ラベル オルフ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル オルフ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2024年3月15日金曜日

東京フィル第999回サントリー定期シリーズ

2024-03-15 @サントリーホール



アンドレア・バッティストーニ:指揮
東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団*
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団*

ソプラノ:ヴィットリアーナ・デ・アミーチス*
カウンターテナー:彌勒忠史*
バリトン:ミケーレ・パッティ*

レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア第2組曲
オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」*
------アンコール----------------
オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」から「おお運命よ」





手短に言えば、これまでの多くのオケの「カルミナ・ブラーナ」の感動を粉砕して頂点に立ったよ。

精緻なのに、なんというドラマティックな演奏だ。
オケは美しい。
合唱も良かった。

独唱陣だけは2018年のオルガ・ペレチャッコら+N響@ NHK音楽祭の方が光っていたな。
とは言え、今回の独唱陣が悪かった訳ではない。十分楽しませてもらった。

実に素晴らしかった。
文句のつけようがない。

いつも文句をつけているサントリーの音響も、今日は、昼間のすみトリが不調だったこともあってか、ずっと明るくて見直し(聴き直し)たよ。

オケを聴く喜びに満たされた至福の2時間。

余談:先月の東フィルはチョンさんが難しい大曲を含む2曲を全部暗譜で振って素晴らしい出来だったが、今月のバッティも同じく2曲とも暗譜だ。彼はいつも暗譜(オペラ「アイーダ」も全曲暗譜だった!)?

大曲を演奏し終えて、CCが結構長かったが、まさかのアンコール。「おお運命よ」をやってくれるなんて、たい焼きのアンコがはみ出た幸せ。

先月の、本編の「春の祭典」から「大地の踊り」をアンコール演奏したのと同じパターンだ。
もう、そんなにサービスしてくれなくともいいのに。

♪2024-039/♪サントリーホール-07

2018年10月1日月曜日

NHK音楽祭2018:NHK交響楽団演奏会

2018-10-01 @NHKホール


パーヴォ・ヤルヴィ:指揮
NHK交響楽団
新国立劇場合唱団*
NHK東京児童合唱団*

オルガ・ペレチャッコ・マリオッティ:ソプラノ*
マックス・エマヌエル・ツェンチッチ:カウンターテナー*
ベンジャミン・アップル:バリトン*

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
オルフ:踊る牧神[日本初演]
オルフ:カルミナ・ブラーナ*

ドビュッシー(1862〜1918)の「牧神の午後への前奏曲」で始まり、オルフ(1895〜1982)の「踊る牧神」に引き継がれた。

第1曲と第2曲は「牧神」繋がりだ。オルフの「牧神」はなんと日本初演だった。フランスの近代作品とドイツの現代作品という文化の違いがあるけど、後者は前者の色彩を色濃く受け継いでいる感じだった。フルートの活躍、2台のピアノ、チェレスタなど、楽器編成もフランスぽい。

いよいよメインが、「オルフ」繋がりで、オルフの代表作にして大作「カルミナ・ブラーナ」(1936年完成)だ。

慎重に、そして気合を入れた前2段の準備の後に、この日のメインと言うより、個人的には今年、最も楽しみにしていた作品が厳かに?登場する。

バイエルンの修道院に残されていた中世の詩集から選択・編集したテキストを基に世俗カンタータの形で作曲された。

冒頭に配された「運命の女神フォルトゥナ」が中心的な主題になっているようだ。大合唱、小合唱、児童合唱、独唱などがいろいろ組み合わされて全部で25曲。最後は再び「運命の女神フォルトゥナ」が登場して壮大この上なく盛り上がって終曲する。

長大な中間の22曲は3部に分かれ、
第1部は「はじめての春」春の訪れの喜びだけではなく、男女の<春>も喜びも描かれる。
第2部は「酒場にて」。男と酒の世界だ。
第3部は「愛の宮廷」。かなり際どい男女の世界が歌われ、
それらがすべて冒頭の「運命の女神フォルトゥナ」に収斂してゆく。

聖の世界から生の世界、そして性の世界と、正に聖俗の混交だ。
宝箱のようなおもちゃ箱をひっくり返したように次から次と刺激的で官能的で、土俗的で、時に天上の音楽が繰り出され、聴いている側も息をつく間もないめくるめく感興に振り回される。


圧倒、圧巻、感動、最高〜なんて賛辞を軽々に使いたくないが、今日のこの演奏に使わずしてどこで使う?
パーヴォ・ヤルヴィの緩急自在な棒にオケも合唱もピタリと合わせて見事。聴きながら幸福に浸りオルフがこの作品を残してくれた事に感謝せずにおれなかった。

余談だが、ソプラノのオルガ・ペレチャッコは、昨年3月に新国立劇場で「ルチア」のタイトルロールを歌ったのを観に行った。今回は狂乱のルチアとは様変わりの役柄だったが、悩ましく蠱惑的な喉を聴かせてくれた。

♪2018-122/♪NHKホール-09

2016年10月23日日曜日

横浜交響楽団第674回定期演奏会

2016-10-23 @県立音楽堂


飛永悠佑輝:指揮
高品綾野:ソプラノ
宮里直樹:カウンターテナー
山本悠尋:バリトン
横響合唱団
横浜交響楽団

バルトーク:組曲「ハンガリーの風景」 BB 103/Sz.97
オルフ:カンタータ「カルミナ・ブラーナ」〜演奏会形式〜


もう随分前から、この日を楽しみにしていた。
「カルミナ・ブラーナ」を聴きたかったから。

去年の7月に神奈川フィルの演奏を聴いた。これがナマでは初めてだった。素晴らしい演奏で、時として「不甲斐なきN響」を上回るのではないかと思わせる熱演だった。

今回の横響にそれほどのものは期待できないけど、やはり音楽そのものが素晴らしいから、是非とも聴きたかった。

しかし、体調が絶不調だった。

前座のバルトーク「ハンガリーの風景」は初聴きだったが、バルトークとも思えない(実際は、こういう作品が原点なのかもしれないのだけど詳しいことは知らない。)なかなか親しみやすい音楽だ。
5音音階で作曲されたものが幾つか混じっているらしいが、そういえば東洋からアジアに通ずる懐かしさを感じさせる。全5曲続けて演奏され演奏時間はとても短く10分強だった。

ここで休憩となったが、もはや我が体調は1時間もの大曲を聴くに耐える状態ではなく、ここで残念ながらギブアップしてしまった。

次に「カルミナ・ブラーナ」をナマで聴く機会はやはり1年以上待たなくてはいけないだろうな。

♪2016-146/♪県立音楽堂-10

2016年7月16日土曜日

神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会 県民ホールシリーズ 第8回

2016-07-16 @県民ホール

現田茂夫:指揮
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
横浜少年少女合唱団*
神奈川フィル合唱団**

三宅理恵:ソプラノ♡
中井亮一:テノール♭
吉江忠男:バリトン#

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」から
・序曲
・酒が回ったら今度は踊りだ#
・ぶってよ、マゼット
・私の幸せは彼女にかかって
・お互い手を取り合おう#

オルフ:カルミナ・ブラーナ#**

神奈川フィルfacebookから
待望の「カルミナ・ブラーナ」。
編成が大きいのでなかなか取り上げられない。
ようやくにして初めてナマ演奏を聴くことができた。

3人の独唱に児童合唱と成人の混声四部合唱に三管編成(とはいいながら打楽器・鍵盤楽器は数も種類も多く、ティンパニ<5>、グロッケンシュピール、シロフォン、カスタネット、クレセル、クロタル、トライアングル、アンティーク・シンバル3、シンバル4、タムタム、鐘3、チューブラーベル、タンブリン、小太鼓、大太鼓にチェレスタ、グランドピアノ2を含む大掛かり)のオーケストラという編成だ。

映画音楽などでよく使われている冒頭の「運命の女神」が始まった途端、オルフの描く奇妙な世界にいっぺんに惹きこまれてしまう。
重厚で荘厳な響あり、自然賛歌あり、官能的な歌、清らかな世界を描く歌など聖俗混淆のごった煮が、次から次へと繰り出され、原始脳を刺激する狂乱の60分。

声楽、合唱も素晴らしかったが、神奈川フィルにとっては恩師ともいうべき現田マエストロの期待に応えんとしたか、オケの出来栄えも素晴らしいものだった。

前日のN響には随分がっかりしていたが、今日の神奈川フィルは昨日のN響を凌ぐ力演・熱演・怪演だった。
たまにやってくれるんだよな。こういうホームラン級の演奏を。


♪2016-099/♪県民ホール-02