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2020年9月9日水曜日

みなとみらいクラシック・マチネ~名手と楽しむヨコハマの午後〜 藤田真央 ピアノ・リサイタル

 2020-09-09 @みなとみらいホール


藤田真央:ピアノ

[第1部]
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第7番ハ長調 K.309
チャイコフスキー:ロマンス ヘ短調 Op.5
チャイコフスキー:ドゥムカ ハ短調 ―ロシアの農村風景― Op.59
アルカン:「短調による12の練習曲 作品39」から第12番 “イソップの饗宴”
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パデレフスキー:楽興の時16-6
アザラシヴィリ:無言歌

[第2部]
ショパン:幻想曲ヘ短調 Op.49
ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調「幻想ポロネーズ」Op.61
シューベルト:「さすらい人幻想曲」D760, Op.15 ハ長調
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クライスラー:愛の悲しみ
アザラシヴィリ:ノスタルジア


藤田くん、人気者で早々完売になっていた。協奏曲は聴いたことがあるが、独奏リサイタルは初めて。会員先行の利点を生かしてかぶりつきで聴いた。

2部制で片方だけ買うこともできるが通しだと少し安い。
今日のプログラムに限れば断然<通し>で聴くのが良かった。

そういう風に構成されている。

1部モツ・チャイコ・アルカン。2部ショパン・シューベルトの順で全7曲。

厳密には年代順ではないが凡そそんな感じ。

でも、構成のキモは年代順ではなく、音楽の端正な軽やかさから作曲家の情熱の迸るまでのありさまを見せ、聴かせた…と受け取った。

間近でだったのでタッチの明瞭さが良く聴き取れた。

弱音で転がる部分も一音の撥音が崩れない。

ダイナミックレンジも広く、ピアノ音楽の面白さをしっかり味わうことができた。やはり人気だけではないな。

誠に軽やかなモーツァルト・ソナタから段々と情緒性濃厚になって、<幻想・尽くし> の2部に入る。

ショパンの幻想曲Fd、ポロネーズ7番幻想と来て、最後はシューベルトのさすらい人幻想曲だ。

これこれ!これを聴きたかった。シューベルトのPf世界に招き入れてくれたこの曲が大好物なのだ。

どこをとっても彼の正直な人間性が表れているように思うが、特に好きな2楽章Adajioにはシューベルトの熱い思いが溢れている。その41小節目からは64部音符の行列が降り注ぐ涙の如く続き、次の小節から暫くは1小節が2段に及び黒丸で埋め尽くされる。


最終楽章も、これでもか!これでもか!と恥ずかし気もなく青春している。そこがたまらない。

藤田くんもこの曲が好きなのだ。弾き終えると玉の汗で、袖で拭ったはずなのにカーテンコールで出てきた時もまだ汗を拭いていた。

いやはやとても良い感じで、僕のイメージどおりの「さすらい人」に仕上がっていてもうたまらなく嬉しかったよ。


♪2020-047/♪みなとみらいホール-11

2020年2月11日火曜日

読売日本交響楽団第117回みなとみらいホリデー名曲シリーズ

2020-02-11 @みなとみらいホール


山田和樹:指揮
読売日本交響楽団
イーヴォ・ポゴレリッチ:ピアノ*

グリーグ:二つの悲しき旋律
シューマン:ピアノ協奏曲*
ドボルザーク:交響曲第7番
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アザラシヴィリ:無言歌(弦楽合奏版)

1曲目のグリーグとアンコールのアザラシヴィリは初聴き。
いずれも弦楽合奏。弦の編成は14型と16型。

今月に入って東響・都響・神フィル・東響でいずれも小編成の弦楽合奏が見事だったので、耳が繊細になりすぎていたか。
読響クラスでも奏者が増えると音が濁る…というより重い感じだ。

ピアノ独奏のポゴレリッチは多分2回目のはずだが記憶にも記録にも漏れているらしい。

シューマンを弾いた。

もう、冒頭の和音連打のテンポから違和感を感じた。
聴きなれていないだけだから集中してこの世界に入ろう、などという殊勝な思いは長く続かず途中から幽界離脱状態。

14型でも重く感じた弦はドボ7で16型になって更に重い。
金管の炸裂も心なしか輝きに欠ける。
いつもの読響とは違う。どうも入り込めない。
するとドボルザークの才能にさえ疑いが生じてくる。

山田和樹も読響も今日はポゴレリッチ症候群を抱えていたのではないか。

♪2020-019/♪みなとみらいホール-05