合いで分かりにくい上に、今回の演出では白黒で始まった衣裳が終幕では暗い舞台に全員が白の寝間着なので、登場人物の判別が難しかった。

歌手は力演だが伯爵等は愛嬌不足。喜劇性も不足したのは残念だ。どうも舞台美術に懲りすぎてあの陽気なフィガロはどこへ行ったという印象。

もっとも、音楽はもちろんとてもいい。
昨日の「オテロ」と比べるとピットに入ったオケの規模もだいぶ小さいし、「オテロ」のようなダイナミックな音楽ではないが、こちらはもう相当聴き馴染んだものばかりなので気楽に楽しむことができた。

♪2017-062/♪新国立劇場-4