2017年4月22日土曜日

日本フィルハーモニー交響楽団 第326回横浜定期演奏会

2017-04-22 @みなとみらいホール


ピエタリ・インキネン:指揮[首席指揮者]
日本フィルハーモニー交響楽団
真鍋恵子:フルート

ブラームス:悲劇的序曲
ニールセン:フルート協奏曲
ブラームス:交響曲第2番ニ長調 作品73
-------------
アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲第4番嬰ヘ短調

ブラームス「悲劇的序曲」。冒頭の重厚な和音が<管弦楽>アンサンブルの美しさをまず以てアピールした。ホンに響きの良いホールだ。

ニールセン(1865〜1931年)はほとんど聴く機会がない。記憶が怪しいから記録を調べるとほぼ3年前に東響で狂詩曲風序曲「フェロー諸島への幻想の旅」というのを聴いており、20世紀の作家にしては古典風で分かり易いなんて感想を書いていた。今回のフルート協奏曲(1926年)も初めて聴いたが、一応調性も保っていて現代曲にしてはさほどの抵抗はなかった。むしろ物足りないくらいだ。フルートはJ.S.バッハやドップラーなどの古典の名曲を奏でるにふさわしい柔らかな音色はもちろんのこと、荒々しい暴力的な音も出せる楽器なのにのこの曲ではきれいなままで終始した。

ニールセンは19世紀末から20世紀前半に活躍したことになるが、ブラームス(1833〜1897年)と比べると生没年ともにほぼ1世代若いだけだ。30年など短いものだ。その間に文化の骨格、美意識などが目に見える形で変化したとも思えない。すると、ニールセンの音楽に特別な意識を持つのは、誤解の元かもしれないな。

肝心のブラームス交響曲2番は最初から管楽器がもたついて「悲劇的」。せっかくの首席指揮者インキネンを迎えてのブラームスだったが、少なくともこの曲についてはリハーサル不足ではなかったか。管弦音量均衡にも疑問出、全体としてチグハグな印象を拭えなかった。

♪2017-063/♪みなとみらいホール-16