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2024年3月29日金曜日

新国立劇場オペラ「トリスタンとイゾルデ」

2024-03-29 @新国立劇場



指揮:大野和士
演出:デイヴィッド・マクヴィカー
美術/衣裳:ロバート・ジョーンズ
照明:ポール・コンスタブル
振付:アンドリュー・ジョージ

管弦楽:東京都交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団

トリスタン:ゾルターン・ニャリ
(←トルステン・ケールの代役)
マルケ王:ヴィルヘルム・シュヴィングハマー
イゾルデ:リエネ・キンチャ
(←エヴァ=マリア・ヴェストブルックの代役)
クルヴェナール:エギルス・シリンス
メロート:秋谷直之
ブランゲーネ:藤村実穂子
牧童:青地英幸
舵取り:駒田敏章
若い船乗りの声:村上公太
ほか

ワーグナー:歌劇「トリスタンとイゾルデ」
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

予定上演時間:約5時間25分
第Ⅰ幕
 85分
 --休憩45分--
第Ⅱ幕
 40分
 --休憩45分--
第Ⅲ幕
 80分






思いつくままに記せば、大野ちゃん、あまり大きくないので僕の席からは目半分から上しか見えなかった。

その都響の演奏。これがびっくりするほど良かった。
ピットゆえの穏やかな響が奏功して、上野やサントリーで聴くようなキンキラの音ではなく、同じコンビの「マイスター〜」も良かったが、あの時以上に音が練れていた。
最初が良かったので、もうオケに関してはその後も大船に乗って聴いた。

歌唱陣もトリスタン以外は全員新国で経験済み。可もなく不可もなく。抜きんでた人はいなかったが、クルヴェナールを歌ったEシリンスって、この役で得をしたなと思った。好感。

御大、藤村美穂子。イゾルデのリエネ・キンチャに比べると質量1/2くらいなのに、出すべきところは出して存在感あり。しかし、プロンプターを気にし過ぎで、演技に不満。

今回、生舞台は初めてだったが、Discで何度も観ているので馴染んでいるつもりだったが、2幕終盤の<マルケの嘆き>に、しみじみとした。物語の深さがここによく現れている。

ラストの「愛の死」。「愛」が死ぬ訳ではなく、「愛によって死ぬ」の意味だが、この演出ではイゾルデが愛の力で死ぬことがはっきりしないなあと思って見ていたところ、明らかに気分ぶち壊しのフライング拍手。
残念無念。

♪2024-045/♪新国立劇場-06

2019年1月30日水曜日

新国立劇場オペラ「タンホイザー」

2019-01-30 @新国立劇場


指揮:アッシャー・フィッシュ
演出:ハンス=ペーター・レーマン
美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
照明:立田雄士
振付:メメット・バルカン

合唱⇒新国立劇場合唱団
バレエ⇒新国立劇場バレエ団
管弦楽⇒東京交響楽団

領主ヘルマン⇒妻屋秀和
タンホイザー⇒トルステン・ケール
ヴォルフラム⇒ローマン・トレーケル
ヴァルター⇒鈴木准
ビーテロルフ⇒萩原潤
ハインリヒ⇒与儀巧
ラインマル⇒大塚博章
エリーザベト⇒リエネ・キンチャ
ヴェーヌス⇒アレクサンドラ・ペーターザマー
牧童⇒吉原圭子

R.ワーグナー:オペラ「タンホイザー」
全3幕〈ドイツ語上演/字幕付〉

予定上演時間:約4時間5分
第Ⅰ幕70分
 --休憩25分--
第Ⅱ幕65分
 --休憩25分--
第Ⅲ幕60分

2007年初演から6年ごとに再演して3回目。今回は少し演出が変わっているらしいが、昔のを観ていないので分からぬ。

一昨年秋のペトレンコ指揮バイエルン国立歌劇場の引越し公演(NHKホール)に比べると意味不明場面が無く、筋の理解としては分かり易かった。

とはいえ「タンホイザー」のテーマというべき「愛の本質」の物語に対する解釈提示に関しては微妙だ。

ワーグナーは愛の本質をアガペvsエロスという2項対立が性愛によって一元昇華されると考えたのではないか(指環など)と思うが、タンホイザーでは単純にキリスト教的慈愛こそ愛の本質でありこれによって魂が救済されるという立場だが、そんなに単純でいいのだろうか、と疑問は止まない。

ワーグナーは本作の奥底に何かを仕掛けているのではないか?

お陰で、その後も家でMET盤を2回も観てしまったがなおも腑に落ちない。

さて、舞台美術はよく考えられて美しく機能的。
トルステン・ケール他声楽陣は健闘。
特に合唱が素晴らしい。

序曲〜夕星(ゆうずつ)の歌まで<口ずさめる>名曲の宝庫。

♪2019-008/♪新国立劇場-01